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第八章 小島の王vs偉大なる大国の聖女
第86話 開拓作業と部外者立ち入り禁止
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神村四天王と寝ながら考えた、神村王国の計画書を持って、神村島にやって来た。
蒼桜島よりは、やっぱり神村島の方が俺の所有物っぽい。
まあ、それはどうでもいい。
「神村さん、お久しぶりです」
女子寮の前で椅子、テーブル、パラソルの三点セットで、お茶している侵入者を発見した。
男性向け化粧水販売の千葉信一だ。爽やかな笑顔で手を振っている。
侵入者対策も考える必要がありそうだ。
「何で、お前がいるんだ?」
千葉のすぐ近くまで行くと、立ち止まって聞いた。
放課後ティータイムなら、他所の島でやってもらいたい。
「無人島の開拓をすると聞いて、お力になろうと来たんですよ。開拓って、ワクワクするじゃないですか」
「間に合っている。殺される前に帰るんだな」
どこで聞いてきたのか知らないけど、手を振って追い払った。
前に一度見逃してもらったから、俺も一度だけ見逃してやる。
「そう言わずに協力させてくださいよ。中国マフィアのボスになったと聞いてますよ。神村さんの所為で中国との契約が取り消しになったんです。少しぐらい儲けさせてくださいよ」
無能経営者のくせに帰るつもりがないようだ。
「お前の仕事ぶりは雑だと聞いてやる。取り消しになったのは自業自得だ。役に立たない奴は要らない」
「じゃあ、一日だけお試し期間という事でお願いします。一人だと色々と大変ですよ」
「しつこい奴だな。黒龍、コイツの賽銭箱の力はどのぐらいなんだ?」
女だったら考えてもいいけど、俺以外の男をこの島に入れたくない。
俺の聖域を汚されたくない。黒龍に千葉の危険度を測定してもらった。
『中級程度の力はある。おかしな真似をすれば、すぐに殺せる』
……何だ、戦闘能力中級のゴミか。
もう超能力で拘束もされないだろうな。
「これは黒龍様、ありがとうございます。私の安全は確認されたようですね」
「お前の無能ぶりが確認されたんだ。中級程度なら何人もいる。お前は要らない」
「まあまあ、能ある鷹は爪を隠すと言いますよ。経営者としての経験が役に立つはずです」
「調子のいい事言って、永遠に隠したままなんだろう?」
千葉が無能だと評価されて喜んでいる。
危険はないけど、ポジティブ馬鹿なら薫がいるから、もう要らない。
賽銭箱だけ貰って、地面に埋めた方が早そうな気がしてきた。
「あっははは。一日のお試し期間だと言ったじゃないですか。それで評価してください」
「じゃあ、この計画書に足りないものを言ってみろ」
一日ならギリ我慢できる。テーブルに計画書を置いた。
プリンソーダやチョコレートソーダの自動販売機、オリジナルのインスタントラーメンも作る予定だ。
当然、娯楽も必要だから、ゲームセンターや遊園地、神村エロ祭りも開催する予定だ。
「あれ、アラビア語ですか?」
「日本語だよ」
「あっははは。冗談ですよ。えーっと、なるほどなるほど……」
「チッ」
年下のお馬鹿は許せるのに、何でだろう。年上のお馬鹿は許せる気持ちになれない。
俺の手書きの計画書をジロジロ見て、悪い所や足りない所を探している。
「これは駄目ですね。賽銭箱で食料を作るぐらいなら、外部注文した方が楽です」
「住む人間が少ないから良いんだよ」
いきなりダメ出ししてきた。
中級賽銭箱が三つあるから、まったく問題ない。
住民六十人ちょっとなら、手作りでも十分に需要を補える。
「でも、増える予定ですよね? 東アフリカに工場を建ててみませんか? 人件費は安くて、地元の人達も喜びますよ。自給自足、地産地消は古い考え方です。経済を回して、皆んなでwin-winしましょう」
笑顔で良い事を言っているのは分かるけど、素直に聞きたくない自分がいる。
工場と製造機械は賽銭箱で作り、材料を他国で安く購入して、瞬間移動で工場に運ぶそうだ。
設備投資、人件費、材料費、運送費、全てが格安で儲けしか出ないそうだ。
ついでに食料の一部は、現地の人達に無償で配布するそうだ。
給料を与えて、飢餓で死亡する人を減らす取り組みは、皆んな幸せなwin-winらしい。
「だったら、自分でやればいいんじゃないのか?」
うまい話には裏がある。当然、疑うに決まっている。
善意の寄付がまともな事に使われるとは限らない。
「一人だと限界があるんですよ。私の許容量はもう限界です。余裕がある人に仕事を紹介するしか出来ません。神村さんなら、一億人ぐらいは余裕だと思いますよ」
「それは俺が良い事をやりたい人間だという前提の話だろ? 俺は力を秘密にしたいんだ。目立ったら狙われる。お前もそう思っているから、俺にやらせたいんだろ?」
「まさか、そんなつもりは一切ありませんよ」
千葉が真顔で手を振って否定しているけど、この島を見つけた時点で疑っている。
絶対に何か別の事を企んでいるに決まっている。
「でも、困りましたねぇー。神村さんなら喜んで引き受けてくれると思ったんですが、これだと現地の子供達がお腹を空かせてしまいます。いやぁー、困った困った」
俺が一番困っている。
「話は終わりでいいな。さっさと帰れ。俺は開拓で忙しいんだよ」
「まあまあ、そう言わずに。ビジネスは一つではないんです」
「しつこい奴だな。黒龍、お客様がお帰りだ。島の外まで送ってやれ」
「あぁー、分かりました。今日はこの辺で失礼させてもらいます。新しい名刺だけ置いておきますね」
「要らん」
得意気に言っているけど、俺は俺でビジネスするから問題ない。
黒龍を使ってさっさと追い出した。
「まったく、警備ロボットと防犯カメラを設置しないといけないな」
追加の作業が増えてしまった。
とりあえず女子寮の中に自動販売機を設置した。
あとは商品を作って、中に入れるだけだ。
使用できるお金は神村コインで、神村エロ祭りや神村へのご奉仕で獲得できる。
「次は食品製造工場を作らないとな」
アイデアは悪くなかった。そこだけは採用させてもらう。
食材は中国から安値で輸入して、従業員はだめぇアルした中国娘を採用しよう。
全てが丸く収まる良い解決策だ。作業着はチャイナ服で決定だな。
蒼桜島よりは、やっぱり神村島の方が俺の所有物っぽい。
まあ、それはどうでもいい。
「神村さん、お久しぶりです」
女子寮の前で椅子、テーブル、パラソルの三点セットで、お茶している侵入者を発見した。
男性向け化粧水販売の千葉信一だ。爽やかな笑顔で手を振っている。
侵入者対策も考える必要がありそうだ。
「何で、お前がいるんだ?」
千葉のすぐ近くまで行くと、立ち止まって聞いた。
放課後ティータイムなら、他所の島でやってもらいたい。
「無人島の開拓をすると聞いて、お力になろうと来たんですよ。開拓って、ワクワクするじゃないですか」
「間に合っている。殺される前に帰るんだな」
どこで聞いてきたのか知らないけど、手を振って追い払った。
前に一度見逃してもらったから、俺も一度だけ見逃してやる。
「そう言わずに協力させてくださいよ。中国マフィアのボスになったと聞いてますよ。神村さんの所為で中国との契約が取り消しになったんです。少しぐらい儲けさせてくださいよ」
無能経営者のくせに帰るつもりがないようだ。
「お前の仕事ぶりは雑だと聞いてやる。取り消しになったのは自業自得だ。役に立たない奴は要らない」
「じゃあ、一日だけお試し期間という事でお願いします。一人だと色々と大変ですよ」
「しつこい奴だな。黒龍、コイツの賽銭箱の力はどのぐらいなんだ?」
女だったら考えてもいいけど、俺以外の男をこの島に入れたくない。
俺の聖域を汚されたくない。黒龍に千葉の危険度を測定してもらった。
『中級程度の力はある。おかしな真似をすれば、すぐに殺せる』
……何だ、戦闘能力中級のゴミか。
もう超能力で拘束もされないだろうな。
「これは黒龍様、ありがとうございます。私の安全は確認されたようですね」
「お前の無能ぶりが確認されたんだ。中級程度なら何人もいる。お前は要らない」
「まあまあ、能ある鷹は爪を隠すと言いますよ。経営者としての経験が役に立つはずです」
「調子のいい事言って、永遠に隠したままなんだろう?」
千葉が無能だと評価されて喜んでいる。
危険はないけど、ポジティブ馬鹿なら薫がいるから、もう要らない。
賽銭箱だけ貰って、地面に埋めた方が早そうな気がしてきた。
「あっははは。一日のお試し期間だと言ったじゃないですか。それで評価してください」
「じゃあ、この計画書に足りないものを言ってみろ」
一日ならギリ我慢できる。テーブルに計画書を置いた。
プリンソーダやチョコレートソーダの自動販売機、オリジナルのインスタントラーメンも作る予定だ。
当然、娯楽も必要だから、ゲームセンターや遊園地、神村エロ祭りも開催する予定だ。
「あれ、アラビア語ですか?」
「日本語だよ」
「あっははは。冗談ですよ。えーっと、なるほどなるほど……」
「チッ」
年下のお馬鹿は許せるのに、何でだろう。年上のお馬鹿は許せる気持ちになれない。
俺の手書きの計画書をジロジロ見て、悪い所や足りない所を探している。
「これは駄目ですね。賽銭箱で食料を作るぐらいなら、外部注文した方が楽です」
「住む人間が少ないから良いんだよ」
いきなりダメ出ししてきた。
中級賽銭箱が三つあるから、まったく問題ない。
住民六十人ちょっとなら、手作りでも十分に需要を補える。
「でも、増える予定ですよね? 東アフリカに工場を建ててみませんか? 人件費は安くて、地元の人達も喜びますよ。自給自足、地産地消は古い考え方です。経済を回して、皆んなでwin-winしましょう」
笑顔で良い事を言っているのは分かるけど、素直に聞きたくない自分がいる。
工場と製造機械は賽銭箱で作り、材料を他国で安く購入して、瞬間移動で工場に運ぶそうだ。
設備投資、人件費、材料費、運送費、全てが格安で儲けしか出ないそうだ。
ついでに食料の一部は、現地の人達に無償で配布するそうだ。
給料を与えて、飢餓で死亡する人を減らす取り組みは、皆んな幸せなwin-winらしい。
「だったら、自分でやればいいんじゃないのか?」
うまい話には裏がある。当然、疑うに決まっている。
善意の寄付がまともな事に使われるとは限らない。
「一人だと限界があるんですよ。私の許容量はもう限界です。余裕がある人に仕事を紹介するしか出来ません。神村さんなら、一億人ぐらいは余裕だと思いますよ」
「それは俺が良い事をやりたい人間だという前提の話だろ? 俺は力を秘密にしたいんだ。目立ったら狙われる。お前もそう思っているから、俺にやらせたいんだろ?」
「まさか、そんなつもりは一切ありませんよ」
千葉が真顔で手を振って否定しているけど、この島を見つけた時点で疑っている。
絶対に何か別の事を企んでいるに決まっている。
「でも、困りましたねぇー。神村さんなら喜んで引き受けてくれると思ったんですが、これだと現地の子供達がお腹を空かせてしまいます。いやぁー、困った困った」
俺が一番困っている。
「話は終わりでいいな。さっさと帰れ。俺は開拓で忙しいんだよ」
「まあまあ、そう言わずに。ビジネスは一つではないんです」
「しつこい奴だな。黒龍、お客様がお帰りだ。島の外まで送ってやれ」
「あぁー、分かりました。今日はこの辺で失礼させてもらいます。新しい名刺だけ置いておきますね」
「要らん」
得意気に言っているけど、俺は俺でビジネスするから問題ない。
黒龍を使ってさっさと追い出した。
「まったく、警備ロボットと防犯カメラを設置しないといけないな」
追加の作業が増えてしまった。
とりあえず女子寮の中に自動販売機を設置した。
あとは商品を作って、中に入れるだけだ。
使用できるお金は神村コインで、神村エロ祭りや神村へのご奉仕で獲得できる。
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アイデアは悪くなかった。そこだけは採用させてもらう。
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