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第2章・海賊編
第22話・バイキング
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「あらあら、これ美味しいわよ♪」
「おいおい、そんなに食べ切れないだろう」
宿屋に戻ると20人近くの宿泊客達が小皿を片手に、料理が大量に入っている大皿から料理を取っていました。宿屋の店主が言ってた通りに好きな料理を好きなだけ食べていいようです。
「うわぁ~、早く取らないと無くなりそうだな」
(えっーと、スパゲッティ、ケーキ、唐揚げ、ドーナツ、南国フルーツ、魚は揚げたのと、酢で漬けたのがあるのか。ミリアの世界料理図鑑の知識が、役に立つ日が来るなんてな。図鑑を見たから料理の名前は分かるけど、味は食べないと分かんないな。まあ、すぐに分かるか♪)
セルカ島でも鶏は飼われているので、ルインは唐揚げは食べた事はあります。でも、ケーキやドーナツなどのお菓子はありません。セルカ島の誕生日で食べる物と言えば、《鯛の煮付け》です。ルインはケーキとドーナツを3個ずつ持ってテーブルに向かいました。
「こっちだ。遅かったな。何だそれは?もっと肉を食べろ」
突然、聞いた事のある男の声に呼び止められました。どう見ても見た事がある人物がテーブルにいます。唐揚げをナイフとフォークを使って、綺麗に半分に切って食べていました。切らずにフォークで刺して、そのまま食べた方が明らかに美味しそうです。
(本当に神出鬼没だな。それにステーキじゃないんだから、一口で食べろよ。貴族かよ)
無視するのも1つの手かもしれませんが、ルインはウェインの正面の椅子に座りました。ケーキもドーナツも食べずに早速本題を聞き始めました。
「余計なお世話だ。それよりも次は何をすればいいんだ?この辺の廃棄ダンジョンに行けばいいのか?」
「まずは食べるんだな。1時間すれば料理は片付けられてしまうからな。それと食べるなら肉か、魚にしろ。レベルが高くなればなる程に、元々の身体能力が大きく影響するようになる。同じレベル50でも元々の力が5の奴と、力が7の奴はまったく違う。強くなりたいのなら、時間がある時は身体を鍛えるんだな」
そんな常識は言われなくても知っています。レベル50ならば、元々の身体能力の5倍ぐらいです。力が5ならば、力は25になります。力が7ならば、力は35です。つまりは2人の力の差が約1.4倍ある事になります。今のルインとウェインのレベルは51と54です。自分の方が肉を食べているからパワーがあると言いたいのでしょうか?
「はいはい。肉を食べて、身体を鍛えればいいんだな。なぁ、そんな小言はいいんだよ。一体俺は何をすればいいんだよ?」
(母さん、ルルカ、ついでにミリア。あとはロッタさんの子供のエミオとナッシュで5人。早く助けないとな)
次の指示を達成すれば家族を取り戻す事が出来るのです。さっさと聞いて、さっさと助けたいのです。
モグモグ! モグモグ! ウェインは返事もせずに黙々と唐揚げや酢魚を食べています。よく考えたら、宿泊客しか料理は食べれないはずです。この宿屋に泊まるつもりなのでしょうか?
「なぁ?さっさと教えろよ。教えてからゆっくり食べればいいだろう」
モグモグ! ゴックン! (確かにそろそろ宿屋の店主が気が付くだろうな…)
「…そうだな。泳ぎは得意な方か?まともに泳げないとかなり苦戦する事になる。どうなんだ?」
ルインは海に囲まれた島育ちです。泳ぎは人並み以上に得意です。遠泳、潜水、漁業が出来てはじめて一人前の男として認められます。当然得意です。
「お前よりは確実に上だろうな。海の中から何か探すのか?」
(金貨や財宝?いや、水中に天然ダンジョンでもあるのか?)
「状況によるだろうな。水中になるかもしれないし、船上になるかもしれない。お前には海賊船に乗っている《デレス・ドミニケス》という男を殺して、この腕輪に付いている宝石と同じ物を取って来て欲しい。いいか、必ず殺さないと駄目だ。そうしないと意味がない」
ウェインは右手首に金色の腕輪を嵌めています。確かに腕輪の中央に黄色の宝石が嵌め込まれていました。5㎝以上はあります。売れば結構な値段がしそうです。
「人殺しか…」
(…母さんは反対だろう?俺も人殺しは嫌だよ。でも、俺にとっては知らない誰かよりも、母さんとルルカ、島の皆んなが大切なんだよ。だから、ごめん…)
ルインは心の中で家族や島の皆んなに謝りました。誰かを殺してまで助かりたくない人もいます。それでもルインはデレスという男を殺すと決めたようです。海賊ならば悪人です。いつかは捕まって絞首刑になります。善人を殺せと命令されるよりはまだマシな方です。
「くっく、嫌そうな顔だな。だが、これは冒険者ギルドのクエストにもある立派な仕事だ。このデレスという海賊は警備船5隻、商船3隻を沈めて、190人近くを殺している極悪人だ。今日、お前が殺したゴブリンは183匹、ゴブリングールは11匹だ。それだけの人間を殺している男を海に放って置いていいのか?」
(甘い考えは早く捨てるんだな。放って置けば、いずれはセルカ島の近くにも海賊が現れる可能性もある。危険な芽は成長する前に摘まないと後悔する事になる。私のように……)
♤《ヨーゼルダ近海の海賊》の討伐。推奨レベル128以上。報酬金額:海賊デレス・ドミニケス討伐者には金貨60枚。海賊討伐参加者には1日銀貨8枚。
ウェインが取り出したクエスト用紙は確かに本物のようです。討伐参加者は警備船に乗って、商船に近付いて来る不審な船を取り締まるようです。クエスト用紙には海賊デレスが現れた事でダリア周辺海上の治安が悪化したと書かれています。つまりはデレス以外の海賊も多くいるという事です。
「分かったよ。やるよ。でも、約束は守ってもらう。5人だ。5人必ず解放してもらう。嘘だったら覚悟するんだな!」
(嘘だった時は、お前の腕の片方を斬り落としてやる)
「ああ、分かっている。それと助言だ。デレスが持っている宝石は《パイシーズ》と呼ばれている。何でも所有者は水の中で呼吸が出来、魚のように自由に泳げるらしい。捕まえたいのなら、絶対に海の中に逃げられないようにするんだな。じゃあ、今日はゆっくりと休むんだな」
ウェインは立ち上がると宿屋の食堂から出て行きました。ルインは目であとを追います。階段を上って2階に行けば、この宿屋に泊まるという事です。でも、階段は上らずに廊下を通って外に出て行ったようです。
「………おい⁈食い逃げじゃないだろうな?」
(そんな余裕な金はないぞ!)
細かい事を気にしてはいけません。悪い海賊を倒して、金貨60枚、60万ゴールド貰えます。参加するだけで銀貨8枚、8000ゴールドです。人殺しが嫌ならば、誰かが倒した後に宝石だけを取ればいいだけです。
モグモグ! モグモグ! 「これが甘い?」 (魚の酢漬けの方が美味しいな)
ウェインがいなくなって、やっとルインはゆっくりと食事が出来ます。念願だったケーキとドーナツを思い切り頬張りますが、何だかイメージと違って、あまり美味しくなかったようです。辛い食べ物や酸っぱい食べ物と、味の好みは人それぞれです。思いのほか、ルインの舌は島の塩辛い料理に毒されていたのかもしれません。
❇︎
「おいおい、そんなに食べ切れないだろう」
宿屋に戻ると20人近くの宿泊客達が小皿を片手に、料理が大量に入っている大皿から料理を取っていました。宿屋の店主が言ってた通りに好きな料理を好きなだけ食べていいようです。
「うわぁ~、早く取らないと無くなりそうだな」
(えっーと、スパゲッティ、ケーキ、唐揚げ、ドーナツ、南国フルーツ、魚は揚げたのと、酢で漬けたのがあるのか。ミリアの世界料理図鑑の知識が、役に立つ日が来るなんてな。図鑑を見たから料理の名前は分かるけど、味は食べないと分かんないな。まあ、すぐに分かるか♪)
セルカ島でも鶏は飼われているので、ルインは唐揚げは食べた事はあります。でも、ケーキやドーナツなどのお菓子はありません。セルカ島の誕生日で食べる物と言えば、《鯛の煮付け》です。ルインはケーキとドーナツを3個ずつ持ってテーブルに向かいました。
「こっちだ。遅かったな。何だそれは?もっと肉を食べろ」
突然、聞いた事のある男の声に呼び止められました。どう見ても見た事がある人物がテーブルにいます。唐揚げをナイフとフォークを使って、綺麗に半分に切って食べていました。切らずにフォークで刺して、そのまま食べた方が明らかに美味しそうです。
(本当に神出鬼没だな。それにステーキじゃないんだから、一口で食べろよ。貴族かよ)
無視するのも1つの手かもしれませんが、ルインはウェインの正面の椅子に座りました。ケーキもドーナツも食べずに早速本題を聞き始めました。
「余計なお世話だ。それよりも次は何をすればいいんだ?この辺の廃棄ダンジョンに行けばいいのか?」
「まずは食べるんだな。1時間すれば料理は片付けられてしまうからな。それと食べるなら肉か、魚にしろ。レベルが高くなればなる程に、元々の身体能力が大きく影響するようになる。同じレベル50でも元々の力が5の奴と、力が7の奴はまったく違う。強くなりたいのなら、時間がある時は身体を鍛えるんだな」
そんな常識は言われなくても知っています。レベル50ならば、元々の身体能力の5倍ぐらいです。力が5ならば、力は25になります。力が7ならば、力は35です。つまりは2人の力の差が約1.4倍ある事になります。今のルインとウェインのレベルは51と54です。自分の方が肉を食べているからパワーがあると言いたいのでしょうか?
