【R18】月読神社の賽銭箱に選ばれた色欲高校生〜たった五円で願いを叶えられる賽銭箱〜

もう書かないって言ったよね?

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第六章 記憶喪失の少年vs中華人民共和国

第68話 新しい情報と一番助けたい人

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「はっ、あっ、んっ!」
「んんっ……?」

 怪我が治るまで、キャンピングカーで休む事になった。
 服を脱いでベッドに横になると、蒼桜さんに睡眠薬を飲まされた。
 寝ている間に血と傷だらけの身体を、濡れタオルと糸を使って綺麗にしてくれるそうだ。

「ああんっ! ああんっ! 奥が、奥が気持ち良いぃ~!」

(そう言われたんだけど……)

 目を覚ますと裸の蒼桜さんが僕の腰に跨がって、痙攣する腰を激しく振っていた。
 気持ちの良い朝だ、と目覚めた時に言うらしいけど、これがそうだろうか?
 確かに柔らかいお尻や太ももの感触が気持ち良い。

「蒼桜さん?」

 一応起きたよ、みたいな感じで呼んでみた。

「あん、あっ、んっ、あん! 使わせてもらっているから、あと少し寝てて、んんっ!」
「うん、ご自由にどうぞ」

 でも、発作の所為で止まらないみたいだ。静かに目を閉じると身体の反応に任せた。
 すぐに蒼桜さんの身体が覆い被さってきた。柔らかい胸と柔らかい唇が、僕の胸と唇に押し付けられる。
 温かくて気持ち良い肉の毛布に、全身の毛穴の奥まで温められている。

「はぁ、はぁ……!」

 我慢できずにお尻を両手で掴むと、蒼桜さんの奥をイチモツで突いていく。
 唇から滑り落ちた蒼桜さんが耳元で、淫らな声で悶えまくる。

「あん、んんっ、あっ、イク、イっくぅん!」
「ごめん、出すね!」

 我慢できずにお尻をギュッと掴むと中に発射した。
 溜まっていたものが綺麗に出されていく。代わりに蒼桜さんの中がドロドロに汚れていく。
 お父さんを殺した相手にこんな事をされているなら、僕なら耐え切れない。
 自分が聞こうとしている事が、とんでもなく蒼桜さんを傷付ける事になる。
 絶対に聞いてはいけない事だ。

「はぁ、はぁ……あ、ありがとう、もういいわ」

 蒼桜さんが悲しそうな顔でお礼を言うと、身体から離れて、シャワー室に入っていった。
 罪悪感で胸が締め付けられる。僕は最低の人間だ。

「ふぅー、はぁー」

 蒼桜さんがシャワーを浴びた後に、僕もシャワーを浴びた。
 これで血の臭いも完全に洗い落とせればいいけど、数回入っただけでは無理そうだ。
 鼻の奥にまだ臭いが残っている。

「遥、早く来て」
「あっ、うん」

 シャワー室から出ると、ベッドに座る蒼桜さんに呼ばれた。
 紺色の半袖シャツに、黄緑と白の横縞パンティだけを履いている。
 裸を見ているから気にならないけど、もう少し隠した方がいい。

「これを見て。隠しカメラを仕掛けて置いたの」

 蒼桜さんの手には四角い手鏡が二つある。鏡の中には社長室と秘書室が映っている。
 鏡の中から、スキンヘッドの男達の声が聞こえてきた。
 
『叔父貴は身を隠すそうだ。貴州省きしゅうしょうの朱雀の姉さんに連絡しておけ』
『まさか白虎の姉さんが組織を裏切るなんて……』
『馬鹿か。白虎の姉さんが組織を裏切るわけがない。これはトップ争いだ。四人の誰につくかで今後の人生が変わるからな』
『マジかよ。叔父貴について大丈夫なのかよ?』

 男達が殺し屋二人の死体を片付けたり、部屋の写真を撮っている。
 警察の鑑識みたいな事もするみたいだ。

張敏ヂャンミンは来ないみたいだね」

 残念だけど、目的の叔父貴は現れないみたいだ。
 別の場所を探さないといけないけど、隠れているなら、それも難しいと思う。

「これは録画映像よ。重要なのは朱雀の姉さん、凜風リンファの居場所が分かった事。賽銭箱で居場所を少しずつ絞れるみたいだから、あとは二人で手分けして探せば見つけられるそうよ」
「そうなんだ。という事は張敏もそれで探せるんじゃないの?」
 
 そんな便利な方法があるなら、隠さずに早く教えて欲しかった。
 苦情を言いたいけど、蒼桜さんも知らなかったみたいだ。

「そうかもね。さっき教えられたから、実際に試してみないと分からないわ。早くやりましょう」

 どうやら、この方法は賽銭箱さんが教えてくれたみたいだ。
 願いを言うと世界地図の上にやって来た。何だか前に来た事がある気がする。
 もしかして前にも同じ事をやったのだろうか?

 ♢

 貴州省の問題を何問も答えて、ある程度の潜伏場所が絞れた。
 中国の貴州省にだけ異常に詳しくなってしまった。

「綺麗な場所だね。観光するには持ってこいの場所だ」

 山の中の京都という感じだ。瓦屋根の古びた木造建築の建物が並んでいる。
 三階建ての建物は、江戸時代の商店や宿屋を思わせる。
 町は若々しい緑色の樹木に囲まれて、緑色の川が流れている。
 空気の美味しい田舎とは、きっとこんな感じなんだと思う。

「私達は顔がバレているから、透明状態で動くしかない。見つけたら発信機付きの銃弾を撃ち込むか、手足に枷を付けて。透明対策はされていると思うから、眼鏡をつけた奴には気をつけてよ」
「大丈夫だよ。蒼桜さんも気をつけて」
「私の方は大丈夫よ。遥一人で戦っても勝てないんだから、遥は絶対に戦わないように」
「うん、分かってる」

 透明人間同士なら見えるみたいだ。裸の蒼桜さんが別行動をする前に注意された。
 この状態なら東京のスクランブル交差点の真ん中でも、エッチな事が出来る。

「さてと、この美人を殺さないといけないのか」

 蒼桜さんが行ってしまった。賽銭箱から写真を一枚取り出した。
 蒼桜さんの記憶から作られた写真には、黒い刺繍のドレスを着た女性が写っている。
 鳥の羽を思わせる黒髪で、影のある顔は二十二~二十五歳ぐらいに見える。
 不幸さと弱さと妖艶さを持った松○菜々子、そんな印象だ。
 この女性が組織の幹部なら、男の部下は頑張って守りたいと思う。
 僕もこんな美人を殺したくない。

「何とか穏便に解決できないのかな?」

 賽銭箱に写真をしまうと、次は透明透視眼鏡を出した。
 透明な眼鏡で、透視も出来る眼鏡だ。透明服も作ってみたけど、着ても裸だから意味がない。
 足を怪我しないように透明靴だけを履く事にした。

「賽銭箱さん、僕の名前は千葉信一なんですか?」

 蒼桜さんがいないから思い切って聞いてみた。

『それは分からない。お前に会ったのは囚われていた時だ。それ以前のお前の事は私には分からない』

 だけど、返ってきた答えは、期待していたものとは違っていた。
 やっぱり蒼桜さんに聞くしかないけど、傷つける可能性しかない事を聞く勇気はない。
 諦めて別の事を聞いてみた。

「そうなんだ。じゃあ、これって正しいんですか? 殺して奪うんじゃなくて、仲良く協力できないんですか?」
『それは無理だ。相手の賽銭箱の力を手に入れる方法は殺して奪うしかない。もう一つ方法もあるが、それは不可能な方法だ』
「そんな方法があるなら、試してみませんか? 頑張れば出来るかもしれないです」

 人を殺さないで済む方法があるなら、絶対にそっちの方が良いに決まっている。
 同じ頑張るでも、最小限の犠牲で僕は頑張りたい。

『人間には不可能だ。賽銭箱を破壊すれば、その力を奪う事は出来る。だが、賽銭箱を破壊するには、神器と呼ばれる神の武器を使うしかない。この世にはなく、神々のみが使えるものだ』
「僕や蒼桜さんは使えないんですか?」

 博物館に展示されている聖剣、聖槍は違うと思う。
 でも、願いで神器を作れれば可能性はある。

『無理だ。まずは肉体が神ではない。それに神器は手に持つだけで傷が癒える程の力を持っている。それを呼び出すだけでも、相当なエネルギーが必要だ。他の賽銭箱の持ち主を殺して、その力を奪って使うのならば、殺す相手を選んでいるだけだ。結局は誰かが死ぬ』
「犠牲者は出さないと駄目なのか」

 賽銭箱さんの説明通りなら、誰かを助ける為に誰かを殺さないといけない。
 僕の勝手な気持ちで命を天秤にかけるなんて、傲慢以外の何者でもない。
 特別な賽銭箱を持っているから、気づかずに調子に乗ってしまっている。

『神にでも不可能な事はある。賽銭箱の気配がした。左前の方向だ』
「そんな事も分かるんですか?」

 落ち込んで反省していると、賽銭箱さんが慰めて教えてくれた。

『近くで使われた瞬間なら分かる。ここからは無駄口は閉じておけ。お前が助けたい女は、ただの敵だ』
「分かりました。行きます!」

 賽銭箱さんにハッキリ応えた。もう迷わない。誰を一番助けたいか決めよう。
 答えはもう決まっている。僕が一番助けたい人は蒼桜さんだ。
 賽銭箱さんが教えてくれた方向に走った。
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