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第三章:魔人編
第96話 腐った魔人
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ギィン、ギィン——
「どうだ? 痺れるだろう!」
「ぐっ、ぐっ!」
髭面のオヤジが振り回す、雷が流れる金色の剣と、鞘から抜いた黒色の剣で打ち合う。
打ち合うたびに、ビリビリと手に痛みが走る。
何で、俺がオヤジの武装集団に襲われないといけない。
「駄目だ。麻痺は効かねえ! 凍結武器に切り替えた方が良いぞ!」
「分かった! 顔面にブチ込んで終わらせるぞ!」
「おお!」
チームワーク抜群のオヤジ達の武器は剣と銃の二つしかない。
どちらも炎、氷、雷の魔法属性が備わっている武器だ。
ここまでの高威力の武器は見た事ないが、販売できない取り扱い注意の危険物だからだろう。
「そりゃ、そりゃ、そりゃ! どうした、小僧! ジジイの三人ぐらい面倒見ろよ!」
「ぐっ、ぬっ……!」
ジジイ三剣士の剣撃を、何とか剣と盾で凌いでいるけど、この状況はマズイ。
進化はしたが、退化もしている。剣で切られた部分が熱くて痛い。痛覚が戻ったようだ。
「そいやぁー! ガッハハハ! だらしねえ奴だな! ジジイ二人で精一杯じゃねえか!」
「ぐっ……!」
俺が襲われている理由は、おそらく俺の顔の包帯を剥ぎ取った、あの三流役者ジジイの所為だ。
俺の顔を押さえつけて座り込んで、お医者さんごっこの下手な小芝居を始めていた。
最初から死ぬつもりはないし、命を救うつもりなら、こうやって殺そうとするな。
「チッ、あっちも駄目か……」
助けを求めて、リエラの方をチラッと見てみたが、あっちも一対八で奮闘している。
観客席に上がって、回避優先で逃げ回っている。
俺も観客席に上がって、こっちの八人を押しつけてもいいが、一時的に逃走できても意味がない。
やるなら、確実に全員が逃げられる方法だ。
もちろん、そんな便利な方法があるわけない。
だが、今回はそんな便利な方法がある……『人質作戦』だ。
問題があるとしたら、誰を選ぶかになる。
老い先短いジジイ達、魔法使いの四人組、俺を裏切った元仲間達。
俺が理性的な人間じゃないなら、迷わずに階段にチラチラ見える銀髪を引き摺り出す。
だけど、それは元仲間に守られているから難しい。だとしたら……
「ジジイだな」
使う人質は決定した。三流役者ジジイが一番偉そうだから、コイツを捕まえる。
俺の名前を言おうとしてたし、人質にして、口封じして、非売品の武器も貰えるからちょうどいい。
そうと決まったら、まずは情報収集だ。
攻撃を避けた瞬間に、左手に持っていた黒い丸盾を真上に向けた。
そして、持ち手をしっかり握ると、丸盾を真上に発射した。
ドン——
「飛びやがった⁉︎」
「馬鹿野郎、花火じゃないんだ! 見てないで撃ち落とせ!」
上空に打ち上げられる俺に向かって、オヤジ達が赤、青、黄色の閃光を撃ちまくる。
もう遅い。当たるわけないだろうと言いたいが、俺は油断しない俺だ。
階段口の前で、弓矢を俺に構えている金髪の男を見つけた。
「やっぱりか。お前が美味しいところを狙うのは知ってんだよ」
射てるものなら射ってみろと言いたいが、確実に射ってくる。
速さと貫通力と必中を合わせ持つ矢は脅威だ。
剣で防ぐのも、壁で防ぐのも難しそうだから、避けるしかないだろう。
必ず当たる矢が存在しない事を教えてやる。
「よし!」
ロビンの弓から一本の矢が放たれた瞬間、さらに上空に向かって、左手の丸盾を飛ばした。
