208 / 266
第3章 異世界で溺愛剣士の婚約者!?
33
しおりを挟む
「なっ、なに言ってんだよ! アホじゃねぇの!?」
人がせっかく美女を連れてきてやると言ってるのに、なんでそうなるんだ!?
「うるせぇ! アホはお前だろ!」
「なんでそうなる!? と、とにかく落ち着けって! すぐに可愛くてお色気ムンムン、肉感むちむちの女の子を探してきてやるから!」
とりあえず冷静になってもらおうと、魅力的な言葉をこれでもかと並べてみる。
だが、なぜかそれが逆効果だったようで奴の額に浮き上がった青筋がさらに輪郭を濃くした。
「テメェ……、まだこの期に及んでそんなこと言うか」
「そりゃあ言うに決まってんだろ! ていうかこの期だから言うんだよ!」
自分のケツが危機にさらされているのだ、当然だ。
だが、アーロンにはその当然が分からないようで、ピクピクと片頬を引き攣らせる。
「……ッ、本当にお前は可愛げがねぇな。こうなったら徹底的に調教して身も心も可愛げ満点のメスにしてやる」
「いやメスも何も俺、男ですけど!?」
わざわざ男の俺を可愛げ満点のメスとやらにするより、絶対に自分好みの美女とやった方が手間もかからないし満足度も高いと思うのだが、アーロンは完全にムキになっていてそんな簡単なことにも気づかないようだ。
「と、とにかく、落ち着け! いいか? どんなに上手く色を塗ってりんごに見える石でも石は石だし、そんな手間暇かけるならおいしいりんごを買った方が美味いしてっとりばや……――」
「うるせぇ、ごちゃごちゃわけわかんねぇこと言うな。黙ってろ」
「ンっ……」
せっかく分かりやすく、男の俺をわざわざ調教するよりお好みの美女を捕まえた方がいいということを説明してやっているのに、それを遮るようにキスで唇を塞がれた。
顔を背けてアーロンの唇から逃げようとしたが先手を打つように顎を手で掴んで動きを押さえ込まれてしまった。
「ん、ふっ、ン……っ」
どうにか逃げ出そうともがくが、唇の隙間から入ってきた舌に口内を甘くなぶられると、溶けるように力が抜けてしまう。
「……っ、あー、これ邪魔」
唇を離したアーロンがチッと舌打ちして、俺の眼鏡を外して放り投げた。
「あ……っ」
アーシャのおじいさんの形見と聞いていたので反射的に眼鏡を目で追う。
だがすぐにくいっと頬を片手で掴まれアーロンの方へ向き直されてしまった。
見下ろすアーロンが「ははっ」と欲の滲んだ笑いを零した。
「これでお前の間抜けなエロ顔がよく見える」
「なに言って……ンっ」
間抜けなエロ顔ってなんだ! と抗議するよりも早くまた口を塞がれてしまった。
舌が動くたびに卑猥な唾液の音が口の端から漏れて、鼓膜をじわじわと濡らしていく。
卑猥な動きでもって俺を飼い馴らそうとするその舌に抗うように、絡みつこうとするそれを押し返す。
だが、警戒すべきは舌だけではなかった。
人がせっかく美女を連れてきてやると言ってるのに、なんでそうなるんだ!?
「うるせぇ! アホはお前だろ!」
「なんでそうなる!? と、とにかく落ち着けって! すぐに可愛くてお色気ムンムン、肉感むちむちの女の子を探してきてやるから!」
とりあえず冷静になってもらおうと、魅力的な言葉をこれでもかと並べてみる。
だが、なぜかそれが逆効果だったようで奴の額に浮き上がった青筋がさらに輪郭を濃くした。
「テメェ……、まだこの期に及んでそんなこと言うか」
「そりゃあ言うに決まってんだろ! ていうかこの期だから言うんだよ!」
自分のケツが危機にさらされているのだ、当然だ。
だが、アーロンにはその当然が分からないようで、ピクピクと片頬を引き攣らせる。
「……ッ、本当にお前は可愛げがねぇな。こうなったら徹底的に調教して身も心も可愛げ満点のメスにしてやる」
「いやメスも何も俺、男ですけど!?」
わざわざ男の俺を可愛げ満点のメスとやらにするより、絶対に自分好みの美女とやった方が手間もかからないし満足度も高いと思うのだが、アーロンは完全にムキになっていてそんな簡単なことにも気づかないようだ。
「と、とにかく、落ち着け! いいか? どんなに上手く色を塗ってりんごに見える石でも石は石だし、そんな手間暇かけるならおいしいりんごを買った方が美味いしてっとりばや……――」
「うるせぇ、ごちゃごちゃわけわかんねぇこと言うな。黙ってろ」
「ンっ……」
せっかく分かりやすく、男の俺をわざわざ調教するよりお好みの美女を捕まえた方がいいということを説明してやっているのに、それを遮るようにキスで唇を塞がれた。
顔を背けてアーロンの唇から逃げようとしたが先手を打つように顎を手で掴んで動きを押さえ込まれてしまった。
「ん、ふっ、ン……っ」
どうにか逃げ出そうともがくが、唇の隙間から入ってきた舌に口内を甘くなぶられると、溶けるように力が抜けてしまう。
「……っ、あー、これ邪魔」
唇を離したアーロンがチッと舌打ちして、俺の眼鏡を外して放り投げた。
「あ……っ」
アーシャのおじいさんの形見と聞いていたので反射的に眼鏡を目で追う。
だがすぐにくいっと頬を片手で掴まれアーロンの方へ向き直されてしまった。
見下ろすアーロンが「ははっ」と欲の滲んだ笑いを零した。
「これでお前の間抜けなエロ顔がよく見える」
「なに言って……ンっ」
間抜けなエロ顔ってなんだ! と抗議するよりも早くまた口を塞がれてしまった。
舌が動くたびに卑猥な唾液の音が口の端から漏れて、鼓膜をじわじわと濡らしていく。
卑猥な動きでもって俺を飼い馴らそうとするその舌に抗うように、絡みつこうとするそれを押し返す。
だが、警戒すべきは舌だけではなかった。
51
お気に入りに追加
2,824
あなたにおすすめの小説

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる