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思い通りに進む世界sideモアラート王国 第三十七話
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「王太子。この城の中の状態はどう言うことか説明してもらおうか」
謁見室に入ると、視察から帰ってきたばかりの国王と王妃が不機嫌な様子で待っていた。
「これは…メイド達がいわれのない罪をアクアに着せたため皆家に返しました。同じことが起こらないよう、策を練る間、女性を減らして対策をしております…」
「城下の状況も知っているのか?」
「え?いや、城下の状況とは何ですか?」
はぁ。と国王はため息をつき側近に指示を出すと、後ろの扉から、何人かの騎士達がゾロゾロと入ってきた。
「報告を」
「は!城下では大きく飢えるものや苦しむものはいませんが、どんどん貧しく質素になる暮らしと、若者や自分の夫、恋人を城に召し上げられ奪われることを恐れて、人々が暮らしの場所を移動してしまい、人が減っております。」
「何だって?!そんな報告聞いていない!」
「聞かれませんでしたので」
騎士たちは心なしがクレイに冷たく接する。
チラリとクレイとアクアを見たその騎士は、表情を変えることなく、また目線を国王に移した。
「男ばかり集めた騎士団でのことも聞いてないのか」
「何のことでしょうか?」
「…そこの婚約者殿に聞け。よく知っているはずだ」
「アクア?」
「国王様、私は国母になる為この国の為に考えております。何が問題でしょうか?」
この状況で、恐ろしい自信を見せるアクアに、クレイは恐ろしさを感じた。
_____アクアside_____
はぁ。何が問題なの。この騎士は団長と副団長よね。あんなに目をかけてやったのに。
後で首にして、私に逆らうとどうなるか教え込まないといけないわね。
別に人を殺したわけでも騙したわけでもないじゃない。
ちょっと、私が暮らしやすいようにしただけで何で怒られるのよ。
「国王様、少しやり方は極端かもしれませんが、私は国を良くしようと考えております。現に働き口を見つけた男達が家族を養いやすくなったと喜んでおりますのよ」
「国王陛下!発言をお許しいただきたい」
突然隣にいた団長が一歩前にでて、国王に発言の許可を取る。この騎士は前回結婚した騎士だった。だから目をかけてやり、団長にまでしてやったのだ。
「よい」
許可が降りると、ギルバートは怒ったような表情でアクアとクレイを見る。
「婚約者様が騎士団で何をしているのか本当にご存知ないか。王太子殿」
「労をねぎらいに行っているとは聞いているが」
「…無理やり奉仕させ、快楽に耽っているだけでなく、能力のない顔がいいだけの若者をどんどん騎士団に送り込み、もはや騎士団は力などないただの集団と化している。かく言う私も団長などと言う力もなく、ここにいるランバートこそが団長に相応しいと何度も進言させていただいている。我々の言葉は王太子殿には届かないのか?」
「アクアが?!そんな…」
ちっと小さく舌打ちをする。裏切るのね、ギルバート。今世でも邪魔なやつ。
「クレイ様!!嘘です。無理やり詰め所に連れて行かれ襲われたことはありますが、守りぬきましたわ!!騎士たちは私に憧れてやってしまったのです、だから、許して差し上げたのに!なんて恩知らずなんでしょう」
「そんな…アクア!!そんな話聞いていない!」
「いえば騎士が罰せられるとおもって言えませんでした。」
そう言って涙を流せば国王もたじろぎ、厳しい質問をやめてしまう。
「な!そんなことしておりません!!」
ギルバートは慌てて否定するが、泣きながらその場に崩れ落ちるアクアの演技を止めることはできず、その場の皆から疑いの目を向けられてしまう。
「証拠があります!その時にちぎられたドレスや装飾品はとってあります。記憶の魔法でそのものの記憶を読めば証拠になりましょう」
あーよかった、無理やり暴かれるプレイがしたくて命令してやらせた時のやつ、取っておいたんだよね。
あの時ベッドに呼んだの、なかなかのイケメンで気に入ったたけど背に腹はかえられないものね。
ついでにギルバートも城から追い出しましょう。
「団長さんは、そのことが公になるのが怖くてこのような偽証をしたのですか?怖いわ。」
そう言ってクレイに抱きつくと背中に優しく手を回し、守るように抱きしめてくれる。
「父上、これに関して少し調査をしてまた報告いたします。よろしいですか?」
事態を把握しきれていない、何より長い視察で国を空けていた国王はすぐに判断を下せず、息子の提案を受け入れた。
その隙に、アクアはあの頃の記憶が襲ってきたと言って寝込んでしまい、記憶の証拠も出てきたことで信じざるを得なくなったクレイにより、国王に顛末の報告がなされた。この件に関わっていたであろう騎士は国外に追放、ギルバートも家族もろとも追放されてしまった。
謁見室に入ると、視察から帰ってきたばかりの国王と王妃が不機嫌な様子で待っていた。
「これは…メイド達がいわれのない罪をアクアに着せたため皆家に返しました。同じことが起こらないよう、策を練る間、女性を減らして対策をしております…」
「城下の状況も知っているのか?」
「え?いや、城下の状況とは何ですか?」
はぁ。と国王はため息をつき側近に指示を出すと、後ろの扉から、何人かの騎士達がゾロゾロと入ってきた。
「報告を」
「は!城下では大きく飢えるものや苦しむものはいませんが、どんどん貧しく質素になる暮らしと、若者や自分の夫、恋人を城に召し上げられ奪われることを恐れて、人々が暮らしの場所を移動してしまい、人が減っております。」
「何だって?!そんな報告聞いていない!」
「聞かれませんでしたので」
騎士たちは心なしがクレイに冷たく接する。
チラリとクレイとアクアを見たその騎士は、表情を変えることなく、また目線を国王に移した。
「男ばかり集めた騎士団でのことも聞いてないのか」
「何のことでしょうか?」
「…そこの婚約者殿に聞け。よく知っているはずだ」
「アクア?」
「国王様、私は国母になる為この国の為に考えております。何が問題でしょうか?」
この状況で、恐ろしい自信を見せるアクアに、クレイは恐ろしさを感じた。
_____アクアside_____
はぁ。何が問題なの。この騎士は団長と副団長よね。あんなに目をかけてやったのに。
後で首にして、私に逆らうとどうなるか教え込まないといけないわね。
別に人を殺したわけでも騙したわけでもないじゃない。
ちょっと、私が暮らしやすいようにしただけで何で怒られるのよ。
「国王様、少しやり方は極端かもしれませんが、私は国を良くしようと考えております。現に働き口を見つけた男達が家族を養いやすくなったと喜んでおりますのよ」
「国王陛下!発言をお許しいただきたい」
突然隣にいた団長が一歩前にでて、国王に発言の許可を取る。この騎士は前回結婚した騎士だった。だから目をかけてやり、団長にまでしてやったのだ。
「よい」
許可が降りると、ギルバートは怒ったような表情でアクアとクレイを見る。
「婚約者様が騎士団で何をしているのか本当にご存知ないか。王太子殿」
「労をねぎらいに行っているとは聞いているが」
「…無理やり奉仕させ、快楽に耽っているだけでなく、能力のない顔がいいだけの若者をどんどん騎士団に送り込み、もはや騎士団は力などないただの集団と化している。かく言う私も団長などと言う力もなく、ここにいるランバートこそが団長に相応しいと何度も進言させていただいている。我々の言葉は王太子殿には届かないのか?」
「アクアが?!そんな…」
ちっと小さく舌打ちをする。裏切るのね、ギルバート。今世でも邪魔なやつ。
「クレイ様!!嘘です。無理やり詰め所に連れて行かれ襲われたことはありますが、守りぬきましたわ!!騎士たちは私に憧れてやってしまったのです、だから、許して差し上げたのに!なんて恩知らずなんでしょう」
「そんな…アクア!!そんな話聞いていない!」
「いえば騎士が罰せられるとおもって言えませんでした。」
そう言って涙を流せば国王もたじろぎ、厳しい質問をやめてしまう。
「な!そんなことしておりません!!」
ギルバートは慌てて否定するが、泣きながらその場に崩れ落ちるアクアの演技を止めることはできず、その場の皆から疑いの目を向けられてしまう。
「証拠があります!その時にちぎられたドレスや装飾品はとってあります。記憶の魔法でそのものの記憶を読めば証拠になりましょう」
あーよかった、無理やり暴かれるプレイがしたくて命令してやらせた時のやつ、取っておいたんだよね。
あの時ベッドに呼んだの、なかなかのイケメンで気に入ったたけど背に腹はかえられないものね。
ついでにギルバートも城から追い出しましょう。
「団長さんは、そのことが公になるのが怖くてこのような偽証をしたのですか?怖いわ。」
そう言ってクレイに抱きつくと背中に優しく手を回し、守るように抱きしめてくれる。
「父上、これに関して少し調査をしてまた報告いたします。よろしいですか?」
事態を把握しきれていない、何より長い視察で国を空けていた国王はすぐに判断を下せず、息子の提案を受け入れた。
その隙に、アクアはあの頃の記憶が襲ってきたと言って寝込んでしまい、記憶の証拠も出てきたことで信じざるを得なくなったクレイにより、国王に顛末の報告がなされた。この件に関わっていたであろう騎士は国外に追放、ギルバートも家族もろとも追放されてしまった。
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