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6.王妃はガルガルする
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「会えないと言ったのはそちらです。なぜ私が会えないと言ったかのように言うのですか?私はいつも分かりましたと、肯定しているだけではありませんか!」
ここみがニヤリと笑った気がした。ゾクっと背中に悪寒が走る。クランの顔から表情が消え、冷たい空気が辺りを包む。
「3日間離宮に下がるって決めたのはオーラリアだよね?ここみは食事を別にした方がいいって言っただけだよ。ここ最近、ここみからオーラリアと上手くいっていないと相談を受けている。そうやって、ここみの言葉に過剰に反応するのは辞めた方がいい。」
味方になってくれるとは思っていながったが、まさかいじめていると思われているとは思わなかった。
グッと握る手に更に力が入る。
「…他人との接触を減らせと言いましたよね?」
朝も、感染したくない、怖いと言っていたじゃない。それらを踏まえればつまりは、しばらく会いに来るなって事になるじゃない。
「言ったかい?」
私に話しかけるのとはまるで違う、優しい声でここみにクランが話しかける。そっと瞳を覗き込むように、視線まで合わせて。
「いいえ、私…言ってません。前いた世界の話しをしただけでそう思われるなんて…ごめんなさい…」
小さな声で、たどたどしく答えながら怯えるように私から視線を逸らした。
「オーラリアの勘違いでここみを傷つけているんだよ?お願いだから、ここみをやっかむのは辞めてくれ少し、我慢をしてほしい」
今までだって我慢していた。部屋を取られても、貴方との時間を取られても…どんな思いで我慢してたかなんて考えもしないんでしょうね!!あなたが大切だと言うから私も全て譲って…我慢していたのに!
私が言い返さないので、また我儘を言おうとしているとでも思ったのか、クランははぁ、と大きなため息をついた。そして、足を組んで、心底軽蔑したような表情で私に言葉を投げた。
「いいかい、君は少し頭に血が昇りやすい。一先ずゆっくり休むといい。きっと疲れているんだよ。」
「もうやめないか。クラン!オーラリア、行こう。話す必要はないよ」
シークにぐいっと腕を引っ張られて、強制的に廊下へ連れて行かれる。グリードマンが珍しく少し乱暴に扉を閉めている。何故か視界が霞んでいる、きっと、疲れているんだ。
どこか遠くの方で私を呼ぶ声がする。
この声は、シーク。そのまま、ブツンと私の記憶は途切れてしまった。
何もない、真っ暗な世界から突然目が覚めた。
体を起こそうとするが、思うように動かない。何とか上半身を起き上がらせようと試みるが重くて指しか動かせなかった。
「う…」
とつい、声を漏らすとフワッと体が軽くなった。
「オーラリア様!!」
どうやら布団の上にキャサリンが覆い被さっていたようで本当にすぐそばに真っ赤に泣き腫らした目のキャサリンの綺麗な顔があった。
「わたし、ねちゃったの?」
「えぇ、お疲れだったんですよ。緊張と、疲れと…発熱はありませんし、あれから半日しかたっていません。シーク様と宰相様に連絡を!果物なら食べられますね?お持ちしますから!」
マシンガンのように説明だけをしてキャサリンはどこかへ行ってしまった。ベットの傍には椅子が2脚、もう一人誰かいてくれたようだ。じっと椅子を眺めていると、3人のうちの一人のメイドが声をかけてきた。
「妃殿下、大丈夫ですか?お助けできなくてすみませんでした。」
どうやら彼女もあの現場にいたらしい。
「いえ、いいの「妃殿下が、お可哀想です!!こんなに優しくて、美人で…流行病のことだった誰よりも働いて沢山の人を助けているのに!!聖女様なんて終わりがけにパッときて祈ってるだけで…!!!病院に行って助けてるのは殿下です!下水の設備だって、薬だって…全部…!!??」
私が倒れたことがよっぽどショックだったのか、彼女はとても取り乱していた。シィ、と口元に指を当てて合図をすると、思わずしまった!!と言った様子で手で口を覆った。
「ありがとう。私の味方になってくれるのね。でも、貴女が罰せられたら私は悲しい。だから、それは言ってはダメよ。」
「殿下…」
残りのメイド達もシクシクと泣き始めてしまった。
慌てて部屋に入ってきたキャサリンも、この状況に驚いていた。
「オーラリア様、宰相とシーク様が面会求めてますが、どうされますか?」
「もちろん会うわ。でも、湯浴みをしてからでも良いかしら?」
ここまで運んでくれたのはきっとシークだ。グリードマンは私が空けた仕事を代わりにやってくれているに違いない。会ってお礼を言いたかった。
「では、2時間後にお約束を取り付けます」
「リリー、サリー、マリー、殿下をタップリと癒して差し上げて。アロマをタップリ入れて、マッサージをしっかりするのよ」
「はい!!!ボス!!」
メイド達は張り切って私を運びデロデロに甘やかして癒してくれた。ハーブタップリのお湯に、蜂蜜を薄めたパック、優しいマッサージに癒された。
