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第2章

国王の嫉妬① ★

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「カリーナ、待たせてすまない」

 アレックスがカリーナの部屋へとやってきたのは、食事を終えてから2時間ほど後のことだった。
 カリーナはその間にドレスから部屋着のワンピースに着替え、髪を解き下ろしていた。

「そなたは何をしても美しいな……」

 アレックスはそんなカリーナの姿を見て、珍しく余裕が無さそうだ。

「アレックス様……? どうぞ、おかけください。今メアリーに茶を持って来させますわ」

「いや、構わない。このまま話をしたい」

 カリーナは部屋の隅にいたメアリーに目配せし、退出を促す。
 メアリーがいなくなったことを確認すると、アレックスはソファに座るカリーナの隣へ座り、強く掻き抱いた。

「きゃっ!! アレックス様……?」

 このように余裕のないアレックスは珍しい。
 いつも物事の先読みをして、常に冷静な判断を下している彼が、一体どうしたのであろうか。

「なぜだ……なぜ俺の色を身に付けなかった……?」

 アレックスはカリーナの耳元に、掠れた声でそう呟いた。

「この国では恋人となった男女は女性が相手の色を身に付けるのが慣例……そなたも知っているはずだろう」

「……はい」

 知らなかった、と白々しい嘘をつけば見苦しいだけである。
 カリーナは正直に認めた。

「なぜだ、カリーナ……父と母に私達の関係を紹介するというのに、なぜエメラルドを身に付けぬ……っ」

「それは、私のような成り上がり者が、国王陛下であるあなた様と同じ色を身に付けることが恐れ多いと思ったからでございます……」

 間違ってはいない。
 未だにカリーナは自らの出自に自信がない。
 我が物顔で国王たる者の色を身に付けるほどの勇気は無かった。

「……それだけではないだろう」

 アレックスの声が低くなる。

「エメラルドを見るとリンドを思い出してしまうからではないのか?」

「……何をそのような!?」

 首飾りを選んでいた際に、脳裏に浮かんだ記憶が蘇る。

『エメラルドは俺の瞳の色だ』

 リンドと共にエメラルドを身につけて歩きたかった、あの日の舞踏会。
 やんわりと拒絶されてしまったあの日の記憶。
 忘れたかった記憶が蘇りそうになる。

「私はリンド様を忘れて、あなた様と結婚する覚悟を決めてお城へ参りました。その気持ちは変わりません」

 忘れたい記憶を振り払うように、カリーナは冷静を貫く。

「そなたとあいつの間に何があろうと、気にしないつもりでいた。今は私を選んでくれたのだから、過去は気にしなくて良いと……だが、カリーナ、そなたの中に他の男の記憶が残っていることが許せないのだ。このような気持ちは初めてだ……。これまでは1人の女に執着などしなかった。嫉妬なんてもってのほかだ。自分がそんなに情けない男だとは思わなかった」

「アレックス様……」

 初めて見る国王の表情に、カリーナの心が絆される。

「教えてくれ、カリーナ。どうすればそなたの中からあいつを追い出せる?」

 そう言うや否や、アレックスはカリーナをソファに押し倒し、首元に唇を寄せた。
 そのまま首元に噛み付くように唇を当てると、チクリとしたような痛みがカリーナに走る。

「んっ、いたっ……アレックス様、何を……?」

「あいつの物ではなく、俺のカリーナだと知らしめるために印をつけている」

 そういうとアレックスは、首筋から胸元にかけて、いくつも所有印をつけていく。
 アレックスが口付けた場所には、赤く小さな薔薇が咲いていく。

「あっ……おやめください、これではメアリーに見えてしまいます……」

「見えても良いではないか。何か問題でもあるのか? 私はカリーナの恋人だ」

 そう言いながらも、アレックスは印を増やしていく。

「んんっあっ……」

 まるで辱めを受けているようなショックからか、印をつけられた時の痛み故か、カリーナの目尻に涙が滲む。

「カリーナ、教えてくれ……あいつとは、リンドとは何をした?あいつはカリーナにどのように触れた……?」

 アレックスはカリーナの目尻の涙を指で拭うと、激しく口付けた。
 食事会の前の口付けとは似ても似つかない、まるで獣のような口付けである。

「……はぁっ」

 息つく隙も与えない。
 カリーナは息絶え絶えとなり、ひたすら喘ぐのみである。

 音を立てながら、アレックスはカリーナの舌を吸う。
 2人の唾液が絡まり合い、唇の隙間から零れ落ちる。
 アレックスはその唾液を指で掬い取り、カリーナの口に指を含ませた。

「んんっ!」

 そしてその指を口の中で動かす。

「カリーナ、私のことだけ考えろ」

 アレックスはそう言って指を口から引き抜くと、ワンピースをずり下ろして、柔らかな膨らみに手を伸ばす。
 
「あっアレックス様……」

「ここもリンドが触れたのか? 私が消し去ってやろう」

 アレックスは片方の手で膨らみを揉みしだき、もう片方の手で頂を強く摘む。

「あっ、そのように急に同時になどっ……ダメ……」

 刺激が強すぎて、カリーナは正常な判断ができない。
 それでもアレックスは手を止めない。
 膨らみの頂は真っ赤に膨れ上がり、存在を主張している。

 アレックスは膨らみにも口付けし、印を残す。
 そして唇はそのまま頂へと進み、パクりと頂を口に含むと、歯で甘噛みをする

 アレックスの両手と唇でこねくり回され、カリーナの乳首はヒリリとした痛みを伴う。
 だが痛みを上回るように快感がカリーナを襲った。
 最初は抵抗し戸惑いを見せていたカリーナも、いつのまにかアレックスの行為に感じ、興奮していた。

「はぁっカリーナ……収まりそうにない。先程はあのような余裕を見せていたのにこのザマだ。許してくれ……」

 そうは言うものの、アレックスは手を止めるつもりは無いようだ。

「教えてくれ、リンドはここをどうした? ここにも触れたのか?」

 アレックスは突如屈みこむと、カリーナのワンピースをまくって下着を下ろし、秘部に顔を近付けた。

「そのような! まだ湯浴みをしていませんわ、汗をかいて汚いのです……おやめください」

 未知の行為への恐怖で、カリーナは必死に抵抗するが、アレックスは聞く耳を持たない。
 そして、秘部に口付けし、舌を挿入する。
 部屋中に卑猥な音が鳴り響き、カリーナのそこからは泉のように愛液が溢れ出す。

「いけませんアレックス様っ……お顔が汚れてしまいます! 」

 「愛しいそなたの蜜だ。何も気にする事はない。私のことだけ考えろ」

 舌が出し入れされるたびに、カリーナは粗相をしてしまいそうな感覚になる。
 下腹部にドクドクと血液が集まるような感覚で苦しい。

「アレックス様……はぁっ苦しい……」

「楽にしてやろう」

 そう言うとアレックスは舌を抜き、今度は秘部の上部にある突起を舌で突く。
 舌で突起を突くたびに、ビクビクとカリーナの体に電撃が走り、痙攣する。

「ここにも印をつけた方がよいかな? 」

 アレックスはそのまま印をつけるように、突起を強く吸い上げた。

「ああっ……!」

 カリーナは仰け反るが、アレックスの腕がそれを支える。
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