20 / 35
#16【君ノ名ヲ】
しおりを挟む
「あの…」
雅は言い辛そうに口を開く。
「ユーマさんの名前なんだけど…発音出来ないにしても、私達でも発音出来る音とかはないの?」
「何故だ?」
突然の雅の言葉に私もUMAも不思議そうにする。
「やっぱり…UMA(未確認生物)だからユーマさんって…安直過ぎると言うか…」
流石は常識人の雅さん。初めから呼び名について言及してたし、余程気になるのだろう。でも、呼び名なんて……何でもよくない?
「別に良いんじゃない?」
私が素っ気なく答えると雅は呆れたように言って来た。
「あんたねぇ…逆の立場になって考えて見なさいよ。宇宙人に発音出来ないからって、ヒトとかニンゲン呼ばわりされるの何だか嫌じゃない?」
(っ!確かに!というか、雅さん?UMAを何気に地球外生命体で括っちゃってますけど?)
「…確かに…名前くらい付けてもらいたいかも」
私は雅の言葉に納得する。しかし、UMAは心底どうでも良いといった様子で答える。
「別にお前達に何と呼ばれようが構わないがな」
そんなUMAを見ても雅は引き下がらない。
「私は嫌なの。名前を付けたり呼んだりする事で愛着が湧くでしょ?それに、もしかしたら発音出来る音もあるかもしれないから、ちょっと名前言って見てくれる?」
UMAは面倒臭そうに口を開く。
「————————だ」
(はい、無理~。一音も聞き取れなかったよ?)
雅もそう感じたのか少し焦ったように言う。
「あ、じゃ、意味は?名前の由来とか意味とかで、同じ意味合いの名前を発音出来る言葉で付けたら良いんじゃない?」
「あ、成程!それ良いね!」
私も雅の提案に賛成する。「名前の由来カモンっ!」と手の平を上にして指を折りまげるジェスチャーをし、UMAに返答を促す。私の所作を心底不愉快そうなに見ながらUMAは答える。
「俺達は髪と瞳の色で個体を区別していた。両方共に同じ個体は存在しなかったからな。」
「つまり、髪色と瞳の色をかけ合わせて呼んでいた?」
「そうだ」
「日本語で言うと金銀ってこと?」
「そうだ」
私と雅は思わず口をつぐむ。その沈黙にUMAが口を開く。
「何だ?」
その問いかけに私は即答する。
「いや、そんなんで良かったんかいっ!」
———
それから私と雅はスマホで世界の金と銀の呼び方を検索する。
「日本語と英語と、あとウチらが発音しにくい言語は省こう。」
「そうだねぇ。じゃー、
フランス語でオール・アルジャン、
ドイツ語でゴルト・ズィルバー、
スペイン語でオーロ・プラータ、
ロシア語でゾーラタ・シリブロー、
中国語でホアンジン・イン、
韓国語でグム・ウン。っと、こんな感じ?」
「良いんじゃない?ユーマくん、気に入った響きの呼び方あった?」
雅の問い掛けに全く興味なさそうにUMAが答える。
「最初ので良いんじゃないか?」
適当だなー、貴方の名前よ?まぁ、話からして[名前=個体識別用]の感覚しかないようだし、本当に興味無いんだろうな…しかし、雅は気にせず続ける。
「じゃ、フランス語のオール・アルジャンね。」
「それは長いなー」
私の言葉に雅は顎を指で抑えて、視線を上に向けて答える。
「じゃぁ、合体させてオルジャンとか?」
私は脳内で「オルジャン」とUMAのことを呼ぶ自分を想像してみる…………無いわー…
「ごめん、オルジャンは…何か…無いわ。UMAと響きが似てる方がしっくり来るかも…」
「そうだね、あんたは何ヶ月も読んで来た訳だし、違和感ない呼び方が良いよね?……ユーマ……じゃ、オージャン、オーアル、ルーア、アール…」
「あ!アール、良いかもっ!あんまり違和感ないっ!」
「よし、じゃ、アールで!」
私と雅は満足そうに頷く。その様子にUMA…もとい、アールはやはり興味のないように呟く。
「別にどんな名でも構わないが…お前の読んでいるような小説で結構見たことある名だな。」
(本当だっ!過去に読んだ小説の登場人物に何人かいるわっ!)
「だから、違和感なかったのかー」
私は納得したように呟く。そんな私に雅もUMAも目を細めて遠くを見つめる。
「てへっ」
と、首を傾げて上目遣いで笑うと、今度は二人に冷ややかな視線を向けられた——
雅は言い辛そうに口を開く。
「ユーマさんの名前なんだけど…発音出来ないにしても、私達でも発音出来る音とかはないの?」
「何故だ?」
突然の雅の言葉に私もUMAも不思議そうにする。
「やっぱり…UMA(未確認生物)だからユーマさんって…安直過ぎると言うか…」
流石は常識人の雅さん。初めから呼び名について言及してたし、余程気になるのだろう。でも、呼び名なんて……何でもよくない?
「別に良いんじゃない?」
私が素っ気なく答えると雅は呆れたように言って来た。
「あんたねぇ…逆の立場になって考えて見なさいよ。宇宙人に発音出来ないからって、ヒトとかニンゲン呼ばわりされるの何だか嫌じゃない?」
(っ!確かに!というか、雅さん?UMAを何気に地球外生命体で括っちゃってますけど?)
「…確かに…名前くらい付けてもらいたいかも」
私は雅の言葉に納得する。しかし、UMAは心底どうでも良いといった様子で答える。
「別にお前達に何と呼ばれようが構わないがな」
そんなUMAを見ても雅は引き下がらない。
「私は嫌なの。名前を付けたり呼んだりする事で愛着が湧くでしょ?それに、もしかしたら発音出来る音もあるかもしれないから、ちょっと名前言って見てくれる?」
UMAは面倒臭そうに口を開く。
「————————だ」
(はい、無理~。一音も聞き取れなかったよ?)
雅もそう感じたのか少し焦ったように言う。
「あ、じゃ、意味は?名前の由来とか意味とかで、同じ意味合いの名前を発音出来る言葉で付けたら良いんじゃない?」
「あ、成程!それ良いね!」
私も雅の提案に賛成する。「名前の由来カモンっ!」と手の平を上にして指を折りまげるジェスチャーをし、UMAに返答を促す。私の所作を心底不愉快そうなに見ながらUMAは答える。
「俺達は髪と瞳の色で個体を区別していた。両方共に同じ個体は存在しなかったからな。」
「つまり、髪色と瞳の色をかけ合わせて呼んでいた?」
「そうだ」
「日本語で言うと金銀ってこと?」
「そうだ」
私と雅は思わず口をつぐむ。その沈黙にUMAが口を開く。
「何だ?」
その問いかけに私は即答する。
「いや、そんなんで良かったんかいっ!」
———
それから私と雅はスマホで世界の金と銀の呼び方を検索する。
「日本語と英語と、あとウチらが発音しにくい言語は省こう。」
「そうだねぇ。じゃー、
フランス語でオール・アルジャン、
ドイツ語でゴルト・ズィルバー、
スペイン語でオーロ・プラータ、
ロシア語でゾーラタ・シリブロー、
中国語でホアンジン・イン、
韓国語でグム・ウン。っと、こんな感じ?」
「良いんじゃない?ユーマくん、気に入った響きの呼び方あった?」
雅の問い掛けに全く興味なさそうにUMAが答える。
「最初ので良いんじゃないか?」
適当だなー、貴方の名前よ?まぁ、話からして[名前=個体識別用]の感覚しかないようだし、本当に興味無いんだろうな…しかし、雅は気にせず続ける。
「じゃ、フランス語のオール・アルジャンね。」
「それは長いなー」
私の言葉に雅は顎を指で抑えて、視線を上に向けて答える。
「じゃぁ、合体させてオルジャンとか?」
私は脳内で「オルジャン」とUMAのことを呼ぶ自分を想像してみる…………無いわー…
「ごめん、オルジャンは…何か…無いわ。UMAと響きが似てる方がしっくり来るかも…」
「そうだね、あんたは何ヶ月も読んで来た訳だし、違和感ない呼び方が良いよね?……ユーマ……じゃ、オージャン、オーアル、ルーア、アール…」
「あ!アール、良いかもっ!あんまり違和感ないっ!」
「よし、じゃ、アールで!」
私と雅は満足そうに頷く。その様子にUMA…もとい、アールはやはり興味のないように呟く。
「別にどんな名でも構わないが…お前の読んでいるような小説で結構見たことある名だな。」
(本当だっ!過去に読んだ小説の登場人物に何人かいるわっ!)
「だから、違和感なかったのかー」
私は納得したように呟く。そんな私に雅もUMAも目を細めて遠くを見つめる。
「てへっ」
と、首を傾げて上目遣いで笑うと、今度は二人に冷ややかな視線を向けられた——
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる