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1・オリヴィア・ワンフルール
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この物語の主人公は、オリヴィア・ワンフルール現在17歳。まっすぐに伸びた腰まである長い髪は、黄金よりは太陽の光に近い金色をしている。
瞳は蜂蜜色で少し垂れた瞳は甘い印象を与える。
セノピア帝国の首都クレイトンの子爵家に生まれたごく普通の女の子…だと思われていたのは5歳になるまでだった。
5歳になった途端に、庭で弱っていたトカゲを拾い、怪我がいえるまで世話をしていたらトカゲではなくドラゴンだったり、母親が刺繍をしている時にちくっと刺してしまった指先をあっさり治してしまったり、訓練で誤って怪我をした兄たちの傷も瞬く間に治してしまう。とイレギュラーな出来事が次々と起こった。
この国には魔法が存在する。もちろん、魔力が高ければ爆発を起こしたり、風で物を持ち上げたり…いわゆる攻撃をすることも出来る。
火・水・雷・風・光・闇
大まかにすると6つの属性に分けられ、基本的には一人一つしか扱えない。
また、光と闇に関しては扱えるものが少なく、特に光の回復魔法の使い手は大変貴重である。
冒険者ギルドが街ごとに存在するが、10軒まわっても回復魔法の使い手がいるかどうか…そのくらい珍しかった。
10歳になりやっと魔力診断を受けられる様になると、オリヴィアは“光”魔法に属性があり、さらに回復に特化しているという判定をもらう。
魔獣と呼ばれる、動物がダンジョンの瘴気にあてられて進化してしまったもの、ダンジョンから溢れてしまうモンスターを狩るために、冒険者ギルドに登録し日々日銭を稼いでいるものたちにとって、オリヴィアは聖女の様な人物であった。
人間より遥かに難しいドラゴンを回復させた、それも5歳で。その噂が勝手に広まり、[ドラゴンヒーラー]としてこのクレイトンギルドで人気の人物である。
「ヴィア、今日もギルドかい?」
和やかな朝食に見合わず、少し硬い緊張した様な声で、イブ・ワンフルールが目の前に座る最愛の妹に話しかける。
「昨日森に火炎竜がでたんですって。討伐部隊が編成されるそうだから、私も行ってくるわ!」
「ふむ、火炎竜か…私の魔法とは相性が悪いなぁ…」
イブは国内きっての火魔法の使い手で接近戦の名手である。ルビーの様な透き通った赤い瞳に、燃える様な赤い髪を軽く後ろで束ねている。すっと通った鼻筋に優しそうなやや垂れた目、口角がキュッと上がった猫の様な口元は穏やかな印象を与える。
大変にハンサムな見た目をしているが、彼女はオリヴィアの頼もしい姉である。
朝食のパンケーキを丁寧に切り分けながらはぁ、とため息をつく。
「イブ、私がついていくから心配しなくていい。そういえばコンラッドも召集されているとか言ってたから一緒にヴィアが怪我をしない様、守り切って見せるよ。」
しょんぼりと落ち込むイブを励ますのは、リア・ワンフルール。夕暮れ時の様なややオレンジかかった髪を短く切り揃えイブによく似た顔をしている。
イブの双子の兄である。双子であるのに、リアの得意魔法は水魔法で、剣よりも遠距離の弓や銃の名手である。
コンラッドとは、近くに住むAランク冒険者で、出身や身分などは分からないが、オリヴィアが癒やし手としてギルドに登録された10才の頃より前から面倒を見てくれている、今ではベテランの冒険者である。
「コンラッドはヴィアが来ることを見越して志願したんだろ?兄さん、竜にも気をつけなきゃだけどコンラッドにも気をつけてくれよ!どうも最近奴の視線に熱いものを感じるんだ!」
この双子はオリヴィアより3つ歳上で20歳。コンラッドはそのさらに3つ歳上の23歳だ。3人ともに結婚適齢期に差し掛かっており、リアとコンラッドは若い令嬢たちから人気がある。
「ふふ、コンラッドは私みたいなお子ちゃまには見向きもしないでしょう。それにコンラッドなら、私大歓迎よ!あの完成された肉体に、しなやかな剣技…惚れ惚れするわ!!」
「ぐっ…大歓迎の意味がわかっていない気がする。その発言は本人を前にして言ってはいけないよ。」
「結婚するなら、コンラッドの様なたくましく、強い人がいいってお姉様が教えてくれたじゃない。それに、たくさんお話もしてくれるし、優しいのよ!」
コロコロと笑いながらすっかり朝食を平らげると、サッと席を立つ。貴族令嬢であればこのあとは別室に移動してお花を楽しんだり、刺繍をしたりするのだが…
「イブお姉様、今日も鍛錬をしてからギルドに行きたいの、お相手いただける?」
「ああ、もちろん!護衛のトムとリーも呼ぼうか!」
甘く、優しそうな見た目をしたワンフルール兄妹たちは見た目に反して肉体派である。
優雅とはかけ離れ、意外にも体育会系の一族である。
3人は連れ立って屋敷の中にある小さな訓練場に向かう。
瞳は蜂蜜色で少し垂れた瞳は甘い印象を与える。
セノピア帝国の首都クレイトンの子爵家に生まれたごく普通の女の子…だと思われていたのは5歳になるまでだった。
5歳になった途端に、庭で弱っていたトカゲを拾い、怪我がいえるまで世話をしていたらトカゲではなくドラゴンだったり、母親が刺繍をしている時にちくっと刺してしまった指先をあっさり治してしまったり、訓練で誤って怪我をした兄たちの傷も瞬く間に治してしまう。とイレギュラーな出来事が次々と起こった。
この国には魔法が存在する。もちろん、魔力が高ければ爆発を起こしたり、風で物を持ち上げたり…いわゆる攻撃をすることも出来る。
火・水・雷・風・光・闇
大まかにすると6つの属性に分けられ、基本的には一人一つしか扱えない。
また、光と闇に関しては扱えるものが少なく、特に光の回復魔法の使い手は大変貴重である。
冒険者ギルドが街ごとに存在するが、10軒まわっても回復魔法の使い手がいるかどうか…そのくらい珍しかった。
10歳になりやっと魔力診断を受けられる様になると、オリヴィアは“光”魔法に属性があり、さらに回復に特化しているという判定をもらう。
魔獣と呼ばれる、動物がダンジョンの瘴気にあてられて進化してしまったもの、ダンジョンから溢れてしまうモンスターを狩るために、冒険者ギルドに登録し日々日銭を稼いでいるものたちにとって、オリヴィアは聖女の様な人物であった。
人間より遥かに難しいドラゴンを回復させた、それも5歳で。その噂が勝手に広まり、[ドラゴンヒーラー]としてこのクレイトンギルドで人気の人物である。
「ヴィア、今日もギルドかい?」
和やかな朝食に見合わず、少し硬い緊張した様な声で、イブ・ワンフルールが目の前に座る最愛の妹に話しかける。
「昨日森に火炎竜がでたんですって。討伐部隊が編成されるそうだから、私も行ってくるわ!」
「ふむ、火炎竜か…私の魔法とは相性が悪いなぁ…」
イブは国内きっての火魔法の使い手で接近戦の名手である。ルビーの様な透き通った赤い瞳に、燃える様な赤い髪を軽く後ろで束ねている。すっと通った鼻筋に優しそうなやや垂れた目、口角がキュッと上がった猫の様な口元は穏やかな印象を与える。
大変にハンサムな見た目をしているが、彼女はオリヴィアの頼もしい姉である。
朝食のパンケーキを丁寧に切り分けながらはぁ、とため息をつく。
「イブ、私がついていくから心配しなくていい。そういえばコンラッドも召集されているとか言ってたから一緒にヴィアが怪我をしない様、守り切って見せるよ。」
しょんぼりと落ち込むイブを励ますのは、リア・ワンフルール。夕暮れ時の様なややオレンジかかった髪を短く切り揃えイブによく似た顔をしている。
イブの双子の兄である。双子であるのに、リアの得意魔法は水魔法で、剣よりも遠距離の弓や銃の名手である。
コンラッドとは、近くに住むAランク冒険者で、出身や身分などは分からないが、オリヴィアが癒やし手としてギルドに登録された10才の頃より前から面倒を見てくれている、今ではベテランの冒険者である。
「コンラッドはヴィアが来ることを見越して志願したんだろ?兄さん、竜にも気をつけなきゃだけどコンラッドにも気をつけてくれよ!どうも最近奴の視線に熱いものを感じるんだ!」
この双子はオリヴィアより3つ歳上で20歳。コンラッドはそのさらに3つ歳上の23歳だ。3人ともに結婚適齢期に差し掛かっており、リアとコンラッドは若い令嬢たちから人気がある。
「ふふ、コンラッドは私みたいなお子ちゃまには見向きもしないでしょう。それにコンラッドなら、私大歓迎よ!あの完成された肉体に、しなやかな剣技…惚れ惚れするわ!!」
「ぐっ…大歓迎の意味がわかっていない気がする。その発言は本人を前にして言ってはいけないよ。」
「結婚するなら、コンラッドの様なたくましく、強い人がいいってお姉様が教えてくれたじゃない。それに、たくさんお話もしてくれるし、優しいのよ!」
コロコロと笑いながらすっかり朝食を平らげると、サッと席を立つ。貴族令嬢であればこのあとは別室に移動してお花を楽しんだり、刺繍をしたりするのだが…
「イブお姉様、今日も鍛錬をしてからギルドに行きたいの、お相手いただける?」
「ああ、もちろん!護衛のトムとリーも呼ぼうか!」
甘く、優しそうな見た目をしたワンフルール兄妹たちは見た目に反して肉体派である。
優雅とはかけ離れ、意外にも体育会系の一族である。
3人は連れ立って屋敷の中にある小さな訓練場に向かう。
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