悪役令嬢？そんなの知りませんが迷惑です

本編2

そして

その後、クレア様は公爵家が奴隷と称して有能な子供達を誘拐していると告発した。

公爵家は取り潰し、クレア様は平民となるはずだった。
意外なことに、ブラッドリー・ランプール様が結婚前提で身許引受を申し出たそうだ。


イルーラへの暴行はイルーラ自身が「もういいです。治してもらったし、その代わりもう関わらないでください」と証言したため、社会的奉仕で済んだ。
長年付き添った情もあったそうだ。
悪いことの方が多いけど、確かに大切にしてくれたこともあった。と。

私への謝罪も学園でしてくれた。と、言っても私は居なかったが、文章として掲示してドレイク王子も一緒に生徒へと説明をしてくれたそうだ。

私はというと、



「アマリリス、いい加減もう観念して」


「ヴォル…！！」


まだ、結婚する事にうんと頷けず、ずるずる引き延ばしている。寝室は一緒になっているし、日に日に触れ合いが多くなっている。

もうすぐ18になる。
その日に私はヴォルフに結婚しようと申し出ようと思っている。のに…

「早く、アマリリスを俺のものにしてしまいたい。そうじゃないと誰かに取られそうで怖い」

「私を欲しがる人はヴォルフくらいよ！ちょっと！どこ触ってるの！？」


切なそうな顔をしたまま、グッとベッドへ縫い付けてくるその力が強くて中々解けない。

首筋から肩にかけて優しく唇が滑っていく。

「ひやぁあああ！！」


「欲しがってるのをわかってて曖昧な態度を取るなんて酷いな。」

「んっ！！まって！！ヴォルフレット！！」


「もう待てない。ごめんね。」




翌朝、結婚します。と返事をした途端に結婚式の日取りが一月後に決まる。
どうやら初めから決めていて準備をしていたらしい。

私が思っていたよりも時期は早くなってしまったが、ヴォルフも1年間我慢をしていてくれていたんだと思うと嬉しかった。

しばらくして、お腹に新しい命も宿り、無事産まれた。
お披露目式のことやまだまだ解決しなければいけない事も沢山あるけど、一先ずは、一件落着。