2 / 8
②
しおりを挟む
「ずっとお前が好きだった。でもこういうの初めてだしどうすれば良いのかわかんなくて……。だけど新庄がお前に告ったって聞いたら居ても立ってもいられなくなった」
「急すぎて何が何だかさっぱり……」
「凛はさ、俺のこと嫌い?」
私を見つめる拓真の視線が痛い。
「……嫌いじゃない」
「じゃあ、好き?」
「ちょ、ちょっと待って何その聞き方」
「好きかどうか聞いてんの」
拓真のことが好きかって?
そりゃあ好きに決まってる。
でも拓真はモテるのだ。今後もその悩みからは解放されることはないだろう。
荒波の中に飛び込んでいく勇気はなかなか出ない。
「……好き。でも、付き合えない……と思う」
「はあ? 意味わかんね。好きなら付き合えば良いだろ!」
「だって、拓真モテるじゃん。私と付き合っても寄ってくる女子はいっぱいいるだろうし、いちいちヤキモチとか焼いたりしたくないんだよね……」
「俺今までの告白、ちゃんと断ってるよ。思わせぶりな態度とか取ったことない」
「それはわかってる……」
「なあ、頼むよ。今もこれから先も凛のことしか見てないから。何か嫌がらせされても絶対俺が守るし」
縋るような拓真を前にして、私の中から断るという選択肢は消え失せてしまったらしい。
「……わかった、わかったから離して」
「嫌だ。すげーいい匂いするし、抱き心地良すぎて離したくない」
そう言うと拓真は私の首元に顔を埋めて、すんと匂いを嗅ぎ始めた。
「ちょ、やだ! やめてよ変態っ……んっ……」
「まじ? お前そんな声……無理、止まんない」
「やだ、拓真! んんっ」
拓真は両手で顔にかかった私の髪の毛をかきあげると、そのまま頭を押さえつけてキスをした。
少し暖かくて、カサついた唇は戸惑うように私の唇をゆっくり啄む。
「やっ、んっ……」
「ああもう、可愛すぎ」
ぎこちない拓真のキスは、やがて激しいものへと変わっていき。
いつのまにか口の中へ入り込んでいた彼の舌は獣のように動き回る。
「はぁっ……。なあ、凛……やっていい?」
唇を離して燃え上がるほど熱い瞳でこちらを見つめる拓真の姿は、高校生とは思えないほどの色気を醸し出している。
「えっ……何言ってんの、ここ私の部屋で下にお母さんいるんだけど」
「おばさんなら出かけるって言ってたよ」
「で、でもゴムもないし……」
生まれてこの方彼氏のいない私が避妊具を用意しているはずがなく。
だがそんな私に拓真は一瞬目を見開くと、そのあと吹き出すようにして笑った。
「なんだよ。気にするところ、そこ?」
「だって……」
「ゴムなら俺持ってる」
「なんで!?」
「いつ凛とそうなってもいいように。それに、今日ここ来るときにそうなったらいいなって」
つまり元々拓真は私とやるつもりだったと言うことか。
「……やりたいだけ?」
「なわけねーだろ! お前何年俺と幼馴染やってんだよ……結構ショックなんだけど」
「ごめん」
拓真は私のおでこにコツンと自分のおでこをぶつけると、再びこう尋ねた。
「なあ、やっていい? 俺凛の初めてもらいたい」
「……拓真っ……」
「ちなみにさ、俺も初めてだから」
「え、嘘……」
「ほんと。だからさ、俺の初めてもらってくれる?」
結局私は再び流されるようにして頷いてしまったのである。
「急すぎて何が何だかさっぱり……」
「凛はさ、俺のこと嫌い?」
私を見つめる拓真の視線が痛い。
「……嫌いじゃない」
「じゃあ、好き?」
「ちょ、ちょっと待って何その聞き方」
「好きかどうか聞いてんの」
拓真のことが好きかって?
そりゃあ好きに決まってる。
でも拓真はモテるのだ。今後もその悩みからは解放されることはないだろう。
荒波の中に飛び込んでいく勇気はなかなか出ない。
「……好き。でも、付き合えない……と思う」
「はあ? 意味わかんね。好きなら付き合えば良いだろ!」
「だって、拓真モテるじゃん。私と付き合っても寄ってくる女子はいっぱいいるだろうし、いちいちヤキモチとか焼いたりしたくないんだよね……」
「俺今までの告白、ちゃんと断ってるよ。思わせぶりな態度とか取ったことない」
「それはわかってる……」
「なあ、頼むよ。今もこれから先も凛のことしか見てないから。何か嫌がらせされても絶対俺が守るし」
縋るような拓真を前にして、私の中から断るという選択肢は消え失せてしまったらしい。
「……わかった、わかったから離して」
「嫌だ。すげーいい匂いするし、抱き心地良すぎて離したくない」
そう言うと拓真は私の首元に顔を埋めて、すんと匂いを嗅ぎ始めた。
「ちょ、やだ! やめてよ変態っ……んっ……」
「まじ? お前そんな声……無理、止まんない」
「やだ、拓真! んんっ」
拓真は両手で顔にかかった私の髪の毛をかきあげると、そのまま頭を押さえつけてキスをした。
少し暖かくて、カサついた唇は戸惑うように私の唇をゆっくり啄む。
「やっ、んっ……」
「ああもう、可愛すぎ」
ぎこちない拓真のキスは、やがて激しいものへと変わっていき。
いつのまにか口の中へ入り込んでいた彼の舌は獣のように動き回る。
「はぁっ……。なあ、凛……やっていい?」
唇を離して燃え上がるほど熱い瞳でこちらを見つめる拓真の姿は、高校生とは思えないほどの色気を醸し出している。
「えっ……何言ってんの、ここ私の部屋で下にお母さんいるんだけど」
「おばさんなら出かけるって言ってたよ」
「で、でもゴムもないし……」
生まれてこの方彼氏のいない私が避妊具を用意しているはずがなく。
だがそんな私に拓真は一瞬目を見開くと、そのあと吹き出すようにして笑った。
「なんだよ。気にするところ、そこ?」
「だって……」
「ゴムなら俺持ってる」
「なんで!?」
「いつ凛とそうなってもいいように。それに、今日ここ来るときにそうなったらいいなって」
つまり元々拓真は私とやるつもりだったと言うことか。
「……やりたいだけ?」
「なわけねーだろ! お前何年俺と幼馴染やってんだよ……結構ショックなんだけど」
「ごめん」
拓真は私のおでこにコツンと自分のおでこをぶつけると、再びこう尋ねた。
「なあ、やっていい? 俺凛の初めてもらいたい」
「……拓真っ……」
「ちなみにさ、俺も初めてだから」
「え、嘘……」
「ほんと。だからさ、俺の初めてもらってくれる?」
結局私は再び流されるようにして頷いてしまったのである。
66
お気に入りに追加
282
あなたにおすすめの小説
二度目の恋もあなたと
雪本 風香
恋愛
兄の結婚式で再会した初恋の安村。
美咲の幼い頃の淡い恋は憧れに、そしていい思い出に変わっていたはずなのに。
「またあなたを好きになりました」
8歳の年の差ラブストーリーです。
不定期更新です。
R18は★つき。
他サイトにも掲載しています。
(3/14追記)
※初恋から二度目の恋までの期間は15年です。誤って10年と記載しておりました。混乱させてしまい、大変申し訳ございません。随時修正させていただきます。また、ご指摘いただきありがとうございました。
【R18】セフレじゃないから!
ミカン♬
恋愛
★エタニティ挑戦【R18】です。18歳未満・苦手な方は申し訳ありません、お戻りください。
久野圭子22歳銀行員。2歳年下の可愛い大学生のセフレがいます。
イケメンのセフレには絶えず美女の取り巻きが居て恋人に昇格するのは難しそう。
セフレにはセレブな友人がいてヒモをやっています。時給2000円で女子寄せパンダバイトをしており、絶えずスマホを操作しています。週に1~2回、気が向いたら私を抱きに来ますが、ただの都合の良い女なのでしょう。将来を慮り屑なセフレと別れる決心をしました。
銀行から出向を命じられ春寒の高野山の工芸展&カフェに努めることになりました。
セフレと別れるのにちょうどいいと姿を消したのですがセフレが追いかけてきました。
いやいやお別れしたいです。もう気持ちは冷めました・・・何度来ても追い返すのみです。
すると(あれ?ドアが開かない?)事件です!警察を~
地名など出てますが妄想の世界です。緩い設定で時々エロいシーン★入ります。
サクッと終ります。暇つぶしに読んでください、宜しくお願いします。
なろう様ムーンにも投稿。少し内容が違う部分があります。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
【R18】兵士となった幼馴染の夫を待つ機織りの妻
季邑 えり
恋愛
幼くして両親を亡くした雪乃は、遠縁で幼馴染の清隆と結婚する。だが、貧しさ故に清隆は兵士となって村を出てしまう。
待っていろと言われて三年。ようやく帰って来る彼は、旧藩主の娘に気に入られ、村のために彼女と祝言を挙げることになったという。
雪乃は村長から別れるように説得されるが、諦めきれず機織りをしながら待っていた。ようやく決心して村を出ようとすると村長の息子に襲われかけ――
*和風、ほんわり大正時代をイメージした作品です。
年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!
ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。
【R18】仏頂面次期公爵様を見つめるのは幼馴染の特権です
べらる
恋愛
※※R18です。さくっとよめます※※7話完結
リサリスティは、家族ぐるみの付き合いがある公爵家の、次期公爵である青年・アルヴァトランに恋をしていた。幼馴染だったが、身分差もあってなかなか思いを伝えられない。そんなある日、夜会で兄と話していると、急にアルヴァトランがやってきて……?
あれ? わたくし、お持ち帰りされてます????
ちょっとした勘違いで可愛らしく嫉妬したアルヴァトランが、好きな女の子をトロトロに蕩けさせる話。
※同名義で他サイトにも掲載しています
※本番行為あるいはそれに準ずるものは(*)マークをつけています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる