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久々のベッドは物凄くよく眠れた。
まだまだ寝ていたい、身体がそう訴えてきているような怠さがあるのを伸びで押しのける。
「こちらをどうぞ」
私の着替えとして用意されたのは今日は神官服でなくワンピースドレスだった。
昨日顔を合わせた領主代理というバメジャノ子爵が用意してくれたらしい。
そして今日はお母様は私と違う服を用意されていた。
「あらっ懐かしいわ~」
そう言いながらお母様が着ているのは珍しい神官服?だった。
昨日借りた服のように長いスカートなのだがよく見ると足が透けて見えている。
真ん中だけ前垂れのようにしっかりした布になっていていやらしさは無いものの袖も透ける素材で神職にしてはかなり変わっていた。
しかしデザインは上級神官服にどことなく似ているので神官服なのだろう…多分。
これがもう少し派手か、露出が多ければマサオの記憶にあるアラビアンダンスだとかベリーダンスの衣装っぽかっただろう。
ただ、色は落ち着いた白でシンプルなデザインの為それも少し違うような気がする。
ただ、袖やスカートの裾に金糸や銀糸の刺繍が施されているらしくお母様が動くとキラキラ光って美しい。
35歳とはいえ可愛らしいお母様にその不思議な衣装はよく似合っていた。
「あぁ…この衣装をお纏いになれば正にあの頃の妖精姫様です…」
昨日、門の関所まで来てくれた初老のシスターがまた涙ぐみそう零す。
妖精姫と…え?
「お母様!妖精姫なの!?」
私の声に周りの人たちが全員ビクッとしたのが視界に入った。
お母様も物凄くびっくりした顔をしてこっちを見ている。
「だからお母様、踊り子だって何回も「踊り子と妖精姫じゃ全然意味合い違うからね!?」
「えぇ~そなの?」
周りの人たちは目をまんまるにしながら私達の様子を見ている。
「シャナファ様…お嬢様はシャナファ様が妖精姫とご存知なかったのですか?」
「ん?踊り子として旅してたってのは教えてたわよ?」
「お母様…踊り子って旅すること、多い職業よ?」
「え!?そうなの!?ありゃ~…」
お母様は光魔法で結界を張ったって言ってたけど妖精姫なら結界を張れて当然だ。
この世界に3人しか存在しない聖魔法の使い手、『聖女』なのだから。
妖精の祝福を受ける舞の聖女、妖精姫。
精霊の祝福を受ける歌の聖女、精霊姫。
神の祝福を受ける祷の聖女、巫女姫。
3人の聖女が使う聖魔法はあらゆる邪気を払い、魔を退け、結界を張って強固にするというのはおとぎ話にもなっている程この世界では常識だ。
教会は聖女が張った結界を長持ちするよう、急に消えないよう儀式をしているにすぎない。
それでも年々結界の範囲は小さくなっていく。
だから聖女は力が発現すると世界を旅して結界を張り直すのだ。
「じゃあ…お母様の言ってた旅って…結界の張り直し…?」
「んー?神殿でこの服着て踊ってただけなんだけどね」
「シャナファ様…それ、結界の張り直しでございます…」
「だって!えへへ」
「…お母様…えへへじゃ、ない」
その後は怒涛の来客だった。
行方不明になっていた妖精姫が見つかったと各国要人が訪ねてきたのだ。
はじめに来た要人はロレアル国の両陛下だった。
揃って馬を飛ばし夜通し走ったのか翌日にはやって来た。
「妖精姫シャナファ様!我が国に囚われていたのに気付くことも出来ず誠に申し訳ありませんでしたぁ!」
国王様、ズザーッと見事なスライディング土下座。
「シャナファ様を不当に扱った侯爵家は断絶させます!一族郎党処刑する様をいつでもご覧頂けますよう地下牢に繋いでおりますぅう!」
スザザーッと王妃様も負けず劣らずなスライディング土下座。
両陛下…スライディング土下座がオジョウズダッタンデスネー。
「あらっ、まだ3歳の子も囚えているの?」
「もちろんで御座います!」
「可哀想だわぁ」
「仰るとお…え!?」
王様、目を白黒させている。
「まさか私がいた場所の使用人たちも?」
「もちろんです!」
「それは駄目!怒るわよ」
王妃様、狼狽えて王様に視線で助けを求めてる。
「「すぐ釈放するよう伝えますっ!!!」」
おぉ、声が揃ったわ。
「釈放だけじゃなくちゃんと生きていけるようにしてあげて!」
「「仰る通りにいたします!」」
国で見かけた時の威厳あふれる姿は微塵もない。
ヨレヨレのふらふらで必死に謝る両陛下。
なんだかいたたまれない。
かといってお母様はいつも通り。
(なんでここまで必死なのだろう)
見ていられないし不思議に思ったので誰かに聞いてみることにした。
まだまだ寝ていたい、身体がそう訴えてきているような怠さがあるのを伸びで押しのける。
「こちらをどうぞ」
私の着替えとして用意されたのは今日は神官服でなくワンピースドレスだった。
昨日顔を合わせた領主代理というバメジャノ子爵が用意してくれたらしい。
そして今日はお母様は私と違う服を用意されていた。
「あらっ懐かしいわ~」
そう言いながらお母様が着ているのは珍しい神官服?だった。
昨日借りた服のように長いスカートなのだがよく見ると足が透けて見えている。
真ん中だけ前垂れのようにしっかりした布になっていていやらしさは無いものの袖も透ける素材で神職にしてはかなり変わっていた。
しかしデザインは上級神官服にどことなく似ているので神官服なのだろう…多分。
これがもう少し派手か、露出が多ければマサオの記憶にあるアラビアンダンスだとかベリーダンスの衣装っぽかっただろう。
ただ、色は落ち着いた白でシンプルなデザインの為それも少し違うような気がする。
ただ、袖やスカートの裾に金糸や銀糸の刺繍が施されているらしくお母様が動くとキラキラ光って美しい。
35歳とはいえ可愛らしいお母様にその不思議な衣装はよく似合っていた。
「あぁ…この衣装をお纏いになれば正にあの頃の妖精姫様です…」
昨日、門の関所まで来てくれた初老のシスターがまた涙ぐみそう零す。
妖精姫と…え?
「お母様!妖精姫なの!?」
私の声に周りの人たちが全員ビクッとしたのが視界に入った。
お母様も物凄くびっくりした顔をしてこっちを見ている。
「だからお母様、踊り子だって何回も「踊り子と妖精姫じゃ全然意味合い違うからね!?」
「えぇ~そなの?」
周りの人たちは目をまんまるにしながら私達の様子を見ている。
「シャナファ様…お嬢様はシャナファ様が妖精姫とご存知なかったのですか?」
「ん?踊り子として旅してたってのは教えてたわよ?」
「お母様…踊り子って旅すること、多い職業よ?」
「え!?そうなの!?ありゃ~…」
お母様は光魔法で結界を張ったって言ってたけど妖精姫なら結界を張れて当然だ。
この世界に3人しか存在しない聖魔法の使い手、『聖女』なのだから。
妖精の祝福を受ける舞の聖女、妖精姫。
精霊の祝福を受ける歌の聖女、精霊姫。
神の祝福を受ける祷の聖女、巫女姫。
3人の聖女が使う聖魔法はあらゆる邪気を払い、魔を退け、結界を張って強固にするというのはおとぎ話にもなっている程この世界では常識だ。
教会は聖女が張った結界を長持ちするよう、急に消えないよう儀式をしているにすぎない。
それでも年々結界の範囲は小さくなっていく。
だから聖女は力が発現すると世界を旅して結界を張り直すのだ。
「じゃあ…お母様の言ってた旅って…結界の張り直し…?」
「んー?神殿でこの服着て踊ってただけなんだけどね」
「シャナファ様…それ、結界の張り直しでございます…」
「だって!えへへ」
「…お母様…えへへじゃ、ない」
その後は怒涛の来客だった。
行方不明になっていた妖精姫が見つかったと各国要人が訪ねてきたのだ。
はじめに来た要人はロレアル国の両陛下だった。
揃って馬を飛ばし夜通し走ったのか翌日にはやって来た。
「妖精姫シャナファ様!我が国に囚われていたのに気付くことも出来ず誠に申し訳ありませんでしたぁ!」
国王様、ズザーッと見事なスライディング土下座。
「シャナファ様を不当に扱った侯爵家は断絶させます!一族郎党処刑する様をいつでもご覧頂けますよう地下牢に繋いでおりますぅう!」
スザザーッと王妃様も負けず劣らずなスライディング土下座。
両陛下…スライディング土下座がオジョウズダッタンデスネー。
「あらっ、まだ3歳の子も囚えているの?」
「もちろんで御座います!」
「可哀想だわぁ」
「仰るとお…え!?」
王様、目を白黒させている。
「まさか私がいた場所の使用人たちも?」
「もちろんです!」
「それは駄目!怒るわよ」
王妃様、狼狽えて王様に視線で助けを求めてる。
「「すぐ釈放するよう伝えますっ!!!」」
おぉ、声が揃ったわ。
「釈放だけじゃなくちゃんと生きていけるようにしてあげて!」
「「仰る通りにいたします!」」
国で見かけた時の威厳あふれる姿は微塵もない。
ヨレヨレのふらふらで必死に謝る両陛下。
なんだかいたたまれない。
かといってお母様はいつも通り。
(なんでここまで必死なのだろう)
見ていられないし不思議に思ったので誰かに聞いてみることにした。
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