24 / 32
玉の正体
玉の正体
しおりを挟む
光明寺博士は私の顔をじっと見ている。
しばらく沈黙が続くと思うと光明寺博士が口を開いた。
「ハハハハハ!笑わせてくれますね。ミセスかの子。あの日、山で会ったのは私ですよ。このコンピューター、スマホに見えますが、最新のスーパーコンピューター2千台分の能力を発揮するコンピューターでしてね。
もちろん他にも想像を絶するコンピューターは私の研究所にありますがね。」
自信に満ちた笑い声の後、光明寺博士が私に鋭い視線でそう言った。
あの小さなスマホみたいなものが最新のスーパーコンピューター2千台分の能力ですって?
他にも凄いコンピューターがある……。
私は光明寺博士が本気になれば恐ろしいことになると感じた。
「ミセスかの子、あなたが緑色の人と呼んでいたのは、私がこのコンピューターで周りと同化したんですよ。透明にもなれますが、わからないと意味がないんでね、同化したところであなたに玉を渡した訳です。」
そういうと光明寺博士はスマホのようなコンピューターを使った。すると光明寺博士の全身は部屋と同化し、あの山であった時と同じようになった。違うのは身体が透けて部屋と同じに見えることだけだ。
私は息ができなくなってきた。
私がたくさんの人達を救うと信じていた、あの虹色の玉は光明寺博士が作ったんだ!
「ミセスかの子、それからあなたに授けた玉。あれは特殊な装置でして、声を出さずとも心に念ずるだけでなんでもできる夢の装置です。
できないことは何もありません。あの玉さえあれば宇宙服を着なくても宇宙にも行ける。核兵器が無くとも一つの国も滅ぼすこともできる。ところが………。」
そこまで言って光明寺博士の表情が変わった。眉間にシワを寄せて全身をプルプルと振るわせている。私は息ができなくて声が出ない。
この状況からどうしたら抜け出せるのか必死で考えていた。
「ところが………ところが、あの玉は操作するのに、特異な体質の人間にしか反応しない!
私は操作できない!私自ら操作できれば簡単に人類の平和は実現していた。しかし私はその体質では無い。そこで、このコンピューターでその特異な体質の人間を調べた。すると、ミセスかの子、あなたを含めた3人が適合者だった。
そして、私は山に来るように操作し、あなたが最初に来た訳です。まさしくあなたは選ばれた方。ミセスかの子!」
あの日、私がいつもと違い、昼間に起きたのも山に行ったことも全て光明寺博士に操られていたことの出来事だったの?
もし、私以外の他の2人が光明寺博士の言うことを聞く人だったら、みんなの幸せどころか、たくさんの人達が殺されていたかもしれない……。
私はこの玉がとても危険なものだと感じた。
「わ、私は、私はあなたのような人の言うことは聞かない!あなたは平和の為と言っているけど、あなたはただ自分の野望の為だけ。たくさんの人達があなたに不幸にされたわ!」
私は息ができないほどだったけど懸命にそう言った。
「ハハハハハ!そうそう言い忘れましたが、あの玉は、人々の幸せをエネルギーにして稼働してましてね。想念もエネルギーですからね。不幸では負のエネルギーになって、きちんと稼働しない。よって正のエネルギーの幸せをエネルギーにして稼働しています。ミセスかの子。あなたがここに来て、多くの会社が倒産したり、紛争が起こったり、多くの人々が不幸に巻き込まれる等々のようなニュースを耳にしませんでしたか?」
また自信に満ちた笑い声を発して光明寺博士が言った。人々の幸せをエネルギーにしていたって?
どういうこと?私の知らない間に自分では、たくさんの人達を幸せにすると信じていた、この玉でたくさんの人達が不幸になっていたの?
私はガクッと全身の力を無くした。私が知らなかったとは言え、そんなことだったなんて……。
光明寺博士は不敵な笑みを見せて私を見つめている。
しばらく沈黙が続くと思うと光明寺博士が口を開いた。
「ハハハハハ!笑わせてくれますね。ミセスかの子。あの日、山で会ったのは私ですよ。このコンピューター、スマホに見えますが、最新のスーパーコンピューター2千台分の能力を発揮するコンピューターでしてね。
もちろん他にも想像を絶するコンピューターは私の研究所にありますがね。」
自信に満ちた笑い声の後、光明寺博士が私に鋭い視線でそう言った。
あの小さなスマホみたいなものが最新のスーパーコンピューター2千台分の能力ですって?
他にも凄いコンピューターがある……。
私は光明寺博士が本気になれば恐ろしいことになると感じた。
「ミセスかの子、あなたが緑色の人と呼んでいたのは、私がこのコンピューターで周りと同化したんですよ。透明にもなれますが、わからないと意味がないんでね、同化したところであなたに玉を渡した訳です。」
そういうと光明寺博士はスマホのようなコンピューターを使った。すると光明寺博士の全身は部屋と同化し、あの山であった時と同じようになった。違うのは身体が透けて部屋と同じに見えることだけだ。
私は息ができなくなってきた。
私がたくさんの人達を救うと信じていた、あの虹色の玉は光明寺博士が作ったんだ!
「ミセスかの子、それからあなたに授けた玉。あれは特殊な装置でして、声を出さずとも心に念ずるだけでなんでもできる夢の装置です。
できないことは何もありません。あの玉さえあれば宇宙服を着なくても宇宙にも行ける。核兵器が無くとも一つの国も滅ぼすこともできる。ところが………。」
そこまで言って光明寺博士の表情が変わった。眉間にシワを寄せて全身をプルプルと振るわせている。私は息ができなくて声が出ない。
この状況からどうしたら抜け出せるのか必死で考えていた。
「ところが………ところが、あの玉は操作するのに、特異な体質の人間にしか反応しない!
私は操作できない!私自ら操作できれば簡単に人類の平和は実現していた。しかし私はその体質では無い。そこで、このコンピューターでその特異な体質の人間を調べた。すると、ミセスかの子、あなたを含めた3人が適合者だった。
そして、私は山に来るように操作し、あなたが最初に来た訳です。まさしくあなたは選ばれた方。ミセスかの子!」
あの日、私がいつもと違い、昼間に起きたのも山に行ったことも全て光明寺博士に操られていたことの出来事だったの?
もし、私以外の他の2人が光明寺博士の言うことを聞く人だったら、みんなの幸せどころか、たくさんの人達が殺されていたかもしれない……。
私はこの玉がとても危険なものだと感じた。
「わ、私は、私はあなたのような人の言うことは聞かない!あなたは平和の為と言っているけど、あなたはただ自分の野望の為だけ。たくさんの人達があなたに不幸にされたわ!」
私は息ができないほどだったけど懸命にそう言った。
「ハハハハハ!そうそう言い忘れましたが、あの玉は、人々の幸せをエネルギーにして稼働してましてね。想念もエネルギーですからね。不幸では負のエネルギーになって、きちんと稼働しない。よって正のエネルギーの幸せをエネルギーにして稼働しています。ミセスかの子。あなたがここに来て、多くの会社が倒産したり、紛争が起こったり、多くの人々が不幸に巻き込まれる等々のようなニュースを耳にしませんでしたか?」
また自信に満ちた笑い声を発して光明寺博士が言った。人々の幸せをエネルギーにしていたって?
どういうこと?私の知らない間に自分では、たくさんの人達を幸せにすると信じていた、この玉でたくさんの人達が不幸になっていたの?
私はガクッと全身の力を無くした。私が知らなかったとは言え、そんなことだったなんて……。
光明寺博士は不敵な笑みを見せて私を見つめている。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔の鴉がやってくる。『雨宿りの女』
安田 景壹
キャラ文芸
闇に潜む怪物どもを狩る魔女、七ツ森麻來鴉。
彼女は雨の日に怪異に憑りつかれたという少女、能見晶子の除霊を引き受ける。
だが、彼女の中に潜む怪異は、過去の因縁を経てやってきた恐るべき存在だった――……
カフェぱんどらの逝けない面々
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
キャラ文芸
奄美の霊媒師であるユタの血筋の小春。霊が見え、話も出来たりするのだが、周囲には胡散臭いと思われるのが嫌で言っていない。ごく普通に生きて行きたいし、母と結託して親族には素質がないアピールで一般企業への就職が叶うことになった。
大学の卒業を間近に控え、就職のため田舎から東京に越し、念願の都会での一人暮らしを始めた小春だが、昨今の不況で就職予定の会社があっさり倒産してしまう。大学時代のバイトの貯金で数カ月は食いつなげるものの、早急に別の就職先を探さなければ詰む。だが、不況は根深いのか別の理由なのか、新卒でも簡単には見つからない。
就活中のある日、コーヒーの香りに誘われて入ったカフェ。おっそろしく美形なオネエ言葉を話すオーナーがいる店の隅に、地縛霊がたむろしているのが見えた。目の保養と、疲れた体に美味しいコーヒーが飲めてリラックスさせて貰ったお礼に、ちょっとした親切心で「悪意はないので大丈夫だと思うが、店の中に霊が複数いるので一応除霊してもらった方がいいですよ」と帰り際に告げたら何故か捕獲され、バイトとして働いて欲しいと懇願される。正社員の仕事が決まるまで、と念押しして働くことになるのだが……。
ジバティーと呼んでくれと言う思ったより明るい地縛霊たちと、彼らが度々店に連れ込む他の霊が巻き起こす騒動に、虎雄と小春もいつしか巻き込まれる羽目になる。ほんのりラブコメ、たまにシリアス。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる