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第三十五話 両腕に二匹飼ってるのね
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お母さんが言うには花壇の竜薬草は誰かに食い荒らされていたそうだ。
だから、ピーちゃんには必要ないそうだ。
花壇の土には犯人、いや、犯鳥の特徴的な足跡が残っていた。
僕はピーちゃんのこと信じているから、早く元気になってね。
ううん、ゆっくり元気になってね。早く元気になったら駄目だよ。
犯人にされちゃうからね。
『お腹空いた。これ、食べていい?』
ピーちゃんが起きてそうそう、鍋の中を泳いでいる小さな魚達を見て言ってきた。
地獄の猛特訓でたくさん捕まえられるようになった。
コップ水槽から鍋水槽にレベルアップして、今では十二匹の大家族だ。
『駄目だよ。それは観賞用だから』
『そんなこと言っていいの? 僕にお願いしたの忘れたの?』
『くぅっ! た、食べていいよ』
断ったのに脅してきた。
もう一度断ったら何するか分からない。
ここは我慢するしかない。
ごめん、君達のことは忘れないからね。
『生は無理。焼いてきて』
『‼︎』
何だって⁉︎ 僕に焼き殺して来いだって⁉︎
ピーちゃん、自分が何を言っているのか分かっているの⁉︎
『わ、分かった。すぐに焼いてくるから待ってて……』
だけど、断るわけにはいかない。
大きな力を手に入れるには、同じぐらいの大きな代償が必要なんだ。
鍋を持って部屋から出ると台所に向かった。
コンロのつまみを回すと真っ赤な炎がボッと噴き出した。
『…………』
もしかしたらピーちゃん、小魚達に嫉妬したのかもしれない。
僕が焼き殺したんじゃない。嫉妬の炎が焼き殺したんだ。
フライパンに油をひくと、タオルで水気を取った小魚達を投入した。
強火だと焦げてしまう。弱火にして生焼けぐらいの気持ちで焼いていく。
二分ほど焼くと小皿に移した。味付けは素材の持ち味を引き出す為に塩だけだ。
少量だけ指で摘んで振りかけた。
でも、このままだと彩りが寂しい。
ニンジン、キュウリ、ダイコンを小指の先ぐらいの大きさに切ったものを一個ずつ用意した。
あとは細かくみじん切りする。これに塩を振りかけて混ぜ合わせる。
混ぜ合わせたら、焼いた小魚達の上に乗せて完成だ。
『魚、美味しい』
『そ、そう、それは良かったね』
小魚達が次々とピーちゃんのクチバシの中に消えていく。
これからはピーちゃんのこと、悪魔って呼ぶね。
『それでピーちゃん、どうだったの?』
ピーちゃんの代わりに手を合わせて、ごちそうさますると聞いてみた。
これで木材だけなら今日の晩ご飯は唐揚げだ。
『誰に聞いてんだ?』
『ピーちゃんにだよ』
なぜか怒った感じに聞き返してきたので、素早く答えた。
ピーちゃんって言ったんだから、ピーちゃんしかいないでしょ。
『ピーちゃんじゃない。ピーちゃん様だろ!』
『ご、ごめん、ピーちゃん様!』
ピーちゃんじゃなくて、ピーちゃん様だった。
クチバシで咥えた小皿を投げつけられた。
♢♢♢
家から旅立ったピーちゃん様、ううん、面倒くさいからやめよう。
ピーちゃんが最初に向かったのは冒険者ギルドだった。
受付に止まるとお姉さんに聞いてみた。
『子供の時になる、病気を治す薬ある?』
なにそれ? 僕の病気は治っているよ。
もしかして、僕の知らない子供の病気を治そうとしているの?
「ん~~、そういうのはお医者さんに相談してほしいんだけど。どんな病気か名前は分かる?」
『名前は分からない。なんか変なことするようになった』
「変なことって、どんなこと?」
『魚と話したり、木を剣で切ったり、血飲んだりしてた。僕も殺されそうになった』
そいつヤバイ奴だよ。関わり合いになったら駄目だよ。
「あぁ~~、それね。その病気は厄介よ。下手したら死ぬまで治らないから」
ごめん、ヤバイ奴じゃなくて病気だったんだね。
僕は知らないけど、お姉さんが知っていた。
『それ、治す薬あるの?』
ピーちゃんが聞いた。薬で治せるなら早く治した方がいい。
「ないわね。時間が解決するのを待つしかないわ」
でも、駄目だった。僕と同じで治療薬がない病気だった。
僕が噛んで吸血鬼になれるなら、噛むけど、それで治るとは思えない。
『そんなにヤバイ病気だったんだね。どうしよう』
「その子、怪我してないのに腕とかに包帯巻いてない?」
『巻いてない。でも、最近両手をプルプル震わせている』
「両腕に二匹飼ってるのね。かなりヤバイわよ、その子。闇の力に手を出そうとしているわ』
『闇の力……そういえば部屋真っ暗にしてた。朝から夜までずっと』
「それは両腕の封印を解こうとしてるわね。封印が解かれたら世界が滅ぶかもしれないわ」
『‼︎』
ただの病気かと思ったら、どうも違うみたいだ。お姉さんが深刻な顔で話している。
両腕に二匹、闇の力、封印、世界が滅ぶと危険な言葉が次々に出てくる。
『ど、ど、どうしたらいいの⁉︎』
世界の危機にピーちゃんが激しく動揺している。
僕も世界を滅ぼす二匹の怪物が解き放たれると思うと、ドラゴンの血なんか飲んでいる場合じゃない。
「落ち着いて、ピーちゃん。その子はまだ初期段階だから大丈夫よ」
『そうなの? 初期段階なら大丈夫なの?』
「大丈夫じゃないけど大丈夫よ。その子は弱い相手をイジメて、自分が強いと優越感に浸るクソ野朗タイプだから。弱い魚、動かない木、小鳥のピーちゃんと弱そうな相手にしか手を出してないでしょ」
『本当だ。クソ野朗だ』
どう聞いても大丈夫じゃないでしょ。
弱い者イジメが大好きなクソ野郎だ。
病気だとしても、そんな奴許したら駄目だ。
僕の前に現れたら、一発ぶん殴ってやる。
『あっ、でも僕、クソ野郎倒したよ』
ピーちゃん、ナイスだよ。
しかも、ピーちゃんに負けるクソ雑魚野朗だ。
「でかしたわよ、ピーちゃん! このタイプは自分よりも強い相手には素直に言うことを聞くのよ。倒した後に変化はなかった?」
『そういえば、あった。ピーちゃん様って言って、手を合わせてお願いしてきた。ドラゴンの血が欲しいって』
僕と同じ物を欲しがるなんて、ちょっと気分が悪いな。
ピーちゃん、そんなクソ雑魚野朗のお願い聞かなくてもいいからね。
「それが封印を解く鍵ね」
お姉さんが言った。ドラゴンの血は封印の鍵にもなるらしい。
もう料理の調味料にでも使えそうな気がしてきたぞ。
『じゃあ、ドラゴンの血は持っていったら駄目だね』
「いいえ、あえて持っていきましょう。現実を教えてやるのが本当の優しさよ。ドラゴンの血を使っても封印は解けないから」
『⁇』
僕もピーちゃんと一緒だ。⁇だ。
お姉さんが何を言っているのか分からなくなった。
封印を解く鍵なのに、封印が解けないってどういうことなんだ?
だから、ピーちゃんには必要ないそうだ。
花壇の土には犯人、いや、犯鳥の特徴的な足跡が残っていた。
僕はピーちゃんのこと信じているから、早く元気になってね。
ううん、ゆっくり元気になってね。早く元気になったら駄目だよ。
犯人にされちゃうからね。
『お腹空いた。これ、食べていい?』
ピーちゃんが起きてそうそう、鍋の中を泳いでいる小さな魚達を見て言ってきた。
地獄の猛特訓でたくさん捕まえられるようになった。
コップ水槽から鍋水槽にレベルアップして、今では十二匹の大家族だ。
『駄目だよ。それは観賞用だから』
『そんなこと言っていいの? 僕にお願いしたの忘れたの?』
『くぅっ! た、食べていいよ』
断ったのに脅してきた。
もう一度断ったら何するか分からない。
ここは我慢するしかない。
ごめん、君達のことは忘れないからね。
『生は無理。焼いてきて』
『‼︎』
何だって⁉︎ 僕に焼き殺して来いだって⁉︎
ピーちゃん、自分が何を言っているのか分かっているの⁉︎
『わ、分かった。すぐに焼いてくるから待ってて……』
だけど、断るわけにはいかない。
大きな力を手に入れるには、同じぐらいの大きな代償が必要なんだ。
鍋を持って部屋から出ると台所に向かった。
コンロのつまみを回すと真っ赤な炎がボッと噴き出した。
『…………』
もしかしたらピーちゃん、小魚達に嫉妬したのかもしれない。
僕が焼き殺したんじゃない。嫉妬の炎が焼き殺したんだ。
フライパンに油をひくと、タオルで水気を取った小魚達を投入した。
強火だと焦げてしまう。弱火にして生焼けぐらいの気持ちで焼いていく。
二分ほど焼くと小皿に移した。味付けは素材の持ち味を引き出す為に塩だけだ。
少量だけ指で摘んで振りかけた。
でも、このままだと彩りが寂しい。
ニンジン、キュウリ、ダイコンを小指の先ぐらいの大きさに切ったものを一個ずつ用意した。
あとは細かくみじん切りする。これに塩を振りかけて混ぜ合わせる。
混ぜ合わせたら、焼いた小魚達の上に乗せて完成だ。
『魚、美味しい』
『そ、そう、それは良かったね』
小魚達が次々とピーちゃんのクチバシの中に消えていく。
これからはピーちゃんのこと、悪魔って呼ぶね。
『それでピーちゃん、どうだったの?』
ピーちゃんの代わりに手を合わせて、ごちそうさますると聞いてみた。
これで木材だけなら今日の晩ご飯は唐揚げだ。
『誰に聞いてんだ?』
『ピーちゃんにだよ』
なぜか怒った感じに聞き返してきたので、素早く答えた。
ピーちゃんって言ったんだから、ピーちゃんしかいないでしょ。
『ピーちゃんじゃない。ピーちゃん様だろ!』
『ご、ごめん、ピーちゃん様!』
ピーちゃんじゃなくて、ピーちゃん様だった。
クチバシで咥えた小皿を投げつけられた。
♢♢♢
家から旅立ったピーちゃん様、ううん、面倒くさいからやめよう。
ピーちゃんが最初に向かったのは冒険者ギルドだった。
受付に止まるとお姉さんに聞いてみた。
『子供の時になる、病気を治す薬ある?』
なにそれ? 僕の病気は治っているよ。
もしかして、僕の知らない子供の病気を治そうとしているの?
