40 / 40
お互いの我儘
40話
しおりを挟む
「えへへ…………悠斗くんとくっ付いてるからあったかいね」
夜の十一時。
薄暗い自室で俺は小春と一緒の布団に入っている。
「うん。あったかい」
小春が俺の家にやってきた日に、小春に寝る場所を聞くと俺と添い寝をしたいと言った。けれど俺の使っているベッドは二人で寝るには小さすぎて無理だった。
けれど敷布団にしてしまえば落ちることはない。
「悠斗くん、さっきはごめんなさい。急に変な事言って……」
「別に良いよ。もう過ぎたことは気にしないで」
そう言っているが、流石に小春が自分の事を好きにしていいって言ってきた時は驚いて
小春の言っていることの理解ができなかった。
まさか小春があんな事を言うとは思ってもいなかった。
小春は今まで大変な思いをしてきたし、寂しい思いもしてきた。悲しい思いもしてきたはずだ。
だから俺は小春のお願いをできるだけ聞いたり、小春の喜んでくれることを積極的にやってきたつもりだ。
別に小春に好かれたいからやっているわけじゃない。
小春に幸せになってほしいからやってきたんだ。
でもその事で小春を悩ませていた、最低でもあんなことを言わせてしまうほどには。
小春は俺に今までのお礼をするのは小春自身のためだと言っていたけど。俺が小春にしていることも別に小春にしてほしいと言われたからではない。もしかしたら俺がしていることも俺自身のための、俺の我儘なのかもしれない。
「ありがとう、悠斗くん。何時もならこの時間には眠れるのに、悠斗くんとこんなに近くだとドキドキして眠れない」
小春は可愛らしい笑顔でそう言う。
俺だって小春にそんな可愛い表情をされたら眠ることなんて無理だ。小春が可愛すぎる。
今夜はオール確定だな。
「ちゃんと眠ってくれないと困るよ」
俺は小春の頭を優しく撫でながらそう言う。
今からオールしようとしている俺が言えるようなことじゃないけど。
「私、悠斗くんの匂い好きなんだ~。なんかね、凄く安心するの」
小春は俺の胸に顔をうずくめながら言う。
小春はそう言っているが、俺も小春の匂いは安心するし好きだ。
「小春。これからも好きなだけ我儘言っても良いからね」
「で、でも私お礼できないよ」
「だからお礼しなくちゃなんて考えないで。それに、小春が俺に甘えてくるとき、小春凄く可愛いし」
「か、可愛い……」
小春は顔を赤らめて、それを毛布で顔を隠す。
その仕草が最高に可愛い。
「じゃ、じゃあこれからも私の我儘、聞いてくれるの?」
小春はひょこっと毛布から顔を出し、弱々しい声でそう言う。
可愛い、可愛すぎる。
一体俺はこんな可愛い女の子と同じ布団に入っていいのか?
「い、良いよ。いっぱい甘えてよ」
「分かった、じゃあいっぱい甘えるね!」
そう言って小春は俺に抱き着いてきた。
「でも、悠斗くんも私にいっぱい甘えてね。私たち、恋人でしょ?」
「分かった。恋人同士だもんね」
そう言って俺は小春を抱きしめる。
これからの人生、この幸せな時間をずっと続けていけるよにしたい。
「悠斗くん。一つお願いしていい?」
「良いよ」
「ありがとう。じゃあ、私が寝るまで私から離れないで。悠斗くんとくっ付いて眠りたい」
「分かった。じゃあ小春が寝るまで抱きしめとくね」
「それだとドキドキして眠れないよ……だから、手繋いでほしい」
小春はそう言って真っ白な手を俺に差し出した。
俺はその手を優しく握る。
「ありがとう」
小春はそう言ってゆっくりと目を閉じた。
夜の十一時。
薄暗い自室で俺は小春と一緒の布団に入っている。
「うん。あったかい」
小春が俺の家にやってきた日に、小春に寝る場所を聞くと俺と添い寝をしたいと言った。けれど俺の使っているベッドは二人で寝るには小さすぎて無理だった。
けれど敷布団にしてしまえば落ちることはない。
「悠斗くん、さっきはごめんなさい。急に変な事言って……」
「別に良いよ。もう過ぎたことは気にしないで」
そう言っているが、流石に小春が自分の事を好きにしていいって言ってきた時は驚いて
小春の言っていることの理解ができなかった。
まさか小春があんな事を言うとは思ってもいなかった。
小春は今まで大変な思いをしてきたし、寂しい思いもしてきた。悲しい思いもしてきたはずだ。
だから俺は小春のお願いをできるだけ聞いたり、小春の喜んでくれることを積極的にやってきたつもりだ。
別に小春に好かれたいからやっているわけじゃない。
小春に幸せになってほしいからやってきたんだ。
でもその事で小春を悩ませていた、最低でもあんなことを言わせてしまうほどには。
小春は俺に今までのお礼をするのは小春自身のためだと言っていたけど。俺が小春にしていることも別に小春にしてほしいと言われたからではない。もしかしたら俺がしていることも俺自身のための、俺の我儘なのかもしれない。
「ありがとう、悠斗くん。何時もならこの時間には眠れるのに、悠斗くんとこんなに近くだとドキドキして眠れない」
小春は可愛らしい笑顔でそう言う。
俺だって小春にそんな可愛い表情をされたら眠ることなんて無理だ。小春が可愛すぎる。
今夜はオール確定だな。
「ちゃんと眠ってくれないと困るよ」
俺は小春の頭を優しく撫でながらそう言う。
今からオールしようとしている俺が言えるようなことじゃないけど。
「私、悠斗くんの匂い好きなんだ~。なんかね、凄く安心するの」
小春は俺の胸に顔をうずくめながら言う。
小春はそう言っているが、俺も小春の匂いは安心するし好きだ。
「小春。これからも好きなだけ我儘言っても良いからね」
「で、でも私お礼できないよ」
「だからお礼しなくちゃなんて考えないで。それに、小春が俺に甘えてくるとき、小春凄く可愛いし」
「か、可愛い……」
小春は顔を赤らめて、それを毛布で顔を隠す。
その仕草が最高に可愛い。
「じゃ、じゃあこれからも私の我儘、聞いてくれるの?」
小春はひょこっと毛布から顔を出し、弱々しい声でそう言う。
可愛い、可愛すぎる。
一体俺はこんな可愛い女の子と同じ布団に入っていいのか?
「い、良いよ。いっぱい甘えてよ」
「分かった、じゃあいっぱい甘えるね!」
そう言って小春は俺に抱き着いてきた。
「でも、悠斗くんも私にいっぱい甘えてね。私たち、恋人でしょ?」
「分かった。恋人同士だもんね」
そう言って俺は小春を抱きしめる。
これからの人生、この幸せな時間をずっと続けていけるよにしたい。
「悠斗くん。一つお願いしていい?」
「良いよ」
「ありがとう。じゃあ、私が寝るまで私から離れないで。悠斗くんとくっ付いて眠りたい」
「分かった。じゃあ小春が寝るまで抱きしめとくね」
「それだとドキドキして眠れないよ……だから、手繋いでほしい」
小春はそう言って真っ白な手を俺に差し出した。
俺はその手を優しく握る。
「ありがとう」
小春はそう言ってゆっくりと目を閉じた。
0
お気に入りに追加
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。
ながしょー
青春
ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。
このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。

切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
とあるアプリで出題されたテーマから紡がれるセカンドストーリー❤︎
砂坂よつば
青春
「書く習慣」というアプリから出題されるお題に沿って、セリフが入っていたり、ストーリーが進む予測不可能な小説。第2弾は新たな物語ラブコメでお届け!!
主人公、高校1年生 輪通 萌香(わづつ もえか)が屋上でクラスメイトの友達と昼食を食べながらグランドを眺めていると、萌香好みの男子生徒を発見!萌香は彼と両思いになって楽しくも甘酸っぱい?青春高校生活を送ることが出来るのだろうか運命やいかに––––!?
※お題によって主人公が出てこない場合もございます。
本作品では登場する様々なキャラクターの日常や過去、恋愛等を描けてたらと思っています。小説家になろうとカクヨムの方でも同じ内容で連載中!※
いくつかのお題をアルフォポリス限定で執筆予定です。

俺と代われ!!Re青春
相間 暖人
青春
2025年、日本では国家主導で秘密裏に実験が行われる事になった。
昨今の少子化は国として存亡の危機にあると判断した政府は特別なバディ制度を実施する事により高校生の恋愛を活発にしようと計ったのだ。
今回はその一組の話をしよう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
六話
しのはらかける
ルビ に なってないですよ
これは 感想ではないので 載せなくて
いいですよ
追伸
私も 上手く ルビ が 振れませんので
難しい漢字の後に(…)で 振り仮名を
ふってます
初めまして
とても 読みやすいですね
まだ 途中ですが ゆっくり読ませて貰いますね