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最終章

愛する人(2)★

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「はぁっ……そんなに可愛い反応をされたら、挿れる前に出てしまうだろう……? 」

 少し呆れたような顔をして自らの髪をかきあげるリンドの仕草に、カリーナはゾクゾクとする。
 半年前よりも伸ばされた髪は、リンドの色気を増長させていた。
 カリーナはリンドの髪に手を触れる。
 光に当たると艶めくその髪に触れるのは久しぶりだ。
 たったそれだけでも心が満たされる。

「俺の物だ……二度離さない、絶対に誰にも渡さない。死ぬまでそばにいてくれ……」

 そう言ってリンドはチュッとカリーナの首筋に噛み付き鬱血させ、所有印を付けた。

「ん……リンド様……」

 首筋から始まり、鎖骨、胸元、膨らみへと唇を移動させながら所有印を増やしていく。
 その度にチクリとした痛みを感じながら、カリーナは幸せに溺れそうになる。
 あのリンドが、カリーナのことを求めて必死になっている。

 苦しかったあの頃の自分に伝えたい。
 想いは報われると。

 所有印は薄赤く腫れ上がり、カリーナの真っ白な肌をバラのように彩った。
 明日の朝メアリーに見られたら何と言われるだろうか。

 (ドレスのデザインで苦労をかけるわね…)

 カリーナがそんな事を考えている間に、リンドは愛おしそうにその印を指でなぞっていく。

「俺の印をこんなにつけて……ああカリーナ、愛しているっ……何度伝えても足りないくらいだ」
「リンド様、嬉しい……」
「リンド、と呼んではくれないのか? 」

 少し眉を下げて悲しげな表情を浮かべるリンドも魅力的だ。

「だって……んっ……なんだか恥ずかしくて……」

 リンドからの降るような口付けを受け入れながら、途切れ途切れにそう伝える。

「今更か? 半年前はリンドと呼んでくれていたのに」

 チュッと耳の後ろに唇を寄せて、熱い声で囁く。

「あ……もう、話しながら耳に唇を寄せないでください……」
「カリーナが悪い、お前がこのように可愛いのがいけない」

 その言葉を聞いて、カリーナはクスッと笑ってしまった。

「なぜ笑う」

 ムッとしたような顔でリンドが尋ねる。

「今リンド様には、余裕がないのですね?」

 そう、リンドがカリーナをお前と呼ぶ時は基本余裕が無い時なのである。
 だが今のカリーナにはそれも愛おしい。

「……っ! そのようなことなど考える暇も無いくらいに愛してやる」

 再び噛み付くような口付け。
 カリーナも自らの舌をリンドに絡ませると、リンドは一瞬目を大きく開いたが、すぐにそのまま口付けを続けた。

「かなり待たせてしまったが、ここも苦しいだろう……」

 リンドは先程と同じように、更に湿り気を帯びたカリーナの下着を、つ……と上から下へ指で撫でる。

「ひぁっ!」

 カリーナはビクッと反応した。

「さっきより濡れているな……」

 そう言ってそっと下着を足から抜くと、糸を引くように愛液が光る。

「あっ……私ったらはしたない真似を……」

 慌ててカリーナは脚を閉じようとするが、リンドに素早く捕らえられ、ガバッと両脚を広げられてしまった。
 カリーナの秘部が包み隠さずリンドの眼前に露わになる。

「いやっ……見ないでくださいませっ」
「美しい……恥ずかしがらずに全て見せてくれ……」

 
 そのままリンドはそこに口付けし、舌で舐めた。

「!? んんっリンド様っ……ダメですわそんなところ……」

 言葉とは裏腹に、カリーナのそこはリンドの舌を待ち受けていたかのように蜜をこぼす。

「本当にダメなのか? こんなに濡れているのに?」

 唇についた蜜をペロリと舐めるリンドはなんとも艶めかしい。

「半年間どれほどこの時を待ち望んだことか……一滴残らず舐め取ってやる」

 その言葉通り、執拗なまでにリンドはカリーナの秘部を舐め回した。

「あっ……リンド様……そのようにされてはおかしくなってしまう……あぁんっ」

 カリーナはシーツを握りしめて必死に快感と闘う。
 カリーナのそこはリンドの唾液と蜜とが混じり合い、泉となっている。

「私が去ってから、お前の肌に触れた者はいるのか…… ?」

 ふとリンドが尋ねる。
 その表情は苦しそうな余裕の無いものである。

「ありませんわ……。あの日あなた様に愛されてから、私はあなただけを信じて待っておりました……」

 息を切らしながら潤んだエメラルドの瞳で見つめる。

「……リンド様はどうなのですか……?」

 見目麗しいリンドのことだ。
 騎士としての腕前も相まってさぞ女性には人気であろう。
 カリーナと離れていた半年間の間に言い寄ってくる者がいてもおかしく無い。

「私も同じだ。同僚に娼館へ連れて行かれそうになったこともあったが……カリーナ以外にこのような事をする気は起きない」

 ちゅちゅっと全身に愛おしそうに口付けする。
 リンドはカリーナの拡げた両脚の真ん中にある秘部を恍惚とした表情で眺め、そっと1本の指を挿入した。
 既に濡れきっていたそこは、くち……とリンドの指を飲み込む。

