【R18】月読神社の賽銭箱に選ばれた色欲高校生〜たった五円で願いを叶えられる賽銭箱〜

もう書かないって言ったよね?

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第八章 小島の王vs偉大なる大国の聖女

第94話 国外追放された弟探し

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『封印完了だ』

 地面に土で出来た宝箱が現れた。もう二度と戦わない。
 広がった尻穴の中に入って、C4爆弾を設置して、馬の胴体を木っ端微塵に爆発した。
 姿を維持できなかったのか、ケンタウロスがチビタウロスに戻った。
 ボロ賽銭箱を瀕死のチビタウロスの身体をくっ付けて、封印が完了した。

「あとは神格を上げればいいんだな?」
『危険な土地神の力を上げてどうする? 死にたいのか?』

 土の宝箱を吸収した賽銭箱が、信じられない感じに聞き返してきた。
 やっぱりギリギリの戦いだった。この嫌なパターンは知っている。
 今までのパターンなら、この後に最大のピンチがやって来る。

 弱小土地神を倒しまくって、中級か上級の土地神を怒らせる。
 俺のヘイゼル町が襲われて、絶対に逃げられない状況で倒さないといけない。
 もうそのパターンにはさせない。安全第一で行動する。

「死ぬつもりはないよ。まさか、別の土地神を探せとか言わないよな? 今度も危険な土地神なんだろ?」
『その可能性が高いだろうな。力を付けてから出直した方がいい』
「当たり前だ。日本の下級賽銭箱を集めて、お前の力を上げるに決まっている」

 安全でまともな計画に変更になった。
 油で汚れた服を脱ぎ捨てて、瞬間移動のボタンを押した。
 女子寮の空室の個室でシャワーを浴びて、髪に付いた油を洗い流していく。
 出来れば全身を、女の子達のおっぱいスポンジで洗ってほしい。

「ふぅー、手始めに千葉の中級賽銭箱でも奪うか?」

 シャワーを浴びて、柔らかいタオルで身体を拭いていく。
 このままベッドで寝たいけど、休んでいる暇はない。
 神村島にいるはずの偽警官を探しに出掛けた。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん、肩車してぇー」
「千葉ちゃんなら、魚釣りしてたよぉー。大トロ握ってくれるよぉー」
「そうなんだ。探してみるね」

 蒼桜遥じゃないのに、幼女十歳以下は大歓迎してくれるから好きだ。
 女子寮の前で遊んでいた幼女達に聞いてみた。砂浜からマグロが釣れるとは思えない。
 幼女達以上に遊んでいるようだ。情報提供のお礼にお菓子袋を渡して、砂浜に向かった。

(随分と綺麗になったな)

 ゴミと流木だらけの砂浜だったのに、今は綺麗な砂浜になっている。
 砂浜で集めた小石と貝殻で作られた、小さな四角いプールもある。
 ここで子供達と中国娘が水着で遊んでいるのかもしれない。

「釣れますか?」
「ああ、神村さんですか。まあまあですね」

 砂浜でサボっている偽警官に聞いた。今日は日番なのか、赤いアロハシャツに黄色の半ズボンだ。
 パラソルの下に椅子を置いて、釣り竿を持っている。バケツの中には、赤い魚と青い魚が七匹泳いでいる。

「マグロは釣れてないみたいだな。寿司は買ってくるのか?」

 このバケツの大きさなら、最初から釣るつもりはない。
 俺なら築地で冷凍マグロの小さいのを買ってくる。

「あっははは。マグロを知らない子供に、マグロを食べさせる必要ありますか? これで十分ですよ」
「クズだな。船ぐらいあるだろ? それで今すぐに釣って来いよ」
「嫌ですよ。それよりも用事があって来たんでしょう? 土地神でも捕まえたんですか?」

