29 / 266
第1章 異世界でも俺はこき使われる
28
しおりを挟む
モンスターかと思い一瞬息が止まった。
しかし手の感触は人間のものだった。
どちらにせよ自分に害があることには変わりはない。
俺は助けを呼ぼうとしたが、布を持った手で口を塞がれてしまい、必死の叫びも手の平に吸い込まれ意味をなさなかった。
布は湿っていていやな甘い匂いを発していた。
それが鼻の奥を濡らし、徐々に頭の中にまで染み込んでいった。
その甘い匂いが濃くなるほどに目眩がして体から力が抜けた。
その隙をつくかのように、俺の口を塞いでいただけの手が、突然その指を口の中に突っ込み無理矢理こじ開けた。
抵抗しようとしたが力が入らず、開かれた口からぬるい液体が流し込まれた。
「……っ!」
喉を伝い胃の中に落ちていった液体がまるで燃え上がっているかのように、体中が熱くなってきた。
しかもただ熱いだけじゃない。
身悶えするような言いようのない焦れったさが、熱と一緒に体中に滲むのだ。
「……っ、はっ、はぁっ……」
口からこぼれ落ちる呼吸が、熱でいやらしく歪んでまるで喘ぎ声のようで、自分でも信じられなかった。
「……よし、これで準備完了だな」
拘束する奴が嬉々として呟いた。
こちらの苦しげな声など意に介さないこのクズな発言、振り向かずとも誰か分かったが、俺は信じられず思わず振り返った。
「ア、アーロン!?」
「よ! ひとりでこんな暗いところで抜いてんなよ」
「誰が抜くか! ……っ!」
にやにやと笑うアーロンに吠えるが、自分の大声が体で一番繊細な部分にまで響いて、体のバランスが崩れた。
倒れかけた俺をアーロンが笑いながら抱き止めた。
「ははは、きいてるな、媚薬」
「びやく……?」
「そうそう、媚薬」
アーロンは俺を近くにある大きな木にもたれさせて座らせると、小さな瓶を見せてきた。
「この間しぼりとった淫食花の媚薬だ」
「あ……」
そういえば高く売れるとか言って瓶に掻き集めて入れていたのを思い出した。
でもなんでそれを男の俺に使うのか全く分からなかった。
「……なんで、俺に、はぁっ、飲ませる、っんだよ?」
変な熱のせいで頭の中がくらくらする。
俺の問いにアーロンがいやな笑みを口の端に浮かべた。
「決まってるだろ? お前のケツに俺のをぶち込むためだよ」
「……え? えぇぇぇぇぇぇ!?」
いや! 何言ってんだこいつ!?
媚薬のせいで頭がおかしくなったんじゃねぇのか!?
しかし手の感触は人間のものだった。
どちらにせよ自分に害があることには変わりはない。
俺は助けを呼ぼうとしたが、布を持った手で口を塞がれてしまい、必死の叫びも手の平に吸い込まれ意味をなさなかった。
布は湿っていていやな甘い匂いを発していた。
それが鼻の奥を濡らし、徐々に頭の中にまで染み込んでいった。
その甘い匂いが濃くなるほどに目眩がして体から力が抜けた。
その隙をつくかのように、俺の口を塞いでいただけの手が、突然その指を口の中に突っ込み無理矢理こじ開けた。
抵抗しようとしたが力が入らず、開かれた口からぬるい液体が流し込まれた。
「……っ!」
喉を伝い胃の中に落ちていった液体がまるで燃え上がっているかのように、体中が熱くなってきた。
しかもただ熱いだけじゃない。
身悶えするような言いようのない焦れったさが、熱と一緒に体中に滲むのだ。
「……っ、はっ、はぁっ……」
口からこぼれ落ちる呼吸が、熱でいやらしく歪んでまるで喘ぎ声のようで、自分でも信じられなかった。
「……よし、これで準備完了だな」
拘束する奴が嬉々として呟いた。
こちらの苦しげな声など意に介さないこのクズな発言、振り向かずとも誰か分かったが、俺は信じられず思わず振り返った。
「ア、アーロン!?」
「よ! ひとりでこんな暗いところで抜いてんなよ」
「誰が抜くか! ……っ!」
にやにやと笑うアーロンに吠えるが、自分の大声が体で一番繊細な部分にまで響いて、体のバランスが崩れた。
倒れかけた俺をアーロンが笑いながら抱き止めた。
「ははは、きいてるな、媚薬」
「びやく……?」
「そうそう、媚薬」
アーロンは俺を近くにある大きな木にもたれさせて座らせると、小さな瓶を見せてきた。
「この間しぼりとった淫食花の媚薬だ」
「あ……」
そういえば高く売れるとか言って瓶に掻き集めて入れていたのを思い出した。
でもなんでそれを男の俺に使うのか全く分からなかった。
「……なんで、俺に、はぁっ、飲ませる、っんだよ?」
変な熱のせいで頭の中がくらくらする。
俺の問いにアーロンがいやな笑みを口の端に浮かべた。
「決まってるだろ? お前のケツに俺のをぶち込むためだよ」
「……え? えぇぇぇぇぇぇ!?」
いや! 何言ってんだこいつ!?
媚薬のせいで頭がおかしくなったんじゃねぇのか!?
64
お気に入りに追加
2,796
あなたにおすすめの小説
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
【R18】元騎士団長(32)、弟子として育てていた第三王子(20)をヤンデレにしてしまう
夏琳トウ(明石唯加)
BL
かつて第三王子ヴィクトールの剣術の師をしていたラードルフはヴィクトールの20歳を祝うパーティーに招待された。
訳あって王都から足を遠ざけていたラードルフは知らない。
この日がヴィクトールの花嫁を選ぶ日であるということを。ヴィクトールが自身に重すぎる恋慕を向けているということを――。
ヤンデレ王子(20)×訳あり元騎士団長(32)の歪んだ師弟ラブ。
■掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ
勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話
バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】
世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。
これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。
無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。
不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる