ダンジョンの隠し部屋に閉じ込められた下級冒険者はゾンビになって生き返る⁉︎

もう書かないって言ったよね?

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第二章:ゾンビ編

第49話 装備品集め

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「やっぱりハズレか」

 冒険者三人の装備を念入りに調べたが、アビリティ装備は大した物を持ってなかった。
『体力上昇、筋力上昇の指輪』『防御力上昇、体温調節の服』『視覚上昇の耳飾り』の五つしか持ってない。
 体力はほとんど無限で、暑さや寒さは感じない。装備二つは必要ない。

 とりあえず戦利品に全て貰うと、ついでに強化素材がないか、鞄の中を調べていく。
 コイツらが二十四階まで行けるなら、体術の指輪をLV2に出来る。
 予想通り、ゾンビと槍魚人と獅子王の素材があったので、指輪を体術LV2に強化した。

「これも記念に貰っておくか」

 この三人には、あとは人質の価値しかないが、戦利品に冒険者カードを貰った。
 この程度の実力でDランク評価とは、やっぱりギルドは人を見る目がない。
 だから、俺のような超一流冒険者をEランク評価にしてしまう。

「さてと、よく考えたら階段に取りに行かせたら、冒険者全員が襲ってくるな。予定を変更するか」

 さっきのように人質を取っても、階段にいる馬鹿全員が人質を無視して襲ってくるだけだ。
 馬鹿は賢い人間の思い通りには動かない。それは常日頃からよく分かっている。
 やはり最初の計画通りに、遭遇した冒険者を手当たり次第に倒した方がいいだろう。

「よいしょと」

 三人を近場の部屋に連れて行くと、顔だけ出して、岩レンガの中に閉じ込めた。
 そして、部屋の中から次の冒険者がやって来るのは待った。

「来た来た。今度は不意打ちで瞬殺してやるか」

 二人組の冒険者がやって来たので、一ヶ月間で編み出した技を色々と試す事にした。
 まずは右腕に縦横三センチ大の正方形の岩塊を作れるだけ作る。
 あとは三十個以上の弾を次々に発射して、雑魚を蜂の巣にするだけだ。

 ドドドドドドッ——

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぇー!」
「「ぎゃああああ‼︎」」

 射程範囲に二人が入った瞬間、部屋から飛び出して、問答無用で連続発射していく。
 技名は流星雨をちょっと変えて、『流星岩』にした。
 俺の美しい技には流星はピッタリだが、そろそろ別の技名も必要だな。

 ♢

「フッフッ。モンスターを倒すよりもこっちの方が楽だな!」

 十一人目の冒険者を倒し終わると、保管部屋に連れて行って、岩レンガで閉じ込めた。
 白魔石が大量にあるから、その辺の冒険者に魔石を渡して、町に太陽石を買いに行かせてもいい。
 まあ、それも必要ないぐらいに、アビリティ装備がたくさん手に入った。

『魔力上昇、素早さ上昇、運上昇、聴覚上昇、嗅覚上昇』の五つのアビリティ装備は使える。
『無呼吸、麻痺耐性、毒耐性』の三つのアビリティ装備は不必要だ。

 だが、俺は二十階で冒険者を永遠に襲い続けるつもりはない。
 そして、拘束した十一人目の誰も太陽石を持っていなかった。
 家に大事に保管しているのか、もう換金した後なのだろう。
 また予定変更しないといけない。

「やはり階段の冒険者を調べた方がいいな」

 もう俺の戦力は十分だ。雑魚冒険者の三十、四十人ぐらいは同時に相手に出来る。
 岩レンガの人質を階段に一人連れて行って、階段に突き落とそう。
 俺は通れないが、岩は通る事が出来る。

 太陽石を渡さなければ、流星岩を一日中休まず、階段に向かって発射すると脅す。
 流石の馬鹿でも分かる問題だ。用意できないなら死あるのみだ。
 手持ちに太陽石が無い場合は、時間交渉ぐらいはしてやる。

「これが条件だ。死にたくないなら頑張って探すんだな」
「頼む! ここから出してくれ! ぎゃああああッッ‼︎」

 負け犬の人質如きが、俺に何かをしてもらえるわけがない。
 容赦なく、床に開いた階段に向かって蹴り落とした。
 ガタッ、ガタッと音を立てて岩レンガが落ちていく。
 途中で止まるか、誰かが止めてくれるだろう。

「まずは威嚇射撃からだな」

 両手の手の平を階段に向けると、小さめの岩塊を作って次々に発射していく。
 これで冗談じゃないと伝わるはずだ。何人か負傷するが、全員負傷するよりはマシだと思うしかない。

「ぐはぁ‼︎」
「馬鹿が上から何かしてやがる!」
「姿勢を引くしろ! 岩が当たるぞ!」

 前よりも敏感になった聴覚が、階段下の声を拾ってくれる。
 どうやら狙い通りに攻撃は当たっているようだ。この辺で攻撃は一旦停止しよう。
 さっきの人質が階段の下まで落ちていたら、別の交渉人が階段を上ってくる。

「来たか……」

 予想通りに盾を構えた冒険者が上ってきたので、床に開いた階段口から後退した。
 交渉失敗した時の為に、罠を用意する時間が必要だ。

「お前、何のつもりだ! 殺すつもりか!」
「落ち着けよ、相棒。話がしたいだけだ」
「だったら牢屋でやってろ!」

 やっぱり冒険者は馬鹿しかいない。会話が成立しない。
 階段から飛び出してきた五人の冒険者が、一斉に襲い掛かってきた。

「仕方ないな」

 階段の穴を囲むように両足から魔力を流して、攻撃準備は既に完了している。
 ガコッ‼︎ 冒険者達の四方を囲むように、床から四枚の岩壁が迫り上がった。
「何だ⁉︎」と動揺する冒険者は無視して、岩箱に閉じ込めた冒険者に岩壁の一枚を発射した。
 
 ドガァン——

「「「「ぐがぁぁ‼︎」」」」

 発射された岩壁が冒険者五人と激突して、そのまま対面の岩壁と激突して粉々になった。
 岩片と一緒に吹き飛ばされた五人が、岩箱から飛び出して床に倒れていく。

「愚か者め。まさか、この俺に勝てるとでも思ったのか?」
「うぐっ、ぐぐっ……!」

 倒れている冒険者五人は気絶せずに立ち上がろうとしている。
 そんな事をさせるはずがない。実力者を揃えたみたいだが、真の実力者の前では雑魚だ。
 容赦なく小さめの岩塊の弾を連続発射して、全身打撲を超全身打撲に変えてやった。

「まったく、また強くなってしまう」

 慣れた手つきで倒れている五人の装備品を調べていく。
 俺が装備しているのと同じ装備でも、LVが高ければ交換する。
 装備品の回収が済んだら、五人とも岩レンガにして階段に蹴り落としてやる。
 抵抗するだけ無駄だと、圧倒的な実力で理解させてやる。
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