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しかし、都合のいい解釈に浸ってご満悦のギディオンの耳に、真っ当な言い分など届くはずがなかった。
「人間になっても、ここの可愛いさは全然変わらないね。大きさもそのままだ」
太腿に手を押し当てながらシリルの下半身に顔を近づけ、愛おしげに、ふぅ、と息を吹きかける。
その艶めかしい吐息に、びくっと太腿が震えた。
反射的な震えには、怯えだけではない不吉な甘さが微かに孕んで、シリルはそれを誤魔化すように、ことさら大きな声で噛みついた。
「か、変わらないって、大きさもそのままなわけないだろっ! 失礼な!」
「確かにそのままは言い過ぎだね。でも似たり寄ったりだよ、可愛い」
「この野郎……ッ」
語尾にハートでもつきそうなほどとろけた声で言うギディオンの侮辱的な発言に、こめかみがピクピクとひくつく。
殴り飛ばしたいくらいだが、ギディオンの強制命令のせいで膝裏から手が離せず、見せたくない秘部をさらし続けている有り様だ。
それが悔しくて情けなくて仕方がなかった。
「……ッ、男の大事なものを可愛いとか言うな! 馬鹿にするのもたいがいにしろよ!」
黙っていると惨めな気持ちに呑み込まれそうで、語気を荒らげて怒鳴ってみるが、ギディオンに堪えた様子は全くない。
むしろ不機嫌な飼い猫に手を焼いて、やれやれと微笑ましげに肩をすくめているような表情を浮かべている。その余裕が一層腹立たしかった。
「馬鹿になんかしていなよ。それに、シリルのこれは今から男の大事なものじゃなくってメスの可愛いものになるんだから」
「は?」
意味不明な発言に顔を思い切り顰めつつも、ギディオンの口元に浮かぶ不穏な微笑みに、ぞわりと背筋に冷たいものが走る。
言葉の意味を問うより先に、ギディオンが行動に出た。
ズボンから自身のものを取り出すと、シリルのそれにずしりと重ねてきたのだ。
突然の奇行に目を見張ると同時に、怒張したそれの熱と硬さに思わず息を呑んだ。
中性的な、顔だけ見れば女にも間違えられるほどに、繊細で整った顔立ちに反して、その陰茎は屈強な剣士、あるいは筋骨隆々の下卑た盗賊を彷彿とさせるものだった。
「あぁ、やっぱりシリルのは可愛いね。こうして比べるとより分かる」
先走りでぬめったそれを上下に揺すりながら、シリルのものに押しつける。その生々しくおぞましい感触に、全身に鳥肌が立った。
「それに比べて僕のはなんて醜いんだろう。シリルが欲しくてたまらないって浅ましいくらいに主張して、本当に醜悪の極みだ」
自身を卑下するように言いながらも、吐く息には卑猥な高揚が滲み、口元には笑みすら浮かんでいる。
胸の高ぶりをぶつけるように、ギディオンはシリルの上に重ねたそれを激しく揺すって、執拗に擦りつけた。
「人間になっても、ここの可愛いさは全然変わらないね。大きさもそのままだ」
太腿に手を押し当てながらシリルの下半身に顔を近づけ、愛おしげに、ふぅ、と息を吹きかける。
その艶めかしい吐息に、びくっと太腿が震えた。
反射的な震えには、怯えだけではない不吉な甘さが微かに孕んで、シリルはそれを誤魔化すように、ことさら大きな声で噛みついた。
「か、変わらないって、大きさもそのままなわけないだろっ! 失礼な!」
「確かにそのままは言い過ぎだね。でも似たり寄ったりだよ、可愛い」
「この野郎……ッ」
語尾にハートでもつきそうなほどとろけた声で言うギディオンの侮辱的な発言に、こめかみがピクピクとひくつく。
殴り飛ばしたいくらいだが、ギディオンの強制命令のせいで膝裏から手が離せず、見せたくない秘部をさらし続けている有り様だ。
それが悔しくて情けなくて仕方がなかった。
「……ッ、男の大事なものを可愛いとか言うな! 馬鹿にするのもたいがいにしろよ!」
黙っていると惨めな気持ちに呑み込まれそうで、語気を荒らげて怒鳴ってみるが、ギディオンに堪えた様子は全くない。
むしろ不機嫌な飼い猫に手を焼いて、やれやれと微笑ましげに肩をすくめているような表情を浮かべている。その余裕が一層腹立たしかった。
「馬鹿になんかしていなよ。それに、シリルのこれは今から男の大事なものじゃなくってメスの可愛いものになるんだから」
「は?」
意味不明な発言に顔を思い切り顰めつつも、ギディオンの口元に浮かぶ不穏な微笑みに、ぞわりと背筋に冷たいものが走る。
言葉の意味を問うより先に、ギディオンが行動に出た。
ズボンから自身のものを取り出すと、シリルのそれにずしりと重ねてきたのだ。
突然の奇行に目を見張ると同時に、怒張したそれの熱と硬さに思わず息を呑んだ。
中性的な、顔だけ見れば女にも間違えられるほどに、繊細で整った顔立ちに反して、その陰茎は屈強な剣士、あるいは筋骨隆々の下卑た盗賊を彷彿とさせるものだった。
「あぁ、やっぱりシリルのは可愛いね。こうして比べるとより分かる」
先走りでぬめったそれを上下に揺すりながら、シリルのものに押しつける。その生々しくおぞましい感触に、全身に鳥肌が立った。
「それに比べて僕のはなんて醜いんだろう。シリルが欲しくてたまらないって浅ましいくらいに主張して、本当に醜悪の極みだ」
自身を卑下するように言いながらも、吐く息には卑猥な高揚が滲み、口元には笑みすら浮かんでいる。
胸の高ぶりをぶつけるように、ギディオンはシリルの上に重ねたそれを激しく揺すって、執拗に擦りつけた。
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