今日は視察があるので、白いシャツに男性のように細身のスラックスを合わせる。馬に乗る事もあるかも知れないので、膝より長いブーツを履く。
髪を高い位置で結い上げると、離宮の執務室へ向かう。
ここみがニヤリと笑った気がした。ゾクっと背中に悪寒が走る。クランの顔から表情が消え、冷たい空気が辺りを包む。
「3日間離宮に下がるって決めたのはオーラリアだよね?ここみは食事を別にした方がいいって言っただけだよ。ここ最近、ここみからオーラリアと上手くいっていないと相談を受けている。そうやって、ここみの言葉に過剰に反応するのは辞めた方がいい。」
味方になってくれるとは思っていながったが、まさかいじめていると思われているとは思わなかった。
グッと握る手に更に力が入る。
「…他人との接触を減らせと言いましたよね?」
朝も、感染したくない、怖いと言っていたじゃない。それらを踏まえればつまりは、しばらく会いに来るなって事になるじゃない。
「言ったかい?」
私に話しかけるのとはまるで違う、優しい声でここみにクランが話しかける。そっと瞳を覗き込むように、視線まで合わせて。
「いいえ、私…言ってません。前いた世界の話しをしただけでそう思われるなんて…ごめんなさい…」
小さな声で、たどたどしく答えながら怯えるように私から視線を逸らした。
「オーラリアの勘違いでここみを傷つけているんだよ?お願いだから、ここみをやっかむのは辞めてくれ少し、我慢をしてほしい」
今までだって我慢していた。部屋を取られても、貴方との時間を取られても…どんな思いで我慢してたかなんて考えもしないんでしょうね!!あなたが大切だと言うから私も全て譲って…我慢していたのに!
私が言い返さないので、また我儘を言おうとしているとでも思ったのか、クランははぁ、と大きなため息をついた。そして、足を組んで、心底軽蔑したような表情で私に言葉を投げた。
「いいかい、君は少し頭に血が昇りやすい。一先ずゆっくり休むといい。きっと疲れているんだよ。」
「もうやめないか。クラン!オーラリア、行こう。話す必要はないよ」
シークにぐいっと腕を引っ張られて、強制的に廊下へ連れて行かれる。グリードマンが珍しく少し乱暴に扉を閉めている。何故か視界が霞んでいる、きっと、疲れているんだ。
どこか遠くの方で私を呼ぶ声がする。
この声は、シーク。そのまま、ブツンと私の記憶は途切れてしまった。
何もない、真っ暗な世界から突然目が覚めた。
体を起こそうとするが、思うように動かない。何とか上半身を起き上がらせようと試みるが重くて指しか動かせなかった。
「う…」
とつい、声を漏らすとフワッと体が軽くなった。
「オーラリア様!!」
どうやら布団の上にキャサリンが覆い被さっていたようで本当にすぐそばに真っ赤に泣き腫らした目のキャサリンの綺麗な顔があった。
「わたし、ねちゃったの?」
「えぇ、お疲れだったんですよ。緊張と、疲れと…発熱はありませんし、あれから半日しかたっていません。シーク様と宰相様に連絡を!果物なら食べられますね?お持ちしますから!」
マシンガンのように説明だけをしてキャサリンはどこかへ行ってしまった。ベットの傍には椅子が2脚、もう一人誰かいてくれたようだ。じっと椅子を眺めていると、3人のうちの一人のメイドが声をかけてきた。
「妃殿下、大丈夫ですか?お助けできなくてすみませんでした。」
どうやら彼女もあの現場にいたらしい。
「いえ、いいの「妃殿下が、お可哀想です!!こんなに優しくて、美人で…流行病のことだった誰よりも働いて沢山の人を助けているのに!!聖女様なんて終わりがけにパッときて祈ってるだけで…!!!病院に行って助けてるのは殿下です!下水の設備だって、薬だって…全部…!!??」
私が倒れたことがよっぽどショックだったのか、彼女はとても取り乱していた。シィ、と口元に指を当てて合図をすると、思わずしまった!!と言った様子で手で口を覆った。
「ありがとう。私の味方になってくれるのね。でも、貴女が罰せられたら私は悲しい。だから、それは言ってはダメよ。」
「殿下…」
残りのメイド達もシクシクと泣き始めてしまった。
慌てて部屋に入ってきたキャサリンも、この状況に驚いていた。
「オーラリア様、宰相とシーク様が面会求めてますが、どうされますか?」
「もちろん会うわ。でも、湯浴みをしてからでも良いかしら?」
ここまで運んでくれたのはきっとシークだ。グリードマンは私が空けた仕事を代わりにやってくれているに違いない。会ってお礼を言いたかった。
「では、2時間後にお約束を取り付けます」
「リリー、サリー、マリー、殿下をタップリと癒して差し上げて。アロマをタップリ入れて、マッサージをしっかりするのよ」
「はい!!!ボス!!」
メイド達は張り切って私を運びデロデロに甘やかして癒してくれた。ハーブタップリのお湯に、蜂蜜を薄めたパック、優しいマッサージに癒された。
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