8 / 35
#6【設定】
しおりを挟む
「本日の議題はUMAの[詳細設定]についてです。UMAさん、何か希望はありますか?」
掛けてもいない眼鏡をあげるフリをしながらUMAに問う。
『何だ、その議題は』
「だって、其の場凌ぎな設定じゃ、もうカバーし切れないんだもんっ」
『[だもん]言うな、40歳オーバーが』
UMAのノリが悪いので、早々に真面目モードを捨てる。今日は兼ねてからの懸念事項であったUMAの[詳細設定]について決めることにした。
『お前がドツボにハマり過ぎるから…はぁ~、俺としたことが…見捨てておけば良かった』
「まぁまぁまぁまぁ、これからを考えましょう」
私はニコリとUMAに微笑む。彼女と今後関わり合いたくなさそうなUMAは自分の[設定]作りに乗り気ではないようだ。だが、存在がバレた以上UMAの希望など完全無視である。
「やっぱ、小学生とかかなー?声が幼いし、なんせ体長6センチだしね」
『何だお前、小学生と暮らしていることにしたいのか?』
「ま、彼女、私が[おねショタ]嫌いだって知ってるから、万に一つも関係を疑われないで済むでしょ?」
『[おねショタ]?あぁ、へー、意外だな。何が嫌なんだ?』
「犯罪感と罪悪感が半端ないからっ!」
即座に声をあげて答える私にUMAが怪訝な顔をする。
『いや、2次元だろ?』
「嫌っ!想像するだけでもう既に罪を犯した気分になるのっ!」
「やめてっ」とUMAに向けて手をかざす。
そう、私は可愛いモノを愛でるのは大好物だが、それを恋愛対象とするのはご法度なのだ。例え2次元とは言え想像するのも悍ましい…
『まぁ、お前の嗜好はどうでも良いが』
「おい」
『小学生の子を1人残して海外赴任に行く親はモラル的にどうなんだ?』
「確かに…小学生は一緒に連れて行くよねぇ… 小6ならアリ?んー、でも、彼女的にナシだよなぁ~。」
『あぁ、あの女はお前と違ってしっかりしているようだからな』
「じゃー、中学生?」
『多感な時期だな。そんな難しい時期にお前みたいな歳と中身が伴っていない奴に任せる親がいるか?』
「あんた何なんだよ。子育て評論家?じゃ、高校生?」
『思考が安易だな。まぁ、高校生くらいなら、ある程度自立も出来ているだろうし、頼りない遠縁の[おばさん]に預けても安心だろう』
UMAの刺々しさがいつもの3割増しだ… 彼女と交流を持つのが面倒くさいのだろう…私に対する怒りを感じる。だが、そんな棘よりも私には伝えるべき事がある。
「ちょっと待って!高校生はエモい!青春感が半端ないっ!!響きだけできゅんとしちゃうっ!」
興奮した私は更に続ける。
「[高校生=青春=甘酸っぱい]の方程式は定石でしょ!そんな高校生と暮らしてるなんて[設定]だけでご飯何杯も行けちゃうでしょっ!」
私は右手で顔を覆い、左手を床に打ちつけ悶える。
『病気だな』
「いや、数十年来の類友舐めるなよ!私がこうなら、彼女もこうだよっ!!」
『同じ病気なのか』
UMAはうんざりしたように眉間に皺を寄せ、瞳を閉じる。
「しかも、[甘酸っぱい]探求については彼女の方が上っ!スッポンのように食らいつかれるよっ!根掘り葉掘り質問攻めだよっ!」
と、伝える。想像したのか明らかにUMAが一瞬怯んだ。いつも偉そうで何処か余裕があるUMAがこのような姿を見せるのは珍しい。
[UMA(ユウマ)の(架空)設定]
・中学1年生
・人見知りなので顔出しNG
・難関校を受験したい為に日本に残留
・勉学に励みたい為基本的に会話参加もNG
・親は仕事の関係(IT系)でスウェーデンに赴任中(2~3年の予定)
・兄弟なし
と言う事で落ち着いた。
よし、友よ!いつでもかかって来い!
