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第1章 異世界でも俺はこき使われる
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「本当にさぁ、僕のトラウマを刺激するのもいい加減にしてよね~。本当に殺すよ~?」
翌日、俺たちの先頭を切るチェルノが振り返りながら言った。
「あははは~」と不気味な笑みを浮かべたままなのがまたこわい。
「知るか! お前の気色悪いトラウマなんか! ……つーか、なんで俺が荷物持ちしないといけないんだよ!」
最後尾で大きな荷物を背負うアーロンが叫んだ。
「仕方ないでしょ~。ソウシは昨日アーロンが媚薬飲ませたせいでまだ腰が立たないんだから~。自分がやったことなんだから自分で責任とりなよ~」
「俺の辞書に責任なんて言葉はない!」
「あはは~、さすが最低~」
「うるせぇ! つーか、なんで俺が荷物でドゥーガルドがあいつを背負ってるんだよ! 責任云々とかいうなら普通逆だろう!」
アーロンは俺をおぶったドゥーガルドを指さしながら異議を唱えた。
「……お前にはソウシに指一本触れさせない」
ドゥーガルドが振り返りジロリと睨みつける。
「お前なにナイトぶってるんだ! 言っとくけど世界中の男のナニを切り落とそうとしたお前の方がよっぽど危ねぇ奴だから! お前もさっさと離れろ!」
「……死んでも離さない」
ぎゅっと俺を背負う腕に力が入る。
……正直、死んだら離して欲しい。
というか身の危険が迫った時はいち早く避難させてくれ。
ハァ、とため息をつくとドゥーガルドが振り返った。
「……大丈夫か?」
「あんまり大丈夫じゃねぇ……」
媚薬の効果も薄れ昨日みたいな性欲はないが、まだ体がだるい。
特にケツが痛くて歩くどころか立つこともままならない体だ。
大丈夫というにはほど遠い状態だった。
「……そうか。俺にできることがあれば何でも言ってくれ」
「ドゥーガルド……」
優しい言葉にほろりとくる。
責任逃れをするどこかの誰かとは大違いだ。
「……体が元気になったら昨日の続きをしよう」
「……え?」
ドゥーガルドの優しさに感動していたのもつかの間、続いて出てきた言葉に目を見開いた。
じっとこちらを見る目は甘い微熱を帯びている。
嫌な予感がする。
「……昨日は邪魔が入ってしまってソウシのお願いをきけなかった。……今度こそちゃんとソウシを抱」
「ちょ、ちょっと待った!」
俺は慌ててドゥーガルドの言葉を遮った。
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