「はいはい。肉を食べて、身体を鍛えればいいんだな。なぁ、そんな小言はいいんだよ。一体俺は何をすればいいんだよ?」
(母さん、ルルカ、ついでにミリア。あとはロッタさんの子供のエミオとナッシュで5人。早く助けないとな)
次の指示を達成すれば家族を取り戻す事が出来るのです。さっさと聞いて、さっさと助けたいのです。
モグモグ! モグモグ! ウェインは返事もせずに黙々と唐揚げや酢魚を食べています。よく考えたら、宿泊客しか料理は食べれないはずです。この宿屋に泊まるつもりなのでしょうか?
「なぁ?さっさと教えろよ。教えてからゆっくり食べればいいだろう」
モグモグ! ゴックン! (確かにそろそろ宿屋の店主が気が付くだろうな…)
「…そうだな。泳ぎは得意な方か?まともに泳げないとかなり苦戦する事になる。どうなんだ?」
ルインは海に囲まれた島育ちです。泳ぎは人並み以上に得意です。遠泳、潜水、漁業が出来てはじめて一人前の男として認められます。当然得意です。
「お前よりは確実に上だろうな。海の中から何か探すのか?」
(金貨や財宝?いや、水中に天然ダンジョンでもあるのか?)
「状況によるだろうな。水中になるかもしれないし、船上になるかもしれない。お前には海賊船に乗っている《デレス・ドミニケス》という男を殺して、この腕輪に付いている宝石と同じ物を取って来て欲しい。いいか、必ず殺さないと駄目だ。そうしないと意味がない」
ウェインは右手首に金色の腕輪を嵌めています。確かに腕輪の中央に黄色の宝石が嵌め込まれていました。5㎝以上はあります。売れば結構な値段がしそうです。
「人殺しか…」
(…母さんは反対だろう?俺も人殺しは嫌だよ。でも、俺にとっては知らない誰かよりも、母さんとルルカ、島の皆んなが大切なんだよ。だから、ごめん…)
ルインは心の中で家族や島の皆んなに謝りました。誰かを殺してまで助かりたくない人もいます。それでもルインはデレスという男を殺すと決めたようです。海賊ならば悪人です。いつかは捕まって絞首刑になります。善人を殺せと命令されるよりはまだマシな方です。
「くっく、嫌そうな顔だな。だが、これは冒険者ギルドのクエストにもある立派な仕事だ。このデレスという海賊は警備船5隻、商船3隻を沈めて、190人近くを殺している極悪人だ。今日、お前が殺したゴブリンは183匹、ゴブリングールは11匹だ。それだけの人間を殺している男を海に放って置いていいのか?」
(甘い考えは早く捨てるんだな。放って置けば、いずれはセルカ島の近くにも海賊が現れる可能性もある。危険な芽は成長する前に摘まないと後悔する事になる。私のように……)
♤《ヨーゼルダ近海の海賊》の討伐。推奨レベル128以上。報酬金額:海賊デレス・ドミニケス討伐者には金貨60枚。海賊討伐参加者には1日銀貨8枚。
ウェインが取り出したクエスト用紙は確かに本物のようです。討伐参加者は警備船に乗って、商船に近付いて来る不審な船を取り締まるようです。クエスト用紙には海賊デレスが現れた事でダリア周辺海上の治安が悪化したと書かれています。つまりはデレス以外の海賊も多くいるという事です。
「分かったよ。やるよ。でも、約束は守ってもらう。5人だ。5人必ず解放してもらう。嘘だったら覚悟するんだな!」
(嘘だった時は、お前の腕の片方を斬り落としてやる)
「ああ、分かっている。それと助言だ。デレスが持っている宝石は《パイシーズ》と呼ばれている。何でも所有者は水の中で呼吸が出来、魚のように自由に泳げるらしい。捕まえたいのなら、絶対に海の中に逃げられないようにするんだな。じゃあ、今日はゆっくりと休むんだな」
ウェインは立ち上がると宿屋の食堂から出て行きました。ルインは目であとを追います。階段を上って2階に行けば、この宿屋に泊まるという事です。でも、階段は上らずに廊下を通って外に出て行ったようです。
「………おい⁈食い逃げじゃないだろうな?」
(そんな余裕な金はないぞ!)
細かい事を気にしてはいけません。悪い海賊を倒して、金貨60枚、60万ゴールド貰えます。参加するだけで銀貨8枚、8000ゴールドです。人殺しが嫌ならば、誰かが倒した後に宝石だけを取ればいいだけです。
モグモグ! モグモグ! 「これが甘い?」 (魚の酢漬けの方が美味しいな)
ウェインがいなくなって、やっとルインはゆっくりと食事が出来ます。念願だったケーキとドーナツを思い切り頬張りますが、何だかイメージと違って、あまり美味しくなかったようです。辛い食べ物や酸っぱい食べ物と、味の好みは人それぞれです。思いのほか、ルインの舌は島の塩辛い料理に毒されていたのかもしれません。
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