俺の身体が急上昇していく。いくら速くても、真っ直ぐ飛ぶ矢では当たらない……
「何だと……?」
はずだったのだが、矢が俺に向かって曲がってきた。確実に矢が俺を追いかけている。
「この変態め」
剣を握り締めた右拳の先に、黒い岩壁を作り出すと、向かってくる光の矢に発射した。
岩壁と矢が衝突すると、壁を突き抜けた矢が現れた。贅沢な矢だ。一枚じゃ足りないようだ。
追加で発射してやると、三枚目で矢は脱落した。
「何だよ、あの矢は? 何で二百五十メートル以上も届く」
とりあえず、壁三枚目で防げるから安心できるが、射程距離が異常に長すぎる。
明らかに力じゃなくて、アビリティを使っている。
「アイツら本当に俺の邪魔ばかりするな」
ガン! と闘技場を囲む鳥カゴの天井にぶつかった。
ここまでは攻撃が届かないようだ。オヤジ達もロビンも攻撃してこない。
だが、のんびりしている時間はない。俺の分の攻撃までリエラに向かってしまう。
進化後の変化を急いで調べながら、身体を五メートルの巨大ゴーレムに変えていく。
【名前:腐った魔人 年齢:20歳 性別:男 種族:魔人 身長:178センチ 体重:62キロ】
【進化素材:虹色魔玉七個】
【移動可能階層:1~45階】
相変わらず悪意を感じる名前だが、今はアビリティを調べるのが先だ。
『圧縮LV4』『魔法耐性LV2』『盾術LV6』『体術LV6』『自然治癒力LV5』『眷属使役LV3』『運LV3』『聖耐性LV3』——
「ヤバイな。全然増えてない」
全体的なLVが上がっているのに、新しいアビリティは『圧縮』『魔法耐性』の二つだけだ。
魔法耐性の効果は分かるが、おそらく圧縮は茶色の岩と黒色の岩の違いだ。
試してみたが、魔力を弱く込めると茶色、強く込めると黒色になった。
黒色にすると強度が上がるようだが、その分、大量の魔力が必要になる。
普通の魔法使いなら乱用すると、すぐにバテバテに疲れ果ててしまうだろう。
「まあ、俺には関係ない話だ」
準備が出来たので、『ブラックゴーレムLV5』と一緒に地上への落下を開始した。
♢
ドォン‼︎ と巨大な岩壁でオヤジ達の銃撃から身を守りながら、地上に降りた。
そして、着地すると周囲に向かって、久し振りにジェノサイドトラップを発動させた。
「地面に魔力反応!」
ドガガガッッ——
「危ねえな!」
「……チッ、素早いジジイどもだ」
ジジイの掛け声で全員が空中にジャンプした。
直径十五メートルの範囲に咲いた黒岩の棘が避けられた。
だけど、空中にジャンプしただけじゃ無意味だ。
棘の先端を真上に向けると、全弾発射した。
「やべぇ! 死ぬぞ、これ!」
大丈夫だ。安心して当たれ。
今回はちょっとだけ先端を丸くした気がするから、突き刺さっても大丈夫なはずだ。
尖っているのは目の錯覚で、お前達が老眼だからだ。
ガギィン‼︎
「なに?」
ジジイの串刺しが八人分できると思ったのに、発射された鋭い棘が、ジジイを守る透明な膜に弾かれた。
「おお、死ぬかと思ったぜ! 何だ、こりゃー!」
「ジジイの仕業じゃないのか……」
地面に着地したジジイ達が、身体を包む光る膜に驚いている。
俺の目には、神の結界のようなもので身体を包まれ、守られているように見える。
問題があるとしたら、俺の攻撃が効かない事だけだが、人質は無傷で捕まえるものだ。
逆に好都合だと言ってもいいだろう。
「よし、閉じ込め作戦と行こうか」
ピンチをチャンスに変えるのが一流だが、俺は超一流だ。この程度はピンチにもならない。
ジジイ二人を捕まえて、口だけ出して、全身を岩で包み込む。
人質の口の部分を塞げばどうなるか、馬鹿な大人じゃないなら分かるはずだ。
「迂闊に近づくのは危険だな。全員遠距離攻撃に切り替えるぞ」
「ハハッ! 確かに的がデカくなったから、当てがいがあるな! 全員で蜂の巣にしてやろうぜ!」
流石に歴戦のジジイ達は、馬鹿アレンのように突っ込んでこない。
接近戦を挑んできたら、ゴーレムの身体から突き出した棘で、全身を串刺しに出来たのに残念だ。
まあ、ジジイの身体を守っている光る膜があるから、それも難しいかもしれない。
「ジジイがやる気を出しても無駄なんだよ……と言いたいが、長期戦はマズいな。リエラを先に助けるか」
あの銃の攻撃は黒岩の盾で防げた。俺の身体にダメージを与えるのは無理だ。
それなのに、わざわざジジイ達が時間稼ぎをする意味は一つしかない。
俺の足止めだ。その間にリエラが倒される。
ならば、人質作戦を変更して、リエラを救出して逃げるのが得策だろう。
柔軟な思考を持つ俺だからこそ、見つけられた絶妙な一手だ。
だが、俺が動き出す前に、階段口にいた四人組が動いた。
「相性が悪いようですね。交代しましょう。それは魔法耐性が高いようです」
「……確かにその通りだ。おい、お前達。ここは若いのに任せるぞ!」
「仕方ねえ、代わってやるか。ガッハハハ! 相手するなら、若い姉ちゃんの方が良いからな!」
「なっ⁉︎」
空気を読んで交代するつもりだろうけど、俺の空気は全然読めていない。
ジジイ達の四人が階段に行って、残り四人がリエラの方に向かった。
「アイツらぁー‼︎ どこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだぁー‼︎」
ここまで俺を何度も怒らせる相手は初めてだ。
ゴーレムの右手から剣を突き出して、大剣に変えると、左手に黒い丸盾を作り出した。
三十階と同じ結果になると信じているなら、それが妄想だとお前達の命を代償に教えてやる。
「どうだ? 痺れるだろう!」
「ぐっ、ぐっ!」
髭面のオヤジが振り回す、雷が流れる金色の剣と、鞘から抜いた黒色の剣で打ち合う。
打ち合うたびに、ビリビリと手に痛みが走る。
何で、俺がオヤジの武装集団に襲われないといけない。
「駄目だ。麻痺は効かねえ! 凍結武器に切り替えた方が良いぞ!」
「分かった! 顔面にブチ込んで終わらせるぞ!」
「おお!」
チームワーク抜群のオヤジ達の武器は剣と銃の二つしかない。
どちらも炎、氷、雷の魔法属性が備わっている武器だ。
ここまでの高威力の武器は見た事ないが、販売できない取り扱い注意の危険物だからだろう。
「そりゃ、そりゃ、そりゃ! どうした、小僧! ジジイの三人ぐらい面倒見ろよ!」
「ぐっ、ぬっ……!」
ジジイ三剣士の剣撃を、何とか剣と盾で凌いでいるけど、この状況はマズイ。
進化はしたが、退化もしている。剣で切られた部分が熱くて痛い。痛覚が戻ったようだ。
「そいやぁー! ガッハハハ! だらしねえ奴だな! ジジイ二人で精一杯じゃねえか!」
「ぐっ……!」
俺が襲われている理由は、おそらく俺の顔の包帯を剥ぎ取った、あの三流役者ジジイの所為だ。
俺の顔を押さえつけて座り込んで、お医者さんごっこの下手な小芝居を始めていた。
最初から死ぬつもりはないし、命を救うつもりなら、こうやって殺そうとするな。
「チッ、あっちも駄目か……」
助けを求めて、リエラの方をチラッと見てみたが、あっちも一対八で奮闘している。
観客席に上がって、回避優先で逃げ回っている。
俺も観客席に上がって、こっちの八人を押しつけてもいいが、一時的に逃走できても意味がない。
やるなら、確実に全員が逃げられる方法だ。
もちろん、そんな便利な方法があるわけない。
だが、今回はそんな便利な方法がある……『人質作戦』だ。
問題があるとしたら、誰を選ぶかになる。
老い先短いジジイ達、魔法使いの四人組、俺を裏切った元仲間達。
俺が理性的な人間じゃないなら、迷わずに階段にチラチラ見える銀髪を引き摺り出す。
だけど、それは元仲間に守られているから難しい。だとしたら……
「ジジイだな」
使う人質は決定した。三流役者ジジイが一番偉そうだから、コイツを捕まえる。
俺の名前を言おうとしてたし、人質にして、口封じして、非売品の武器も貰えるからちょうどいい。
そうと決まったら、まずは情報収集だ。
攻撃を避けた瞬間に、左手に持っていた黒い丸盾を真上に向けた。
そして、持ち手をしっかり握ると、丸盾を真上に発射した。
ドン——
「飛びやがった⁉︎」
「馬鹿野郎、花火じゃないんだ! 見てないで撃ち落とせ!」
上空に打ち上げられる俺に向かって、オヤジ達が赤、青、黄色の閃光を撃ちまくる。
もう遅い。当たるわけないだろうと言いたいが、俺は油断しない俺だ。
階段口の前で、弓矢を俺に構えている金髪の男を見つけた。
「やっぱりか。お前が美味しいところを狙うのは知ってんだよ」
射てるものなら射ってみろと言いたいが、確実に射ってくる。
速さと貫通力と必中を合わせ持つ矢は脅威だ。
剣で防ぐのも、壁で防ぐのも難しそうだから、避けるしかないだろう。
必ず当たる矢が存在しない事を教えてやる。
「よし!」
ロビンの弓から一本の矢が放たれた瞬間、さらに上空に向かって、左手の丸盾を飛ばした。
俺の身体が急上昇していく。いくら速くても、真っ直ぐ飛ぶ矢では当たらない……
「何だと……?」
はずだったのだが、矢が俺に向かって曲がってきた。確実に矢が俺を追いかけている。
「この変態め」
剣を握り締めた右拳の先に、黒い岩壁を作り出すと、向かってくる光の矢に発射した。
岩壁と矢が衝突すると、壁を突き抜けた矢が現れた。贅沢な矢だ。一枚じゃ足りないようだ。
追加で発射してやると、三枚目で矢は脱落した。
「何だよ、あの矢は? 何で二百五十メートル以上も届く」
とりあえず、壁三枚目で防げるから安心できるが、射程距離が異常に長すぎる。
明らかに力じゃなくて、アビリティを使っている。
「アイツら本当に俺の邪魔ばかりするな」
ガン! と闘技場を囲む鳥カゴの天井にぶつかった。
ここまでは攻撃が届かないようだ。オヤジ達もロビンも攻撃してこない。
だが、のんびりしている時間はない。俺の分の攻撃までリエラに向かってしまう。
進化後の変化を急いで調べながら、身体を五メートルの巨大ゴーレムに変えていく。
【名前:腐った魔人 年齢:20歳 性別:男 種族:魔人 身長:178センチ 体重:62キロ】
【進化素材:虹色魔玉七個】
【移動可能階層:1~45階】
相変わらず悪意を感じる名前だが、今はアビリティを調べるのが先だ。
『圧縮LV4』『魔法耐性LV2』『盾術LV6』『体術LV6』『自然治癒力LV5』『眷属使役LV3』『運LV3』『聖耐性LV3』——
「ヤバイな。全然増えてない」
全体的なLVが上がっているのに、新しいアビリティは『圧縮』『魔法耐性』の二つだけだ。
魔法耐性の効果は分かるが、おそらく圧縮は茶色の岩と黒色の岩の違いだ。
試してみたが、魔力を弱く込めると茶色、強く込めると黒色になった。
黒色にすると強度が上がるようだが、その分、大量の魔力が必要になる。
普通の魔法使いなら乱用すると、すぐにバテバテに疲れ果ててしまうだろう。
「まあ、俺には関係ない話だ」
準備が出来たので、『ブラックゴーレムLV5』と一緒に地上への落下を開始した。
♢
ドォン‼︎ と巨大な岩壁でオヤジ達の銃撃から身を守りながら、地上に降りた。
そして、着地すると周囲に向かって、久し振りにジェノサイドトラップを発動させた。
「地面に魔力反応!」
ドガガガッッ——
「危ねえな!」
「……チッ、素早いジジイどもだ」
ジジイの掛け声で全員が空中にジャンプした。
直径十五メートルの範囲に咲いた黒岩の棘が避けられた。
だけど、空中にジャンプしただけじゃ無意味だ。
棘の先端を真上に向けると、全弾発射した。
「やべぇ! 死ぬぞ、これ!」
大丈夫だ。安心して当たれ。
今回はちょっとだけ先端を丸くした気がするから、突き刺さっても大丈夫なはずだ。
尖っているのは目の錯覚で、お前達が老眼だからだ。
ガギィン‼︎
「なに?」
ジジイの串刺しが八人分できると思ったのに、発射された鋭い棘が、ジジイを守る透明な膜に弾かれた。
「おお、死ぬかと思ったぜ! 何だ、こりゃー!」
「ジジイの仕業じゃないのか……」
地面に着地したジジイ達が、身体を包む光る膜に驚いている。
俺の目には、神の結界のようなもので身体を包まれ、守られているように見える。
問題があるとしたら、俺の攻撃が効かない事だけだが、人質は無傷で捕まえるものだ。
逆に好都合だと言ってもいいだろう。
「よし、閉じ込め作戦と行こうか」
ピンチをチャンスに変えるのが一流だが、俺は超一流だ。この程度はピンチにもならない。
ジジイ二人を捕まえて、口だけ出して、全身を岩で包み込む。
人質の口の部分を塞げばどうなるか、馬鹿な大人じゃないなら分かるはずだ。
「迂闊に近づくのは危険だな。全員遠距離攻撃に切り替えるぞ」
「ハハッ! 確かに的がデカくなったから、当てがいがあるな! 全員で蜂の巣にしてやろうぜ!」
流石に歴戦のジジイ達は、馬鹿アレンのように突っ込んでこない。
接近戦を挑んできたら、ゴーレムの身体から突き出した棘で、全身を串刺しに出来たのに残念だ。
まあ、ジジイの身体を守っている光る膜があるから、それも難しいかもしれない。
「ジジイがやる気を出しても無駄なんだよ……と言いたいが、長期戦はマズいな。リエラを先に助けるか」
あの銃の攻撃は黒岩の盾で防げた。俺の身体にダメージを与えるのは無理だ。
それなのに、わざわざジジイ達が時間稼ぎをする意味は一つしかない。
俺の足止めだ。その間にリエラが倒される。
ならば、人質作戦を変更して、リエラを救出して逃げるのが得策だろう。
柔軟な思考を持つ俺だからこそ、見つけられた絶妙な一手だ。
だが、俺が動き出す前に、階段口にいた四人組が動いた。
「相性が悪いようですね。交代しましょう。それは魔法耐性が高いようです」
「……確かにその通りだ。おい、お前達。ここは若いのに任せるぞ!」
「仕方ねえ、代わってやるか。ガッハハハ! 相手するなら、若い姉ちゃんの方が良いからな!」
「なっ⁉︎」
空気を読んで交代するつもりだろうけど、俺の空気は全然読めていない。
ジジイ達の四人が階段に行って、残り四人がリエラの方に向かった。
「アイツらぁー‼︎ どこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだぁー‼︎」
ここまで俺を何度も怒らせる相手は初めてだ。
ゴーレムの右手から剣を突き出して、大剣に変えると、左手に黒い丸盾を作り出した。
三十階と同じ結果になると信じているなら、それが妄想だとお前達の命を代償に教えてやる。
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