142 / 156
第5章最弱魔王は悪魔のために頑張るそうです
第141話 魔王襲来
しおりを挟む
時は少し遡り――アズラの死刑執行日当日の魔界でのこと――。
サタンは朝からサナが握ってくれたおにぎりを食べて食べて食べていた。ここ最近、どういう訳かサタンの食欲は以前より格段と上がり、いくら食べても満腹感を感じることはなかった。
「お兄にゃん、そんなにゆっくりしていて大丈夫なの……? 今日はアズラさんの――」
サナは呑気にも見てとれるその行動に心配を感じるほどだった。
「……ああ、分かってる。けど――」
義妹の心情を感じたサタン。口へ運んでいた手を止めてついた米粒を舐めながら答えた。
「――準備は整えてる。後は俺の体力をためるだけだ」
答えると再びサタンはおにぎりを食べ出す。
そう、準備は整えてあったのだ。その事をサタンは誰にも教えていない。サナにもフィルにもだ。それは、二人のことを信頼していないからじゃない。その準備が確実ではなかったからなのだ。
サナが心配するのも当然か……急ごう……
体力調整も完了し、サタンは天界へ向かう前にもう一度アズラからのノートを眺めていた。それ事態に特に意味はない。ただ、己の思いを揺るがせないためにだった。
「……っよし、行くか……!」
今から行うのはアズラを連れ戻すための全面戦争といっても過言ではない戦い。心のどこかでは怖いと感じている自分がいるのも事実。だが、頬を両手で叩き部屋を出た。すると、扉の前でサナが待っていた。
「サナ……?」
「準備出来たの?」
「ああ、バッチリだ」
サタンが意気込んで答えるとサナは大きなため息をはいた。そして、サタンの腕を引っ張ると別の部屋へと連れていく。
「お、おい、サナ?」
「いいから、黙ってついてきて」
サナによって連れてこられた部屋は沢山の荷物が山積みになっている部屋だった。先代の魔王であるヨハネの時代に使われていたものなのか分からない物もある。
「こんな所に連れてきてどうしたんだ?」
「ハァ……お兄にゃん、その格好のままアズラさんを迎えにいくつもりなの?」
サナが言うその格好とはジャージ姿のことである。自分の血が大量にへばりついており、正直みすぼらしい。
「そのつもりだけど」
だが、サタンはそんなこと気にしない。気にもならない。当然のように答えた。すると、サナはワナワナと震えだした。
「……あり得ない! あり得ないよ、お兄にゃん!」
「なにがあり得ないんだ?」
「ヒロインを迎えにいくのにそんなダサい主人公なんて信じられないよ!」
サナは興奮ぎみに前のめりする。その勢いにサタンは後退りしながら落ち着かせるように両手を前にした。
「だからって、俺にはこれ以外――」
「ちょっと待ってて」
サナは猫のアオニャンの姿になると山積みになっている荷物の上を軽やかに登っていく。そして、口であるものを咥えるとサタンに向かって盛大にジャンプした。落ちる途中で人間の姿に戻ったサナを受け止めるサタン。
「これ、は……」
咥えられたものを目を見開いた。
サナはサタンから降りると咥えていたものを離し両手で差し出した。
「はい、お兄にゃん」
それは、アズラがサタンに作った魔王だということを一目で思わせる衣装であった。黒い服に紺色のズボン。それと、赤いマント。それらが、綺麗に畳まれていた。
「なん、で……これが――」
サタンはてっきり人間との戦いで魔王城を破壊された時、この衣装もなくなったと思っていた。その結果、大事にすると言っておきながらなくしてしまったことに罪悪感が芽生え口にすることはなかった。
「これ、お兄にゃんがいない時にアズラさんが大事そうに抱きしめていたの」
「アズラが……」
アズラは内緒にしていたがその衣装にはアズラの魔力も使われている。そう易々と燃えたり破れたりはしないようになっているのだ。
これからのことを思い、静かに思いをはせていた姿をアオニャンとしてサナは静かに見つめていたことがあった。だから、これがどういうものかは知らないが、アズラを迎えにいく時はサタンにこれを着ていってほしいとずっと思っていたのだ。
サタンは黙ってジャージの上から服を着た。大きく作ってくれているお陰でジャージの上からでもすんなりと着こなすことが出来る。サナが目を隠している間にズボンを履き替え、マントを羽織った。
「――カッコいいよ、お兄にゃん……!」
なんともいえない気持ちに陥っていたサタンを見てサナは笑いながら言った。
「ありがとな」
出そうになった涙をグッと堪えてサタンは答えた。思い出の服を着てより一層士気が高まる。
「……っし、絶対アズラと一緒に帰ってくるぞ」
「うん!」
サタンとサナは魔界城を出て外に出ていた。まるで、アズラの死刑を天使と共に祝福しているかのような晴天。
けど、そんなこと絶対にさせねぇ……!
