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夏の宴 告白 編
宴6
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盛夏真っ只中の朝、俺とイコリスは東の空が白むと同時に出発し、王都から一番近い海にジリジリとした日差しが砂浜を熱し始めた頃、到着した。
ジェイサムが操縦する俺達を乗せた馬車は、騎乗した親衛隊に囲まれていたので、予定より時間がかかり少し遅れてしまった。
砂浜が拡がる手前の海小屋には、前日から訪れ準備を進めていたトゥランが立っていた。
馬車から降りて頭部の黒い袋を脱ぐ俺達に気付いたトゥランは、冷たい飲み物を用意してくれた。
「お疲れ、イコリス。馬車酔いしなかったか?」
「私は平気よ。ジェイサムと親衛隊がとても大変だったから・・飲み物はジェイサム達に渡したいわ。」
「・・・・・。」
「じゃあ、この水差しごと持って行くと良い。紙コップとお盆はそこにまとめて置いてあるよ。」
「ありがとう。トゥラン。」
「・・・・・。」
イコリスはお盆に乗せた水差しと紙コップを持って、馬を木陰に繋いでいるジェイサム達の元へ向かった。ここでは強制力が無いので、俺達は不織布の簡易マスクを付けていて両手が使えるのだ。
トゥランは海風があるので、頭頂部の毛束は短いが学院用の枠が太い眼鏡をかけている。
「どうした?サイナス。ずっと黙って・・夏バテか?ほら、水分を摂取しろ。」
「・・・トゥラン・・・。実は昨夜、アルティーバ叔父さんが帰って来たんだ・・・。」
今年のプラントリーの忘年会に『隣でしゃくれただけなのに~最終章~』と銘打った歌劇を企画したナザフォリスが、歌を制作し歌唱練習を始めたとの噂を、義父が聞きつけた・・。
義父はナザフォリスに対抗し、東の果てで働いているアルティーバを急遽呼び寄せた。・・側仕え役と踊る『国王ラタタⅡ』を練り直すというのだ。
「そうか、じゃあ、東の果てへ行く口実が無くなったな。」
「アルティーバ叔父さんは娼館へ行ったのか・・行ってなくても、聞こえてくるであろう評判や特色を聞きたかったが、そんな暇はなさそうだ・・。」
披露するはずだった『国王ラタタⅡ』の振り付けを妻と弟に叩き込み、更に新たな改良を模索するという義父の無茶振りに、アルティーバは三日間の夏季休暇を潰される事になった。
そして俺は地引き網大会にやって来たので、残された時間でイコリスの目をかいくぐり、アルティーバと娼館について話す事は限りなく難しい。
「学生なんだから、まだ娼館は利用出来ないだろう。・・今日のところは同級の女子達を眺めとけ。」
「・・はぁ、せっかく海なのに誰も水着を着てないじゃないか。・・アイも強制力が無いから谷間見えないし。」
「食欲を満たして耐えろ。魚が捕れたらすぐ浜焼きだ。日傘は持ってきたか?イコリスが戻ったら、ファウストと合流するぞ。」
「・・はぁ、面倒くさいな・・。」
プラントリーの俺達は王侯貴族の中でも色素が薄く、炎天下では日傘が必須だった。
地引き網みの引き上げ地点に近づくと、天幕が二つ建てられていた。従来はクラス対抗なので天幕を三つ建てていたが、今年は参加できない寮生が多く、二クラス分の人数しかいないのだ。
天幕の前で佇むファウストは、前髪を斜めに流し髪留めで固定していた。手にはイコリスが誕生日のお祝いに贈った、指先が出る手袋を付けている。
この手袋は、俺達が頭に被る袋と同じ丈夫な黒い生地で仕立てており、金色の糸で甲部分に獅子の刺繍が施されている。尚、指の付け根には尖った鋲を4つ打ち付けた、お洒落な手袋型『武具』だ。
それから俺は、手首から肘までの鎖帷子を手袋と同じ生地で覆い、それに咆哮する獅子を刺繍した、防具の『籠手』を贈っていた。
ファウストは王族の嗜みである鷹狩りで、その籠手を着用すると言っていたが、先代国王の時代から鷹狩りは行なわれてなかったような気がする。
「早速、手袋を使ってくれたのね。」
「学院では白い手袋を強制されて、使えないからね。それにこの手袋は耐久性に優れているから、地引き網の縄を掴むのに適しているだろう。」
ファウストは手袋を嵌めた手を見せながら、イコリスに答えた。
「丈夫なだけでなく、お洒落で格好良いしな。」
俺の言葉にイコリスが頷く。
「・・そうだな・・。」
「実は私も持ってきたの。」
「イコリスも?」
イコリスは短パンのポケットから黒い指なし手袋を取り出した。尖った鋲の下には銀色の糸で虎が刺繍してあった。
「おそろいだったのか。」
「すまない、ファウスト。俺も持っている。」
ファウストをぬか喜びさせないため、俺は直ぐに申告した。
「は?」
俺がポケットから取り出した手袋には、銀糸で龍が刺繍してある。
地引き網の縄を引く時、生徒は学院が支給した軍手をつける事になっているので、俺とイコリスも自前で用意したのだ。
「まさかトゥランも?・・。」
「私の趣味では無いから、持っていない。サイナスはファウストに贈った籠手も、自分用に龍を刺繍して作ったらしいよ。」
「ええ?あの籠手を・・。サイナス、いつ使うんだ?・・。」
「彼女が出来て、その家族に挨拶する時かな。親に刺されそうになったら、籠手で防御するんだ。」
「・・そうか・・。」
「ファウスト、今のは冗談だ。笑ってくれ、悲しくなるだろ。」
「冗談だったのか、難しいな。」
「サイナスの冗談は解りにくいのよ。」
「現実と紙一重だからな。」
「笑えるギリギリを攻めた冗談だが、紙一重ではないだろ・・・。え?俺、刺されるの?」
イコリスとトゥランの辛辣な意見に、俺は不安になってきた。
「まず彼女が出来ないから、サイナスは大丈夫、刺されないアル。」
俺達の会話に聞き耳を立てていたアッシュが、俺へ慰めにもならない事を言い放った。
今日のアッシュはおかっぱでは無く、耳が隠れる位の短髪なので一瞬誰だか分からなかった。
「・・学院外だから強制力はないのに、なんで『アル』がついているんだ?」
「アルがないと、砕けた話し方が不敬だと言われそうアル。・・ファウスト様、地引網を設置し終えた漁師の船が、戻って来るのが見えました。20分後には到着すると思われます。」
「ファウストには普通に敬語じゃないか・・・。俺には『アル』は無しで、ため口にして良いよ。」
「アッシュ、私にも普段の言葉使いで話して欲しいわ。」
俺は呆れながら、ため口で構わないことを伝えると、イコリスが同様の言葉使いをアッシュに願い出た。
ファウストは面白くなさそうに、アッシュを見据えながら俺達に指示を出した。
「・・・・ではサイナス、トゥラン、第一天幕にいる生徒を整列させよう。イコリスはラビネと天幕で待機して、怪我人が出た時の救護に備えてくれ。」
これ以上ファウストを逆なでしないように、アッシュは黙ってイコリスへ頷いた。
ジェイサムが操縦する俺達を乗せた馬車は、騎乗した親衛隊に囲まれていたので、予定より時間がかかり少し遅れてしまった。
砂浜が拡がる手前の海小屋には、前日から訪れ準備を進めていたトゥランが立っていた。
馬車から降りて頭部の黒い袋を脱ぐ俺達に気付いたトゥランは、冷たい飲み物を用意してくれた。
「お疲れ、イコリス。馬車酔いしなかったか?」
「私は平気よ。ジェイサムと親衛隊がとても大変だったから・・飲み物はジェイサム達に渡したいわ。」
「・・・・・。」
「じゃあ、この水差しごと持って行くと良い。紙コップとお盆はそこにまとめて置いてあるよ。」
「ありがとう。トゥラン。」
「・・・・・。」
イコリスはお盆に乗せた水差しと紙コップを持って、馬を木陰に繋いでいるジェイサム達の元へ向かった。ここでは強制力が無いので、俺達は不織布の簡易マスクを付けていて両手が使えるのだ。
トゥランは海風があるので、頭頂部の毛束は短いが学院用の枠が太い眼鏡をかけている。
「どうした?サイナス。ずっと黙って・・夏バテか?ほら、水分を摂取しろ。」
「・・・トゥラン・・・。実は昨夜、アルティーバ叔父さんが帰って来たんだ・・・。」
今年のプラントリーの忘年会に『隣でしゃくれただけなのに~最終章~』と銘打った歌劇を企画したナザフォリスが、歌を制作し歌唱練習を始めたとの噂を、義父が聞きつけた・・。
義父はナザフォリスに対抗し、東の果てで働いているアルティーバを急遽呼び寄せた。・・側仕え役と踊る『国王ラタタⅡ』を練り直すというのだ。
「そうか、じゃあ、東の果てへ行く口実が無くなったな。」
「アルティーバ叔父さんは娼館へ行ったのか・・行ってなくても、聞こえてくるであろう評判や特色を聞きたかったが、そんな暇はなさそうだ・・。」
披露するはずだった『国王ラタタⅡ』の振り付けを妻と弟に叩き込み、更に新たな改良を模索するという義父の無茶振りに、アルティーバは三日間の夏季休暇を潰される事になった。
そして俺は地引き網大会にやって来たので、残された時間でイコリスの目をかいくぐり、アルティーバと娼館について話す事は限りなく難しい。
「学生なんだから、まだ娼館は利用出来ないだろう。・・今日のところは同級の女子達を眺めとけ。」
「・・はぁ、せっかく海なのに誰も水着を着てないじゃないか。・・アイも強制力が無いから谷間見えないし。」
「食欲を満たして耐えろ。魚が捕れたらすぐ浜焼きだ。日傘は持ってきたか?イコリスが戻ったら、ファウストと合流するぞ。」
「・・はぁ、面倒くさいな・・。」
プラントリーの俺達は王侯貴族の中でも色素が薄く、炎天下では日傘が必須だった。
地引き網みの引き上げ地点に近づくと、天幕が二つ建てられていた。従来はクラス対抗なので天幕を三つ建てていたが、今年は参加できない寮生が多く、二クラス分の人数しかいないのだ。
天幕の前で佇むファウストは、前髪を斜めに流し髪留めで固定していた。手にはイコリスが誕生日のお祝いに贈った、指先が出る手袋を付けている。
この手袋は、俺達が頭に被る袋と同じ丈夫な黒い生地で仕立てており、金色の糸で甲部分に獅子の刺繍が施されている。尚、指の付け根には尖った鋲を4つ打ち付けた、お洒落な手袋型『武具』だ。
それから俺は、手首から肘までの鎖帷子を手袋と同じ生地で覆い、それに咆哮する獅子を刺繍した、防具の『籠手』を贈っていた。
ファウストは王族の嗜みである鷹狩りで、その籠手を着用すると言っていたが、先代国王の時代から鷹狩りは行なわれてなかったような気がする。
「早速、手袋を使ってくれたのね。」
「学院では白い手袋を強制されて、使えないからね。それにこの手袋は耐久性に優れているから、地引き網の縄を掴むのに適しているだろう。」
ファウストは手袋を嵌めた手を見せながら、イコリスに答えた。
「丈夫なだけでなく、お洒落で格好良いしな。」
俺の言葉にイコリスが頷く。
「・・そうだな・・。」
「実は私も持ってきたの。」
「イコリスも?」
イコリスは短パンのポケットから黒い指なし手袋を取り出した。尖った鋲の下には銀色の糸で虎が刺繍してあった。
「おそろいだったのか。」
「すまない、ファウスト。俺も持っている。」
ファウストをぬか喜びさせないため、俺は直ぐに申告した。
「は?」
俺がポケットから取り出した手袋には、銀糸で龍が刺繍してある。
地引き網の縄を引く時、生徒は学院が支給した軍手をつける事になっているので、俺とイコリスも自前で用意したのだ。
「まさかトゥランも?・・。」
「私の趣味では無いから、持っていない。サイナスはファウストに贈った籠手も、自分用に龍を刺繍して作ったらしいよ。」
「ええ?あの籠手を・・。サイナス、いつ使うんだ?・・。」
「彼女が出来て、その家族に挨拶する時かな。親に刺されそうになったら、籠手で防御するんだ。」
「・・そうか・・。」
「ファウスト、今のは冗談だ。笑ってくれ、悲しくなるだろ。」
「冗談だったのか、難しいな。」
「サイナスの冗談は解りにくいのよ。」
「現実と紙一重だからな。」
「笑えるギリギリを攻めた冗談だが、紙一重ではないだろ・・・。え?俺、刺されるの?」
イコリスとトゥランの辛辣な意見に、俺は不安になってきた。
「まず彼女が出来ないから、サイナスは大丈夫、刺されないアル。」
俺達の会話に聞き耳を立てていたアッシュが、俺へ慰めにもならない事を言い放った。
今日のアッシュはおかっぱでは無く、耳が隠れる位の短髪なので一瞬誰だか分からなかった。
「・・学院外だから強制力はないのに、なんで『アル』がついているんだ?」
「アルがないと、砕けた話し方が不敬だと言われそうアル。・・ファウスト様、地引網を設置し終えた漁師の船が、戻って来るのが見えました。20分後には到着すると思われます。」
「ファウストには普通に敬語じゃないか・・・。俺には『アル』は無しで、ため口にして良いよ。」
「アッシュ、私にも普段の言葉使いで話して欲しいわ。」
俺は呆れながら、ため口で構わないことを伝えると、イコリスが同様の言葉使いをアッシュに願い出た。
ファウストは面白くなさそうに、アッシュを見据えながら俺達に指示を出した。
「・・・・ではサイナス、トゥラン、第一天幕にいる生徒を整列させよう。イコリスはラビネと天幕で待機して、怪我人が出た時の救護に備えてくれ。」
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