18 / 32
私と彼の八年間18 ※
しおりを挟む
二人きりで過ごす久しぶりの誕生日。
用意したロールキャベツとチョコレートケーキはしっかりと俊のお腹の中へと収められた。
お洒落なペアのグラスにシャンパンを入れて乾杯し、食後はルームキャンドルを照らした室内で映画を観た。
二人並んでソファに座り、一つのブランケットに包まれる。
食後の満腹感と暖かさも相まって私は少し眠くなり、俊の肩にもたれかかった。
俊はそんな私をチラと見て、安心したように微笑みながら頭を撫でる。
こんな日が、再び訪れるなんて。
若い頃のような刺激に溢れた恋もいい思い出だった。
だけど今のこの落ち着いた関係も悪くはないだろう。
「な、なあ葵……」
「ん?」
「悪いんだけど、少し離れてくれ……」
「なんで? 重たい?」
「いや、そういうわけじゃ……」
俊は珍しくゴニョゴニョと歯切れの悪い様子。
「何? 言ってくれないとわかんない」
「……そんなにくっつかれると、俺の理性が限界になる」
「え……」
思いもよらぬ彼の返答に、私は一瞬言葉を失った。
「いや、今のは忘れろ。忘れてくれっ……」
「俊はしたいの?」
「……そりゃ、したいよ。好きな女が隣にいてそう思わない方がおかしいだろ。でも葵とは色々あったし、葵の気持ちに踏ん切りがついた時でいいから……って葵!?」
気付けば私は俊の頬に両手をやるようにして、自らキスをしていた。
「……葵、それどういう意味かわかってんの?」
「わかってる。私も俊としたい」
「まじかよ……もうやめられないからな……」
そのまま私たちは何度もキスを繰り返した。
「んっ……俊……」
「葵……好き、好きだ……」
最初は恐る恐る重ね合わせるだけのキスから始まり、やがては互いの舌を絡め取るような深いものへ。
「葵、ベッド行く?」
薄らと顔を赤らめた俊に尋ねられた私は、同じように顔を赤くして頷く。
すると俊は私をブランケットごと横抱きにして、寝室へと足を進めた。
「いや、恥ずかしい。自分で歩けるのに」
「いいから、黙ってろって」
俊は寝室へ入ると私をベッドにゆっくりと降ろした。
そして私の髪を愛おしそうに触ると耳にかけ、そのままベッドに押し倒すようにしてそっと自らの体重をかける。
ギシ……と音を立てたベッドがこれから始まる行為を連想させて、私は恥ずかしくなった。
「葵、いい?」
熱を帯びた俊の瞳に、彼も一人の男なのだということを実感させられる。
「うん」
了承を得たことを確認すると、俊は私の首元に顔を埋めた。
そしてちゅ、ちゅ、と首筋を吸い上げるようにして愛撫する。
久しぶりのその感覚に私は早くもおかしくなりそうだ。
「あっ……んっ……」
「葵、もっと声聞かせて」
俊も既に息が荒くなっており、この行為に興奮してくれていることがわかる。
そのまま彼の唇は鎖骨を通りながら下へと向かっていき、胸に到達した。
乳首を口に含むと執拗なほどに舌で転がし、吸い上げる。
やはり久しぶりの刺激は強すぎるほどで、あっというまにそこはピンと勃ち上がり、ヒリヒリとした痛みすら感じるほどだ。
「俊、そこそんなに……」
「可愛い葵……」
俊は惚けたような顔で私に何度もキスをする。
食らいつくようなキスは、私の全てを飲み込んでしまいそうなほど。
飲み込めなかった唾液は唇の隙間からこぼれ落ちていく。
「こっちも触るよ」
その言葉と共に俊の手がするりと私の下着の中に入っていく。
表面を優しく擦るように指の腹を動かしていくうちに、私のそこからは恥ずかしい水音が聞こえるようになってきた。
「俊っ……」
「指挿れるから、痛かったらすぐ言えよ」
くちくちと音を立てながらゆっくりと中へ入ってきた指は、久しぶりの感覚を私にもたらす。
「濡れてる、良かった……」
「あっ……何言って……」
「最後にしたときは、あんま濡れてなかったから……あのときは無理矢理してごめんな」
「もう、いいからっ……んっ……」
あの日俊とセックスをして以来、私の体は誰一人として受け入れてはいない。
初めてを俊に捧げてから今までずっと、私の体はずっと俊一人のものなのだ。
膣の奥深くに挿入された指をバラバラと動かすようにして敏感なところを刺激されるうちに、私の体の奥からザワザワとした波のようなものが迫り来る。
「俊、だめっ……だめっ……」
「このまま葵は気持ち良くなって」
俊は止めるどころか顔をそこに近づけると、はあっと吐息をかけて舐め始めたのだ。
「あっやあっ……」
「葵のここ、甘い」
「っそんなわけ……」
俊が何かを喋るたびに吐息がかかる。
そんな些細な刺激すらも敏感に感じ取ってしまうほどに私は彼に体を許しているようだ。
「俊、私もうっ……それ以上されたらっ……」
「いいよ、いって」
そう言いながらさらに執拗に指の腹を中の壁に擦り付け、クリトリスを吸い上げる。
その瞬間、私の中で何かか弾け飛ぶような衝撃と快感に襲われた。
用意したロールキャベツとチョコレートケーキはしっかりと俊のお腹の中へと収められた。
お洒落なペアのグラスにシャンパンを入れて乾杯し、食後はルームキャンドルを照らした室内で映画を観た。
二人並んでソファに座り、一つのブランケットに包まれる。
食後の満腹感と暖かさも相まって私は少し眠くなり、俊の肩にもたれかかった。
俊はそんな私をチラと見て、安心したように微笑みながら頭を撫でる。
こんな日が、再び訪れるなんて。
