【R-18】呪われた令嬢と寡黙な護衛騎士

桜百合

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 「あまり見ないでください。あなたを怖がらせたくない」

 もどかしさにレティは体をよじるが、ステアにしっかりと押さえつけられる。

 「動かないで。最初は痛むかもしれません……俺の背に爪を立てて構いませんので、少しだけ、我慢してください」

 レティが小さく頷いたことを確認すると、ステアは真っ直ぐ自身を押し進めた。

 「あっ……んんっ……」

 純潔の証である通り道を、ステアが通り過ぎる瞬間に激痛が走る。
 思わず顔を顰めたレティの目尻からは、自然と涙がこぼれていた。
 ステアはその涙に口付けて吸い取り、彼女の緊張を解くために唇に触れた。

 「レティ様、力を抜いてください……」

 そう言って唇をなぞると、そのまま噛み付くように口付ける。

 「ん、ふうっ……」

 口付けの激しさにレティの意識がそちらへ向かった瞬間、ステアは残りの昂りを一気に押し込んだ。

 ステアはゆるゆると腰を動かし始める。
 最初は痛みで引き攣れるような感覚があったそこは、だいぶ馴染んできたようだ。

 「あっ……」

 それと共にレティの声も、甘さを含んだものへと変わっていく。
 

 「ああ、レティ様……俺はもう……」

 「レティと、呼んで欲しいのっ……ステア……」

 幼い頃から側にいた大切な人。
 ずっとずっと大好きだった人。
 その人が自分のことを女性として意識して、自分の体に興奮してくれている。
 それだけでレティは天にも昇る心地とあった。

 「っレティ! レティ!」

 ステアは最後の一仕事と言わんばかりに激しく抽送を繰り返し、やがてレティの中で果てた。
 熱い精が中で放たれていくのを感じたレティは、なんとも幸せな気持ちになった。


 「レティ、私はあなたを手折ってしまいました。私はしがない伯爵家の三男。あなたに相応しい相手ではないというのに……」

 全てを終えた後、ステアはレティに腕枕をしながら謝罪した。
 レティはそんな彼の胸板に擦り寄りながら首を振る。

 「いいえ。私はあなたがいいの。あなたがどこの誰でも、あなたでないと嫌なの。あなたのためなら、公爵家を出る覚悟もできているわ」

 「レティ……愛している」

 二人はそっと口付けた。
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