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第4章 35歳にして、初のホストクラブ!!
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とんでもない頼みに目を瞬かせる。
「き、急にどうしたの?」
「すみませんっ、俺、想像してしまいました!」
猛省という言葉がぴったりくるほどの勢いでテツ君が謝って来るので、僕は戸惑った。
「別にいいと思うよ。僕ら男だから想像してしまうのは仕方のないことだし……」
「いえ! それだけじゃありませんっ。あまつさえ、その姿が可愛いとも思ってしまいました……っ」
そ、そこまで暴露しなくても……。
一生の不覚、とでも言うように両手で顔を覆って自身の行為を悔いるテツ君に、まるで懺悔室にいるような錯覚に陥る。
それにしてもあられもない女の子の想像をしただけで、こんなに罪悪感に苛まれるとは、派手な見た目に反して意外にも彼は純粋なのかもしれない。
「まぁそれは男の性だから仕方ないことだよ。全く恥じることではないよ」
ぽんぽんと肩を叩きながら、そういえばこれと同じことを晴仁にも言われたなぁ、と思い出す。
高校生の頃、晴仁の家に招かれお泊りをした日、恥ずかしい話だが朝起きると下着の中が精液で濡れていたことがあった。
いわゆる夢精というものだ。
僕は今も昔も下半身に関して全くもって淡泊な人間だったから、それは初めての経験であり、パニック状態となった。
しかも友人宅であることもあり、僕は恥ずかしさのあまり嗚咽を漏らすほど泣きじゃくってしまった。
今考えれば、それこそ恥の上塗りなのだが……。
優しい晴仁は、そんな僕の背中をさすりながら「大丈夫、大丈夫。それは男の性だから仕方ないことだよ。全く恥じることではないよ」と慰めてくれた。
あの言葉には本当に救われた。
昔から晴仁はよくできた人だったなぁ、と改めて彼への尊敬の念を深めていると、
「ということはぁ、青りんご、舌にピアスあけてくれるのぉ?」
突然、桜季さんが僕の首元に腕を巻いて背後から覆い被さってきた。
危うく前につんのめりそうになるのを何とか持ち堪えて、桜季さんの方を振り返った。
「あ、あけませんよ! ピアスなんて、ましてや舌になんてもっての外ですっ。というか、なぜ今の話の流れで僕がピアスをあけると思ったんですかっ」
「えぇ~、だってぇ青りんご言ったじゃん。男の性だから仕方ないことだってぇ。それってつまり男のロマンを受け入れてくれるってことでしょぉ? ということはぁ、舌ピアスあけてアンアンしてくれるってことじゃなぁい?」
最近の若者の思考回路が分からない……。
僕の言葉のどこにそう解釈できる箇所があっただろうか。
そもそも女の子の話だったのに、なぜ僕が舌ピアスすることになっているんだろう。
もしかするとこれは若者ジョークなのだろうか。
確かに三十半ばの冴えない男が舌にピアスをあけるというのはある意味滑稽かもしれない。
桜季さんの言葉が意図するものをない頭を捻って一生懸命考えていると、突然、桜季さんが右手を僕の口の中に突っ込んできた。
「ひゃ、ひゃきしゃん!?」
突拍子のない行動に目を白黒させながら、背後の桜季さんを見上げた。
「うーん、やっぱりいい舌だねぇ。思った通りだ。薄すぎず、厚すぎず」
うんうん、と感慨深げに呟きながら、桜季さんは僕の舌を揉みしだく。
舌なんて、なかなか人から触られることのない場所を加減もなく揉まれ、くすぐったいとは少し違う妙な感覚に身が捩れる。
彼から離れようとするが、いつの間にか左腕に体をしっかり包囲され、逃げ出すことはできなかった。
「き、急にどうしたの?」
「すみませんっ、俺、想像してしまいました!」
猛省という言葉がぴったりくるほどの勢いでテツ君が謝って来るので、僕は戸惑った。
「別にいいと思うよ。僕ら男だから想像してしまうのは仕方のないことだし……」
「いえ! それだけじゃありませんっ。あまつさえ、その姿が可愛いとも思ってしまいました……っ」
そ、そこまで暴露しなくても……。
一生の不覚、とでも言うように両手で顔を覆って自身の行為を悔いるテツ君に、まるで懺悔室にいるような錯覚に陥る。
それにしてもあられもない女の子の想像をしただけで、こんなに罪悪感に苛まれるとは、派手な見た目に反して意外にも彼は純粋なのかもしれない。
「まぁそれは男の性だから仕方ないことだよ。全く恥じることではないよ」
ぽんぽんと肩を叩きながら、そういえばこれと同じことを晴仁にも言われたなぁ、と思い出す。
高校生の頃、晴仁の家に招かれお泊りをした日、恥ずかしい話だが朝起きると下着の中が精液で濡れていたことがあった。
いわゆる夢精というものだ。
僕は今も昔も下半身に関して全くもって淡泊な人間だったから、それは初めての経験であり、パニック状態となった。
しかも友人宅であることもあり、僕は恥ずかしさのあまり嗚咽を漏らすほど泣きじゃくってしまった。
今考えれば、それこそ恥の上塗りなのだが……。
優しい晴仁は、そんな僕の背中をさすりながら「大丈夫、大丈夫。それは男の性だから仕方ないことだよ。全く恥じることではないよ」と慰めてくれた。
あの言葉には本当に救われた。
昔から晴仁はよくできた人だったなぁ、と改めて彼への尊敬の念を深めていると、
「ということはぁ、青りんご、舌にピアスあけてくれるのぉ?」
突然、桜季さんが僕の首元に腕を巻いて背後から覆い被さってきた。
危うく前につんのめりそうになるのを何とか持ち堪えて、桜季さんの方を振り返った。
「あ、あけませんよ! ピアスなんて、ましてや舌になんてもっての外ですっ。というか、なぜ今の話の流れで僕がピアスをあけると思ったんですかっ」
「えぇ~、だってぇ青りんご言ったじゃん。男の性だから仕方ないことだってぇ。それってつまり男のロマンを受け入れてくれるってことでしょぉ? ということはぁ、舌ピアスあけてアンアンしてくれるってことじゃなぁい?」
最近の若者の思考回路が分からない……。
僕の言葉のどこにそう解釈できる箇所があっただろうか。
そもそも女の子の話だったのに、なぜ僕が舌ピアスすることになっているんだろう。
もしかするとこれは若者ジョークなのだろうか。
確かに三十半ばの冴えない男が舌にピアスをあけるというのはある意味滑稽かもしれない。
桜季さんの言葉が意図するものをない頭を捻って一生懸命考えていると、突然、桜季さんが右手を僕の口の中に突っ込んできた。
「ひゃ、ひゃきしゃん!?」
突拍子のない行動に目を白黒させながら、背後の桜季さんを見上げた。
「うーん、やっぱりいい舌だねぇ。思った通りだ。薄すぎず、厚すぎず」
うんうん、と感慨深げに呟きながら、桜季さんは僕の舌を揉みしだく。
舌なんて、なかなか人から触られることのない場所を加減もなく揉まれ、くすぐったいとは少し違う妙な感覚に身が捩れる。
彼から離れようとするが、いつの間にか左腕に体をしっかり包囲され、逃げ出すことはできなかった。
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