「あんっ……リンド様……」
「きついな……ゆっくり慣らしてやる」

 指を前後左右にゆっくり動かしていくうちに、くちゅくちゅと水音が大きくなって行く。

「だいぶ濡れてきたか?」

 リンドはそう言いながら指を2本に増やし、指で掻き出すようにカリーナの内壁を擦り付ける。

「あっ……そこはダメですわっ……」

 先程と打って変わったようにカリーナが身を捩る。

「ここがカリーナの弱いところか? 一度達すると良い」

 そのようなことはお構いなく、リンドはより一層激しく指を動かし、内壁を擦り続ける。
 グチュグチュと卑猥な音がそこからは聞こえ、愛液がリンドの指を濡らして行く。

「ああぁ……!」


 カリーナの悲鳴と共に、プシャっと潮が噴き出し、シーツを濡らす。

「可愛いカリーナ、達してしまったか? だがまだやめられない……」

 リンドはそう言って、カリーナの潮を全て舐めとりながら、敏感な蕾を指の腹で擦り始めた。
 たった今達したばかりのカリーナにとって強すぎる刺激である。

「んんっ達してしまったばかりですのに……またそのようなっ……」

 リンドに手を止める気配はない。
 次の瞬間、カリーナの頭が真っ白になり快感の波が押し寄せた。

「っ……」

 カリーナはグッタリとする。
 内壁はあまりの刺激にヒクヒクと震えていた。

「カリーナ。中はほぐれたか? 私もそろそろ苦しい……」

 カリーナの汗で湿った前髪をかき上げ口付けを落としながら、リンドが苦悶の表情で問う。
 いつのまにか下着を脱ぎ捨てたリンドの脚の間には、大きく存在を主張した男根がそそり立っていた。

 カリーナは初めてまじまじとリンドの物を見つめる。
 

 「リンド様……」
 「カリーナ……挿れたい」

 子犬のような目をして求めるリンドの姿に下腹部が疼き、とろりと蜜が溢れる。

「リンド様……」

 カリーナは両手をリンドの方へ伸ばす。
 リンドはそれに応えるように、カリーナの上に身を被せた。
 男根を蜜口にあてがい、ゆさゆさと入口を刺激する。
 散々達してしまったそこは、そんな刺激では満足できずもどかしい。

「焦らさないでください……苦しいのです……」

 カリーナは涙目になる。

「愛しいカリーナ。今すぐ楽にしてやろう」

 リンドはそのまま腰をゆっくりと前に進める。

「あっ……」

 カリーナは喘ぐように息をする。
 昂ぶりは吸い込まれるよう入っていく。

「はぁっ相変わらずここはキツいな……すぐに達してしまいそうだ」

 達したばかりだと言うのに、そのあまりの快感にリンドは驚愕する。
 カリーナの膣壁がリンドの昂ぶりに絡まるようにしっとりと包み込む。
 既に愛撫によって慣らされていたそこは、スムーズにリンドを受け入れる。

「あん、リンド……様……」

 久しぶりの圧迫感と挿入の快感に、カリーナは息をするのもやっとである。

「っ……あと少し…ようやく全て入りそうだ……」

 そう言うとリンドはずるるっ!と昂ぶりを一思いに奥へ押し込んだ。

「あっ……!」

 あまりの刺激にカリーナの頭の中がチカチカし、何も考えられない。

「っこれで全て入った……やっとだ、カリーナ」

 激しく口付けを交わす二人の間には、何の隔たりも無かった。

「んっふぅ……リンド様……」

 そう微笑んだカリーナの、エメラルドの瞳に涙が滲み、一筋の光のように流れ落ちる。

「ずっとこの日を待っていました」

 もう二度と会えないのでは、と絶望感に包まれた日々が走馬灯の様に駆け巡る。
 そして今下腹部がリンドで満たされる様子を感じ、幸せな気持ちになった。

「……俺もだ、カリーナ」

 額にチュッと口付けすると、微笑む。

「カリーナ、リンドと呼んでくれ……」

「……リンド……」

 その言葉と同時にリンドは腰を激しく打ちつけ始めた。

「んんっ、やっ……」

 カリーナが嬌声を出すほどリンドの昂ぶりは大きさを増し、より一層激しさも強くなっていった。
 
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