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第2章 異世界でももふもふは正義!?
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しおりを挟む シャルマン様とレバトリー公爵の判断で、学園は始業式だけ生き、試験の日以外は大事をとり、休学することになる。出席日数は余裕で足りる。
全部、休学してしまうと来年半年だけ出席しなくてはならないから、体調を見て、元気な時はなるべく学園に行くようにしたのだけど、そのたびにアルフレッドに抱かれることが今度は、イヤでイヤでたまらない。
子供の父親が誰かということがハッキリした今では、アルフレッドの顔など見たくもない。
我がままで自分勝手なことだと思うのだけど、だいいち、懐妊してから、いくらシても、子供の父親が覆ることなんてない。懐妊してから、受胎できないカラダに作り替えられるのだから。
基礎的な医学知識もないこの世界では、仕方がないことなのだろうけど、わたくしの赤ちゃんが脅かされるようなことはしないで。という気持ちが強い。
あの子作り行為の最中は、愛していると勘違いしていたみたい。快楽が勘違いをさせていたというべきかもしれない。
でも休学していても、アルフレッドのおかげで、どこが試験範囲かの情報が得られることになったことは良かったことかもしれない。
11月に入り、16週目となったジャクリーンが聖女様であることをレバトリー公爵はついに公表し、それに伴い高位貴族者と役職者の緊急会議が開かれることになったのだ。
真っ先に希望があったのは、領地から王都までの馬車道を整備してほしいと言いうこと。
その前にオルブライト国全体に結界を張ってもらってはどうかという意見もあり、難航する。
懐妊中のジャクリーンを聖女様として、教会に常駐させる案も浮上するが、隣国ブルオードで学生の身分でありながら公爵位を賜っていることから、常駐は難しいとの判断がなされる。
だったら、聖女様にも爵位を与えたらどうか?という話にまで発展する。すでに公爵夫人なのだから問題はなかろう。
いやいやまだ公爵令息夫人なのですから、それだとまるでお義父様に抱かれたみたいではありませんか?
あの子作り悪夢の再来になってしまう。そこでレバトリー公爵が
「本題に入ろうか?実はな。すでに知っている者もおると思うが、我が次男がブルオード国の伯爵に任ぜられ、領地を持っておるのじゃ。」
「おお!」
「それでブルオードにある領地とわが領地を運搬などで、結び付けようと思っての。次男と嫡男の嫁が相談して、わが領地から行く場合は無料にして、帰る時もそのまま来た道を通れば、一瞬で領地に戻ってこられるようにするつもりだったのだが、ブルオードから入ってくる者については、料金所を作りブルオードへ帰る場合も領地で料金所を作れば、どうだろうかという話し合いがもたれたのだが、ブルオードから商人などになりすまし、不特定多数の人間が領地に来てもらっても困るという話になる。これはわが領地だけの問題ではなく、国防にかかわることゆえ、今日ここに皆に集まってもらったわけだ。」
「なるほど。それで聖女様のご意見は?」
「ブルオードでは、この道のことを便利道と呼ばれておりますが、その便利道に結界を張り悪しき心を持った人間は通れないようにしたらどうかと考えております。それでも、わが領地だけというわけにもいかず、いすれ縦横無尽にこの便利道を拡大していきたいと考えております。」
「つまりは、わが侯爵家のタウンハウスとカントリーハウスの間だけの便利道を多国間同士でもつなげていくため、どこにどのルートを作るべきかを皆で話し合いたい。」
「なんと!レバトリー家では、今まで王都と領地を便利道で繋いでいたと申すのか?」
「その話は、つい先ごろまで知らなかったのだ。嫁と嫡男の逢瀬のためにひそかに作っておったそうじゃ。それに嫁は隣国の学園に留学していて、そこの女子寮に入っておるのだが、その女子寮と嫡男の部屋にも仕掛けをしていて、二人でこっそり逢っていたというから、なんともはや。まだまだ子供だと思っていたのだが……。」
レバトリー公爵は、汗を拭き拭き、赤い顔でおっしゃっている。他の貴族から、同情の視線が集まる。
「それにしても、ご次男殿は素晴らしい限りですな。本来は自分の家だけの利益を考えるものなのに、それを我が国の民にも開放して、使わせてもらえるとは。まだ、婚約者はいないと聞くが、ウチの娘は今年学園に入ったばかり、いかがかな?娘の相手として申し分がないのだがな。」
「何をおっしゃられるか?ご次男殿は、もう今度ご卒業される身であるから、もっと年の近いご令嬢がよかろう。卒業後、すぐにでもご結婚されたいだろうし、兄夫婦だけがイチャイチャしていては、カラダにも悪かろう。」
話はいつの間にか、アルフレッド様の縁談話で盛り上がりつつあるが、こればかりは、ジャクリーンは兄嫁としてばかりか、元夜伽相手のことだけに、少々複雑な思いをして、聞いている。
「次男には、隣国ブルオードからも、縁談がたくさん参っておるが、こればかりは本人の気に入った娘と結婚させてやりたいと思っています。」
全部、休学してしまうと来年半年だけ出席しなくてはならないから、体調を見て、元気な時はなるべく学園に行くようにしたのだけど、そのたびにアルフレッドに抱かれることが今度は、イヤでイヤでたまらない。
子供の父親が誰かということがハッキリした今では、アルフレッドの顔など見たくもない。
我がままで自分勝手なことだと思うのだけど、だいいち、懐妊してから、いくらシても、子供の父親が覆ることなんてない。懐妊してから、受胎できないカラダに作り替えられるのだから。
基礎的な医学知識もないこの世界では、仕方がないことなのだろうけど、わたくしの赤ちゃんが脅かされるようなことはしないで。という気持ちが強い。
あの子作り行為の最中は、愛していると勘違いしていたみたい。快楽が勘違いをさせていたというべきかもしれない。
でも休学していても、アルフレッドのおかげで、どこが試験範囲かの情報が得られることになったことは良かったことかもしれない。
11月に入り、16週目となったジャクリーンが聖女様であることをレバトリー公爵はついに公表し、それに伴い高位貴族者と役職者の緊急会議が開かれることになったのだ。
真っ先に希望があったのは、領地から王都までの馬車道を整備してほしいと言いうこと。
その前にオルブライト国全体に結界を張ってもらってはどうかという意見もあり、難航する。
懐妊中のジャクリーンを聖女様として、教会に常駐させる案も浮上するが、隣国ブルオードで学生の身分でありながら公爵位を賜っていることから、常駐は難しいとの判断がなされる。
だったら、聖女様にも爵位を与えたらどうか?という話にまで発展する。すでに公爵夫人なのだから問題はなかろう。
いやいやまだ公爵令息夫人なのですから、それだとまるでお義父様に抱かれたみたいではありませんか?
あの子作り悪夢の再来になってしまう。そこでレバトリー公爵が
「本題に入ろうか?実はな。すでに知っている者もおると思うが、我が次男がブルオード国の伯爵に任ぜられ、領地を持っておるのじゃ。」
「おお!」
「それでブルオードにある領地とわが領地を運搬などで、結び付けようと思っての。次男と嫡男の嫁が相談して、わが領地から行く場合は無料にして、帰る時もそのまま来た道を通れば、一瞬で領地に戻ってこられるようにするつもりだったのだが、ブルオードから入ってくる者については、料金所を作りブルオードへ帰る場合も領地で料金所を作れば、どうだろうかという話し合いがもたれたのだが、ブルオードから商人などになりすまし、不特定多数の人間が領地に来てもらっても困るという話になる。これはわが領地だけの問題ではなく、国防にかかわることゆえ、今日ここに皆に集まってもらったわけだ。」
「なるほど。それで聖女様のご意見は?」
「ブルオードでは、この道のことを便利道と呼ばれておりますが、その便利道に結界を張り悪しき心を持った人間は通れないようにしたらどうかと考えております。それでも、わが領地だけというわけにもいかず、いすれ縦横無尽にこの便利道を拡大していきたいと考えております。」
「つまりは、わが侯爵家のタウンハウスとカントリーハウスの間だけの便利道を多国間同士でもつなげていくため、どこにどのルートを作るべきかを皆で話し合いたい。」
「なんと!レバトリー家では、今まで王都と領地を便利道で繋いでいたと申すのか?」
「その話は、つい先ごろまで知らなかったのだ。嫁と嫡男の逢瀬のためにひそかに作っておったそうじゃ。それに嫁は隣国の学園に留学していて、そこの女子寮に入っておるのだが、その女子寮と嫡男の部屋にも仕掛けをしていて、二人でこっそり逢っていたというから、なんともはや。まだまだ子供だと思っていたのだが……。」
レバトリー公爵は、汗を拭き拭き、赤い顔でおっしゃっている。他の貴族から、同情の視線が集まる。
「それにしても、ご次男殿は素晴らしい限りですな。本来は自分の家だけの利益を考えるものなのに、それを我が国の民にも開放して、使わせてもらえるとは。まだ、婚約者はいないと聞くが、ウチの娘は今年学園に入ったばかり、いかがかな?娘の相手として申し分がないのだがな。」
「何をおっしゃられるか?ご次男殿は、もう今度ご卒業される身であるから、もっと年の近いご令嬢がよかろう。卒業後、すぐにでもご結婚されたいだろうし、兄夫婦だけがイチャイチャしていては、カラダにも悪かろう。」
話はいつの間にか、アルフレッド様の縁談話で盛り上がりつつあるが、こればかりは、ジャクリーンは兄嫁としてばかりか、元夜伽相手のことだけに、少々複雑な思いをして、聞いている。
「次男には、隣国ブルオードからも、縁談がたくさん参っておるが、こればかりは本人の気に入った娘と結婚させてやりたいと思っています。」
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