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お互いの我儘
27話
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「久しぶりだな、悠斗」
冬休みが終わり、久しぶりに会う篠原。
休み明け、新年初めての登校は、やはり脚が重かった。
「ああ、久しぶりだな。と言っても二週間くらいだろ」
「土日や祝日以外は学校で会ってる俺たちにとって二週間ぶりに合うのは久しぶりで良いだろ」
「そうだな。それより良かったな、先輩と付き合えて。おめでとう」
篠原から告白が成功したと連絡が来た時に、おめでとうとは返したが、こうして改めて本人の目の前で言う。
「おう! 奈那子ちゃんすげぇー可愛いんだよ」
「ちゃん付けで呼んでるのか」
「付き合うなら先輩呼びは禁止って言われたんだよ」
「そうなのか。まぁ先輩付けると少し距離を感じるかもしれないからな」
「あ、そうだ。クリスマスデートの日に一之瀬さんに会ったんだよ」
篠原は俺の隣に座る小春の方へ視線を向けてそう言った。
「小春に⁉」
小春からそんなことは一言も聞いていなかったので驚きを隠せない。
小春と俺はほとんどずっと隣に居た。俺と小春が離れた時は、小春がお手洗いに言っている間だ。その間に会ったのだろう。
もしあの時に俺も一緒に行っていたら篠原と会っていたと思うと、少し後から言って正解だった。
「そうなんだ」
「ああ、なんかめっちゃお洒落な格好していたからもしかしたら彼氏とイルミネーション見に来ていたのかもしれないな」
「そうかもしれないね」
「なんだよ、狙ってた一之瀬さんに彼氏が居てショックなのか?」
篠原は、自身に彼女ができたからか、俺を揶揄うように言ってくる。
「まぁ、でも一之瀬さんから彼氏と来てるって言われたわけじゃないからもしかしたら友達と来ていたかもしれないからまだ可能性あるぞ」
篠原はそう言い終えると、俺の肩に手を置いて「がんばれ」と言って前を向いた。
俺は直ぐに胸ポケットからスマホを取り出して小春に連絡した。
「クリスマスデートの日に篠原と奈那子先輩に会ってたの?」
すると直ぐに返信が返ってきた。
『う、うん。黙っててごめんね。私が一人でお手洗いに行ってる時に会ったの』
「別に謝らなくていいんだよ? 一応確認のために連絡したの」
『悠斗くんと付き合ってることは多分バレてないから大丈夫だと思うよ』
「それなら良かった」
『ね、ねぇ。今日のお昼一緒に食べれないかな?』
小春からの誘い。断りたくはない。
「良いけど、でも誰かに見られるかもしれないよ?」
『誰も使ってない教室で食べればバレないはずだよ?』
「どこの教室を使うの?」
『一個上の階の前まで文芸部の部室だったらしい部屋はどう?』
今はもう部員が誰一人として居なく、廃部になってしまった文芸部が使っていた部室は、今は勿論誰も使ってないし自由に入ることができる。
わざわざ昼食をとるためにその部屋に行く人は居ないだろう。
「うん、分かった。じゃあそこで食べようか。でも一緒に行くのは無理だよ?」
『うん。じゃあ私先に行っておくね』
冬休みが終わり、久しぶりに会う篠原。
休み明け、新年初めての登校は、やはり脚が重かった。
「ああ、久しぶりだな。と言っても二週間くらいだろ」
「土日や祝日以外は学校で会ってる俺たちにとって二週間ぶりに合うのは久しぶりで良いだろ」
「そうだな。それより良かったな、先輩と付き合えて。おめでとう」
篠原から告白が成功したと連絡が来た時に、おめでとうとは返したが、こうして改めて本人の目の前で言う。
「おう! 奈那子ちゃんすげぇー可愛いんだよ」
「ちゃん付けで呼んでるのか」
「付き合うなら先輩呼びは禁止って言われたんだよ」
「そうなのか。まぁ先輩付けると少し距離を感じるかもしれないからな」
「あ、そうだ。クリスマスデートの日に一之瀬さんに会ったんだよ」
篠原は俺の隣に座る小春の方へ視線を向けてそう言った。
「小春に⁉」
小春からそんなことは一言も聞いていなかったので驚きを隠せない。
小春と俺はほとんどずっと隣に居た。俺と小春が離れた時は、小春がお手洗いに言っている間だ。その間に会ったのだろう。
もしあの時に俺も一緒に行っていたら篠原と会っていたと思うと、少し後から言って正解だった。
「そうなんだ」
「ああ、なんかめっちゃお洒落な格好していたからもしかしたら彼氏とイルミネーション見に来ていたのかもしれないな」
「そうかもしれないね」
「なんだよ、狙ってた一之瀬さんに彼氏が居てショックなのか?」
篠原は、自身に彼女ができたからか、俺を揶揄うように言ってくる。
「まぁ、でも一之瀬さんから彼氏と来てるって言われたわけじゃないからもしかしたら友達と来ていたかもしれないからまだ可能性あるぞ」
篠原はそう言い終えると、俺の肩に手を置いて「がんばれ」と言って前を向いた。
俺は直ぐに胸ポケットからスマホを取り出して小春に連絡した。
「クリスマスデートの日に篠原と奈那子先輩に会ってたの?」
すると直ぐに返信が返ってきた。
『う、うん。黙っててごめんね。私が一人でお手洗いに行ってる時に会ったの』
「別に謝らなくていいんだよ? 一応確認のために連絡したの」
『悠斗くんと付き合ってることは多分バレてないから大丈夫だと思うよ』
「それなら良かった」
『ね、ねぇ。今日のお昼一緒に食べれないかな?』
小春からの誘い。断りたくはない。
「良いけど、でも誰かに見られるかもしれないよ?」
『誰も使ってない教室で食べればバレないはずだよ?』
「どこの教室を使うの?」
『一個上の階の前まで文芸部の部室だったらしい部屋はどう?』
今はもう部員が誰一人として居なく、廃部になってしまった文芸部が使っていた部室は、今は勿論誰も使ってないし自由に入ることができる。
わざわざ昼食をとるためにその部屋に行く人は居ないだろう。
「うん、分かった。じゃあそこで食べようか。でも一緒に行くのは無理だよ?」
『うん。じゃあ私先に行っておくね』
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