「じゃあ、私は変身するかお兄にゃんのポケットに入れてね」
そう言うとサナは銃の姿に変わり、サタンの手に乗った。サタンは銃をズボンのポケットに大切にしまうと背中に黒き双翼を顕す。魔柱72柱の悪魔である〈梟の悪魔・ストラス〉の双翼……かつてはそうだった。だが、この時、双翼は歪な形をしていた。そして、その事にサタンは気づかなかった。
サタンは宙へ舞うと天界へと向かってかつてない迅速な速度で飛んでいった。
◇
サタンは一瞬にして天界に入るとそのままあの大きな天城が浮かぶ町を目指す。村のような場所の上空を抜けてフィルが住んでいた場所が目に入ってきた。
あと、少し、か……
サタンはそこで少し動きを止めた。気になることがあったからだ。
「やけに静かだな……それに――」
先日は見上げていたはずの天城が今は見下ろす場所になっている。城が動くなどあり得ないはずが起こっていたのだ。
そこへ、サタンを仕留めるように後方から一本の光のレーザーが音なく放たれる。レーザーは容赦なく襲いかかってくる。だが、サタンは振り向かないままレーザーを片腕で弾く。弾かれたレーザーは地面に衝撃を与えて消えた。
煙が立ち上る中、サタンはゆっくりと後ろを振り向く。しかし、すかさず四方八方からレーザーが放たれた。
サタンは急上昇、レーザーは同士でぶつかり合い消滅した。
「やはり、来たか……」
サタンを囲み、逃がさないように戦天使達が現れる。その中のコセルがサタンを見つめ呟いた。
「また、お前かよ……どうやって俺を発見した? 簡単には見つからないと思っていたんだが……」
サタンもコセルを見返して問う。
この前みたいに、逃げ切れる状況ではない。助けもなければ、道筋もない。
「ふん、今日は天界にとってかけがえのない一日になる……誰がきても邪魔されないように盛大に警戒するのは当然だろう」
戦天使は天界を守備するためにあちこちに配置されていた。その中の一人が高速で飛ぶ異常者の姿を目にしたのだ。
「あっそ……まぁ、なんでもいいや。それで、どうするつもりだ?」
「どうするつもり……そんなの決まっているだろ。貴様を捕らえ、アルトノリア様の邪魔をさせない」
コセルは槍を掴むと臨戦態勢へと入る。周囲の戦天使も両手を前にし、レーザーを放つ態勢へと入った。逃げ場なし。絶体絶命。だが、サタンには妙な自信がみなぎっていた。
「いいのか……俺にばかり構っていて」
「なんだと?」
サタンの言葉にコセルは敏感に反応した。そして、俊敏に周囲を見渡した。他の仲間がいるかもしれないということが頭を遮ったからだ。しかし、やって来たのはサタンの仲間ではなく、同じ戦天使の一人だった。
「た、大変だ!」
「どうした?」
「町に……町に五体の魔物が……!」
その言葉を聞いてサタンは唇を小さく緩ませた。
準備していたものを信じ切った訳ではない。それは、サタンにとっての敵に値する者との約束だったからだ。しかし、町に魔物が現れたということは協力だけはしてくれたということだ。
「さぁ、戦いの幕開けだ――!」
サタンは朝からサナが握ってくれたおにぎりを食べて食べて食べていた。ここ最近、どういう訳かサタンの食欲は以前より格段と上がり、いくら食べても満腹感を感じることはなかった。
「お兄にゃん、そんなにゆっくりしていて大丈夫なの……? 今日はアズラさんの――」
サナは呑気にも見てとれるその行動に心配を感じるほどだった。
「……ああ、分かってる。けど――」
義妹の心情を感じたサタン。口へ運んでいた手を止めてついた米粒を舐めながら答えた。
「――準備は整えてる。後は俺の体力をためるだけだ」
答えると再びサタンはおにぎりを食べ出す。
そう、準備は整えてあったのだ。その事をサタンは誰にも教えていない。サナにもフィルにもだ。それは、二人のことを信頼していないからじゃない。その準備が確実ではなかったからなのだ。
サナが心配するのも当然か……急ごう……
体力調整も完了し、サタンは天界へ向かう前にもう一度アズラからのノートを眺めていた。それ事態に特に意味はない。ただ、己の思いを揺るがせないためにだった。
「……っよし、行くか……!」
今から行うのはアズラを連れ戻すための全面戦争といっても過言ではない戦い。心のどこかでは怖いと感じている自分がいるのも事実。だが、頬を両手で叩き部屋を出た。すると、扉の前でサナが待っていた。
「サナ……?」
「準備出来たの?」
「ああ、バッチリだ」
サタンが意気込んで答えるとサナは大きなため息をはいた。そして、サタンの腕を引っ張ると別の部屋へと連れていく。
「お、おい、サナ?」
「いいから、黙ってついてきて」
サナによって連れてこられた部屋は沢山の荷物が山積みになっている部屋だった。先代の魔王であるヨハネの時代に使われていたものなのか分からない物もある。
「こんな所に連れてきてどうしたんだ?」
「ハァ……お兄にゃん、その格好のままアズラさんを迎えにいくつもりなの?」
サナが言うその格好とはジャージ姿のことである。自分の血が大量にへばりついており、正直みすぼらしい。
「そのつもりだけど」
だが、サタンはそんなこと気にしない。気にもならない。当然のように答えた。すると、サナはワナワナと震えだした。
「……あり得ない! あり得ないよ、お兄にゃん!」
「なにがあり得ないんだ?」
「ヒロインを迎えにいくのにそんなダサい主人公なんて信じられないよ!」
サナは興奮ぎみに前のめりする。その勢いにサタンは後退りしながら落ち着かせるように両手を前にした。
「だからって、俺にはこれ以外――」
「ちょっと待ってて」
サナは猫のアオニャンの姿になると山積みになっている荷物の上を軽やかに登っていく。そして、口であるものを咥えるとサタンに向かって盛大にジャンプした。落ちる途中で人間の姿に戻ったサナを受け止めるサタン。
「これ、は……」
咥えられたものを目を見開いた。
サナはサタンから降りると咥えていたものを離し両手で差し出した。
「はい、お兄にゃん」
それは、アズラがサタンに作った魔王だということを一目で思わせる衣装であった。黒い服に紺色のズボン。それと、赤いマント。それらが、綺麗に畳まれていた。
「なん、で……これが――」
サタンはてっきり人間との戦いで魔王城を破壊された時、この衣装もなくなったと思っていた。その結果、大事にすると言っておきながらなくしてしまったことに罪悪感が芽生え口にすることはなかった。
「これ、お兄にゃんがいない時にアズラさんが大事そうに抱きしめていたの」
「アズラが……」
アズラは内緒にしていたがその衣装にはアズラの魔力も使われている。そう易々と燃えたり破れたりはしないようになっているのだ。
これからのことを思い、静かに思いをはせていた姿をアオニャンとしてサナは静かに見つめていたことがあった。だから、これがどういうものかは知らないが、アズラを迎えにいく時はサタンにこれを着ていってほしいとずっと思っていたのだ。
サタンは黙ってジャージの上から服を着た。大きく作ってくれているお陰でジャージの上からでもすんなりと着こなすことが出来る。サナが目を隠している間にズボンを履き替え、マントを羽織った。
「――カッコいいよ、お兄にゃん……!」
なんともいえない気持ちに陥っていたサタンを見てサナは笑いながら言った。
「ありがとな」
出そうになった涙をグッと堪えてサタンは答えた。思い出の服を着てより一層士気が高まる。
「……っし、絶対アズラと一緒に帰ってくるぞ」
「うん!」
サタンとサナは魔界城を出て外に出ていた。まるで、アズラの死刑を天使と共に祝福しているかのような晴天。
けど、そんなこと絶対にさせねぇ……!
