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奈落の館
奈落の館
しおりを挟む光明寺博士がスマホのようなコンピューターを操作しようとする。私は光明寺博士の背後にある巨大なコンピューターに光明寺博士が激突するように念じた!
フワッと光明寺博士の身体が浮いたと思うと凄い勢いで光明寺博士の身体が巨大なコンピュータの真ん中辺りに激突した!
「ん?う、うわー!!ぐえー!!」
光明寺博士の口から唾液が飛び散る!凄い勢いで激突したので、光明寺博士はそのまま倒れてうずくまっている。
さっき尚輝や真希や静佳や久米さんは一瞬のうちに移動するように念じたけど、念の為、私は安全な場所に移動するように念じた!
玉が虹色に光る!きっとみんな安全な場所に移動したに違いない。
私は光明寺博士と戦うと決心した。人間兵器を作る為に力を貸せない!
光明寺博士がゆっくりとムクっと起きてきた。
「痛いじゃありませんか。ミセスかの子。何をするんですか?まさか私の命令が聞けない?なら仕方ないですね。コイツで言うことを聞かせてやる!」
そう言うとまた光明寺博士はスマホのようなコンピューターを使おうした。私はまた真後ろの巨大なコンピューターの操作するような場所に光明寺博士の身体が激突するように念じた!
光明寺博士の身体がまたフワッと浮く、そして操作するような場所にまともに激突した。
「ぐあああー!!」
凄い声を出して光明寺博士がぐったり倒れる。
わかった………光明寺博士がスマホのようなコンピューターを指で操作するより、私は心の中で念じるだけだから、攻撃も速いんだ。
光明寺博士がこの玉を最初は自分が操作したかったのはそういう理由だったんだ。
念じるだけで何でも自分の思い通りにできるなら、私に玉を渡す必要は無い。
自分が玉を操作できる体質でなかったから、あんなに悔しがったんだ。
また、ムクっと光明寺博士が起き上がってくる。私は起き上がる前にもう一度、操作するような場所に光明寺博士を激突させるように玉に念じた!
「ごほおー!!!」
光明寺博士が凄い声を出して再び倒れる。どこか痛めたのか、なかなか立ち上がれない。
「待て!ミセスかの子!少し私の話を聞け!」
倒れたまま光明寺博士が私に眉間に深いシワを寄せて睨みつけながら言う。
「何故わからない?科学は万能だ。科学こそ人類を平和にできる。私はいわば3つのコンピューター、三種の神器を作った天才だ!私だけが人類を幸せにできる!その為には無能な者達はいらない。有能な者達だけが新しい世界に入る資格があるのだ!その新しい世界を作ることができるのは私だけだ!それが何故わからない!?」
光明寺博士はそう言い終わるとさらに私を睨みつけて、ゆっくりゆっくり起き上がってくる。身体はプルプルと震えている。
「ミセスかの子。役立たずの人間などどうでもいい。有能な人間だけでいいのだ!それにあなたは玉を使った。これを使えば何人の人間が不幸になると思います?1回200人ですよ。あなたはもう何人もの人を不幸にした。私の仲間だ」
「違う!私は仲間じゃない!……その人達には私はつぐなわないといけない……。でもその前にあなたを阻止します!」
私がそういうと光明寺博士はニヤっと笑い、巨大なコンピューターに向かって何なら操作している。操作しながら光明寺博士は私に言う。
「ミセスかの子。この巨大なコンピューターにはあらゆる世界中の人類のデータがある!そしてスマホ型コンピューターにはそのデータを増幅する機能がある。あなたが持つ玉にはさらにそれを世界規模で効率よく機能するようにプログラムされている」
光明寺博士はニヤっと笑うと私の顔を見下げるようにみて、巨大なコンピューターを何やら操作している。
「今、私がこいつを操作すれば、もう終わりだ!古い世界は終わり、新しい世界が生まれる!あなたは嫌でも言うことを聞くしか無い。この2つのコンピューターが作動すればあなたは無意識に玉に念じる!人間兵器を作ることと、世界中のいらない人間を殺すように!」
私は自分が玉を使えばたくさんの人達が犠牲になることを承知で、また玉に念じようとした。
すべて終われば、私は……私はつぐなわないといけない…悪魔に手を貸した私は生きていてはいけないんだ……。
真希……あなたの優しさは私をいつも元気にして、とてもあたたかな気持ちにしたよ……ありがとう……。
静佳……あなたの明るさは私にとって、とても励みにいつもなってたよ……ありがとう……。
尚輝……尚輝……大好きだよ。ごめんね。こんな私を好きになってくれて……私は尚輝と出会って幸せだったよ……ありがとう……。
久米さん……巻き込んでしまってごめんなさい。でも、もうすぐ、決着をつけます。
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