「ん~~、そういうのはお医者さんに相談してほしいんだけど。どんな病気か名前は分かる?」
『名前は分からない。なんか変なことするようになった』
「変なことって、どんなこと?」
『魚と話したり、木を剣で切ったり、血飲んだりしてた。僕も殺されそうになった』
そいつヤバイ奴だよ。関わり合いになったら駄目だよ。
「あぁ~~、それね。その病気は厄介よ。下手したら死ぬまで治らないから」
ごめん、ヤバイ奴じゃなくて病気だったんだね。
僕は知らないけど、お姉さんが知っていた。
『それ、治す薬あるの?』
ピーちゃんが聞いた。薬で治せるなら早く治した方がいい。
「ないわね。時間が解決するのを待つしかないわ」
でも、駄目だった。僕と同じで治療薬がない病気だった。
僕が噛んで吸血鬼になれるなら、噛むけど、それで治るとは思えない。
『そんなにヤバイ病気だったんだね。どうしよう』
「その子、怪我してないのに腕とかに包帯巻いてない?」
『巻いてない。でも、最近両手をプルプル震わせている』
「両腕に二匹飼ってるのね。かなりヤバイわよ、その子。闇の力に手を出そうとしているわ』
『闇の力……そういえば部屋真っ暗にしてた。朝から夜までずっと』
「それは両腕の封印を解こうとしてるわね。封印が解かれたら世界が滅ぶかもしれないわ」
『‼︎』
ただの病気かと思ったら、どうも違うみたいだ。お姉さんが深刻な顔で話している。
両腕に二匹、闇の力、封印、世界が滅ぶと危険な言葉が次々に出てくる。
『ど、ど、どうしたらいいの⁉︎』
世界の危機にピーちゃんが激しく動揺している。
僕も世界を滅ぼす二匹の怪物が解き放たれると思うと、ドラゴンの血なんか飲んでいる場合じゃない。
「落ち着いて、ピーちゃん。その子はまだ初期段階だから大丈夫よ」
『そうなの? 初期段階なら大丈夫なの?』
「大丈夫じゃないけど大丈夫よ。その子は弱い相手をイジメて、自分が強いと優越感に浸るクソ野朗タイプだから。弱い魚、動かない木、小鳥のピーちゃんと弱そうな相手にしか手を出してないでしょ」
『本当だ。クソ野朗だ』
どう聞いても大丈夫じゃないでしょ。
弱い者イジメが大好きなクソ野郎だ。
病気だとしても、そんな奴許したら駄目だ。
僕の前に現れたら、一発ぶん殴ってやる。
『あっ、でも僕、クソ野郎倒したよ』
ピーちゃん、ナイスだよ。
しかも、ピーちゃんに負けるクソ雑魚野朗だ。
「でかしたわよ、ピーちゃん! このタイプは自分よりも強い相手には素直に言うことを聞くのよ。倒した後に変化はなかった?」
『そういえば、あった。ピーちゃん様って言って、手を合わせてお願いしてきた。ドラゴンの血が欲しいって』
僕と同じ物を欲しがるなんて、ちょっと気分が悪いな。
ピーちゃん、そんなクソ雑魚野朗のお願い聞かなくてもいいからね。
「それが封印を解く鍵ね」
お姉さんが言った。ドラゴンの血は封印の鍵にもなるらしい。
もう料理の調味料にでも使えそうな気がしてきたぞ。
『じゃあ、ドラゴンの血は持っていったら駄目だね』
「いいえ、あえて持っていきましょう。現実を教えてやるのが本当の優しさよ。ドラゴンの血を使っても封印は解けないから」
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