「じゃあ、私は変身するかお兄にゃんのポケットに入れてね」
そう言うとサナは銃の姿に変わり、サタンの手に乗った。サタンは銃をズボンのポケットに大切にしまうと背中に黒き双翼を顕す。魔柱72柱の悪魔である〈梟の悪魔・ストラス〉の双翼……かつてはそうだった。だが、この時、双翼は歪な形をしていた。そして、その事にサタンは気づかなかった。
サタンは宙へ舞うと天界へと向かってかつてない迅速な速度で飛んでいった。
◇
サタンは一瞬にして天界に入るとそのままあの大きな天城が浮かぶ町を目指す。村のような場所の上空を抜けてフィルが住んでいた場所が目に入ってきた。
あと、少し、か……
サタンはそこで少し動きを止めた。気になることがあったからだ。
「やけに静かだな……それに――」
先日は見上げていたはずの天城が今は見下ろす場所になっている。城が動くなどあり得ないはずが起こっていたのだ。
そこへ、サタンを仕留めるように後方から一本の光のレーザーが音なく放たれる。レーザーは容赦なく襲いかかってくる。だが、サタンは振り向かないままレーザーを片腕で弾く。弾かれたレーザーは地面に衝撃を与えて消えた。
煙が立ち上る中、サタンはゆっくりと後ろを振り向く。しかし、すかさず四方八方からレーザーが放たれた。
サタンは急上昇、レーザーは同士でぶつかり合い消滅した。
「やはり、来たか……」
サタンを囲み、逃がさないように戦天使達が現れる。その中のコセルがサタンを見つめ呟いた。
「また、お前かよ……どうやって俺を発見した? 簡単には見つからないと思っていたんだが……」
サタンもコセルを見返して問う。
この前みたいに、逃げ切れる状況ではない。助けもなければ、道筋もない。
「ふん、今日は天界にとってかけがえのない一日になる……誰がきても邪魔されないように盛大に警戒するのは当然だろう」
戦天使は天界を守備するためにあちこちに配置されていた。その中の一人が高速で飛ぶ異常者の姿を目にしたのだ。
「あっそ……まぁ、なんでもいいや。それで、どうするつもりだ?」
「どうするつもり……そんなの決まっているだろ。貴様を捕らえ、アルトノリア様の邪魔をさせない」
コセルは槍を掴むと臨戦態勢へと入る。周囲の戦天使も両手を前にし、レーザーを放つ態勢へと入った。逃げ場なし。絶体絶命。だが、サタンには妙な自信がみなぎっていた。
「いいのか……俺にばかり構っていて」
「なんだと?」
サタンの言葉にコセルは敏感に反応した。そして、俊敏に周囲を見渡した。他の仲間がいるかもしれないということが頭を遮ったからだ。しかし、やって来たのはサタンの仲間ではなく、同じ戦天使の一人だった。
「た、大変だ!」
「どうした?」
「町に……町に五体の魔物が……!」
その言葉を聞いてサタンは唇を小さく緩ませた。
準備していたものを信じ切った訳ではない。それは、サタンにとっての敵に値する者との約束だったからだ。しかし、町に魔物が現れたということは協力だけはしてくれたということだ。
「さぁ、戦いの幕開けだ――!」
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
理不尽な異世界への最弱勇者のチートな抵抗
神尾優
ファンタジー
友人や先輩達と共に異世界に召喚、と言う名の誘拐をされた桂木 博貴(かつらぎ ひろき)は、キャラクターメイキングで失敗し、ステータスオール1の最弱勇者になってしまう。すべてがステータスとスキルに支配された理不尽な異世界で、博貴はキャラクターメイキングで唯一手に入れた用途不明のスキルでチート無双する。
╣淫・呪・秘・転╠亡国の暗黒魔法師編
流転小石
ファンタジー
淫 欲の化身が身近で俺を監視している。
呪 い。持っているんだよねぇ俺。
秘 密? 沢山あるけど知りたいか?
転 生するみたいだね、最後には。
これは亡国の復興と平穏な暮らしを望むが女運の悪いダークエルフが転生するまでの物語で、運命の悪戯に翻弄される主人公が沢山の秘密と共に波瀾万丈の人生を綴るお話しです。気軽に、サラッと多少ドキドキしながらサクサクと進み、炭酸水の様にお読み頂ければ幸いです。
運命に流されるまま”悪意の化身である、いにしえのドラゴン”と決戦の為に魔族の勇者率いる"仲間"に参戦する俺はダークエルフだ。決戦前の休息時間にフッと過去を振り返る。なぜ俺はここにいるのかと。記憶を過去にさかのぼり、誕生秘話から現在に至るまでの女遍歴の物語を、知らないうちに自分の母親から呪いの呪文を二つも体内に宿す主人公が語ります。一休みした後、全員で扉を開けると新たな秘密と共に転生する主人公たち。
他サイトにも投稿していますが、編集し直す予定です。
誤字脱字があれば連絡ください。m( _ _ )m
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
最強魔族の俺が最弱の女勇者を鍛えるワケ ~魔王軍二番手の冥王は人間界でもSランク冒険者のようです~
八神 凪
ファンタジー
――広大な世界‟ロスワール”
そこは人間の他にエルフやドワーフといった種族や魔族が住み、地上には魔物が徘徊する危険な世界で、住む者は剣や魔法といった技能を駆使して毎日を強く生きていた。
そんな中、魔族のトップである大魔王メギストスは人間達の領地を狙う武を力の象徴とした先代を倒し、長く続いた人間との争いを止めて魔族側から人間に手を出さないように決めた。
だが、六人いる大魔王の配下である【王】の一人、魔王軍のNo.2である冥王ザガムはそれを良しとせず、魔族のために領地を拡大したい彼は大魔王メギストスへ侵略を進言するもあっさり棄却される。
どうしても人間達を支配して領地を拡大したいなら自分を倒し、お前がトップになれと返されるのだった。
そして999回目の敗北を喫した時、勇者が覚醒したとの話を聞いたザガムは勇者に大魔王を倒させ、油断した勇者を自分が倒せばいいのではないか? そう考え勇者を探すべく魔族領を出奔。
――かくして、冥王ザガムは邂逅する。
ため息を吐きたくなるような弱さの女勇者、ギャンブル好きの聖女見習い、魔族よりも陰湿な魔法使い達と――
しかし勇者の力は本物であることを目にし、鍛えればあるいはとザガムは考えるようになる。
果たして彼は勇者と共に大魔王を倒すことができるだろうか……?
かくして真面目で女性が苦手な冥王と、歴代最弱勇者の冒険が始まる。
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
⚠『終』の次のページからは、番外&後日談となります。興味がなければブラバしてください。
転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを
なつのさんち
ファンタジー
前世から引き継いだ記憶を元に、男女比の狂った世界で娯楽文化を発展させつつお金儲けもしてハーレムも楽しむお話。
二十九歳、童貞。明日には魔法使いになってしまう。
勇気を出して風俗街へ、行く前に迷いを振り切る為にお酒を引っ掛ける。
思いのほか飲んでしまい、ふら付く身体でゴールデン街に渡る為の交差点で信号待ちをしていると、後ろから何者かに押されて道路に飛び出てしまい、二十九歳童貞はトラックに跳ねられてしまう。
そして気付けば赤ん坊に。
異世界へ、具体的に表現すると元いた世界にそっくりな並行世界へと転生していたのだった。
ヴァーチャル配信者としてスカウトを受け、その後世界初の男性顔出し配信者・起業投資家として世界を動かして行く事となる元二十九歳童貞男のお話。
★★★ ★★★ ★★★
本作はカクヨムに連載中の作品「Vから始める男女比一対三万世界の配信者生活:オタク文化で並行世界を制覇する!」のアルファポリス版となっております。
現在加筆修正を進めており、今後展開が変わる可能性もあるので、カクヨム版とアルファポリス版は別の世界線の別々の話であると思って頂ければと思います。
F級テイマーは数の暴力で世界を裏から支配する
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ある日、信号待ちをしていた俺は車にひかれて死んでしまった。
そして、気が付けば異世界で、貴族家の長男に転生していたのだ!
夢にまで見た異世界に胸が躍る――が、5歳の時に受けた”テイム”の祝福が、最低位のF級!?
一縷の望みで測った魔力容量と魔力回路強度も平凡だって!?
勘当されたら、その先どうやって生きてけばいいんだー!
と、思っていたのだが……
「あれ? 俺の”テイム”何かおかしくね?」
ちょくちょくチートな部分があったことで、俺は”強く”なっていくのであった
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる