異世界から来た女の子を護衛しているのです。

４侵入成功

護衛「思いがけず儀式用の部屋に侵入成功してしまった」

わんこ「忙しい忙しい……！　おや？　どうして君がここに？」

護衛「見てわかるように、俺は重要な任務を帯びている。だから、ここを離れるわけにはいかない」

わんこ「全身を荷物でコーディネーターしている姿を見るに、荷物持ちとして利用
れたように見えますが」

護衛「うん。これどこに置いたらいい？」

わんこ「あ、こちらに。それで、荷物を運んだら別に出て行って一向に構わないんですよ。むしろそうしてください」

護衛「利用するだけ利用してあとはポイ捨てだなんて」

わんこ「どこでそんな言葉を覚えてくるんですか」

護衛「というわけで、ここにいたいのですが」

わんこ「どういうわけですか」

護衛「いたいのですが」

わんこ「二度繰り返してもダメです。ほら、このチョコレートをあげるから向こうに行ってなさい」

護衛「そんな子供だましで追い払えると？」

わんこ「……光の速さでチョコを奪った人間の言葉だとは思えませんね」

護衛「むちょむちょむちょ」

わんこ「だいたい、ぼくの一存では決められません」

護衛「ち。役立たずが」

わんこ「あれ……。ぼくも割と偉い立場の人間なのに……おかしいな目から汗が」

護衛「むちょちょ……ちょっと見せてくれてもいいのにケチ」

わんこ「……いけません。大事な儀式なんですよ」

護衛「大事な儀式だって、俺もわかっている……けど、俺にだって理由はあるん
」

わんこ「理由……？　いつも無表情の護衛が、なんて真剣な顔……もしかして、何か大事な理由が？」

護衛「だって」

わんこ「だ、だって？」

護衛「滅多に見れるものじゃないから見たい」

わんこ「誰かこの子に美味しいお菓子を持たせなさい」




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再びつまみ出される。
ちなみにわんこは貴族出身の神官長。