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第六章 記憶喪失の少年vs中華人民共和国
第68話 新しい情報と一番助けたい人
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「はっ、あっ、んっ!」
「んんっ……?」
怪我が治るまで、キャンピングカーで休む事になった。
服を脱いでベッドに横になると、蒼桜さんに睡眠薬を飲まされた。
寝ている間に血と傷だらけの身体を、濡れタオルと糸を使って綺麗にしてくれるそうだ。
「ああんっ! ああんっ! 奥が、奥が気持ち良いぃ~!」
(そう言われたんだけど……)
目を覚ますと裸の蒼桜さんが僕の腰に跨がって、痙攣する腰を激しく振っていた。
気持ちの良い朝だ、と目覚めた時に言うらしいけど、これがそうだろうか?
確かに柔らかいお尻や太ももの感触が気持ち良い。
「蒼桜さん?」
一応起きたよ、みたいな感じで呼んでみた。
「あん、あっ、んっ、あん! 使わせてもらっているから、あと少し寝てて、んんっ!」
「うん、ご自由にどうぞ」
でも、発作の所為で止まらないみたいだ。静かに目を閉じると身体の反応に任せた。
すぐに蒼桜さんの身体が覆い被さってきた。柔らかい胸と柔らかい唇が、僕の胸と唇に押し付けられる。
温かくて気持ち良い肉の毛布に、全身の毛穴の奥まで温められている。
「はぁ、はぁ……!」
我慢できずにお尻を両手で掴むと、蒼桜さんの奥をイチモツで突いていく。
唇から滑り落ちた蒼桜さんが耳元で、淫らな声で悶えまくる。
「あん、んんっ、あっ、イク、イっくぅん!」
「ごめん、出すね!」
我慢できずにお尻をギュッと掴むと中に発射した。
溜まっていたものが綺麗に出されていく。代わりに蒼桜さんの中がドロドロに汚れていく。
お父さんを殺した相手にこんな事をされているなら、僕なら耐え切れない。
自分が聞こうとしている事が、とんでもなく蒼桜さんを傷付ける事になる。
絶対に聞いてはいけない事だ。
「はぁ、はぁ……あ、ありがとう、もういいわ」
蒼桜さんが悲しそうな顔でお礼を言うと、身体から離れて、シャワー室に入っていった。
罪悪感で胸が締め付けられる。僕は最低の人間だ。
「ふぅー、はぁー」
蒼桜さんがシャワーを浴びた後に、僕もシャワーを浴びた。
これで血の臭いも完全に洗い落とせればいいけど、数回入っただけでは無理そうだ。
鼻の奥にまだ臭いが残っている。
「遥、早く来て」
「あっ、うん」
シャワー室から出ると、ベッドに座る蒼桜さんに呼ばれた。
紺色の半袖シャツに、黄緑と白の横縞パンティだけを履いている。
裸を見ているから気にならないけど、もう少し隠した方がいい。
「これを見て。隠しカメラを仕掛けて置いたの」
蒼桜さんの手には四角い手鏡が二つある。鏡の中には社長室と秘書室が映っている。
鏡の中から、スキンヘッドの男達の声が聞こえてきた。
『叔父貴は身を隠すそうだ。貴州省の朱雀の姉さんに連絡しておけ』
『まさか白虎の姉さんが組織を裏切るなんて……』
『馬鹿か。白虎の姉さんが組織を裏切るわけがない。これはトップ争いだ。四人の誰につくかで今後の人生が変わるからな』
『マジかよ。叔父貴について大丈夫なのかよ?』
男達が殺し屋二人の死体を片付けたり、部屋の写真を撮っている。
警察の鑑識みたいな事もするみたいだ。
「張敏は来ないみたいだね」
残念だけど、目的の叔父貴は現れないみたいだ。
別の場所を探さないといけないけど、隠れているなら、それも難しいと思う。
「これは録画映像よ。重要なのは朱雀の姉さん、凜風の居場所が分かった事。賽銭箱で居場所を少しずつ絞れるみたいだから、あとは二人で手分けして探せば見つけられるそうよ」
「そうなんだ。という事は張敏もそれで探せるんじゃないの?」
そんな便利な方法があるなら、隠さずに早く教えて欲しかった。
苦情を言いたいけど、蒼桜さんも知らなかったみたいだ。
「そうかもね。さっき教えられたから、実際に試してみないと分からないわ。早くやりましょう」
どうやら、この方法は賽銭箱さんが教えてくれたみたいだ。
願いを言うと世界地図の上にやって来た。何だか前に来た事がある気がする。
もしかして前にも同じ事をやったのだろうか?
♢
貴州省の問題を何問も答えて、ある程度の潜伏場所が絞れた。
中国の貴州省にだけ異常に詳しくなってしまった。
「綺麗な場所だね。観光するには持ってこいの場所だ」
山の中の京都という感じだ。瓦屋根の古びた木造建築の建物が並んでいる。
三階建ての建物は、江戸時代の商店や宿屋を思わせる。
町は若々しい緑色の樹木に囲まれて、緑色の川が流れている。
空気の美味しい田舎とは、きっとこんな感じなんだと思う。
「私達は顔がバレているから、透明状態で動くしかない。見つけたら発信機付きの銃弾を撃ち込むか、手足に枷を付けて。透明対策はされていると思うから、眼鏡をつけた奴には気をつけてよ」
「大丈夫だよ。蒼桜さんも気をつけて」
「私の方は大丈夫よ。遥一人で戦っても勝てないんだから、遥は絶対に戦わないように」
「うん、分かってる」
透明人間同士なら見えるみたいだ。裸の蒼桜さんが別行動をする前に注意された。
この状態なら東京のスクランブル交差点の真ん中でも、エッチな事が出来る。
「さてと、この美人を殺さないといけないのか」
蒼桜さんが行ってしまった。賽銭箱から写真を一枚取り出した。
蒼桜さんの記憶から作られた写真には、黒い刺繍のドレスを着た女性が写っている。
鳥の羽を思わせる黒髪で、影のある顔は二十二~二十五歳ぐらいに見える。
不幸さと弱さと妖艶さを持った松○菜々子、そんな印象だ。
この女性が組織の幹部なら、男の部下は頑張って守りたいと思う。
僕もこんな美人を殺したくない。
「何とか穏便に解決できないのかな?」
賽銭箱に写真をしまうと、次は透明透視眼鏡を出した。
透明な眼鏡で、透視も出来る眼鏡だ。透明服も作ってみたけど、着ても裸だから意味がない。
足を怪我しないように透明靴だけを履く事にした。
「賽銭箱さん、僕の名前は千葉信一なんですか?」
蒼桜さんがいないから思い切って聞いてみた。
『それは分からない。お前に会ったのは囚われていた時だ。それ以前のお前の事は私には分からない』
だけど、返ってきた答えは、期待していたものとは違っていた。
やっぱり蒼桜さんに聞くしかないけど、傷つける可能性しかない事を聞く勇気はない。
諦めて別の事を聞いてみた。
「そうなんだ。じゃあ、これって正しいんですか? 殺して奪うんじゃなくて、仲良く協力できないんですか?」
『それは無理だ。相手の賽銭箱の力を手に入れる方法は殺して奪うしかない。もう一つ方法もあるが、それは不可能な方法だ』
「そんな方法があるなら、試してみませんか? 頑張れば出来るかもしれないです」
人を殺さないで済む方法があるなら、絶対にそっちの方が良いに決まっている。
同じ頑張るでも、最小限の犠牲で僕は頑張りたい。
『人間には不可能だ。賽銭箱を破壊すれば、その力を奪う事は出来る。だが、賽銭箱を破壊するには、神器と呼ばれる神の武器を使うしかない。この世にはなく、神々のみが使えるものだ』
「僕や蒼桜さんは使えないんですか?」
博物館に展示されている聖剣、聖槍は違うと思う。
でも、願いで神器を作れれば可能性はある。
『無理だ。まずは肉体が神ではない。それに神器は手に持つだけで傷が癒える程の力を持っている。それを呼び出すだけでも、相当なエネルギーが必要だ。他の賽銭箱の持ち主を殺して、その力を奪って使うのならば、殺す相手を選んでいるだけだ。結局は誰かが死ぬ』
「犠牲者は出さないと駄目なのか」
賽銭箱さんの説明通りなら、誰かを助ける為に誰かを殺さないといけない。
僕の勝手な気持ちで命を天秤にかけるなんて、傲慢以外の何者でもない。
特別な賽銭箱を持っているから、気づかずに調子に乗ってしまっている。
『神にでも不可能な事はある。賽銭箱の気配がした。左前の方向だ』
「そんな事も分かるんですか?」
落ち込んで反省していると、賽銭箱さんが慰めて教えてくれた。
『近くで使われた瞬間なら分かる。ここからは無駄口は閉じておけ。お前が助けたい女は、ただの敵だ』
「分かりました。行きます!」
賽銭箱さんにハッキリ応えた。もう迷わない。誰を一番助けたいか決めよう。
答えはもう決まっている。僕が一番助けたい人は蒼桜さんだ。
賽銭箱さんが教えてくれた方向に走った。
「んんっ……?」
怪我が治るまで、キャンピングカーで休む事になった。
服を脱いでベッドに横になると、蒼桜さんに睡眠薬を飲まされた。
寝ている間に血と傷だらけの身体を、濡れタオルと糸を使って綺麗にしてくれるそうだ。
「ああんっ! ああんっ! 奥が、奥が気持ち良いぃ~!」
(そう言われたんだけど……)
目を覚ますと裸の蒼桜さんが僕の腰に跨がって、痙攣する腰を激しく振っていた。
気持ちの良い朝だ、と目覚めた時に言うらしいけど、これがそうだろうか?
確かに柔らかいお尻や太ももの感触が気持ち良い。
「蒼桜さん?」
一応起きたよ、みたいな感じで呼んでみた。
「あん、あっ、んっ、あん! 使わせてもらっているから、あと少し寝てて、んんっ!」
「うん、ご自由にどうぞ」
でも、発作の所為で止まらないみたいだ。静かに目を閉じると身体の反応に任せた。
すぐに蒼桜さんの身体が覆い被さってきた。柔らかい胸と柔らかい唇が、僕の胸と唇に押し付けられる。
温かくて気持ち良い肉の毛布に、全身の毛穴の奥まで温められている。
「はぁ、はぁ……!」
我慢できずにお尻を両手で掴むと、蒼桜さんの奥をイチモツで突いていく。
唇から滑り落ちた蒼桜さんが耳元で、淫らな声で悶えまくる。
「あん、んんっ、あっ、イク、イっくぅん!」
「ごめん、出すね!」
我慢できずにお尻をギュッと掴むと中に発射した。
溜まっていたものが綺麗に出されていく。代わりに蒼桜さんの中がドロドロに汚れていく。
お父さんを殺した相手にこんな事をされているなら、僕なら耐え切れない。
自分が聞こうとしている事が、とんでもなく蒼桜さんを傷付ける事になる。
絶対に聞いてはいけない事だ。
「はぁ、はぁ……あ、ありがとう、もういいわ」
蒼桜さんが悲しそうな顔でお礼を言うと、身体から離れて、シャワー室に入っていった。
罪悪感で胸が締め付けられる。僕は最低の人間だ。
「ふぅー、はぁー」
蒼桜さんがシャワーを浴びた後に、僕もシャワーを浴びた。
これで血の臭いも完全に洗い落とせればいいけど、数回入っただけでは無理そうだ。
鼻の奥にまだ臭いが残っている。
「遥、早く来て」
「あっ、うん」
シャワー室から出ると、ベッドに座る蒼桜さんに呼ばれた。
紺色の半袖シャツに、黄緑と白の横縞パンティだけを履いている。
裸を見ているから気にならないけど、もう少し隠した方がいい。
「これを見て。隠しカメラを仕掛けて置いたの」
蒼桜さんの手には四角い手鏡が二つある。鏡の中には社長室と秘書室が映っている。
鏡の中から、スキンヘッドの男達の声が聞こえてきた。
『叔父貴は身を隠すそうだ。貴州省の朱雀の姉さんに連絡しておけ』
『まさか白虎の姉さんが組織を裏切るなんて……』
『馬鹿か。白虎の姉さんが組織を裏切るわけがない。これはトップ争いだ。四人の誰につくかで今後の人生が変わるからな』
『マジかよ。叔父貴について大丈夫なのかよ?』
男達が殺し屋二人の死体を片付けたり、部屋の写真を撮っている。
警察の鑑識みたいな事もするみたいだ。
「張敏は来ないみたいだね」
残念だけど、目的の叔父貴は現れないみたいだ。
別の場所を探さないといけないけど、隠れているなら、それも難しいと思う。
「これは録画映像よ。重要なのは朱雀の姉さん、凜風の居場所が分かった事。賽銭箱で居場所を少しずつ絞れるみたいだから、あとは二人で手分けして探せば見つけられるそうよ」
「そうなんだ。という事は張敏もそれで探せるんじゃないの?」
そんな便利な方法があるなら、隠さずに早く教えて欲しかった。
苦情を言いたいけど、蒼桜さんも知らなかったみたいだ。
「そうかもね。さっき教えられたから、実際に試してみないと分からないわ。早くやりましょう」
どうやら、この方法は賽銭箱さんが教えてくれたみたいだ。
願いを言うと世界地図の上にやって来た。何だか前に来た事がある気がする。
もしかして前にも同じ事をやったのだろうか?
♢
貴州省の問題を何問も答えて、ある程度の潜伏場所が絞れた。
中国の貴州省にだけ異常に詳しくなってしまった。
「綺麗な場所だね。観光するには持ってこいの場所だ」
山の中の京都という感じだ。瓦屋根の古びた木造建築の建物が並んでいる。
三階建ての建物は、江戸時代の商店や宿屋を思わせる。
町は若々しい緑色の樹木に囲まれて、緑色の川が流れている。
空気の美味しい田舎とは、きっとこんな感じなんだと思う。
「私達は顔がバレているから、透明状態で動くしかない。見つけたら発信機付きの銃弾を撃ち込むか、手足に枷を付けて。透明対策はされていると思うから、眼鏡をつけた奴には気をつけてよ」
「大丈夫だよ。蒼桜さんも気をつけて」
「私の方は大丈夫よ。遥一人で戦っても勝てないんだから、遥は絶対に戦わないように」
「うん、分かってる」
透明人間同士なら見えるみたいだ。裸の蒼桜さんが別行動をする前に注意された。
この状態なら東京のスクランブル交差点の真ん中でも、エッチな事が出来る。
「さてと、この美人を殺さないといけないのか」
蒼桜さんが行ってしまった。賽銭箱から写真を一枚取り出した。
蒼桜さんの記憶から作られた写真には、黒い刺繍のドレスを着た女性が写っている。
鳥の羽を思わせる黒髪で、影のある顔は二十二~二十五歳ぐらいに見える。
不幸さと弱さと妖艶さを持った松○菜々子、そんな印象だ。
この女性が組織の幹部なら、男の部下は頑張って守りたいと思う。
僕もこんな美人を殺したくない。
「何とか穏便に解決できないのかな?」
賽銭箱に写真をしまうと、次は透明透視眼鏡を出した。
透明な眼鏡で、透視も出来る眼鏡だ。透明服も作ってみたけど、着ても裸だから意味がない。
足を怪我しないように透明靴だけを履く事にした。
「賽銭箱さん、僕の名前は千葉信一なんですか?」
蒼桜さんがいないから思い切って聞いてみた。
『それは分からない。お前に会ったのは囚われていた時だ。それ以前のお前の事は私には分からない』
だけど、返ってきた答えは、期待していたものとは違っていた。
やっぱり蒼桜さんに聞くしかないけど、傷つける可能性しかない事を聞く勇気はない。
諦めて別の事を聞いてみた。
「そうなんだ。じゃあ、これって正しいんですか? 殺して奪うんじゃなくて、仲良く協力できないんですか?」
『それは無理だ。相手の賽銭箱の力を手に入れる方法は殺して奪うしかない。もう一つ方法もあるが、それは不可能な方法だ』
「そんな方法があるなら、試してみませんか? 頑張れば出来るかもしれないです」
人を殺さないで済む方法があるなら、絶対にそっちの方が良いに決まっている。
同じ頑張るでも、最小限の犠牲で僕は頑張りたい。
『人間には不可能だ。賽銭箱を破壊すれば、その力を奪う事は出来る。だが、賽銭箱を破壊するには、神器と呼ばれる神の武器を使うしかない。この世にはなく、神々のみが使えるものだ』
「僕や蒼桜さんは使えないんですか?」
博物館に展示されている聖剣、聖槍は違うと思う。
でも、願いで神器を作れれば可能性はある。
『無理だ。まずは肉体が神ではない。それに神器は手に持つだけで傷が癒える程の力を持っている。それを呼び出すだけでも、相当なエネルギーが必要だ。他の賽銭箱の持ち主を殺して、その力を奪って使うのならば、殺す相手を選んでいるだけだ。結局は誰かが死ぬ』
「犠牲者は出さないと駄目なのか」
賽銭箱さんの説明通りなら、誰かを助ける為に誰かを殺さないといけない。
僕の勝手な気持ちで命を天秤にかけるなんて、傲慢以外の何者でもない。
特別な賽銭箱を持っているから、気づかずに調子に乗ってしまっている。
『神にでも不可能な事はある。賽銭箱の気配がした。左前の方向だ』
「そんな事も分かるんですか?」
落ち込んで反省していると、賽銭箱さんが慰めて教えてくれた。
『近くで使われた瞬間なら分かる。ここからは無駄口は閉じておけ。お前が助けたい女は、ただの敵だ』
「分かりました。行きます!」
賽銭箱さんにハッキリ応えた。もう迷わない。誰を一番助けたいか決めよう。
答えはもう決まっている。僕が一番助けたい人は蒼桜さんだ。
賽銭箱さんが教えてくれた方向に走った。
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