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第6章 35歳にして、初めてのメイド喫茶!
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「へへ~、この中と外のギャップがいいでしょ~」
「ギャップありすぎです!」
得意げな桜季さんに思わず突っ込みを入れた。
「いやさぁ、この間コンドーム持っていた青りんごがまさにこんな感じでギャップってすごいなぁと思って~。そしたら知り合いのアダルトショップに行ったら青りんごにぴったりなの見つけてぇ」
「僕にぴったり!? これがですか!?」
もしそうならいろいろとショックだ。
「うん、ぴったり~。見た目癒やし系で、中身は職場にゴム持ち込むほどの変態なところとかぁ」
「誤解です! あれは僕が持って来たんじゃなくて拾っ……うわぁ!」
腰を引かれて、桜季さんに後ろから抱きかかえられた状態でお尻を床についた。
「さ、桜季さん……?」
な、なんだか嫌な予感しかしない……。
その予感を肯定するように、にこりと桜季さんが笑った。
「青りんご、ゴムの付け方知らないでしょう? 教えてあげる」
「え、えええ! い、いやいいです! すっごく結構です!」
「ふふふ、遠慮しなくてもいいよぉ。おれと青りんごの仲じゃぁん。この間のゴムを見た反応からして青りんご絶対ゴムつけたことないでしょぉ?」
ギクッと体が反応する。
それを見て桜季さんの口端がにやりと持ち上がった。
「うふふ~、図星だねぇ。ゴムつけないとだめだよぉ。青りんごもしかして中出し派ぁ?」
「なっ、ななななか……っ!」
キスも大昔の僕にはあまりに刺激の強い単語に、顔が沸騰したみたいに熱くなる。
「そ、そんなんじゃないですっ! それにするとしたら絶対つけます!」
「え~! ゴムつけたことないのに、する時は絶対つけるって……、あ! 青りんごもしかして童貞~?」
「……っ!」
ナイーブな部分に土足どころか大型トラックで突っ込まれた感じだ。
「あはは~、図星第二弾~」
クイズに正解した子供のように無邪気に笑う桜季さんに、地面を掘ってしばらく埋まっていたい気分になった。
「それならなおさら付け方覚えないとぉ。ほらぁ、優しく丁寧に教えてあげるからさぁ」
「ちょ、ちょっとやめてくださいっ」
ズボンのジッパーに桜季さんの手が伸びてきて、慌てて前を手で隠した。
「えぇ~、知っておかないと本番の時、女の子の前で恥かいちゃうよぉ?」
「そっ、そうかもしれませんけど、今はまだいいです!」
「そんなこと言ってるからいつまでも童貞くんなんだよぉ」
うっ……!
桜季さんの口調は緩いのに的確に痛いところをえぐってくる。
確かに男として知っておくべきことなのかもしれないけれど、今は断じてその時じゃないだろう。
それに時間や場所以外にも、拒む理由が僕にはあった。
「ギャップありすぎです!」
得意げな桜季さんに思わず突っ込みを入れた。
「いやさぁ、この間コンドーム持っていた青りんごがまさにこんな感じでギャップってすごいなぁと思って~。そしたら知り合いのアダルトショップに行ったら青りんごにぴったりなの見つけてぇ」
「僕にぴったり!? これがですか!?」
もしそうならいろいろとショックだ。
「うん、ぴったり~。見た目癒やし系で、中身は職場にゴム持ち込むほどの変態なところとかぁ」
「誤解です! あれは僕が持って来たんじゃなくて拾っ……うわぁ!」
腰を引かれて、桜季さんに後ろから抱きかかえられた状態でお尻を床についた。
「さ、桜季さん……?」
な、なんだか嫌な予感しかしない……。
その予感を肯定するように、にこりと桜季さんが笑った。
「青りんご、ゴムの付け方知らないでしょう? 教えてあげる」
「え、えええ! い、いやいいです! すっごく結構です!」
「ふふふ、遠慮しなくてもいいよぉ。おれと青りんごの仲じゃぁん。この間のゴムを見た反応からして青りんご絶対ゴムつけたことないでしょぉ?」
ギクッと体が反応する。
それを見て桜季さんの口端がにやりと持ち上がった。
「うふふ~、図星だねぇ。ゴムつけないとだめだよぉ。青りんごもしかして中出し派ぁ?」
「なっ、ななななか……っ!」
キスも大昔の僕にはあまりに刺激の強い単語に、顔が沸騰したみたいに熱くなる。
「そ、そんなんじゃないですっ! それにするとしたら絶対つけます!」
「え~! ゴムつけたことないのに、する時は絶対つけるって……、あ! 青りんごもしかして童貞~?」
「……っ!」
ナイーブな部分に土足どころか大型トラックで突っ込まれた感じだ。
「あはは~、図星第二弾~」
クイズに正解した子供のように無邪気に笑う桜季さんに、地面を掘ってしばらく埋まっていたい気分になった。
「それならなおさら付け方覚えないとぉ。ほらぁ、優しく丁寧に教えてあげるからさぁ」
「ちょ、ちょっとやめてくださいっ」
ズボンのジッパーに桜季さんの手が伸びてきて、慌てて前を手で隠した。
「えぇ~、知っておかないと本番の時、女の子の前で恥かいちゃうよぉ?」
「そっ、そうかもしれませんけど、今はまだいいです!」
「そんなこと言ってるからいつまでも童貞くんなんだよぉ」
うっ……!
桜季さんの口調は緩いのに的確に痛いところをえぐってくる。
確かに男として知っておくべきことなのかもしれないけれど、今は断じてその時じゃないだろう。
それに時間や場所以外にも、拒む理由が僕にはあった。
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