150 / 156
第5章最弱魔王は悪魔のために頑張るそうです
第149話 憎しみの結果
しおりを挟む
「私はね、勇君……両親が自殺した後にねすぐに小学校を転校したの。仲良かった友達と離れて一人ぼっちになってしまった。新しい土地にいっても皆が私を罵って仲間にいれてくれなかった。私は負け組だったの。だから、大学ではそうならないように努力した。極力、あの件の娘だということを知られないように……なのに――」
天樹は悔しそうに歯を噛みしめる。人間椅子から立ち上がって、仰向けで横になるイサムを見下ろすように立つ。
「君が一緒の大学にいるんだもん。一気に復讐心が目覚めてきたよ。君を幸せから不幸に叩き落とせばどうなるんだろうって」
「……っ、じゃあ、僕に優しくしてくれたのは――」
「君に近づくため」
「僕を好きって言ってくれたのは――」
「君を幸せにするため。本当は君なんか全然好きじゃないよ。影無君は名前の通り、一人でずっと暗闇にいればいいんだよ」
そう言うと天樹はイサムがプレゼントした指輪と袋に入ったままのマフラーをイサムに投げつけた。
「今なのいらない……気持ち悪い……! 君はプレゼントする自分に酔ってるのかもしれないけどセンス悪いね」
「ささ、天樹様。もう行きましょう。いつまでもここにいれば風邪をひいてしまいます」
「うん、そうだね」
守人の男達に言われ、天樹は路地裏から去っていく。守人は先に人混みに紛れて溶け込んだ。
「私はもう幸せになれない……けど、君も絶対に幸せにさせない……じゃあね、影無君」
天樹はそれだけを言い残すと人混みの中へと消えてしまった。
一人残されたイサムは空を見つめる。歪んでいく空を見ながら叫びそうになった。だが、ショックのあまり、声は枯れていた。拳を握りしめて、腹いせを地面にぶつけることしか出来なかった――。
イサムはボロボロだった。すれ違う人が一度はその姿に目を奪われぎょっとした。手には、ぶつけられ、いらないと言われた指輪が握りしめられていた。
(あぁ、憎い……全てが憎い……)
すれ違う人達にも色々な感情がある。楽しい、嬉しい。悲しい、悔しい。幸せ、不幸せ。それは、当たり前のこと。全ての人間が幸せだということはあり得ない。それは、分かっている。だが、どんな感情だろうとイサムは社会に生きている人間全てが憎いと思った。
笑顔を浮かべている人を見れば自然と天樹を思い返す。だが、その偽りの笑顔は頭の中ですぐに憎たらしい表情へと変わった。
(皆、死ねばいい……こんな世界どうなったっていい……俺をこんな風にしたのはこの社会だ――!)
イサムは負の感情に包まれる。この世の全てがどうでも良かった。
「優羽ちゃん――!」
女性の危機迫った声が響いた。周囲にいた全員が声のする方を見た。すると、そこには、幼稚園児程の小さな女の子が道路で転けていた。すぐそこには、女の子に気づいていないトラックが速度を保ったままならな迫っている。助けないと、まず助からない。だが、そんな勇気のある人は誰一人としていない。
イサムも興味がなかった。小さな女の子がどうなったってどうでもいい。関係ない。無視して立ち去った。
「誰か……誰か、お願いします! 優羽ちゃんを助けてください……!」
母親であろう女性は必死に訴える。だが、誰も動けない。目を合わせない。そうしている内にもトラックはどんどん近づく。
「イヤァァァーーー!」
誰もが目を瞑った。もう、助からない――無惨な光景など見たくないからと。
そして、案の定、急停止させようとしても止まらなかったトラックがぶつかる音が響いた。
「そん、な……」
愕然と膝から崩れ落ちる母親であろう女性。大切な娘を失った絶望が襲う。
「……ま、ま……」
「……え?」
「まま……!」
「優羽ちゃん……!」
信じられないことに女の子は生きていた。膝を擦りむき、血を流してはいるものの無事だった。
「じゃあ、いったい、誰が――」
全員が視線を向けた。その先には、血だらけで誰かも判別できない死体が転がっていた――。
◇
「――そうして、俺は知らない間にこの世界に召喚されていた。召喚したのは――」
「アクロマ……だろ?」
「どうしてそれを……?」
サタンはどうしてアクロマが召喚者だと知っているかの理由を答えるか迷った。しかし、それを答えるにはまだはなしてもらわなければならないことが残っていた。
「それは……後で答える。それより、その女の子を助けたのはお前でいいんだよな?」
「――ああ」
「どうして、助けたんだ? 話を聞いている限り、助けようとは思わないだろ?」
「――ああ、助ける気なんてなかった。けど、思ったんだよ。あそこで、あの子を助けたらいつかあの子も憎しみを抱くことになるって。だったら、あの子にもそういう憎しみを感じてほしいだろ? 人間がどういう気持ちになるかを分かってもらいたかったんだよ」
イサムは本当に人間を嫌っているとサタンは感じた。
「そこまでして、お前は――」
「ふん、話を続けるぞ。アクロマに召喚された俺は訳も分からない状況だった――」
「こ、ここは、天国ですか? あなたは天使なんですか?」
よく分からない場所にいたイサムの頭は混乱していた。世界に憎しみを植えつけるために自らの命を使った。つまり、死んだ。なのに、目の前にはよく分からない、背中に白き双翼を持つ凛々しい少女がいたからだ。
「ここは、天国ではなく、天界だ。そして、私は召喚天使であるアクロマだ」
「天界……? 召喚天使……?」
「まぁ、貴様はおいおい理解していけばいい。いきなりで頭がついていかないだろうからな……。貴様の名は?」
「い、イサムです……」
「では、イサム。今日から私がイサムの主人だ。私の言うことを聞け」
「い、嫌です。訳が分かりません。僕は……僕は――」
イサムは死んでまで、こんなことになっていることに嫌気がさす。天界だといっても、所詮あの世界とは変わらず理不尽だと。
「別に、私はお前を傷つけるつもりなど微塵もない。ただ、ひとつ頼みごとをしたいだけだ」
「頼みごと……?」
「ああ……」
すると、途端にアクロマの表情は深い憎しみと激しい怒りが含められた憎悪に変わった。その表情にイサムは怯んでしまった。
「私の両親を殺したヤツを見つけるのに協力してほしい。何もしていないのに殺された私の両親のために、私はヤツを始末せねばならんのだ!」
(――あぁ、この天使も僕と同じなんだ……僕と同じで両親を――)
自分と同じ状況にあったアクロマの話を聞いてイサムは思った。やはり、どこに行っても理不尽は変わらないのだと。その理不尽で大切な存在を失ったのが自分だけではないのだと。
(だったら――)
「分かり……分かった。俺が協力する。その復讐を手伝ってやる」
イサムの表情を見てアクロマは笑った。
「ふ、貴様も相当誰かを恨んでいるようだな。まぁ、だから、私の召喚術にかかったのかもしれないんだがな」
「ああ……俺は人間が嫌いだ。あの憎たらしい者達が生きているのを見るだけで虫酸が走る」
「そう言う貴様も人間だということに変わりはない。だが、ここは天界。天界には不思議な力がある。貴様には天能力というものが与えられ天力が体の中を巡っている。言うなれば、人間であり天使だ」
「それは、別にどうでもいい。もう、人間に興味はないからな」
「結構だ。期待しているぞ、イサム」
何気ない言葉には違いない。だが、初めて誰かに期待されたことがイサムの心を微かに揺らめかせた。
「ふん……それで、俺に探してもらいヤツってのは?」
「ああ、殺戮の英雄という悪魔だ――!」
天樹は悔しそうに歯を噛みしめる。人間椅子から立ち上がって、仰向けで横になるイサムを見下ろすように立つ。
「君が一緒の大学にいるんだもん。一気に復讐心が目覚めてきたよ。君を幸せから不幸に叩き落とせばどうなるんだろうって」
「……っ、じゃあ、僕に優しくしてくれたのは――」
「君に近づくため」
「僕を好きって言ってくれたのは――」
「君を幸せにするため。本当は君なんか全然好きじゃないよ。影無君は名前の通り、一人でずっと暗闇にいればいいんだよ」
そう言うと天樹はイサムがプレゼントした指輪と袋に入ったままのマフラーをイサムに投げつけた。
「今なのいらない……気持ち悪い……! 君はプレゼントする自分に酔ってるのかもしれないけどセンス悪いね」
「ささ、天樹様。もう行きましょう。いつまでもここにいれば風邪をひいてしまいます」
「うん、そうだね」
守人の男達に言われ、天樹は路地裏から去っていく。守人は先に人混みに紛れて溶け込んだ。
「私はもう幸せになれない……けど、君も絶対に幸せにさせない……じゃあね、影無君」
天樹はそれだけを言い残すと人混みの中へと消えてしまった。
一人残されたイサムは空を見つめる。歪んでいく空を見ながら叫びそうになった。だが、ショックのあまり、声は枯れていた。拳を握りしめて、腹いせを地面にぶつけることしか出来なかった――。
イサムはボロボロだった。すれ違う人が一度はその姿に目を奪われぎょっとした。手には、ぶつけられ、いらないと言われた指輪が握りしめられていた。
(あぁ、憎い……全てが憎い……)
すれ違う人達にも色々な感情がある。楽しい、嬉しい。悲しい、悔しい。幸せ、不幸せ。それは、当たり前のこと。全ての人間が幸せだということはあり得ない。それは、分かっている。だが、どんな感情だろうとイサムは社会に生きている人間全てが憎いと思った。
笑顔を浮かべている人を見れば自然と天樹を思い返す。だが、その偽りの笑顔は頭の中ですぐに憎たらしい表情へと変わった。
(皆、死ねばいい……こんな世界どうなったっていい……俺をこんな風にしたのはこの社会だ――!)
イサムは負の感情に包まれる。この世の全てがどうでも良かった。
「優羽ちゃん――!」
女性の危機迫った声が響いた。周囲にいた全員が声のする方を見た。すると、そこには、幼稚園児程の小さな女の子が道路で転けていた。すぐそこには、女の子に気づいていないトラックが速度を保ったままならな迫っている。助けないと、まず助からない。だが、そんな勇気のある人は誰一人としていない。
イサムも興味がなかった。小さな女の子がどうなったってどうでもいい。関係ない。無視して立ち去った。
「誰か……誰か、お願いします! 優羽ちゃんを助けてください……!」
母親であろう女性は必死に訴える。だが、誰も動けない。目を合わせない。そうしている内にもトラックはどんどん近づく。
「イヤァァァーーー!」
誰もが目を瞑った。もう、助からない――無惨な光景など見たくないからと。
そして、案の定、急停止させようとしても止まらなかったトラックがぶつかる音が響いた。
「そん、な……」
愕然と膝から崩れ落ちる母親であろう女性。大切な娘を失った絶望が襲う。
「……ま、ま……」
「……え?」
「まま……!」
「優羽ちゃん……!」
信じられないことに女の子は生きていた。膝を擦りむき、血を流してはいるものの無事だった。
「じゃあ、いったい、誰が――」
全員が視線を向けた。その先には、血だらけで誰かも判別できない死体が転がっていた――。
◇
「――そうして、俺は知らない間にこの世界に召喚されていた。召喚したのは――」
「アクロマ……だろ?」
「どうしてそれを……?」
サタンはどうしてアクロマが召喚者だと知っているかの理由を答えるか迷った。しかし、それを答えるにはまだはなしてもらわなければならないことが残っていた。
「それは……後で答える。それより、その女の子を助けたのはお前でいいんだよな?」
「――ああ」
「どうして、助けたんだ? 話を聞いている限り、助けようとは思わないだろ?」
「――ああ、助ける気なんてなかった。けど、思ったんだよ。あそこで、あの子を助けたらいつかあの子も憎しみを抱くことになるって。だったら、あの子にもそういう憎しみを感じてほしいだろ? 人間がどういう気持ちになるかを分かってもらいたかったんだよ」
イサムは本当に人間を嫌っているとサタンは感じた。
「そこまでして、お前は――」
「ふん、話を続けるぞ。アクロマに召喚された俺は訳も分からない状況だった――」
「こ、ここは、天国ですか? あなたは天使なんですか?」
よく分からない場所にいたイサムの頭は混乱していた。世界に憎しみを植えつけるために自らの命を使った。つまり、死んだ。なのに、目の前にはよく分からない、背中に白き双翼を持つ凛々しい少女がいたからだ。
「ここは、天国ではなく、天界だ。そして、私は召喚天使であるアクロマだ」
「天界……? 召喚天使……?」
「まぁ、貴様はおいおい理解していけばいい。いきなりで頭がついていかないだろうからな……。貴様の名は?」
「い、イサムです……」
「では、イサム。今日から私がイサムの主人だ。私の言うことを聞け」
「い、嫌です。訳が分かりません。僕は……僕は――」
イサムは死んでまで、こんなことになっていることに嫌気がさす。天界だといっても、所詮あの世界とは変わらず理不尽だと。
「別に、私はお前を傷つけるつもりなど微塵もない。ただ、ひとつ頼みごとをしたいだけだ」
「頼みごと……?」
「ああ……」
すると、途端にアクロマの表情は深い憎しみと激しい怒りが含められた憎悪に変わった。その表情にイサムは怯んでしまった。
「私の両親を殺したヤツを見つけるのに協力してほしい。何もしていないのに殺された私の両親のために、私はヤツを始末せねばならんのだ!」
(――あぁ、この天使も僕と同じなんだ……僕と同じで両親を――)
自分と同じ状況にあったアクロマの話を聞いてイサムは思った。やはり、どこに行っても理不尽は変わらないのだと。その理不尽で大切な存在を失ったのが自分だけではないのだと。
(だったら――)
「分かり……分かった。俺が協力する。その復讐を手伝ってやる」
イサムの表情を見てアクロマは笑った。
「ふ、貴様も相当誰かを恨んでいるようだな。まぁ、だから、私の召喚術にかかったのかもしれないんだがな」
「ああ……俺は人間が嫌いだ。あの憎たらしい者達が生きているのを見るだけで虫酸が走る」
「そう言う貴様も人間だということに変わりはない。だが、ここは天界。天界には不思議な力がある。貴様には天能力というものが与えられ天力が体の中を巡っている。言うなれば、人間であり天使だ」
「それは、別にどうでもいい。もう、人間に興味はないからな」
「結構だ。期待しているぞ、イサム」
何気ない言葉には違いない。だが、初めて誰かに期待されたことがイサムの心を微かに揺らめかせた。
「ふん……それで、俺に探してもらいヤツってのは?」
「ああ、殺戮の英雄という悪魔だ――!」
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
⚠『終』の次のページからは、番外&後日談となります。興味がなければブラバしてください。
メシアの原罪
宮下里緒
ファンタジー
天鳴島、神が眠ると言い伝えられる外界とは遮断されたっその島で数百年の時を超えて神はひっそりと目覚める。
神を信仰する少女、神の存在に懐疑的な少年、神を利用するとする者。
それぞれの思惑が、すべての始まりとなる。
ドワーフの魔術師
イノナかノかワズ
ファンタジー
大魔術師ヨシノが死んだ。弟子のドワーフの魔術師、グフウは彼女の故郷の花を探しに旅立った。最初に訪れた街でエルフの戦士、セイランと出会い、花をプレゼントする。それに心動かされたセイランはグフウに付きまとう。当然嫌がるグフウだが、災害の魔物を共に倒したこともあり、近くの街まで一緒に行くことにした。そして道中で仲を深め、一緒に買い物をしたり、演劇を観て仲を深めた二人は、本当の仲間となって旅を続けることとなった。
そして二人はヒューマンの女の子を弟子をとり、キュウリの馬を仲間にして北へと歩みを進めるのだった。
魚やカニ、キノコにカエルなど沢山の魔物に襲われながら、のんびりで騒がしく、時に波乱でシリアスな出来事に巻き込まれながら、グフウはドワーフの魔術師として世界に名を馳せることとなる。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!
フウ
ファンタジー
勇者にして大国アルタイル王国が王太子ノアールの婚約者。
そんな将来を約束された一人の少女は……無実の罪でその人生にあっさりと幕を下ろした。
魔王を復活させて影で操り、全てを赦そうとした聖女様すらも手に掛けようとした公爵令嬢。
悪魔と呼ばれた少女は勇者ノアールによって捕縛され、民の前で処刑されたのだ。
全てを奪われた少女は死の間際に湧き上がるドス黒い感情のままに強く誓い、そして願う。
「たとえ何があったとしても、お前らの言う〝悪魔〟となって復讐してやる!!」
そんな少女の願いは……叶えられた。
転生者であった少女の神によって与えられた権利によって。
そうして悪魔という種族が存在しなかった世界に最古にして始まり……原初の悪魔が降り立ったーー
これは、悪魔になった一人の少女が復讐を……物理的も社会的にも、ざまぁを敢行して最強に至るまでの物語!!
※ この小説は「小説家になろう」 「カクヨム」でも公開しております。
上記サイトでは完結済みです。
上記サイトでの総PV1200万越え!!
騙されてることに気付かず、いつの間にやら最強になってました
猫男爵
ファンタジー
未だ発現例のなかった『レア・スキル・素直』を神より賜りしリック。
レア・スキルといえば聞こえはいいが、特にこれといったスキルの恩恵もなければ、
元々騙されやすい性格が、このスキルの影響か、発現以来、輪をかけて騙されやすい性格になってしまう。
ある時は幼馴染に騙され、全財産奪われた挙句、身ぐるみはがされたり……。
ある時はオンボロの剣を聖剣と騙され高値で売りつけられたり……。
といった具合に詐欺まがいな目に幾度となく合うも、当の本人は騙されたことにさえ気づかず、
それどころか感謝の念まで抱く始末……。
そんな中、ある事件を切っ掛けに、遂にレア・スキル・素直の真価が発揮されることに……。
その能力とは、実際問題ソレが本物であるなしを問わず、リックが信じれば信じるほどに、
すなわち騙されれば騙されるほどに限りなく本物に……。
否、それどころか現物を知らずとも、とにかく凄いモノ‼ リック本人がそう思い込んでいるせいで、
完全な紛い物の使い古された錆びた剣が実在の聖剣をも遥かに凌駕する域まで到達させてしまう
究極のチート・レアスキル・素直。
こうして彼は騙され続けた結果、最強への階段を駆け上がっていくことになる。
この物語は、正直者がバカを見ない成り上がり冒険譚である。
╣淫・呪・秘・転╠亡国の暗黒魔法師編
流転小石
ファンタジー
淫 欲の化身が身近で俺を監視している。
呪 い。持っているんだよねぇ俺。
秘 密? 沢山あるけど知りたいか?
転 生するみたいだね、最後には。
これは亡国の復興と平穏な暮らしを望むが女運の悪いダークエルフが転生するまでの物語で、運命の悪戯に翻弄される主人公が沢山の秘密と共に波瀾万丈の人生を綴るお話しです。気軽に、サラッと多少ドキドキしながらサクサクと進み、炭酸水の様にお読み頂ければ幸いです。
運命に流されるまま”悪意の化身である、いにしえのドラゴン”と決戦の為に魔族の勇者率いる"仲間"に参戦する俺はダークエルフだ。決戦前の休息時間にフッと過去を振り返る。なぜ俺はここにいるのかと。記憶を過去にさかのぼり、誕生秘話から現在に至るまでの女遍歴の物語を、知らないうちに自分の母親から呪いの呪文を二つも体内に宿す主人公が語ります。一休みした後、全員で扉を開けると新たな秘密と共に転生する主人公たち。
他サイトにも投稿していますが、編集し直す予定です。
誤字脱字があれば連絡ください。m( _ _ )m
婚約破棄されたので、令嬢辞めてもふもふに生きますわ!
るてぃー
ファンタジー
魔法や魔物、精霊などが存在する世界。
そんな世界のまぁまぁの国力を持つ、ラクリア国、侯爵家,令嬢エリーゼ・アクリエッタは端から見れば身分・容姿・礼儀作法や勉学、どれを取っても申し分なく、幼い頃に決められた婚約者もいた。
けれど、エリーゼの記念すべきデビュタントを控えた16歳の誕生日の半年前、突然婚約者候補だった相手に「愛する人が出来た。だから君とは結婚出来ない。婚約は解消させてくれ」とちゃんとした謝罪もなしに一方的に言われ、婚約は解消されてしまう。
その時、プツリと何かが切れた音がした。
……は?謝罪もなしに婚約解消??!ちょっと責任感なさすぎじゃないかしら?!わたくしだって別に貴方を愛していたわけではなかったけれども!さすがに腹立たしいですわっ!自由人か!!
…それなら、わたくしだって!自由に生きますわ!
ずっと我慢してきたもふもふに囲まれて好きに生きてやろうじゃありませんか!!
こうしてエリーゼは侯爵家第三令嬢という肩書きを捨てて、もふもふに囲まれて生きていく事を決意したのである。
転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを
なつのさんち
ファンタジー
前世から引き継いだ記憶を元に、男女比の狂った世界で娯楽文化を発展させつつお金儲けもしてハーレムも楽しむお話。
二十九歳、童貞。明日には魔法使いになってしまう。
勇気を出して風俗街へ、行く前に迷いを振り切る為にお酒を引っ掛ける。
思いのほか飲んでしまい、ふら付く身体でゴールデン街に渡る為の交差点で信号待ちをしていると、後ろから何者かに押されて道路に飛び出てしまい、二十九歳童貞はトラックに跳ねられてしまう。
そして気付けば赤ん坊に。
異世界へ、具体的に表現すると元いた世界にそっくりな並行世界へと転生していたのだった。
ヴァーチャル配信者としてスカウトを受け、その後世界初の男性顔出し配信者・起業投資家として世界を動かして行く事となる元二十九歳童貞男のお話。
★★★ ★★★ ★★★
本作はカクヨムに連載中の作品「Vから始める男女比一対三万世界の配信者生活:オタク文化で並行世界を制覇する!」のアルファポリス版となっております。
現在加筆修正を進めており、今後展開が変わる可能性もあるので、カクヨム版とアルファポリス版は別の世界線の別々の話であると思って頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる