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6 荷物
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もそもそと落ち葉テントから這い出るとすでにお母様がパンを炙っていた。
森に似つかわしくない、いい匂いが漂っている。
「あら、シェリーおはよう!マサオのおかげでお母様すっごく良く眠れちゃった♡」
良く眠れたは同意だけど朝からそんなテンション、私は出せない。
コクリと頷き焚き火の前に座る。
お母様に濡れたタオルとスープ皿に満たされた水を渡された。
「相変わらず朝が苦手ねぇ。でも食べ物も探しながら行かなきゃだし早く食べて出発するわよ!あちらで口をゆすいでいらっしゃい。顔を洗う代わりに濡れタオルを使えばいいわ。」
身支度をし、さきほどより目が覚め気付く。
お母様、火魔法を使えないのに火が起こってる…。
「火種が残ってたからよ?完全に消えてたらお母様じゃ火起こし出来ないわ」
あっけらかんと答えたけど火種からまた焚き火になるまで火を起こすのも初心者には中々に難しいのだけれども…。
私の中のマサオが驚きお陰でしっかり目が覚めた。
「出発前に持ち物を整理しましょうか」
それぞれリュックの荷物を出す。
私のリュックには
・着替え
・上着
・ブランケット
・虫除けの魔道具
・小さい植物図鑑
・タオル
お母様のリュックには
・上着
・ブランケット
・タオル数枚
・小刀
・細いロープ
・小袋数枚
カゴには
・包丁とまな板
・空の水筒2本
・小さい鍋とフライパン
・小さく切られた干し肉の入った紙袋
・木のお皿が4枚
・小型のバーナーとバーナーを動かす魔石
あとは
・割いて敷物にした布袋
・狩猟ナイフ
・縄2本
・ジャメリアの通貨の入った小袋
二人で荷物を眺め「うーん」と唸る。
「シェリーの火魔法があるからバーナーは置いて行って良さそうね。お皿も4枚もいらないかも?2枚だけ持ってきましょ。あとお母様の浄化魔法があるから着替えは無くて大丈夫と思うわよ。水魔法で洗って火魔法で乾かせば汚れても問題ないわ」
いらない物を避けていく。
「水筒、竹で出来てるし切ってコップにしても良いかも…。このままだと飲み物も入れにくいもんね」
今まで違和感なく使っていたがこの竹の水筒は若干使いにくい。
中を洗うのに小石を入れて洗うのを見た事があるのだが毎日そうして洗うのも面倒だ。
それにお母様の魔法の水がそのまま飲めるなら水筒は無くても困らない。
あと…昨日は「竹を見つけたら」とか思っていたけどマサオの世界と違ってこの辺りはその竹が珍しいのだ。
「いいわね、小さくなるしそうしましょっ!あとはー…」
こうして仕分けていった結果、荷物は
・2人分の上着
・ブランケット2枚
・虫除けの魔道具
・タオル数枚
・小刀
・細いロープ
・小袋数枚
・まな板
・水筒だったコップ2つ
・小さい鍋とフライパン
・小さく切られた干し肉の入った紙袋
・木のお皿2枚
・魔石
あとは
・割いて敷物にした布袋
・狩猟ナイフ
・縄2本
・ジャメリアの通貨の入った小袋
と、なった。
「カゴ…いる?」
狩猟ナイフを腰に下げればリュック2つに全て入りそうな為、置いていこうと思っていたカゴに小袋と干し肉、まな板、お皿をせっせと入れるお母様。
「んー…多分持って行った方が便利と思うのよね~…何となく。お母様が持つから大丈夫よー」
片手が塞がるカゴは岩登りに邪魔だと思ったけどお母様なら持っていても軽く登るだろう。
「じゃあフライパンとか重いものを私が持つわ。身体強化もあるみたいだし…」
整理し減らしたからか、身体強化を覚えたからか、鍋やフライパンをリュックに詰めて腰には狩猟ナイフを下げているが昨日に比べてかなり身軽だ。
これなら岩登りも苦じゃないと思ったのに、昨日の事があったので身軽なお母様が先に岩を登り安全を確認してくれた後で私が登る事になった。
マサオの記憶もあるし力も強くなったからだろうか。
想像していた以上に昨日より楽に登ることが出来る。
「早いし安定した登り方になったわねぇ」
なんて手を叩いて褒めてくれるお母様。
その向こう側に見える、登った先はまるで別世界だった。
今まで歩いてきた岩の下は、どこまでも落ち葉の絨毯で下草も少なかった。
おかげで真っ直ぐに進めたし、気持ちよく楽に歩いて来ることが出来た。
しかし目の前に広がるのは鬱蒼とした薄暗い森。
所々、陽の光がスポットライトのように差し込んでいるので下草もそれなりにある。
木の根もうねるように地面を這っていて「これぞ大自然!」というイメージそのままの森だった。
野生の生き物や魔物がいつ出てきてもおかしくない空気に不安が込み上げてきたのに、同時に何とも言えない高揚感が胸に広がる。
冒険心が刺激されワクワクとした気持ちが込み上げてきた不安を小さくしていった。
(マサオの記憶のおかげかしら)
ふうっと息をつき、気持ちを切り替えお母様の様子をチラッとみる。
「スゴい森ね~!キレイだわぁ♪」
昨日から薄々思うことがあったけど、お母様のメンタルは鋼で出来ているのかもしれない。
森に似つかわしくない、いい匂いが漂っている。
「あら、シェリーおはよう!マサオのおかげでお母様すっごく良く眠れちゃった♡」
良く眠れたは同意だけど朝からそんなテンション、私は出せない。
コクリと頷き焚き火の前に座る。
お母様に濡れたタオルとスープ皿に満たされた水を渡された。
「相変わらず朝が苦手ねぇ。でも食べ物も探しながら行かなきゃだし早く食べて出発するわよ!あちらで口をゆすいでいらっしゃい。顔を洗う代わりに濡れタオルを使えばいいわ。」
身支度をし、さきほどより目が覚め気付く。
お母様、火魔法を使えないのに火が起こってる…。
「火種が残ってたからよ?完全に消えてたらお母様じゃ火起こし出来ないわ」
あっけらかんと答えたけど火種からまた焚き火になるまで火を起こすのも初心者には中々に難しいのだけれども…。
私の中のマサオが驚きお陰でしっかり目が覚めた。
「出発前に持ち物を整理しましょうか」
それぞれリュックの荷物を出す。
私のリュックには
・着替え
・上着
・ブランケット
・虫除けの魔道具
・小さい植物図鑑
・タオル
お母様のリュックには
・上着
・ブランケット
・タオル数枚
・小刀
・細いロープ
・小袋数枚
カゴには
・包丁とまな板
・空の水筒2本
・小さい鍋とフライパン
・小さく切られた干し肉の入った紙袋
・木のお皿が4枚
・小型のバーナーとバーナーを動かす魔石
あとは
・割いて敷物にした布袋
・狩猟ナイフ
・縄2本
・ジャメリアの通貨の入った小袋
二人で荷物を眺め「うーん」と唸る。
「シェリーの火魔法があるからバーナーは置いて行って良さそうね。お皿も4枚もいらないかも?2枚だけ持ってきましょ。あとお母様の浄化魔法があるから着替えは無くて大丈夫と思うわよ。水魔法で洗って火魔法で乾かせば汚れても問題ないわ」
いらない物を避けていく。
「水筒、竹で出来てるし切ってコップにしても良いかも…。このままだと飲み物も入れにくいもんね」
今まで違和感なく使っていたがこの竹の水筒は若干使いにくい。
中を洗うのに小石を入れて洗うのを見た事があるのだが毎日そうして洗うのも面倒だ。
それにお母様の魔法の水がそのまま飲めるなら水筒は無くても困らない。
あと…昨日は「竹を見つけたら」とか思っていたけどマサオの世界と違ってこの辺りはその竹が珍しいのだ。
「いいわね、小さくなるしそうしましょっ!あとはー…」
こうして仕分けていった結果、荷物は
・2人分の上着
・ブランケット2枚
・虫除けの魔道具
・タオル数枚
・小刀
・細いロープ
・小袋数枚
・まな板
・水筒だったコップ2つ
・小さい鍋とフライパン
・小さく切られた干し肉の入った紙袋
・木のお皿2枚
・魔石
あとは
・割いて敷物にした布袋
・狩猟ナイフ
・縄2本
・ジャメリアの通貨の入った小袋
と、なった。
「カゴ…いる?」
狩猟ナイフを腰に下げればリュック2つに全て入りそうな為、置いていこうと思っていたカゴに小袋と干し肉、まな板、お皿をせっせと入れるお母様。
「んー…多分持って行った方が便利と思うのよね~…何となく。お母様が持つから大丈夫よー」
片手が塞がるカゴは岩登りに邪魔だと思ったけどお母様なら持っていても軽く登るだろう。
「じゃあフライパンとか重いものを私が持つわ。身体強化もあるみたいだし…」
整理し減らしたからか、身体強化を覚えたからか、鍋やフライパンをリュックに詰めて腰には狩猟ナイフを下げているが昨日に比べてかなり身軽だ。
これなら岩登りも苦じゃないと思ったのに、昨日の事があったので身軽なお母様が先に岩を登り安全を確認してくれた後で私が登る事になった。
マサオの記憶もあるし力も強くなったからだろうか。
想像していた以上に昨日より楽に登ることが出来る。
「早いし安定した登り方になったわねぇ」
なんて手を叩いて褒めてくれるお母様。
その向こう側に見える、登った先はまるで別世界だった。
今まで歩いてきた岩の下は、どこまでも落ち葉の絨毯で下草も少なかった。
おかげで真っ直ぐに進めたし、気持ちよく楽に歩いて来ることが出来た。
しかし目の前に広がるのは鬱蒼とした薄暗い森。
所々、陽の光がスポットライトのように差し込んでいるので下草もそれなりにある。
木の根もうねるように地面を這っていて「これぞ大自然!」というイメージそのままの森だった。
野生の生き物や魔物がいつ出てきてもおかしくない空気に不安が込み上げてきたのに、同時に何とも言えない高揚感が胸に広がる。
冒険心が刺激されワクワクとした気持ちが込み上げてきた不安を小さくしていった。
(マサオの記憶のおかげかしら)
ふうっと息をつき、気持ちを切り替えお母様の様子をチラッとみる。
「スゴい森ね~!キレイだわぁ♪」
昨日から薄々思うことがあったけど、お母様のメンタルは鋼で出来ているのかもしれない。
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