若い頃のような刺激に溢れた恋もいい思い出だった。
だけど今のこの落ち着いた関係も悪くはないだろう。
「な、なあ葵……」
「ん?」
「悪いんだけど、少し離れてくれ……」
「なんで? 重たい?」
「いや、そういうわけじゃ……」
俊は珍しくゴニョゴニョと歯切れの悪い様子。
「何? 言ってくれないとわかんない」
「……そんなにくっつかれると、俺の理性が限界になる」
「え……」
思いもよらぬ彼の返答に、私は一瞬言葉を失った。
「いや、今のは忘れろ。忘れてくれっ……」
「俊はしたいの?」
「……そりゃ、したいよ。好きな女が隣にいてそう思わない方がおかしいだろ。でも葵とは色々あったし、葵の気持ちに踏ん切りがついた時でいいから……って葵!?」
気付けば私は俊の頬に両手をやるようにして、自らキスをしていた。
「……葵、それどういう意味かわかってんの?」
「わかってる。私も俊としたい」
「まじかよ……もうやめられないからな……」
そのまま私たちは何度もキスを繰り返した。
「んっ……俊……」
「葵……好き、好きだ……」
最初は恐る恐る重ね合わせるだけのキスから始まり、やがては互いの舌を絡め取るような深いものへ。
「葵、ベッド行く?」
薄らと顔を赤らめた俊に尋ねられた私は、同じように顔を赤くして頷く。
すると俊は私をブランケットごと横抱きにして、寝室へと足を進めた。
「いや、恥ずかしい。自分で歩けるのに」
「いいから、黙ってろって」
俊は寝室へ入ると私をベッドにゆっくりと降ろした。
そして私の髪を愛おしそうに触ると耳にかけ、そのままベッドに押し倒すようにしてそっと自らの体重をかける。
ギシ……と音を立てたベッドがこれから始まる行為を連想させて、私は恥ずかしくなった。
「葵、いい?」
熱を帯びた俊の瞳に、彼も一人の男なのだということを実感させられる。
「うん」
了承を得たことを確認すると、俊は私の首元に顔を埋めた。
そしてちゅ、ちゅ、と首筋を吸い上げるようにして愛撫する。
久しぶりのその感覚に私は早くもおかしくなりそうだ。
「あっ……んっ……」
「葵、もっと声聞かせて」
俊も既に息が荒くなっており、この行為に興奮してくれていることがわかる。
そのまま彼の唇は鎖骨を通りながら下へと向かっていき、胸に到達した。
乳首を口に含むと執拗なほどに舌で転がし、吸い上げる。
やはり久しぶりの刺激は強すぎるほどで、あっというまにそこはピンと勃ち上がり、ヒリヒリとした痛みすら感じるほどだ。
「俊、そこそんなに……」
「可愛い葵……」
俊は惚けたような顔で私に何度もキスをする。
食らいつくようなキスは、私の全てを飲み込んでしまいそうなほど。
飲み込めなかった唾液は唇の隙間からこぼれ落ちていく。
「こっちも触るよ」
その言葉と共に俊の手がするりと私の下着の中に入っていく。
表面を優しく擦るように指の腹を動かしていくうちに、私のそこからは恥ずかしい水音が聞こえるようになってきた。
「俊っ……」
「指挿れるから、痛かったらすぐ言えよ」
くちくちと音を立てながらゆっくりと中へ入ってきた指は、久しぶりの感覚を私にもたらす。
「濡れてる、良かった……」
「あっ……何言って……」
「最後にしたときは、あんま濡れてなかったから……あのときは無理矢理してごめんな」
「もう、いいからっ……んっ……」
あの日俊とセックスをして以来、私の体は誰一人として受け入れてはいない。
初めてを俊に捧げてから今までずっと、私の体はずっと俊一人のものなのだ。
膣の奥深くに挿入された指をバラバラと動かすようにして敏感なところを刺激されるうちに、私の体の奥からザワザワとした波のようなものが迫り来る。
「俊、だめっ……だめっ……」
「このまま葵は気持ち良くなって」
俊は止めるどころか顔をそこに近づけると、はあっと吐息をかけて舐め始めたのだ。
「あっやあっ……」
「葵のここ、甘い」
「っそんなわけ……」
俊が何かを喋るたびに吐息がかかる。
そんな些細な刺激すらも敏感に感じ取ってしまうほどに私は彼に体を許しているようだ。
「俊、私もうっ……それ以上されたらっ……」
「いいよ、いって」
そう言いながらさらに執拗に指の腹を中の壁に擦り付け、クリトリスを吸い上げる。
その瞬間、私の中で何かか弾け飛ぶような衝撃と快感に襲われた。
87
お気に入りに追加
612
あなたにおすすめの小説
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
恋人に捨てられた私のそれから
能登原あめ
恋愛
* R15、シリアスです。センシティブな内容を含みますのでタグにご注意下さい。
伯爵令嬢のカトリオーナは、恋人ジョン・ジョーに子どもを授かったことを伝えた。
婚約はしていなかったけど、もうすぐ女学校も卒業。
恋人は年上で貿易会社の社長をしていて、このまま結婚するものだと思っていたから。
「俺の子のはずはない」
恋人はとても冷たい眼差しを向けてくる。
「ジョン・ジョー、信じて。あなたの子なの」
だけどカトリオーナは捨てられた――。
* およそ8話程度
* Canva様で作成した表紙を使用しております。
* コメント欄のネタバレ配慮してませんので、お気をつけください。
* 別名義で投稿したお話の加筆修正版です。
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる