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SAKI

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3章

緊急クエスト準備、魔道具、雑貨はお任せ!天使の微笑みへ行く

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 冒険者ギルドに寄って、クエスト完了の報酬を貰った。
 使用した消耗品は、ギルドで代わりをくれるとの事だったので、有難く頂戴した。

 貴重な情報が齎された事で、ギルドの方も準備に動いているようだ。
 「ユートさん、今回も活躍を期待していると、ギルドマスターが言っていましたにゃ。あと、本物の串刺し公では無かったですが、討伐要請の出ていた個体を倒したのは確かにゃので、今回のクエストとは別に報酬が出ていますにゃ」

 はいですにゃ、と手渡された皮袋にはクロス金貨が50枚と【身代わりの指輪】が入っていた。

 【身代わりの指輪】
 装備者が致死ダメージを受けた際、一度だけダメージを無効化してくれる。
 台座に付けてあるダイヤモンドにMPを10000注ぐと効果が復活する。
 効果を発揮しても破損しない。「ダイヤモンドは砕けない」らしい

 「これで、触手で串刺しにされそうな時も、一回だけなら逃げられますにゃ!」
 確かに、スケープドールと併用すれば即死する事はないだろう。良いアイテムを貰った。

 礼を告げてギルドを後にすると、消耗品や魔道具なら天使の微笑みという店があるにゃ!と聞いたので、地図に表示された場所へ行くことにした。

 『魔道具や消耗品なら天使にお任せだよ!』というノボリが上がった店があった。
 2階建てだが150坪位はあるだろう大型店舗だ。青い看板に赤い扉、白く塗られた店舗という非常に特徴的な店だ。

 中に入ると、ファンシーな雰囲気一杯の店内に、女性的なイメージが浮かんだ。
 飾られているぬいぐるみや、棚や机を装飾するリボンやレースの飾りにほっこりしてしまった。
 (マスター、とてもオシャレな店内ですね。こういうお店も好きです)

 エリーにも好評なようだが、肝心の店員さんはどこだろ...「ちょっと!あんた!」
 ん?声が聞こえた気がするんだが、回りを見回しても誰もいないようだが、勘違いだろうか?
 「馬鹿にしてんの!ここよ!下を見なさい!」
 視線を下に向けるとビシッっとこちらを指差している幼女の姿があった。ピコピコ動くネコミミが可愛い。

 「この店に一体何の用?早く用件を言いなさいよね!」
 「次のクエストに向けて回復薬とか、補助アイテムなんかを補充しようかなと思って来たんだけど....君はお手伝いかな?偉いねぇ、よしよし」 「あ....」
 こんな小さい子が店番してるなんて、親御さんは良い教育をしているようだ。

 「コラ!....馬鹿にするんじゃないわよ!」
 両手を挙げて威嚇するように声を上げるが、ナデナデされて緩んだ顔では説得力が無い。
 「良い子だね!お父さんかお母さんを呼んでくれるかん!?」
 こ...股間に....股間に何かめり込ん....ぐふ...。
 (マスター!マスターーー!!!!)
 ああ...神よ..どうしてこうなった。


 
 「....む、一体どうなった?」
 目を開けるが視界が真っ暗だ。なんか柔らかい物が顔に当たっているんだが、というか頭の後ろもクッションにでも乗っているのかふよふよと気持ちが良い感触だ。
 「あ...お客様、気が付きましたか?」
 どうやら、HIZAMAKURAという奴だったようだ。

 「ノアちゃんが大変な失礼をしてしまったようで、申し訳ありませんでした」
 「いいえ、大変結構なお手前で、いや..大丈夫です。これでも男ですから頑丈に出来ています」
 現在進行形で顔と後頭部が幸せだ。この瞬間が一秒でも長く続くように努力しよう。

 「ちょっとアンタ!いい加減にそこをどきなさいよ!フタバもいつまでも膝枕なんてしなくてもいいんだったら!」
 ゲシッ!っと幼女に蹴り飛ばされる俺。...ああ、俺の幸せが。

 「ノアちゃんも駄目です!お客様にそんな失礼な事しちゃいけません!」
 年齢と見合っていない素晴らしい発育の少女がつるぺた幼女を嗜める。

 (マスター、無事で何よりです。その、大丈夫ですか?) 「ああ、一応手加減してくれたらしい」
 「ごめんね!お客さん、サービスするから許して!」と腕に抱きつかれる俺...伏兵か!?
 更に少女が一人増えた事に同様が隠せない、ここはパラダイスだろうか?

 「カナタさん!そうですね、失礼をしてしまいましたしお詫びも兼ねてそうしましょう」
 少女の絡み合いとは眼福眼福【保存】しました。
 「こんな変態にサービスする必要なんかないんだから!」
 ギャーギャーと喚く幼女を囲んであたふたする少女達の様子をいつまでも眺めているわけにもいくまい。

 「それじゃあ、回復薬と....強力な爆薬、後は地面を強力に固める薬剤なんかは無いかな?それと、意識を共有出来るような魔道具があれば嬉しいな」
 「お任せください!回復薬でしたら、このHPMP両方を回復するデュアルポーションがお勧めです。」


 【複合回復薬デュアルポーション
 HP+50% MP+50% 使用後1時間の間、HPMPを1分毎に+3%


 「爆薬なら任せなさい!特製の爆薬をお見舞いしてやるわ!」
 いや、お見舞いされたら困るんだが。

 【特製猫型爆弾】
 爆破範囲 爆発地点を中心に5メートル、中心点より1メートルに特殊効果範囲を形成
 火炎、浄化属性の範囲ダメージ及び、特殊効果範囲に固定ダメージ500の継続ダメージを付与する術式が組み込まれている

 「う~ん、地面を固めるアイテムは~、え~と~....壊すのなら得意なんだけどなぁ」
 「こちらの土属性結晶を利用している、地面硬化呪文を封印した使い捨て魔道具なんか如何でしょうか?」

 【属性結晶(土)オールキュアリング】
 発動範囲から1キロメートルの範囲を強力に硬化させる魔術式が組み込まれている。
 錬金術と付与魔術と土魔術を高度なレベルで複合させている魔道具。
 【オールキュアリング】の魔力文字に魔力を注ぎ込む事で、5秒後に効果を発揮する。
 
 「うん、かなり良いアイテムだね。あとは通信系の魔道具はどうかな?」
 「使い捨ての対象認識型と、装備者同士が魔力共感で意思疎通するアクセサリー型がありますが、どちらが必要ですか?」

 【シンパシーストーン】
 使用時対象を指定する。1個使用に付き最大50名が意識を共有出来る。
 効果時間 3時間 使用中は言葉を発する事無く会話が可能になる


  【チャネリング】
 魔力パターンを登録した相手と、距離に関わらず通信が可能になる指輪。
 指輪一つで1000名まで登録可能、特定のグループ効果型付与魔法の効果も共有可能となる。


 ふむ、今後使用する可能性を想定してアクセサリー型にするか、安価な使い捨てを今後も多用するべきか?判断に悩むな。
 しかし、今回のケースでは多数の参加者が見込まれるパターンであると想定するならば、使い捨ての対象認識型がベストだろう。

 「それじゃ、今回は使い捨ての石で頼むよお嬢さん、そうだな~10程お願いしようかな」
 頭を撫でながら注文すると「はう~」と言いながら真っ赤になってしまう。

 「ポーションは200程、爆弾は50個、属性結晶は5個かな、支払いは冒険者ギルドにツケておいてくれるかな?」
 幼女に脛をゲシゲシと蹴られながら、二人の少女をナデナデするのは役得だな。こちらの業界ではご褒美ですフヒヒ....と、緩みかけた顔をやさしいお兄さんフェイスに切り替える。

 「それじゃ、また商品を取りに伺うから準備の方をよろしく頼むよ」
 「「お兄さん!またのご来店をお待ちしてます」」「べ..別に来なくても..いいけどね?」

 幸せな買い物の時間だった。
 と思ったのだが、路地を曲がった所で包囲された。....主に変態紳士達にだが。

 「いつも心に『 YES ロリータ NO タッチ 』!!!!」「「「「『 YES ロリータ NO タッチ 』」」」」
 「幼女は愛でるものであり、見守るものである!」 「「「「愛でるものである」」」」
 「不用意に幼女に触れる者は粛清する!絶対だ!」「「「「粛清!粛清!」」」」
 「我々は幼女を守る紳士!いや、騎士である!」「「「「騎士ナイト騎士ナイト!」」」」

 これは....恐るべき紳士諸君も居た者だ。流石の俺も驚愕を禁じえない。

 「さて、ユート君....君は罪を犯したようだね?」
 「はて?罪とは如何なるものかな?」「この場でしらを切るつもりかね?」
 「記憶に御座いません」「君は無能な政治家か何かかな?」

 この査問の価値とは如何なるものか?そもそも何故こうなった?

 「罪状を述べる。被告ユート、君は愛でるべき妖精に己の欲望をぶつた!相違はないな?」
 「意義有り!」「発言を許可します」
 「この罪状は不当である。あの店の中で行われたのは純粋な取引であり、私の行動に関して不満を持っている人物は居ないと主張します」

 「否!否否!否である!被告の罪状は明確であり有罪判決が妥当だと主張します」
 「被告は嘘の主張をしております。偽証!偽証です」
 「静粛に!静粛に!君達、発言は挙手をするように!」
 「発言よろしいですか?」「発言を許可します」

 「被告が行った行為は我々紳士の行動理念に反します!被告が行った行為は『 YES ロリータ NO タッチ 』では無く『 YES ロリータ GO! タッチ 』であります!」
 「被告は有罪です!」「「「「有罪!有罪!!」」」」

 「この映像を見てください.....どう思う?」
 ノアの頭をナデナデする俺、ノアに股間を蹴られる俺、フタバに膝枕される俺、カナタに腕を抱かれる俺、フタバをナデナデする俺、ノアに蹴られながらフタバ、カナタをナデナデする俺

 「とても....うらやm、有罪!有罪だ!」「「「「有罪!有罪!交代を要求する」」」」
 「判決....有罪!幼女保護法違反により拘束!刑を執行する」
 「不当!これは不当な判決だ!異議を申し立てる!」
 「「「「「「却下」」」」」」

 なるほど、こいつら....良いだろう!そっちがその気ならば、こちらにも考えがある。
 「今なら君達の愚行を許しても良いし、忘れてあげても良い」
 「な...何を馬鹿な事を!裁かれるのは貴行である!」

 さて、畳み掛けるとしよう。
 「この発言をしたあと、君達は俺に謝罪しても良いし、頭を垂れて命乞いをしても良い、愚かな行為だったと腹を見せてク-ンクーンと鳴いてもいい」
 「な....何を馬鹿な事を!一体どんな切り札を隠している!」

 「君達のプレイヤー名は把握した。○○という変態が店を観察していると...俺が一言発言したらどうなるかな?」
 「「「「「!!??」」」」」
 「私の発言はあるいは冤罪かもしれない、あるいは事実無根かもしれない」
 「「「「「横暴だ!そんな事が許される事ではない!」」」」」

 「だが、真実は必要かな?彼女達の視線....これまで向けられた物と同様の物を諸君らは得られるだろうか?」
 「「「「「そ...それは!」」」」」
 「うらやましさに突き動かされて見失った理性を取り戻すべきではないかな?」
 「「「「「っく.....」」」」」

 「諸君...遺書は準備したかな?命乞いをする準備はOK?」
 「く....負けた...君の...勝ちだ」
 「そうか、では君達の返事は如何に?」
 「「「「「申し訳ありませんでした!!」」」」」

 「よろしい!では諸君らに処罰を下そう....次回のクエストでは我が傘下に加わり敵の撃滅に務めて貰おう」

 こうして、忠実な萌えブタ諸君を率いて戦場に立つ事になる俺だった。
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