 買いに行くつもりも、釣りに行くつもりもないようだ。まあ、俺もマグロはどうでもいい。
 察しがいい千葉が聞いてきたので、賽銭箱を奪いに来た事を教えてやる。

「土地神は捕まえたが、協力的な奴じゃなかった。だから、俺の賽銭箱の力を上げる事にした。マグロは俺が代わりに用意するから、お前の賽銭箱を寄越せ」
「ああ、なるほどなるほど。そういう事ですか。でも、私が死んだらシスターが来ますよ?」
「大丈夫だ。身代わりも用意する。俺の為に都合の良い報告をしてくれる、素晴らしい身代わりだ」

 殺して困るなら最初から来ない。ここに来た時点で殺していいのは決定している。
 そして、お前の超能力が強力な念力なのは知っている。もう食らわない。
 
「都合が悪い人間は排除するとは鬼ですね。では、私よりも格上の賽銭箱の情報を教えるので見逃してください。『スサノオ』という国外追放された神様なんですが、知っていますよね?」

 命乞いをするかと思ったけど、千葉も身代わりを用意してきた。
 スサノオと言えば、ヤマタノオロチを倒して、草薙の剣を手に入れた男神だ。

『ああ、私の弟だ。居場所を知っているのか?』
「なっ⁉︎」

 ……えっ、弟? 俺、聞いてないよ。
 賽銭箱が有名な神の親戚だとは知らなかった。
 その前に神爺の名前も知らない。

「正確には心当たりがあるだけです。色々な国にコネがあるから情報が入ってくるんですよ」
『居場所が分かっても、スサノオは上級神だ。倒せない相手の居場所を教えられても意味はない』
「弟ならば、兄に協力してくれるんじゃないですか?」
「俺も会った方が良いと思う。たまには兄弟で飯でも食べろよ」

 神爺は弟を倒すつもりらしいけど、もっと穏便な方法がある。家族とイチモツの危機だ。
 千葉の言う通り、理由を話せば協力してくれるに決まっている。

『確かに都合は良い。スサノオは厄祓いの能力を持っている。お前の封印を解けるかもしれない』
「よし、行こう! 千葉さん、居場所を教えてください!」

 チンチンを治療できるなら行くしかない。
 千葉に満面の笑みを向けて、スサノオの居場所を聞いた。

「神村さんは本当に最低ですね。まあ、知っているのでいいです。『領域』と呼ばれる凄腕の傭兵がいるんですよ。何でも百発百中のスナイパーで、射程圏内に入った瞬間に死亡するそうです」
「それがスサノオなんだな?」

 流石は銃社会だ。俺みたいに刀で戦う方が珍しいみたいだ。

「まさか。賽銭箱持っているなら、このぐらいは出来ますよ。この領域が日本人だと噂で聞いただけです」
「……適当な事言って、逃げるつもりじゃないだろうな?」

 ヘラヘラと喋っているけど、作り話の匂いがしてきた。ここまで期待させておいて、冗談では済まされない。
 偽情報だったら、容赦なく賽銭箱を強奪する。むしろ、今すぐに賽銭箱を人質に渡してもらう。

「信用させてないですね。アフリカで弟さんの気配は感じましたか?」
「アフリカにスサノオがいるのか?」

 まさか感動の再会を計画していたとは思わなかった。

「傭兵ですから、紛争地域にいると思ったんですよ。北アフリカかもしれないですね」
「かもかよ。結局土地神探しのついでにやるしかないのか」

 希望が見えたと思ったのに、振り出しに戻された気分だ。
 C4爆弾を大量に作るか、ミサイルが撃てる戦闘機を作りたい。

「神爺、弟の近くに行けば分かるのか?」
『近くとは言えないが、三キロ範囲なら分かるはずだ』
「三キロか……分かった。ヘリコプターでアフリカ観光するしかないな」

 三キロは広すぎる。車で地道に探すつもりはない。
 戦闘機を作るついでに、ヘリコプターも作ろう。
 藤原さんとの空中デートや、幼女達との空中散歩に使えそうだ。
 飛べない神村はただの神村だ。
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