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第6章 35歳にして、初めてのメイド喫茶!
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「ただいま、萌えランドはフラキュア週間となっています! ですので、ご主人様達にはぜひフラリスとキュアルになっていただきたいのです!」
「え?」
「は?」
店員さんのお願いに僕らは固まった。
「ですからぁ、これをかぶってフラキュアあすかと一緒に世界のお花を一緒に守って欲しいんです!」
可愛らしく店員さんはそう言って、僕の頭にウサギ耳を聖夜さんの頭にネコ耳のヘアバンドを素早くとりつけた。
「ふふふ、これでご主人様もフラキュアの仲間入りです! それでは、ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。……なお、ヘアバンドをとりましたら萌えランド即追放となりますのでご注意くださいね!」
笑顔で不穏な単語を口にしながら、店員さんは僕らのテーブルを去って行った。
僕らは無言でお互いの顔を見合った。
沈黙を破ったのは、聖夜さんの笑い声だった。
「ハハハハ! 全然似合わねぇ! おっさんとウサギ耳って腹筋崩壊レベルの破壊力あるな」
「せ、聖夜さんだって全然似合ってな……」
似合ってないと言おうとしたけれど、整った顔にネコ耳がプラスされようとその美しさが崩れることはなく、むしろ女の子達から需要があるんじゃないかとさえ思えた。
「……聖夜さんがすると、ビジネスになりそうで恐ろしいですね」
真顔で僕がそう言うと「なんだそれ」とまた聖夜さんは笑った。
「あ、もしかしたら、ネコ耳なら僕も似合うんじゃないですかね? ほら、ネコってライオンや虎と同じネコ科ですし」
「じゃあ、交換する?」
「……やっぱり遠慮しておきます」
同じネコ耳をかぶることで差を思い知らせれそうだ。
恥ずかしさで項垂れていると、
「おい、ちょっとこっち向け」
聖夜さんに呼ばれたので顔を上げると、パシャッとシャッターを切る音がした。
「よし、これでアンタの弱みを握った」
機嫌良く携帯をいじりながら聖夜さんが言った。
「ちょ、ちょっと待ってください! え? え? な、なんで、写真とってるんですか!」
慌てて立ち上がって携帯電話を取ろうと手を伸ばすけれど、ひょいと簡単にかわされてしまった。
「言っただろう。弱みだよ、弱み」
「そ、そんな、なんで……」
「アンタも俺の弱み握ってるだろ? だから俺もアンタの弱み握ったんだよ。これで対等だ」
「え? 聖夜さんの弱み? なんですかそれ?」
格好良くて優しくて、その上ネコ耳をつけてもマイナス要因が微塵も見つからない聖夜さんに弱みなどあるのだろうか?
誰しもひとつくらい弱みはあるだろうけど、少なくとも僕は聖夜さんの弱みなど知らない。
首を傾げる僕に、聖夜さんは訝しげに眉根を寄せた。
「……それ、マジで言ってんの?」
「え、あ、はい、すみません。でも僕には聖夜さんの弱みなんて見当もつきません。でも素敵なところは今日たくさん見ました!」
楽しそうにフラキュアの話をしてくれる聖夜さん。
フラキュアのことになると無邪気さを見せる聖夜さん。
子供に意外と優しい聖夜さん。
今日見た聖夜さんの素敵なところならいくらでも言えそうだ。
率直な気持ちだったのだけれど、僕の言葉に聖夜さんの顔が見る見るうちに赤くなった。
「え?」
「は?」
店員さんのお願いに僕らは固まった。
「ですからぁ、これをかぶってフラキュアあすかと一緒に世界のお花を一緒に守って欲しいんです!」
可愛らしく店員さんはそう言って、僕の頭にウサギ耳を聖夜さんの頭にネコ耳のヘアバンドを素早くとりつけた。
「ふふふ、これでご主人様もフラキュアの仲間入りです! それでは、ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。……なお、ヘアバンドをとりましたら萌えランド即追放となりますのでご注意くださいね!」
笑顔で不穏な単語を口にしながら、店員さんは僕らのテーブルを去って行った。
僕らは無言でお互いの顔を見合った。
沈黙を破ったのは、聖夜さんの笑い声だった。
「ハハハハ! 全然似合わねぇ! おっさんとウサギ耳って腹筋崩壊レベルの破壊力あるな」
「せ、聖夜さんだって全然似合ってな……」
似合ってないと言おうとしたけれど、整った顔にネコ耳がプラスされようとその美しさが崩れることはなく、むしろ女の子達から需要があるんじゃないかとさえ思えた。
「……聖夜さんがすると、ビジネスになりそうで恐ろしいですね」
真顔で僕がそう言うと「なんだそれ」とまた聖夜さんは笑った。
「あ、もしかしたら、ネコ耳なら僕も似合うんじゃないですかね? ほら、ネコってライオンや虎と同じネコ科ですし」
「じゃあ、交換する?」
「……やっぱり遠慮しておきます」
同じネコ耳をかぶることで差を思い知らせれそうだ。
恥ずかしさで項垂れていると、
「おい、ちょっとこっち向け」
聖夜さんに呼ばれたので顔を上げると、パシャッとシャッターを切る音がした。
「よし、これでアンタの弱みを握った」
機嫌良く携帯をいじりながら聖夜さんが言った。
「ちょ、ちょっと待ってください! え? え? な、なんで、写真とってるんですか!」
慌てて立ち上がって携帯電話を取ろうと手を伸ばすけれど、ひょいと簡単にかわされてしまった。
「言っただろう。弱みだよ、弱み」
「そ、そんな、なんで……」
「アンタも俺の弱み握ってるだろ? だから俺もアンタの弱み握ったんだよ。これで対等だ」
「え? 聖夜さんの弱み? なんですかそれ?」
格好良くて優しくて、その上ネコ耳をつけてもマイナス要因が微塵も見つからない聖夜さんに弱みなどあるのだろうか?
誰しもひとつくらい弱みはあるだろうけど、少なくとも僕は聖夜さんの弱みなど知らない。
首を傾げる僕に、聖夜さんは訝しげに眉根を寄せた。
「……それ、マジで言ってんの?」
「え、あ、はい、すみません。でも僕には聖夜さんの弱みなんて見当もつきません。でも素敵なところは今日たくさん見ました!」
楽しそうにフラキュアの話をしてくれる聖夜さん。
フラキュアのことになると無邪気さを見せる聖夜さん。
子供に意外と優しい聖夜さん。
今日見た聖夜さんの素敵なところならいくらでも言えそうだ。
率直な気持ちだったのだけれど、僕の言葉に聖夜さんの顔が見る見るうちに赤くなった。
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