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第2章 異世界でももふもふは正義!?
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胸を張って堂々と自分がクロだと言い切る男に、俺は開いた口が塞がらなかった。
何を言ってるんだ、こいつ。バカなのか? そんな嘘で俺を騙せると思ってるのか? というか、こいつもしかしてクロが動物だってこと知らないで下手な嘘をついてるんじゃないか?
完全に疑いの目でじとりと睨むと、男は苦笑交じりに溜め息を吐いた。
「まぁ、疑うのも無理もない。いきなり信じろと言われても信じられないだろう。なら、これならどうだ?」
そう言って地面に置いていたものを持ち上げて俺に見せた。それはクロにつけていた首輪と鎖だった。
「それをどうして……っ、まさかクロから奪ったのか!」
問いながら、俺の中で男に対する怒りと警戒心が一気に膨らみ上がった。
しかしクロは険しい表情で詰め寄る俺に、首を横に振った。
「違う、これは私が人化した時に自分で外したものだ」
「人化……?」
その言葉に、男の金色の瞳と少しウェーブのかかった艶やかな黒髪が、クロのものと少しだけ重なって見えた。
……いやいやいや、それだけで信じるのは危ないぞ!
警戒が緩みかかった心を慌てて引き締めて、キッと男を睨みつける。男はフッと微笑んで、おもむろにその場に腰を下ろしあぐらを組んだ。
そして俺の手をそっと取り、穏やかな眼差しでこちらを見上げた。
「この姿については少し話が長くなる。もしよければ腰を落ち着けてきいてくれないか」
じっと懇願するように見詰められ、俺は戸惑った。男の言い方は決して強制するようなものではなく、俺の手を握る力も振りほどけそうなほど軽かった。
無理やりどうこうしようとしないところを見る限り、極悪人というわけではなさそうだ。
それにクロのことが気になる。クロが突然消えたこととこの男が無関係とは到底思えない。
俺は警戒しながら少し距離を取って男の横に腰を下ろした。大人しく隣に座った俺を見て、男は静かに微笑んだ。
「ありがとう、ソウシ」
穏やかに礼を言うと、男は草原の方へ視線を向け自分について語り始めた。
「まずこの姿について話さなければならないな。私は狼と人、二つの姿を持つ人狼だ」
「人狼……」
ゲームや漫画では聞いたことのある単語だが、この世界に来てからは聞いたことがなかったので、てっきりいないものだと思っていた。
「この世界に人狼っていたんだな」
「一応絶滅したとことになっているみたいだがな」
「じゃあ、あんたはその生き残りってこと?」
「……まぁ、そういうことだな」
苦く呟いて男は頷いた。その表情はひどく辛そうで、聞いてはいけないことだったかと慌てた。
何を言ってるんだ、こいつ。バカなのか? そんな嘘で俺を騙せると思ってるのか? というか、こいつもしかしてクロが動物だってこと知らないで下手な嘘をついてるんじゃないか?
完全に疑いの目でじとりと睨むと、男は苦笑交じりに溜め息を吐いた。
「まぁ、疑うのも無理もない。いきなり信じろと言われても信じられないだろう。なら、これならどうだ?」
そう言って地面に置いていたものを持ち上げて俺に見せた。それはクロにつけていた首輪と鎖だった。
「それをどうして……っ、まさかクロから奪ったのか!」
問いながら、俺の中で男に対する怒りと警戒心が一気に膨らみ上がった。
しかしクロは険しい表情で詰め寄る俺に、首を横に振った。
「違う、これは私が人化した時に自分で外したものだ」
「人化……?」
その言葉に、男の金色の瞳と少しウェーブのかかった艶やかな黒髪が、クロのものと少しだけ重なって見えた。
……いやいやいや、それだけで信じるのは危ないぞ!
警戒が緩みかかった心を慌てて引き締めて、キッと男を睨みつける。男はフッと微笑んで、おもむろにその場に腰を下ろしあぐらを組んだ。
そして俺の手をそっと取り、穏やかな眼差しでこちらを見上げた。
「この姿については少し話が長くなる。もしよければ腰を落ち着けてきいてくれないか」
じっと懇願するように見詰められ、俺は戸惑った。男の言い方は決して強制するようなものではなく、俺の手を握る力も振りほどけそうなほど軽かった。
無理やりどうこうしようとしないところを見る限り、極悪人というわけではなさそうだ。
それにクロのことが気になる。クロが突然消えたこととこの男が無関係とは到底思えない。
俺は警戒しながら少し距離を取って男の横に腰を下ろした。大人しく隣に座った俺を見て、男は静かに微笑んだ。
「ありがとう、ソウシ」
穏やかに礼を言うと、男は草原の方へ視線を向け自分について語り始めた。
「まずこの姿について話さなければならないな。私は狼と人、二つの姿を持つ人狼だ」
「人狼……」
ゲームや漫画では聞いたことのある単語だが、この世界に来てからは聞いたことがなかったので、てっきりいないものだと思っていた。
「この世界に人狼っていたんだな」
「一応絶滅したとことになっているみたいだがな」
「じゃあ、あんたはその生き残りってこと?」
「……まぁ、そういうことだな」
苦く呟いて男は頷いた。その表情はひどく辛そうで、聞いてはいけないことだったかと慌てた。
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