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20.オーラリアは働く2
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最近は、シアが選んでくれた本を読みながらうたた寝してしまう。灯りをつけて深く沈む一人がけのソファに座り、花の香りのする紅茶を飲みながら暖かい毛布を膝にかけ夢中になっているうちに、眠ってしまう。
気がつくと陽が昇るころで、きちんとベットに寝ている。誰かが移動させてくれているのか、それとも自分で無意識にベットに行っているのか…オーラリアがその結末を知るのはもう少し後になる。
今日は初めての朝食メニューで、パンケーキと言う甘くてかわいい食事がでると聞いていたオーラリアは朝からご機嫌だった。“お館様に出してもつまらない”という理由から今まで、メニューとして採用されなかったそうだ。それを聞いたハイドは何とも言えない微妙な顔をしていた。
どんな見た目なんだろう、とワクワクする気持ちを抑えられず、シアが来る前に身支度を始める。王妃時代お腹が満たされれば何でも良いと思っていた。わずか数日でこんなに食べる事が楽しみになるとは思っていなかった。
勝手に身支度をしていたら、少し遅くやって来たシアにもっと綺麗になります!とやり直しをされてしまった。
「少しだけ、肌が潤って来ましたね。必ず貴女の美しさを取り戻させます。」
ととろけるような笑顔で褒められると、オーラリアは自分が本当に美少女になれる気がして嬉しい気持ちになった。励まされているようで、暖かい気持ちになった。
食堂に移動すると、甘くて柔らかい香りがした。蜂蜜とは違う、もっとコッテリとした匂いだ。
「メープルシロップという木の樹液から作るシロップの香りですよ。」
つい、調理場の前だ立ち止まっていると中からお盆に茶色い液体とバターを乗せたユウリが現れた。
「すごく良い香り。早く食べたい!」
目をつぶって香りを堪能していると、後ろから腰を抱かれる。ドキッとして顔を上げると、ハイドがすごく嬉しそうにして見下ろしていた。
「食欲が出て来たということは、良いことだ。さぁ、早く食堂にいって食べよう。今日はオーラリアに頼みたいこともあるんだ。」
「ええ、何でも言って!働かずに寝て食べているだけでは申し訳ないもの。」
「オーラリアは働き者だからね。じゃあ、歩きながら話そう。実は、昨日の騎士達からオーラリアに怪我をまた見てもらいたいと相談があってね。今日、コットン子爵たちもこちらへ到着するし、診療所を俺と一緒に見に行ってもらいたいんだ。掃除もしてあるから、安心して。」
「はい!もちろんです。とても楽しみです」
「中庭には薬草を育てる温室もあるよ。」
「何が植っていますか?!」
「それはお楽しみだ、ほら、席について。食べよう」
パンケーキは丸くてふかふかでとても可愛らしかった。オーラリアのパンケーキには丸い耳が二つ付いていてクマの様にみえた。
バターがたっぷりとおかれるとじわっと溶けて生地に染みた。甘くて美味しいメープルシロップをたっぷりかけて食べると口の中が大喜びをしていた。
2枚もおかわりで食べてしまうほど気に入った。
食事が済むと早速診療所へ向かう。
昨日行った訓練所を少し行ったところにレンガ造りの頑丈そうな建物があった。
そこが診療所らしい。
戦いになった時にある程度の強度がないとすぐに潰れてしまう為、ここは頑丈に作られているそうだ。
重い扉を開いて中に入ると、明るい色の木でできた壁や床に囲まれており、外観と印象がまるで違った。
白いシーツや、カーテン。清潔感のあるとても素敵な場所だった。
2階建てになっており、1階は診察室に調理場、2階は半分が住居で、半分は入院できるようになっていた。
「オーラリアの職場はこちらかな?」
と両開きのガラスの扉を開けると、中庭に大きな温室があった。中では、ラベンダーやミントなどのハーブから、風邪薬に使うような薬草までたくさんの草花が植えられていた。
一つ一つの花の様子や土の様子を早速チェックし、分別するために名札をつけていく。
水やりや草むしりなど、夢中になってやっていると、何人もの騎士達が診療所に入って来た。
気がつくと陽が昇るころで、きちんとベットに寝ている。誰かが移動させてくれているのか、それとも自分で無意識にベットに行っているのか…オーラリアがその結末を知るのはもう少し後になる。
今日は初めての朝食メニューで、パンケーキと言う甘くてかわいい食事がでると聞いていたオーラリアは朝からご機嫌だった。“お館様に出してもつまらない”という理由から今まで、メニューとして採用されなかったそうだ。それを聞いたハイドは何とも言えない微妙な顔をしていた。
どんな見た目なんだろう、とワクワクする気持ちを抑えられず、シアが来る前に身支度を始める。王妃時代お腹が満たされれば何でも良いと思っていた。わずか数日でこんなに食べる事が楽しみになるとは思っていなかった。
勝手に身支度をしていたら、少し遅くやって来たシアにもっと綺麗になります!とやり直しをされてしまった。
「少しだけ、肌が潤って来ましたね。必ず貴女の美しさを取り戻させます。」
ととろけるような笑顔で褒められると、オーラリアは自分が本当に美少女になれる気がして嬉しい気持ちになった。励まされているようで、暖かい気持ちになった。
食堂に移動すると、甘くて柔らかい香りがした。蜂蜜とは違う、もっとコッテリとした匂いだ。
「メープルシロップという木の樹液から作るシロップの香りですよ。」
つい、調理場の前だ立ち止まっていると中からお盆に茶色い液体とバターを乗せたユウリが現れた。
「すごく良い香り。早く食べたい!」
目をつぶって香りを堪能していると、後ろから腰を抱かれる。ドキッとして顔を上げると、ハイドがすごく嬉しそうにして見下ろしていた。
「食欲が出て来たということは、良いことだ。さぁ、早く食堂にいって食べよう。今日はオーラリアに頼みたいこともあるんだ。」
「ええ、何でも言って!働かずに寝て食べているだけでは申し訳ないもの。」
「オーラリアは働き者だからね。じゃあ、歩きながら話そう。実は、昨日の騎士達からオーラリアに怪我をまた見てもらいたいと相談があってね。今日、コットン子爵たちもこちらへ到着するし、診療所を俺と一緒に見に行ってもらいたいんだ。掃除もしてあるから、安心して。」
「はい!もちろんです。とても楽しみです」
「中庭には薬草を育てる温室もあるよ。」
「何が植っていますか?!」
「それはお楽しみだ、ほら、席について。食べよう」
パンケーキは丸くてふかふかでとても可愛らしかった。オーラリアのパンケーキには丸い耳が二つ付いていてクマの様にみえた。
バターがたっぷりとおかれるとじわっと溶けて生地に染みた。甘くて美味しいメープルシロップをたっぷりかけて食べると口の中が大喜びをしていた。
2枚もおかわりで食べてしまうほど気に入った。
食事が済むと早速診療所へ向かう。
昨日行った訓練所を少し行ったところにレンガ造りの頑丈そうな建物があった。
そこが診療所らしい。
戦いになった時にある程度の強度がないとすぐに潰れてしまう為、ここは頑丈に作られているそうだ。
重い扉を開いて中に入ると、明るい色の木でできた壁や床に囲まれており、外観と印象がまるで違った。
白いシーツや、カーテン。清潔感のあるとても素敵な場所だった。
2階建てになっており、1階は診察室に調理場、2階は半分が住居で、半分は入院できるようになっていた。
「オーラリアの職場はこちらかな?」
と両開きのガラスの扉を開けると、中庭に大きな温室があった。中では、ラベンダーやミントなどのハーブから、風邪薬に使うような薬草までたくさんの草花が植えられていた。
一つ一つの花の様子や土の様子を早速チェックし、分別するために名札をつけていく。
水やりや草むしりなど、夢中になってやっていると、何人もの騎士達が診療所に入って来た。
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