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α社サイド

社長ハジケる

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 いや~気分爽快とは正にこの事だろう。

 言ってやった!ああ、言ってやったとも!
 満足したよ。一体何億何兆の人が俺の発言を聞いていたんだろう?と思うと、今考えてもゾクゾクしてくる。
 一世一代の晴れ舞台だった。

 これから、この世界には新たな波が生まれるだろう。
 その切っ掛けが俺達α社メンバーである事を誇りに思って生きて行こう。

 それにしても、あれだけの事を大々的にぶちまけたが、まだまだ沢山の秘密が隠されているとは感付いている人間も余りいないだろう。

  我々の可愛い子供達が、あっちの世界で今も成長し続けている。
 この事実だけでも誇らしい偉業であるというのに、AIに感情が生まれて自立可能な所まで来ているなど、誰が信じられようか!

 まぁ、迂闊に情報を洩らす気も無いし、真実を知る者は限られた人だけで良いのだから。
 願わくば一人でも多くの人が【クリスタリア】という第二の世界を愛してくれますように、世界に生きるAIと共に生きて【種】を一つでも多く芽吹かせてくれるように祈るばかりだ。

 「清澄君....じゃない...社長!VR内の時間加速制御システムの準備が完了しました。」

 「別に清澄君でも構いませんよ、美里さん。立場として社長に推薦はされましたが、我々は全員対等な同士では無いですか」

 「ケジメは必要です。たとえ、リアルがとても残念でロリコンでマザコンでも、社長なのよ?」
 
 「あ..あれれぇ~~ちょっと、言ってる事おかしくない?間違ってないけど、それ言っちゃうんだ?いいのかな?いいのかなぁ~?美里さん」

 「24歳にもなってカワイイ物大好きで、家の中はヌイグルミだらけで、お気に入りのテディベアには勇人君なんて名前まで付けちゃってる残念なお・ね・え・さ・ん♪」

 「そ...そお..それこそ関係無いでしょ!ユグドラシルにパパって呼んでごらん?なんてハァハァしてた変態の癖に!だいたい誰にそんな裏情報聞いたのよ!自分以外を家に入れた事なんて無いのに何で知ってるわけ?信じらんない」 

 「それはそれは...情報提供者は教えられないな。ああ、でも不法侵入はしてないからね?」

 「清澄!美里!痴話喧嘩はプライベートでやれ!呼びに行った筈が帰ってこないから心配して来てみれば.....ったくお前等ときたらイチャコラしやがって」「してません(よ)!!」

 「お前等、罰としてログイン時の初期装備デザインはブーメランとスク水な!異論は認めない」

 「出雲君!それは良いね!」
 「良くないわよ!24にもなって、そんなの着て歩いたら変態じゃない!痴女スレ立つわよ!」
 
 「はいはい分かった。んじゃナースね!巫女さんもいいな」
 「巫女巫女ナースって奴だね?」「清澄君は黙ってて!!」



 「あの~3馬鹿トリオさん?もう、私が起動テスト終わらせといて良いですかねぇ?」

 「「「申し訳ありません女王様!!」」」
 「誰が女王様だ!起動テストが終わるまで正座しときな!」


 本日も我々は平常運転だよ諸君。 楽しい異世界旅行を.....いや~人生って楽しいねぇ。
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