【R18】月読神社の賽銭箱に選ばれた色欲高校生〜たった五円で願いを叶えられる賽銭箱〜

もう書かないって言ったよね?

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第一章 平凡高校生vs不良集団

第7話 肉食系男子

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「ふわぁーぁ、眠い」

 眠たい目を頑張って開けて、大欠伸しながら学校に登校する。
 昨日は頑張って、同じ願いを六回もクリアしてしまった。

 だけど、同じ願いでも内容が少しずつ変化するのが分かった。
 場所は街道でもゴブリンの数が増えて、身体が少しずつ大きくなる。
 七回目の時はゴブリンの頭の天辺が顎まで届いていた。
 しかも、武器が弓矢に変化した。木製バットでは矢は打ち返せない。

「あれは駄目だ。盾とか買わないと」

 欲しいのは警察官が使う長方形の盾だ。売っている店が近くにないからネット注文になる。
 だけど、賽銭箱があればその必要はない。頑張れば五円で手に入る。

『ピィーン♬』
「んっ?」

 スマホの着信音が鳴った。こんな朝から連絡するのは男友達ぐらいだ。
 そう思って、RINEに届いたメッセージを読んでみた。

『藤原美鈴みすずです。神村君、おはようございます。もう起きている? 学校に無事に着きました。今日も一日頑張ろうね。こういうお知らせとか迷惑じゃない? 嫌なら、ブロックお願いします』
「な、な、なっ⁉︎ 藤原さん⁉︎」

 藤原さんからモーニングコールが届く日が来るなんて、考えた事もなかった。
 社交辞令だと思っていたから、どう返事したらいいか分からない。
 絶対にブロックしないけど、下手な返事だと逆ブロックされる。

「ど、どうすればいいんだ!」

 長いと気持ち悪がられる。短いと素っ気ない感じで嫌われそうだ。
 ちょうどいい文字数を今すぐに検索して、すぐに返信しないと……

「返信が早すぎると駄目なんて聞いてないよぉー!」

 調べた結果、何をしたらいいのか余計に分からなくなった。とにかく頑張って返信するしかない。

『神村遥です。藤原さん、おはよう。僕ももうすぐ学校に着くよ。全然迷惑じゃないから、どんどんアタックしてください。全部受け止めるよ』
「よし、こんな感じでいいかな」

 二回チェックしたから大丈夫だ。メッセージを送信した。

「あぁー、何で僕とか入れたんだよ! 全然男らしくないじゃないか!」

 送った後に後悔した。俺だと偉そうだと思ったけど、僕だと弱そうだ。
 今は護衛中だ。男らしい方が良いに決まっている。
 こっちももうすぐ着くよ、ぐらいが良かった。

『ピィーン♬』
「あっ、藤原さんだ!」
『0ー0』
「ふ、藤原さん?」

 メッセージが返ってきたのは嬉しいけど、意味が分からない。
 顔文字に見えるけど、何がビックリ何だろう?

『ピィーン♬』
『1ー0(嬉)』
「えっ? あっ、これ点だよ! バレーボールしているんだ!」

 意味が分かって嬉しいけど、どう返せばいいのか分からない。
 だけど、早く返さないと負けてしまう。

『まだまだ勝負はこれからだよ。僕から3点取れるかな?』
「あぁー、また僕って使ったよ!」
『ピィーン♬』
『神村君、後ろ後ろ!』
「後ろ?」

 後ろを振り返ったけど、登校中の高校生がいるぐらいだ。
 もしかすると藤原さんがこの中に隠れている……

『ピィーン♬』
『2ー0(隙あり)』
「もぉー、藤原さん!」

 わけじゃないようだ。めちゃくちゃ可愛いけど、めちゃくちゃピンチだ。

『ピィーン♬』
『ごめん、神村君! 友達が変なメッセージ送っちゃった。今の全部忘れてください!』
「に、偽原さん⁉︎」

 忘れたくても忘れられない。最後の3点目を本物の藤原さんに決められてしまった。
 男心を二人の女子に弄ばれた。

 ♢

「何だ、今日も付いて来るのか。必要ないと言っただろう」

 放課後、藤原さんと一緒に校門まで行くと、待っていた太田先輩が不機嫌そうに言ってきた。
 先輩と藤原さんを二人っきりにさせる方が危険だ。お礼しろとか言って、無理矢理キスとかしそうだ。

「相手は二人組だから、こっちも二人組の方がいいですよ」
「お前程度が一人増えても何も変わらない。むしろ、人質になられると厄介だ。頼むから帰ってくれ」
「昨日、鍛えたから少し強くなりました。足手纏いにはなりません」
「一日で強くなれるか。邪魔だ、邪魔だ、帰れ帰れ!」

 俺を追い返したいみたいだけど、俺も引き下がるつもりはない。
 嫌な顔を向けられながらも、二人に付いて行く。藤原さんは駄目とは言ってない。

「人質になるなら、一人押さえているのと一緒ですよ。役に立つじゃないですか」
「俺は優しい男だから人質を取られると、何も出来なくなるんだ。お前の気持ちだけ貰っておく」

 かまめ○どんみたいな顔で、アンパ○マンみたいな事を言っているけど、嘘に決まっている。
 
「太田先輩、神村君、今日もありがとう。良かったら、お茶とお菓子があるんだけど、どうかな?」

 藤原さんとは全然話せなかったけど、最後まで先輩の小言に耐え抜いた。
 家に到着すると藤原さんにお礼を言われて、お茶に誘われてしまった。
 もちろん食べたいけど、先輩を聖域に入れたくない。

「良いのか? 実は甘い物は大好物なんだ」

 絶対に嘘だ。その顔にはフライドチキンしか似合わない。
 
「神村君にも食べて欲しいんだけど駄目かな? 手作りクッキーなんだけど……」

 困った顔で藤原さんがお願いしてきた。
 藤原さんの手作りクッキーなら、砂糖と毒薬を間違って入れていても食べるに決まっている。

「もちろん食べるよ。クッキー大好物だから!」
「良かったぁー。ママが二人に食べて欲しいって作り過ぎちゃったの。友達にも配ったんだけど、私とパパだけじゃ食べきれなくて困ってたんだ。いっぱいあるから、お土産に持っていってね」
「う、うん……嬉しいなぁー」

 藤原さんのクッキーで間違いないみたいだけど、藤原ママのクッキーだった。
 食欲は落ちたけど、藤原ママは茶髪のショートヘアで、○由美子似の上品な顔立ちをしている。
 年齢さえ気にしなければ美人だし、家族ぐるみの付き合いは大事だ。ここは頑張るしかない。
 家にお邪魔すると先輩とのクッキー大食い対決を始めた。
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