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第3章 異世界で溺愛剣士の婚約者!?
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「ソウシ、あともうひとつ頼みがあるのだがよいか?」
「は、はい、なんでしょうか?」
内心、これ以上面倒な頼み事は勘弁してくれよと思いつつ、引き攣った笑みで聞き返す。
そんな俺の反応にエグバードは「はははっ」と声を立てて笑った。
「なに、構えることはない。簡単なことだ。ダイナを一緒に探してほしいのだ」
「ダイナ?」
「そう、私の可愛い可愛いダイナ。あの子を探してほしいのだ」
エグバードがにっこりと微笑む。
その愛しそうな瞳から、相手は相当に大事な人らしい。もしかする妹とかなのかもしれない。
ノーパン女装の身を隠しながら迷子、しかも次期国王を連れて人探し。
なぜ俺には普通なら絶対にあり得ない無理難題があるまじき組み合わせで襲ってくるのだろうか……。
これは呪いか祟りの類いなのではないかと思えるほどの自分の不運を嘆きながら、大きく溜め息を吐いた。
もちろん心の中でだ。
「……分かりました。一緒に探します。えっと、ちなみにダイナさんはどんな方ですか」
「そうだな、気品と誇りが感じられる顔立ちをしている」
そんな主観的で曖昧なイメージで分かるか! 人探しを舐めてんのか!
だが、もちろんそんな無礼な正論は腹の奥に飲み込んだ。
「な、なるほど~、気品と誇りが感じられる顔立ちなんですね~……。あの、できれば、もっと具体的にわかりやすい特徴も教えていただきたいのですが……」
「わかりやすい特徴……、そうだな、私と同じ美しい青色の瞳と、触れることすら恐れ多く感じてしまう真っ白な毛並みが一番の特徴だな」
「え? け、毛並みってまさかダイナって……」
嫌な予感が胸をかすめる。
エグバードは目尻を綻ばせて頷いた。
「うむ、私の愛猫だ」
嫌な予感的中……!
俺は思わず膝から崩れ落ちそうになった。
この馬鹿デカい城の敷地から猫を探し出すとかどんだけ無理難題なんだ……!
しかも俺、迷子なんですけど!
旅行者に現地の人でも知らない山奥の秘湯を案内させるくらい無謀なことだ。
だが、もちろんそんな言い分は通らない。
なぜなら相手は、自分が迷子になった自覚などなくそれどころか従者が迷子になったと堂々と言い切る、ピュア自己中な次期国王様なのだ。
対する俺は、何度も言うがノーパン女装、つまるところ変態的格好な上に職業詐称までしている。
ここで変に断ってエグバードの不興を買ってしまったらそれらのことがバレた時、問答無用で牢屋行き、もしくはあの世行きに違いない。
ここはもしものために、少しでも恩と媚びを売っていた方がよさそうだ。
というか、そうするしか俺に道はない。
「青い瞳に白い毛並み、そして気品ある顔立ち……、分かりました! この私が、必ず探し出しましょう!」
もう半分やけになりながら拳でドンと胸をたたく。
それをやる気に溢れていると受け取ったのか、エグバードは嬉しそうに破顔した。
「おお、なんとも心強い言葉だ。期待しておるぞ。……ところでソウシ、ひとつ気になることがあるのだが」
急に真顔になってエグバードが俺の足下にちらりと視線を向ける。
ひとつどころか三つも四つも隠し事のある俺は心臓が跳ね上がった。
しかしここで挙動不審になったら余計に怪しまれてしまう。
俺は平静を装いながら答えた。
「は、はい、なんでしょうか?」
内心、これ以上面倒な頼み事は勘弁してくれよと思いつつ、引き攣った笑みで聞き返す。
そんな俺の反応にエグバードは「はははっ」と声を立てて笑った。
「なに、構えることはない。簡単なことだ。ダイナを一緒に探してほしいのだ」
「ダイナ?」
「そう、私の可愛い可愛いダイナ。あの子を探してほしいのだ」
エグバードがにっこりと微笑む。
その愛しそうな瞳から、相手は相当に大事な人らしい。もしかする妹とかなのかもしれない。
ノーパン女装の身を隠しながら迷子、しかも次期国王を連れて人探し。
なぜ俺には普通なら絶対にあり得ない無理難題があるまじき組み合わせで襲ってくるのだろうか……。
これは呪いか祟りの類いなのではないかと思えるほどの自分の不運を嘆きながら、大きく溜め息を吐いた。
もちろん心の中でだ。
「……分かりました。一緒に探します。えっと、ちなみにダイナさんはどんな方ですか」
「そうだな、気品と誇りが感じられる顔立ちをしている」
そんな主観的で曖昧なイメージで分かるか! 人探しを舐めてんのか!
だが、もちろんそんな無礼な正論は腹の奥に飲み込んだ。
「な、なるほど~、気品と誇りが感じられる顔立ちなんですね~……。あの、できれば、もっと具体的にわかりやすい特徴も教えていただきたいのですが……」
「わかりやすい特徴……、そうだな、私と同じ美しい青色の瞳と、触れることすら恐れ多く感じてしまう真っ白な毛並みが一番の特徴だな」
「え? け、毛並みってまさかダイナって……」
嫌な予感が胸をかすめる。
エグバードは目尻を綻ばせて頷いた。
「うむ、私の愛猫だ」
嫌な予感的中……!
俺は思わず膝から崩れ落ちそうになった。
この馬鹿デカい城の敷地から猫を探し出すとかどんだけ無理難題なんだ……!
しかも俺、迷子なんですけど!
旅行者に現地の人でも知らない山奥の秘湯を案内させるくらい無謀なことだ。
だが、もちろんそんな言い分は通らない。
なぜなら相手は、自分が迷子になった自覚などなくそれどころか従者が迷子になったと堂々と言い切る、ピュア自己中な次期国王様なのだ。
対する俺は、何度も言うがノーパン女装、つまるところ変態的格好な上に職業詐称までしている。
ここで変に断ってエグバードの不興を買ってしまったらそれらのことがバレた時、問答無用で牢屋行き、もしくはあの世行きに違いない。
ここはもしものために、少しでも恩と媚びを売っていた方がよさそうだ。
というか、そうするしか俺に道はない。
「青い瞳に白い毛並み、そして気品ある顔立ち……、分かりました! この私が、必ず探し出しましょう!」
もう半分やけになりながら拳でドンと胸をたたく。
それをやる気に溢れていると受け取ったのか、エグバードは嬉しそうに破顔した。
「おお、なんとも心強い言葉だ。期待しておるぞ。……ところでソウシ、ひとつ気になることがあるのだが」
急に真顔になってエグバードが俺の足下にちらりと視線を向ける。
ひとつどころか三つも四つも隠し事のある俺は心臓が跳ね上がった。
しかしここで挙動不審になったら余計に怪しまれてしまう。
俺は平静を装いながら答えた。
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