と、私は意気込んだ。
掛けてもいない眼鏡をあげるフリをしながらUMAに問う。
『何だ、その議題は』
「だって、其の場凌ぎな設定じゃ、もうカバーし切れないんだもんっ」
『[だもん]言うな、40歳オーバーが』
UMAのノリが悪いので、早々に真面目モードを捨てる。今日は兼ねてからの懸念事項であったUMAの[詳細設定]について決めることにした。
『お前がドツボにハマり過ぎるから…はぁ~、俺としたことが…見捨てておけば良かった』
「まぁまぁまぁまぁ、これからを考えましょう」
私はニコリとUMAに微笑む。彼女と今後関わり合いたくなさそうなUMAは自分の[設定]作りに乗り気ではないようだ。だが、存在がバレた以上UMAの希望など完全無視である。
「やっぱ、小学生とかかなー?声が幼いし、なんせ体長6センチだしね」
『何だお前、小学生と暮らしていることにしたいのか?』
「ま、彼女、私が[おねショタ]嫌いだって知ってるから、万に一つも関係を疑われないで済むでしょ?」
『[おねショタ]?あぁ、へー、意外だな。何が嫌なんだ?』
「犯罪感と罪悪感が半端ないからっ!」
即座に声をあげて答える私にUMAが怪訝な顔をする。
『いや、2次元だろ?』
「嫌っ!想像するだけでもう既に罪を犯した気分になるのっ!」
「やめてっ」とUMAに向けて手をかざす。
そう、私は可愛いモノを愛でるのは大好物だが、それを恋愛対象とするのはご法度なのだ。例え2次元とは言え想像するのも悍ましい…
『まぁ、お前の嗜好はどうでも良いが』
「おい」
『小学生の子を1人残して海外赴任に行く親はモラル的にどうなんだ?』
「確かに…小学生は一緒に連れて行くよねぇ… 小6ならアリ?んー、でも、彼女的にナシだよなぁ~。」
『あぁ、あの女はお前と違ってしっかりしているようだからな』
「じゃー、中学生?」
『多感な時期だな。そんな難しい時期にお前みたいな歳と中身が伴っていない奴に任せる親がいるか?』
「あんた何なんだよ。子育て評論家?じゃ、高校生?」
『思考が安易だな。まぁ、高校生くらいなら、ある程度自立も出来ているだろうし、頼りない遠縁の[おばさん]に預けても安心だろう』
UMAの刺々しさがいつもの3割増しだ… 彼女と交流を持つのが面倒くさいのだろう…私に対する怒りを感じる。だが、そんな棘よりも私には伝えるべき事がある。
「ちょっと待って!高校生はエモい!青春感が半端ないっ!!響きだけできゅんとしちゃうっ!」
興奮した私は更に続ける。
「[高校生=青春=甘酸っぱい]の方程式は定石でしょ!そんな高校生と暮らしてるなんて[設定]だけでご飯何杯も行けちゃうでしょっ!」
私は右手で顔を覆い、左手を床に打ちつけ悶える。
『病気だな』
「いや、数十年来の類友舐めるなよ!私がこうなら、彼女もこうだよっ!!」
『同じ病気なのか』
UMAはうんざりしたように眉間に皺を寄せ、瞳を閉じる。
「しかも、[甘酸っぱい]探求については彼女の方が上っ!スッポンのように食らいつかれるよっ!根掘り葉掘り質問攻めだよっ!」
と、伝える。想像したのか明らかにUMAが一瞬怯んだ。いつも偉そうで何処か余裕があるUMAがこのような姿を見せるのは珍しい。
[UMA(ユウマ)の(架空)設定]
・中学1年生
・人見知りなので顔出しNG
・難関校を受験したい為に日本に残留
・勉学に励みたい為基本的に会話参加もNG
・親は仕事の関係(IT系)でスウェーデンに赴任中(2~3年の予定)
・兄弟なし
と言う事で落ち着いた。
よし、友よ!いつでもかかって来い!
と、私は意気込んだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
甘い誘惑
さつらぎ結雛
恋愛
幼馴染だった3人がある日突然イケナイ関係に…
どんどん深まっていく。
こんなにも身近に甘い罠があったなんて
あの日まで思いもしなかった。
3人の関係にライバルも続出。
どんどん甘い誘惑の罠にハマっていく胡桃。
一体この罠から抜け出せる事は出来るのか。
※だいぶ性描写、R18、R15要素入ります。
自己責任でお願い致します。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる