何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は

だましだまし

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あの一件のせいで異性とペアを組む時のルフィナの相手はすっかりセドナーだと定着してしまった。
それまではレリアンと組んでいたのに偉そうな態度でルフィナを誘い、仕方無しに組んでいると言わんばかりの言動を醸し出すセドナーには本当に腹立たしいが、レリアンも他の取り巻きがいるからかセドナーがルフィナと組むのに異論はないらしい。
それどころか2クラス合同だとシェルに付きまとっているのでコレ幸いと思っているかもしれない。

せっかくルフィナとシェルが良い感じだったのに、子爵家同士婚約すれば素敵だとか思っていたのに、なんと4人で遊びに行くのに苦言を呈する人が出てくるくらいルフィナの婚約者はセドナーと思われるようになっていた。
この状態はセドナーの策略で外堀を埋めてルフィナと婚約しようとしているのかと思えばもう一つ噂がある。

家のために身分の低すぎる相手と望まぬ婚約を強いられたセドナーと身分的に問題ないのに結ばれないレリアンの悲恋物語…。

何の障害もないからセドナーはレリアンとくっついとけ!と思うのだがレリアンもセドナーも否定しないから誤解は一向に解けず、ルフィナのため息は増えるばかりだ。
なんせ相手は侯爵家令息と伯爵家令嬢。
学園の生徒同士は無礼講とされているがどうしても爵位と力関係は比例する。
それに下位貴族なのに国内有数の資産家であるメロウェイ子爵家に妬みの感情を持つ子爵家、伯爵家の者は多い。そんな人達が面白がってセドナーとレリアンの悲恋物語の悪役かのようにルフィナの話も盛り込むのだ。

堂々とした嫌がらせは前と変わらずセドナーとレリアンと取り巻きが言い掛かりを付けてくるだけだが段々とルフィナの周りに人は減り、私達は孤立するようになっていった。
学年が上がると婚約者が出来た者も多くなり、親睦を深める為その相手と過ごす人が増えたので表立って目立ちはしなかったが、孤立しているのは相変わらずで嫌味も聞くようになった。
そんな日々なので私もディーダと予定通り婚約したが、なるべくルフィナの傍にいる。
しかし、その事さえ「レリアンだけで飽き足らず友達の恋路まで邪魔している」とルフィナの悪口にされてしまうのでルフィナは望んで1人でいるようになってしまった。
楽しかったディーダとシェルと4人で遊ぶのも時々こっそりとしか出来なく、どんどん頻度が少なくなっている。
万が一誰かに見られると私達に迷惑がかかるとルフィナが渋り、私達もルフィナが悪く言われるのが嫌なので行きにくくなってしまったからだ。

しかも最終学年に上がる頃にはシェルが家の事で忙しいらしく学校も休みがちになりルフィナもあまり学園に来なくなってしまって2人とは殆ど会えなくなってしまった。

楽しかった学園生活は卒業前には嘘のようにつまらない日々となり終わりを迎えようとしていた。
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