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第1章 異世界でも俺はこき使われる
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「クソッ。チェルノの魔法は今回あてにできねぇな。おい! ドゥーガルド! 今のままモンスターをひきつけとけ! 俺がその間に蜜をとる! 絶対まだ殺すなよ!」
「まさかの仲間の救出より媚薬優先!?」
天井知らずのクズっぷりにただただ唖然とするばかりだ。
「うるせぇ、どうせ同じ倒すなら金になる方を選ぶに決まってるだろ」
「お前は仲間のピンチが見えない呪いでもかけられてんのか!?」
「大丈夫、大丈夫。あいつは簡単にやられねぇから。俺は仲間を信じてるんだよ」
「いい台詞風に言うな!」
「それじゃお前はその辺で待機しとけ。くれぐれも邪魔するなよ」
それだけ言い置いて、アーロンは素早くモンスターの背後に回った。
だ、大丈夫なのか……。
アーロンは今後のために少しくらいケガでもした方がいいとは思うが、ドゥーガルドは心配だ。
ドゥーガルドはさっきからずっと戦い続けているのだ、疲労が戦いに影響してもおかしくない。
アーロンが早くとどめを刺すのが得策だと思うが……。
そんな心配をしていると、頭上から影が落ちてきた。
見上げると、大きな蔦が頭上高くから振り落とされようとしていた。
状況はすぐに理解できたのに、体が動かなかった。
や、やべぇ……! つぶされる!
迫りくる脅威に俺はただ目をつぶるしかできなかった。
ザシュ……――!
しかし蔦が俺を叩きつぶすことはなかった。
恐る恐る目を開けると、蔦にはドゥーガルドの剣が刺さっていた。
ドゥーガルドと俺は結構離れていたので彼が駆けつけてきたとは考えにくかった。
「逃げろ! 早く!」
俺に向かってそう叫ぶドゥーガルドの手には剣がなかった。
そこでようやく彼が俺を守るため自分の大事な武器を投げたのだと気づいた。
「ドゥーガルド!」
俺は申し訳ない気持ちでいっぱいで叫んだが、俺の言葉に反応するほどドゥーガルドに余裕はなかった。
腰から小ぶりの剣を抜き、再び蔦の猛攻に応戦するが不利であるのは戦いの素人の俺が見ても明らかだった。
俺はギュッと拳を握った。
足手まとい以外のなにものでもない自分が情けなかった。
散々アーロンをクズ扱いしたが、正義感の強いだけの足手まといより、強いクズの方が戦いの場では必要なのだ。
でも、俺だって何か役に立ちたい……!
俺は足手まといなりに必死に考えた。
少しでもドゥーガルドの助けになるように……。
考えろ、考えろ……!
荷物持ちがお荷物になってどうする……!
「まさかの仲間の救出より媚薬優先!?」
天井知らずのクズっぷりにただただ唖然とするばかりだ。
「うるせぇ、どうせ同じ倒すなら金になる方を選ぶに決まってるだろ」
「お前は仲間のピンチが見えない呪いでもかけられてんのか!?」
「大丈夫、大丈夫。あいつは簡単にやられねぇから。俺は仲間を信じてるんだよ」
「いい台詞風に言うな!」
「それじゃお前はその辺で待機しとけ。くれぐれも邪魔するなよ」
それだけ言い置いて、アーロンは素早くモンスターの背後に回った。
だ、大丈夫なのか……。
アーロンは今後のために少しくらいケガでもした方がいいとは思うが、ドゥーガルドは心配だ。
ドゥーガルドはさっきからずっと戦い続けているのだ、疲労が戦いに影響してもおかしくない。
アーロンが早くとどめを刺すのが得策だと思うが……。
そんな心配をしていると、頭上から影が落ちてきた。
見上げると、大きな蔦が頭上高くから振り落とされようとしていた。
状況はすぐに理解できたのに、体が動かなかった。
や、やべぇ……! つぶされる!
迫りくる脅威に俺はただ目をつぶるしかできなかった。
ザシュ……――!
しかし蔦が俺を叩きつぶすことはなかった。
恐る恐る目を開けると、蔦にはドゥーガルドの剣が刺さっていた。
ドゥーガルドと俺は結構離れていたので彼が駆けつけてきたとは考えにくかった。
「逃げろ! 早く!」
俺に向かってそう叫ぶドゥーガルドの手には剣がなかった。
そこでようやく彼が俺を守るため自分の大事な武器を投げたのだと気づいた。
「ドゥーガルド!」
俺は申し訳ない気持ちでいっぱいで叫んだが、俺の言葉に反応するほどドゥーガルドに余裕はなかった。
腰から小ぶりの剣を抜き、再び蔦の猛攻に応戦するが不利であるのは戦いの素人の俺が見ても明らかだった。
俺はギュッと拳を握った。
足手まとい以外のなにものでもない自分が情けなかった。
散々アーロンをクズ扱いしたが、正義感の強いだけの足手まといより、強いクズの方が戦いの場では必要なのだ。
でも、俺だって何か役に立ちたい……!
俺は足手まといなりに必死に考えた。
少しでもドゥーガルドの助けになるように……。
考えろ、考えろ……!
荷物持ちがお荷物になってどうする……!
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