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1章

チュートリアルの終了とユニークジョブ【兎殺者】

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 インフォメーションが止まらない....まだあるのか?

  モンスター討伐数が100匹を突破しました。 【称号】ハンター初級 を獲得しました。
  スキル【気配察知】を取得しました。
 
  モンスター討伐数が500匹を突破しました。 【称号】ハンター中級 を獲得しました。
  スキル【気配隠蔽】を取得しました。
 
  モンスター討伐数が1000匹を突破しました。【称号】ハンター上級 を獲得しました。
  スキル【自動解体】(マニュアルでの剥ぎ取り作業を省略、討伐と同時にアイテムボックスに収納されます。)
 
 【ユニークMOB】の討伐を確認しました。 【称号】ユニークハンター を獲得しました。
 HP・MPが+50、運以外の全てのステータスが+5される。
 この効果は重複する。(ユニークMOBを1体討伐する毎に称号が進化する)

 【レアMOB】の初回討伐を確認しました。 【称号】レアハンター を獲得しました。
 レアMOB討伐時のドロップアイテム取得率が1.5倍に上昇する。

 【称号】所持数が10個に到達しました。【称号】称号収集家 を獲得しました。
 スキル【ステータス隠蔽】を取得しました。(鑑定による表示ステータスを偽装可能になる)

 【称号】所持数10個を最速で達成しました。【称号】レコードホルダー を獲得しました。
 スキル【早熟】を取得しました。(獲得経験値+50%)

 ユニーク称号【ラビットラグナロク】を獲得した為、第一次職業がユニークジョブ【兎殺者】に変更されました。

 【兎殺者】ラビット系モンスターとの戦闘時、ステータスが+500%  敵意超激増
 兎を狩る者、世界の裏で暗躍する兎達と戦う使命を与えられた者。
 時は来た!今こそ、封じられし魔剣の封印を解く時!唱えるのだ!「真剣狩る♪ラビ狩る♪キル ゼム オール♪悪い兎は撫で斬りしちゃうぞ?」

 ええ~職業が強制変更されただけじゃなくて、悪の組織と戦う魔法少女的な存在だと...どっかにいるだろう中二少女と交代したい。
 だが、男としては魔剣という響きを聞いて、黙ってはいられない!

 「真剣狩る....ラビ狩る...キル ゼム オール...わ..悪い..兎は..撫で斬り...しちゃうぞ?」
 恥ずかしい、顔から火がでそうだ。黒歴史を自ら作る事になるとは.....。
 頭の中に声が響いてきた。

 『もっと真剣に大きな声で唱えてください』

 まさかのリテイク!?しかも、大きな声でだと....。  ていうか、アンタ誰?

 「ユート!男は度胸なのじゃ!きゃるん♪といくのじゃ!」
 「マスター...幸いここには我々しかいません。大丈夫だ、問題です。」

 「真剣狩る♪ラビ狩る♪キル ゼム オール♪悪い兎は撫で斬りしちゃうぞ?」

  
 『すまん....主、冗談だ。呪文なんかいらん、気の毒になってきた。』
 
 罪悪感タップリの声と共に、目の前の地面に、一本の剣が突き立った。

 【魔剣ラビットイーター(能力封印超絶)】
 攻撃力 +15 (0/100) 耐久値 200/200
 力+5 体力+5 敏捷+5 【自動修復 弱 】【重量操作】
  ラビット系モンスターの命を糧に成長する剣
 所持者の半径100m以内に存在する。ラビット系モンスターのスキルを封印する。

 能力封印超絶でこの性能か....破格だな。
 少なくとも、ラビット相手に負ける事はないだろう。

 『問おう、貴方が私のマスターか?....言ってみたかっただけです。』
 
 さっきのセリフ忘れてないからね?要らぬ恥を掻かせてくれたお礼をしなければな。
 
 「お前のような武器は要らん。溶鉱炉にぶち込んで鋳潰してやる」
 
 『またまた、そんな事言っていいんですか?【兎殺者】が装備できるのは、兎殲滅術式が刻まれている、極々限られた武器だけなんですよ?』

 「駄剣め、お前の名前なんか略してライターで十分だ。マスターには私が付いている。安心して鉄屑になるがいい」

 「そもそも、俺は剣が無くても戦闘可能だ。意思のある剣というのは面白いが、必ずしもお前が必要とは感じない。」

 『すいませんでした。以後慎みますからご容赦を、別に溶岩の中にぶち込まれようと、深海に沈められようと、痛痒はありませんが、主がこれから向かう道程には私が必要になる』

 「虐め過ぎたか、分かったよ。これで、手打ちとしておこう」

 そう言いながら、地面に突き立ったライターを抜き放った。軽い....鳥の羽でも持っているかのように重量を感じさせない。恐らく使用者のみが感じる感覚なんであるが、これも使い込んで慣れていくしかないだろうな。

 「しかし、鞘も無いが、普段はどうするつもりだ?」

 『それなら大丈夫です。戦いの意思に応じて実体化します。』

 そう言うと、右手の甲が薄く光り、指一本分程度のサイズの剣のマークが刻まれた。
 ライターが光の粒になって吸い込まれる。

 なるほどな、剣を手にする自分をイメージをすると、瞬時に右手に現れた。これは便利だ。

 【魔剣】の所持者として認められた為、称号【魔剣の主】を獲得しました。
 【魔剣】を装備した際発生する、デメリットの効果を無効化可能になりました。

 「【メニュー】自分の状況は把握しておかないとな」
 
 「ユート、武器は装備しないと意味が無いのじゃ」
 

 ユート(天城 勇人) 20歳
  種族 ヒューマン
  LV 1 職業 【兎殺者】
  
  HP 250(+50) MP 100(+50)
  
  力  10(+10) 体力 10(+10) 敏捷  9(+10)
  知力  9(+5) 魔力 10(+5)  運  99

  攻撃力+15 防御力+7

 所持スキル【気配察知】【気配隠蔽】【自動解体】【ステータス隠蔽】【早熟】

 装備 武器 魔剣ラビットイーター(能力封印超絶) 攻撃力+15 (0/100)
     体  転生者の服 防御力+5
     靴  転生者の靴 防御力+2

 所持アイテム 初心者ポーションx20 携帯食料x10 【デビット】の核 漆黒の毛皮x1
        魔石(大)x1 スキルの書(【脱兎の如く】)

 所持称号 【ラビットラグナロク】(ラビットハンター ラビットキラー ラビットデストロイヤー ラビットハザード) ハンター初級  ハンター中級 ハンター上級 ユニークハンター
レアハンター 称号収集家 レコードホルダー 魔剣の主


 デビットのドロップアイテムだけは貰えるらしい、他は倒した瞬間に何も残さず消えていた。
 チュートリアルだから、アイテムと経験値は貰えなかったが、称号が手に入るというのは、想定外だった。
 称号は、想定されてないから貰えたか、ある程度条件を満たす事で、手に入る事を良しとしていたのだろうと予測する。

 「お主は想定の範囲を逸脱し過ぎておるがのう。社長も腹を抱えて転げまわるじゃろうよ」
 
 のんびりこっちの世界をぶらぶらするつもりが、頭の痛い展開になりそうだな。

 「チュートリアルは終わりじゃが、社長の開始宣言まで、まだ3時間程あるのじゃ」

 そうなのだ、時間加速が現在2倍設定らしく、8時間のつもりが16時間も猶予があったのだ。
 その時間を会話で1時間、兎の殺戮に12時間という馬鹿げた使い方をしてしまったのだが...。
 
 戦闘を経験してみて感じたが、確かに現実のような動きが可能ではあるが、痛みや力み等の細かい感覚のズレがある。
 俺のような武の道を進む者は、無意識・意図的に脳のリミッターを外して、肉体の限界まで力を発揮したり、体内で気を練り上げて廻らせる事で身体強化を行うのだが、このままでは潜在能力を腐らせてしまう事になる。

 「エリー、感覚設定は現実と同様の条件にまで出来るかな?」

 「可能です。痛覚のように意図的に遮断している感覚も、全てフィードバックされますがよろしいですか?」

 「逆だよ、それが必要なんだ。人は痛みが、あらゆる感覚がなければ己の状態を正確に把握する事が出来ない。これは重要なシグナルなんだ。不要な物が体に備わるはずが無いじゃないか」

 これで、設定もOKだな。組み手が出来る相手でも居ればいいのだが....この感覚はあちらの世界でもう一度研ぎ澄ます事としようかな。
 
 【気功術】とは外から取り入れる【外気】と内に秘めた力を解放する【内気】からなる。

 深呼吸して気を落ち着けた俺は、気を練り始める。
 大自然から気を借りる為に呼吸を整える、浅く息を吐き、深く吸う【集気法】
 取り入れた気を丹田に送り、練り上げる【錬気法】
 高めた気を廻らせて身体全体のしなやかさや強度を高める【鋼気法】
 【鋼気法】で備わった強度を全力で使用可能にする為に、外骨格の如く全身に気の鎧を纏う、気を使った技術の極意【闘気法】
 集・錬・鋼に至りて闘と成す、外気を極めるが【外気功】

 己が内に秘める気を高め、血流と経絡に気を乗せて、全身を廻らせていく事で、臓器から細胞に至るまで活性化させて回復力と強度を飛躍的に向上させる【内気術】静術
 反射神経や瞬発力を増加させる【軽功術】動術
 身体を動かしながら気を廻らせる【動気】と静かに全身に気を廻らせる【静気】を合わせる【静動合一】から鬼の如き力を発揮する【闘鬼法】
 内・軽から合一に至り鬼をも屠る、内気を極めるが【内気功】

 そして、【外気功】【内気功】を極めた者だけが至る秘奥が【仙気法】
 ここまで至ると、寿命すら自在に操る事が可能となる。
 老いも若きも自由自在であり、肉体の欠損すら修復可能な人を超えた力である

 俺に指導したのだから、当然だが爺さんも足を踏み入れた境地である
 あの爺さん、本気になると途端に全盛期の肉体へ変貌して鬼神と化すのだ。
 もっとも、爺さんに気の指導をした婆さんは、俺同様に10代後半で極めたというが....今は世界のどこにいるやらわからんが、ジッとしていないのは確かだろう。

 「ユート....このエリアにあったマナをごっそり食い散らかしてどうする気じゃ!?というかそれは人間業じゃないのう!!!」
 「マスターを人外認定します。デビットが死んだ理由を理解しました。」

 え....ええ~まだちょっと復習、練習しただけなんだけど....バレたらまずいのか?これ....。


 「プレイヤー諸君!私が来た!ゲームの時間だよ?」

 さぁ、冒険を始めよう。
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