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第一部 第三王子の花嫁探し

25 出来た男(後編)★

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 ラーシュは己の陰茎を持ち、ゆっくりとアニエスの中へと入って行く——


「ッンん、っんん」
「っく、すごっ、狭いなっ」

 ラーシュは眉間に皺を寄せ、硬く瞳を閉じながらゆっくりとアニエスの中に入っていく。

(ら、ラーシュ様が、入って、来る)

「っう、っはぁぁ、っんん」
「っは、ナカ、熱い、な、はぁ、はぁ」

 ラーシュはアニエスの膣を解すように、少し挿れては引き戻し、少し挿れては引き戻し、徐々に徐々にアニエスの膣中の奥へと進路を進める。そして、漸くラーシュの陰茎が全てアニエスの膣に収まった。

「はぁっ、っく、っは、入った。アニエス、大丈夫か?——っ!痛いのかっ!?」

 アニエスの膣中にラーシュの陰茎がすっぽりと収まり、瞳を開いたラーシュはアニエスの瞳に涙が浮かんでいるのを見て慌てる。

「ちっ、違うんですっ、嬉しくってっ」

 アニエスの言葉にラーシュは安堵と共に幸福感が溢れる。

「っふ、あぁ、私も同じだ」

 ラーシュはアニエスの様子を伺いながら、腰をごく浅く、ゆっくりと動かす。

 アニエスの痛そうな表情を見たラーシュはアニエスが心配になり、ゆっくりと陰茎を引き抜こうと腰を上げる——が、ヌルヌルと擦れる膣中にラーシュは初めての快感を感じ、再びゆっくりと挿入する。

「っうぅ」

「すまない、アニエスの中があまりにも気持ちが良くて戻してしまった」

 ラーシュの直球過ぎる言葉にアニエスの膣がきゅっと締まる。

「っう、そんなにっ、締めないでくれ」

「わわ、ごんなさいっ、」

「いや、問題ない」

(寧ろ、有難い)

「その、もう少し動いても良いだろうか?」

 ゴクリ

 その言葉にアニエスの喉が緊張と興奮で鳴る。

「っ!……は、い」

 アニエスの言葉と同時にラーシュは腰を動かす。

「っう、っくそっ、何だっこれはっ」

「っぁぁあ」

「っく、気持ちっ、良いっ」

 にゅちゅっ ずちゅ にゅチュっ ズちゅ

 初めこそ痛みの方が増していたが、動く度にアニエスの膣中はアニエスとラーシュの愛液が混ざり合い、滑りが良くなり快感が勝って行く。

 ラーシュは堪らず、アニエスの腰を持ち動きを早めて何度もアニエスを突く。

「っあん、っあぁぁん、っら、しゅっ、っさんんぁんっ、っんぁぁあ」

「っは、何とっ、、っう、これはっ」

(堪らないっ!)

 ラーシュは夢中で腰を振り、アニエスの膣の奥へ奥へと陰茎を突き上げる。

ぐちゅ にゅちゅ グチュッぐちゅ

「っん、っあ、くるっ、しっ、っい、たぁぁぁあん」

 アニエスは艶かしく腰をうねらせる。その姿にラーシュの腰をつくスピードが増す。

「あぁ、アニエス、何と愛しいっ」

 パンっパンっ パンっパン パちゅっパチュっ

「あぁぁんっ、早っ、奥っ、やっ、そんっ、なっ、ダメですぅ」

 愛液と混ざり腰を重ねる音に水音が加わる。

 パちゅっパチュっパちゅっパチュっ

「っは、っは、もうっ、出るっ、っく」

 ブシューァッ

 ラーシュは達する寸前でアニエスの体から陰茎を引き抜くと、白濁とした熱い精液がアニエスの体に塗っとりとかかった。

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」

「はっ、ハァ、はぁ~、すまない、汚してしまった」

 部屋に淫靡な匂いが広がる。

 アニエスが息を荒げたまま暫し放心状態になっていると、ラーシュはアニエスの体にかかった自身の精液を拭き取ろうとタオルを持って来た。

「そ、そんな、このままで大丈夫ですので」

 アニエスが動かない体を何とか動かそうとすると、ラーシュはアニエスの肩を抑えて口を開く。

「いや、大丈夫なわけないだろう。無理をさせて済まなかった。しかし、これはこれで…唆るものがあるがな。」

 自身の精液に汚されたアニエスの姿にラーシュの欲情が唆られる。ゴクリと喉を鳴らし、自分にこんな背徳的な感情があったことにラーシュは驚く。

「っ!そんなっ、恥ずかしいです…ので、そんなに見ないでください……」

 アニエスは手足がふわふわと甘く痺れるような感覚があり、思うように動けないでいた。食い入るように自身の身体を見てくるラーシュの視線に恥ずかしくなり、顔を手で覆う。

「すまない、美しくてつい。アニエス、体は平気か?」

 アニエスの体を壊れ物を扱うように丁寧に拭き取りながらラーシュは尋ねる。シーツには鮮血の痕がある。

「はい、最初は…その痛かったですけど…段々と…その…はい…えっと……すごく…気持ちが…その…良くなりました…」

(快感の感想まで答えなくても良かったのだが…)

 真っ赤に顔を染めながら答えるアニエスにラーシュは其処まで答えなくても良かったのにと思ったが、アニエスの言葉が素直に嬉しかった。

「ふっ、そうか、それは良かった」

 ラーシュはふわりと微笑むとアニエスの体を再び拭く。   

「ラーシュ様…その少し…ふふ、擽ったいです、ふふふ」

 頬を紅潮させ、体をくねらせながら擽ったいと笑うアニエスの姿にラーシュの陰部が再び反り立つ。アニエスは思わず目を見張る。

(えっ!?ラーシュ様のアソコが…えっ…また大きくなってますけど…そういうものなのかしら…嫌だ、私ったら、つい目がそちらに…端ないと思われたらどうしよう…)

 自身の状態とアニエスの視線に気付いたラーシュはアニエスを真っ直ぐに見つめて口を開く。

「アニエス、もう一度抱きたい」

(はぅ、男らしいっ!直球過ぎる物言いが素敵ですっ…でも…何て答えたら良いの!?はい、私もですって言って良いの!?それは端ないの?それとも普通なの?!)

 悶々と悩んで答えられずにいるとラーシュが再び問いかける。

「すまない…そうだな…これ以上は…アニエスが壊れてしまうな…」

「いえっ!私は領地では馬に乗ったり、走り回ったりしておりましたのでっ、体は丈夫ですのでっ、お気遣いは入りません」

 自分の体を気遣うラーシュの言葉に対して咄嗟に言葉を発してしまったアニエスだったが、その言葉を聞いたラーシュの瞳の奥が輝いたのを見てアニエスは少々後悔の念に駆られる。

「そうか、それは安心した」
 
 そう言うとラーシュは再びアニエスに覆い被さると二人の陰部を擦り合わせる。達したばかりで手足の末端がふわふわとしていたアニエスの体が再び艶かしく畝りだす。

「ハァぁああっ、ッンアんっ」

 アニエスから喘ぎ声が上がる。ラーシュの亀頭から液が垂れ、アニエスの陰部にヌチヌチとその液を擦り付ける。アニエスの愛液と混ざり合い、ヌチャヌチャからピチャピチャと音を変えていく。

 ヌチャッヌチャ ズチャ ズチュっ

 ラーシュの陰茎が再びアニエスの陰部に挿入される。

「ッンア」

「っく」

 アニエスの腰が上がると同時に膣がきゅっと締まる。ラーシュからも快感で声が漏れる。

 ズチャッ ヌチャッ パちゅっパチュっパちゅっパチュっ

「ンァっ、あっ、あっ、あんっ、あんっ、あんっ」

 ラーシュの腰の動きに合わせるようにアニエスの淫らな喘ぎ声が漏れる。

 ラーシュはアニエスの腰から手を離し、陰茎を膣中に挿れたままアニエスを抱き起こす。

「っきゃっ!っいや、だめっ、っあぁぁあん!ラーシュさっま、ふ、深いですぅ」
「あぁ、先程よりも深いな」

 アニエスはラーシュと向かい合わせになると、ラーシュの陰茎がより深くアニエスの膣を突く。アニエスは堪らず、ラーシュの背中に手を回し、ぎゅーっと抱き付く。その時、アニエスの膣も一緒に締まり、ラーシュの陰部は太さを増す。

「ひゃっ、ラーシュさまっ、中で大きくなりました」

「あぁ、アニエスの締め付けも増したっ、なっ」

 ラーシュはアニエスのお尻を持ち前後に動かす。

「ひゃっ、あんっ、やっ、あっ、あっ」

 先程よりも深い場所を刺激され、アニエスはラーシュの首にしがみつくように抱き付きながら、快感で気を失いそうになるのを必死に堪える。

 グチュッぐちゅぐちゅっ

 擦れ合う陰部から水音が漏れる。

「中にっ、出してっ、良いかっ」

「は、い、っん、来てっ、来てっ、ラーシュさっ…っあん」
「ふんっ、まだ慣れないとみえるなっ」

 ラーシュは繋がったままアニエスと共にベッドに横たわると、敬称が外れないアニエスにお仕置きするようにアニエスの腰を持ち、己の腰を突き上げる。

「ンァぁんっ、っそんなっにっ、っあ、っあ、っあん」

「っく、纏わりついて来てっ、ヌルヌルでっ、気持ちいいっ」

 パチュっパチュじゅぷぱちゅっ パンパチュパンパンパチュ

 淫靡な音の速度が上がる

「あっ、あっ、イクっ、いっちゃ、い、イィィィっ!っんぁぁぁあ!」

「っく、っう」

 アニエスの中にラーシュの激った精液が注ぎ込まれる。自身の中に広がる熱い液にアニエスの膣はこの日何度目かの絶頂を向かえる。

「はぁぁぅんっ」

 ラーシュはアニエスを労るように優しく抱き締めるとゆっくりアニエスの陰部から己の陰茎を引き抜き、アニエスの横に寝そべる。

「「はぁはぁはぁはぁはぁ」」

 二人は暫しベッドに横たわりながら呼吸が整うのを待つ。自然とお互いがお互いの方向に顔を向け、視線が合うとどちらともなくふわりと微笑み合った。

 最初の行為でシーツに付着したアニエスの鮮血は二人の愛液で滲んでいた。アニエスの陰部からはラーシュが注いだ精液が垂れていたが、其処に不快感はなく幸福感に満たされていた。


 二人はそのまま手を繋いで眠りについた——



 翌日、早々にラーシュの婚約が王室の広報より発表された。

 また、ラーシュ率いるリンデロード領の護衛騎士隊の派遣は2ヶ月後と決まり、アニエスはラーシュと共にリンデロード領に向かうことが決まった。

 令嬢嫌いで男色の噂さえあった第三王子の突然の婚約発表にオビュルタン王国は暫らくの間祝福ムードに包まれた——

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