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在ったかもしれない別の可能性
絶望に重ねて苦難の日々が終わる時
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「ほう、新しい世界でのスキルが剣術とはのう......皮肉と言うべきか、これこそが天命とでも言うか」
サイコロを振って出した目は6.6のゾロ目だった。
結果は神が語ったように剣術スキルで、俺が欲して止まなかった剣の才能だ。
「生きている内に欲しかったですよ。まあ、あっちの世界が物騒な世界だって言うなら必要といえば必要かとも言える訳ですが」
しかし、この剣術スキルがもしも本当に俺を導いてくれるならば、俺はかつて見る事が出来なかった剣の道の頂に立つ事が出来るかも知れない。
いや、俺こそが剣を統べる剣王と成る。成ってみせるさ。
「剣王じゃってよ。ぷぷぷ......もっと気が利いてるネーミングはないんかいな」
「うっさいわ!なら何て名乗れば良いか、神様のセンスで命名してみろよ!」
「うむ、剣王だとか剣聖だとかはあちらの世界にも腐るほどおるでのう。ワシの名をくれてやるわい」
は?神爺さんの名前?そりゃ御利益がありそうでいいが......こっちの世界の武神じゃないだろうよアンタ。
「我は蛇神なり、夜刀神とはワシの事よ。我が司るは夜、そして滅びと暴虐なり」
背後に無数の蛇が浮かび上がり、今まではにこやかな爺さんだったはずが、イケメンでガッチリした体型の男がそこには居た。
「ぶっちゃけた話、人一人の人生なんかどうでもいいんだがな。お前さんの剣に賭ける思いは本物のようだ。ならば気まぐれに我が滅びの力を与えよう」
腰に佩いていた刀を抜き、鞘ごと慧に向かって放り投げた。
「これは......神剣って言えばいいのか?ゾクゾクするくらい力があふれ出てくる」
「我が力の結晶よ。今はお前さんに合わせて刀の形をしているが、変幻自在の武器だからな。どんな武器にも成り得る......例えば拳銃なんかにもな」
手から闇の塊を取り出した夜刀神は膨大な量のそれを球状に圧縮して俺に叩きつけた。
「ぐぷ......何すんだ」
物凄い衝撃を受けて弾き飛ばされた俺はそのまま気を失った。
目を覚ました俺は草原に居た。
周りを見渡すと一軒家があり、何故かそこが仮の住まいになると直感した。
扉を開いて中に入ると机には手紙が置かれていた。
八神 慧 殿
めんどうくさいのう。だからお前の中に加護と一緒に知識を叩き込んでおいたわい。
『夜こそがお前の本領、闇こそが至高の武器、滅びは常に貴様と共にある。慧よ、お前は【夜刀】の慧と名乗るが良い』
3日間ほど自由に過ごすが良い。
今のお前さんは可能性の塊じゃからのう。剣を振るも良し、冒険するも良し、のんびり食っちゃ寝するも良しじゃわいのう。
なーんて言ってもお前さんに与えた知識の中には裏技も仕込んであるからのう。じーっとしとれんじゃろうがの。
【ステータス】
八神 慧 (??) LV1 ジョブ 剣の道を往く者
■■■スキル 【夜刀】
■■■スキル 【曲がらぬ信念】
スキル ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master
HP 0/■■■■■■ MP 0/■■■■■■
これですよ。あの闇の塊には本当のチートの塊が凝縮されていた。
ひとつだけなーんて言ってたクセにむちゃくちゃ贔屓してくれてるじゃねぇか!読めないけどな。
『あっちの世界には無いスキルばっかりじゃからエラーが出るはずじゃ。こっちの世界で生まれたスキルを所持して持っていくんじゃから当然と言えば当然じゃがのう。お前さんはその代償に、あっちの世界のスキルは一切取得する事が出来ん体に成った。ぶっちゃけ異物じゃの』
あにしてくれてやがりますか!あんのバカみ様はよ!
内心怒りはかんじたが、おそらく補って有り余る物を貰っているんだろうしな。やっぱり素直に感謝しよう。
『剣の道を往くのだろう?積み重ねるのが貴様だけの力なのだろう?なればその腰に佩いた【夜刀】に恥じぬ武人......武神と成るが良い』
あんたがくれた力で俺は剣の道を往くさ。この思い、この感謝は決して忘れない。
『まあぶっちゃけた話、お前さんがワシを無視するし、シカトするし、邪険に扱うから神らしい所を見せたりなんかしちゃったりしようかなーなんて思っただけなんじゃがの?』
訂正する。もう、忘れちゃっても良いんじゃないかなって思ってます。
こうして、異世界へ旅立つ準備を始める俺だったが、与えられたチート知識とチートスキルを駆使して箱庭を駆け回る三日間が始まった。
アイテムボックスに詰め込める物をありったけ詰め込み、狩りをしながら剣の腕を磨く。
恐ろしいほど体が軽いし、体力も無尽蔵に沸いて出るような感覚すらあるのだ。
眠る気にもならず、そんな事が気にならない程に俺の精神は高揚していたのだから、止まる事を知らぬとばかりに箱庭中を駆け回る俺は前世から含めて、今こそが絶頂の時だった。
サイコロを振って出した目は6.6のゾロ目だった。
結果は神が語ったように剣術スキルで、俺が欲して止まなかった剣の才能だ。
「生きている内に欲しかったですよ。まあ、あっちの世界が物騒な世界だって言うなら必要といえば必要かとも言える訳ですが」
しかし、この剣術スキルがもしも本当に俺を導いてくれるならば、俺はかつて見る事が出来なかった剣の道の頂に立つ事が出来るかも知れない。
いや、俺こそが剣を統べる剣王と成る。成ってみせるさ。
「剣王じゃってよ。ぷぷぷ......もっと気が利いてるネーミングはないんかいな」
「うっさいわ!なら何て名乗れば良いか、神様のセンスで命名してみろよ!」
「うむ、剣王だとか剣聖だとかはあちらの世界にも腐るほどおるでのう。ワシの名をくれてやるわい」
は?神爺さんの名前?そりゃ御利益がありそうでいいが......こっちの世界の武神じゃないだろうよアンタ。
「我は蛇神なり、夜刀神とはワシの事よ。我が司るは夜、そして滅びと暴虐なり」
背後に無数の蛇が浮かび上がり、今まではにこやかな爺さんだったはずが、イケメンでガッチリした体型の男がそこには居た。
「ぶっちゃけた話、人一人の人生なんかどうでもいいんだがな。お前さんの剣に賭ける思いは本物のようだ。ならば気まぐれに我が滅びの力を与えよう」
腰に佩いていた刀を抜き、鞘ごと慧に向かって放り投げた。
「これは......神剣って言えばいいのか?ゾクゾクするくらい力があふれ出てくる」
「我が力の結晶よ。今はお前さんに合わせて刀の形をしているが、変幻自在の武器だからな。どんな武器にも成り得る......例えば拳銃なんかにもな」
手から闇の塊を取り出した夜刀神は膨大な量のそれを球状に圧縮して俺に叩きつけた。
「ぐぷ......何すんだ」
物凄い衝撃を受けて弾き飛ばされた俺はそのまま気を失った。
目を覚ました俺は草原に居た。
周りを見渡すと一軒家があり、何故かそこが仮の住まいになると直感した。
扉を開いて中に入ると机には手紙が置かれていた。
八神 慧 殿
めんどうくさいのう。だからお前の中に加護と一緒に知識を叩き込んでおいたわい。
『夜こそがお前の本領、闇こそが至高の武器、滅びは常に貴様と共にある。慧よ、お前は【夜刀】の慧と名乗るが良い』
3日間ほど自由に過ごすが良い。
今のお前さんは可能性の塊じゃからのう。剣を振るも良し、冒険するも良し、のんびり食っちゃ寝するも良しじゃわいのう。
なーんて言ってもお前さんに与えた知識の中には裏技も仕込んであるからのう。じーっとしとれんじゃろうがの。
【ステータス】
八神 慧 (??) LV1 ジョブ 剣の道を往く者
■■■スキル 【夜刀】
■■■スキル 【曲がらぬ信念】
スキル ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master ■■■ Master
HP 0/■■■■■■ MP 0/■■■■■■
これですよ。あの闇の塊には本当のチートの塊が凝縮されていた。
ひとつだけなーんて言ってたクセにむちゃくちゃ贔屓してくれてるじゃねぇか!読めないけどな。
『あっちの世界には無いスキルばっかりじゃからエラーが出るはずじゃ。こっちの世界で生まれたスキルを所持して持っていくんじゃから当然と言えば当然じゃがのう。お前さんはその代償に、あっちの世界のスキルは一切取得する事が出来ん体に成った。ぶっちゃけ異物じゃの』
あにしてくれてやがりますか!あんのバカみ様はよ!
内心怒りはかんじたが、おそらく補って有り余る物を貰っているんだろうしな。やっぱり素直に感謝しよう。
『剣の道を往くのだろう?積み重ねるのが貴様だけの力なのだろう?なればその腰に佩いた【夜刀】に恥じぬ武人......武神と成るが良い』
あんたがくれた力で俺は剣の道を往くさ。この思い、この感謝は決して忘れない。
『まあぶっちゃけた話、お前さんがワシを無視するし、シカトするし、邪険に扱うから神らしい所を見せたりなんかしちゃったりしようかなーなんて思っただけなんじゃがの?』
訂正する。もう、忘れちゃっても良いんじゃないかなって思ってます。
こうして、異世界へ旅立つ準備を始める俺だったが、与えられたチート知識とチートスキルを駆使して箱庭を駆け回る三日間が始まった。
アイテムボックスに詰め込める物をありったけ詰め込み、狩りをしながら剣の腕を磨く。
恐ろしいほど体が軽いし、体力も無尽蔵に沸いて出るような感覚すらあるのだ。
眠る気にもならず、そんな事が気にならない程に俺の精神は高揚していたのだから、止まる事を知らぬとばかりに箱庭中を駆け回る俺は前世から含めて、今こそが絶頂の時だった。
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