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第4章 35歳にして、初のホストクラブ!!
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……え? えええ!?
突然の思いもよらない事態にパニックになる。
さらに舌まで口を割って入ってきたものだから、恐慌といっても大げさでないほど僕の頭は混乱した。
な、なぜ、見ず知らずの青年と僕はキスをしているんだ!?
肩口を押して離れようとするが、がっちりと後頭部を固定されて動かない。
ひ、ひぇぇ! だ、誰か!
必死にもがいていると、閉じていた青年の目が開いた。
そして僕と目が合うや否や、吸いつくようにくっついていた唇が嘘のように離れ、体をドンと押し倒された。
ただでさえ疲労で弱っている腰に尻餅は、とどめの一撃だった。
「ああああああ! い、いたたたた!」
僕の叫びに青年はびくりと肩を揺らしたが、すぐに鋭い目で僕を睨みつけてきた。
「何叫んでんだよ! 叫びたいのはこっちだ! 寝込みをテメェみたいな冴えないおっさんに襲われて!」
「え!」
寝込みを襲われたという事実と異なる物騒な言葉に驚く。
「え? いや、ち、違うよ! 君が僕に、そ、そのキ、キスしてきたんだよ」
「はぁ? 寝言は寝て言え。何を好き好んであんたみたいなおっさんにキスなんかするか!」
確かにその通りなので反論できない。
しかし、それでも僕はやっていない。
痴漢の冤罪に巻き込まれたような気持ちだ。
どうにか自分の無実を証明しようかと口を動かすが肝心の言葉が出てこなかった。
「最低だっ。あー、汚ねぇっ」
吐き捨てるように言って、口を丹念に服の袖で拭う青年に、僕は鞄からお茶のペットボトルを取り出した。
「あ、あの、よかったら、このお茶どうぞ。お茶には殺菌効果がありますから」
昔、聞いたことのある知識を引き出して、親切心で彼に差し出したのだが、ぺしりと拳ごと片手で叩かれた。
「テメェの飲み掛けなんかいるかボケ!」
「あ、大丈夫ですよ! 飲み掛けでもペットボトルの中の菌もお茶の成分で殺菌されているらしいですから! この前テレビで実験しているの見ました!」
「そういう問題じゃねぇ!!」
ソファの肘置きをドンと拳で叩く青年に、僕はびくっ! と心臓が飛び跳ねた。
「つーか、テメェ誰だよ? まさか不法侵入じゃないだろうな?」
ギロリと睨まれ、僕は慌ててぶるぶると首を振った。
「ち、違います! ぼ、僕は今日からここで働くことになった……」
「ハッ、馬鹿が。ここはホストクラブなんだよ。不法侵入するならちゃんと下調べをしとくんだな」
彼の中で僕が不法侵入の不審者であることは確定事項のようだ。
うぅ、どうしよう……。
今にも警察に突き出さん勢いの疑いの目に怯んでいると、
「青りんご、大丈夫ぅ? 今さっきすごい悲鳴が聞こえたんだけどぉ、って、あ~!」
僕の悲鳴を聞きつけてやってきてくれた桜季さんが、青年を見てゆったりとした驚きの声を上げた。
突然の思いもよらない事態にパニックになる。
さらに舌まで口を割って入ってきたものだから、恐慌といっても大げさでないほど僕の頭は混乱した。
な、なぜ、見ず知らずの青年と僕はキスをしているんだ!?
肩口を押して離れようとするが、がっちりと後頭部を固定されて動かない。
ひ、ひぇぇ! だ、誰か!
必死にもがいていると、閉じていた青年の目が開いた。
そして僕と目が合うや否や、吸いつくようにくっついていた唇が嘘のように離れ、体をドンと押し倒された。
ただでさえ疲労で弱っている腰に尻餅は、とどめの一撃だった。
「ああああああ! い、いたたたた!」
僕の叫びに青年はびくりと肩を揺らしたが、すぐに鋭い目で僕を睨みつけてきた。
「何叫んでんだよ! 叫びたいのはこっちだ! 寝込みをテメェみたいな冴えないおっさんに襲われて!」
「え!」
寝込みを襲われたという事実と異なる物騒な言葉に驚く。
「え? いや、ち、違うよ! 君が僕に、そ、そのキ、キスしてきたんだよ」
「はぁ? 寝言は寝て言え。何を好き好んであんたみたいなおっさんにキスなんかするか!」
確かにその通りなので反論できない。
しかし、それでも僕はやっていない。
痴漢の冤罪に巻き込まれたような気持ちだ。
どうにか自分の無実を証明しようかと口を動かすが肝心の言葉が出てこなかった。
「最低だっ。あー、汚ねぇっ」
吐き捨てるように言って、口を丹念に服の袖で拭う青年に、僕は鞄からお茶のペットボトルを取り出した。
「あ、あの、よかったら、このお茶どうぞ。お茶には殺菌効果がありますから」
昔、聞いたことのある知識を引き出して、親切心で彼に差し出したのだが、ぺしりと拳ごと片手で叩かれた。
「テメェの飲み掛けなんかいるかボケ!」
「あ、大丈夫ですよ! 飲み掛けでもペットボトルの中の菌もお茶の成分で殺菌されているらしいですから! この前テレビで実験しているの見ました!」
「そういう問題じゃねぇ!!」
ソファの肘置きをドンと拳で叩く青年に、僕はびくっ! と心臓が飛び跳ねた。
「つーか、テメェ誰だよ? まさか不法侵入じゃないだろうな?」
ギロリと睨まれ、僕は慌ててぶるぶると首を振った。
「ち、違います! ぼ、僕は今日からここで働くことになった……」
「ハッ、馬鹿が。ここはホストクラブなんだよ。不法侵入するならちゃんと下調べをしとくんだな」
彼の中で僕が不法侵入の不審者であることは確定事項のようだ。
うぅ、どうしよう……。
今にも警察に突き出さん勢いの疑いの目に怯んでいると、
「青りんご、大丈夫ぅ? 今さっきすごい悲鳴が聞こえたんだけどぉ、って、あ~!」
僕の悲鳴を聞きつけてやってきてくれた桜季さんが、青年を見てゆったりとした驚きの声を上げた。
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