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「ひどいわっ!」
そう叫ぶように言うとワッと泣き出した1人の令嬢。
白い両の手で顔を覆い、震わせている肩は華奢なのに制服の上からでも胸元の豊かさが見て取れる。
緩やかに波打つ薄紫の髪は艶やかで、青い宝石の髪飾りの美しさが霞むようだ。
ここ、貴族高等学院の1年生の中でも平均より少々小柄な彼女のそんな姿は何とも庇護欲をかき立てられる。
しかし酷いのはそう叫んだ彼女、レリアン・シャーメ伯爵令嬢の方だと私は知っている。
被害者は今回もルフィナ・メロウェイ子爵令嬢である。
美しい金髪だが他の令嬢より短く、肩より下くらいの長さしかないルフィナはキリッとした顔立ちをしている。
しかし今はレリアンの髪飾りと似た青い色の大きな瞳にどこか諦めの色を宿して困ったような、悲しいような、なんとも言えない表情を浮かべていた。
彼女たちはタウンハウスが隣同士の幼なじみ。
何故下位貴族の子爵家が上位貴族である伯爵家のお隣さんかと言うと単に子爵家がお金持ちだから、だけではない。
お金持ちなのと、彼女の父親の実家が侯爵家なので伝手もあったのだ。
彼女の父親であるメロウェイ子爵はラドムス侯爵家の三男だった。
ラドムス侯爵家は王家とも繋がりがあるような格式高い家で爵位も幾つか保有していたのだろう。
通常は長男が纏めて相続していくのだが「兄弟の中でも飛び抜けて才覚が優れているから」と先代侯爵が特別に複数手掛けている事業のうちの一つと子爵位を三男に相続させた。
実際先代侯爵は慧眼の持ち主であったらしく、その事業を大きく、手広く育てて実家の侯爵家に引けを取らない規模に拡大し、それに伴って子爵家であるにもかかわらず莫大な資産を有しているのがルフィナの家である。
しかしルフィナは幼い頃から爵位が自分の方が下だからとレリアンにほとんど逆らわなかった。
父親が仕事人間で余り接する機会が無く、実家が子爵家の母親が基本ルフィナを育てたからだろうか?
百年前ならいざ知らず、現在は伯爵家の中でも下の方のシャーメ伯爵家相手なら飛ぶ鳥を落とす勢いのメロウェイ子爵家は何でもホイホイ聞かなくても良いのに「レリアン様のほうが爵位が上だから…」と聞き入れたり許したり…。
ルフィナの髪が他の令嬢たちより短いのはレリアンが半年ほど前、彼女の美しく長い髪に松ヤニをベッタリ付けて切る羽目になったからだ。
今レリアンが着けている髪飾りも元々はルフィナの物。
偶然を装った嫌がらせや言い掛かりを吹っ掛けて物を巻き上げるのがもはや珍しくない。
シャーメ伯爵夫人がメロウェイ子爵夫人に対して尊大な態度を取っているのだが、子世代もそれに倣えになってしまっている。
何故私が内情を詳しく知っているのかと言うと私はルフィナの従姉妹なのだ。
母同士が姉妹で仲が良く、それぞれメロウェイ子爵夫人とレグリ男爵夫人になった後も頻繁にお茶会をしているので小さな頃からよく顔を合わせている。
ただレリアンと私は遊んだことがない。
ルフィナと遊んでいる時に「伯爵家に来い」と呼びに来ることがたまにあったのだが「使用人もどきは来ないでね」と私が来ているのが分かるといちいち言ってくるのである。
彼女にとって男爵位は平民と大差ない使用人的な存在で友達として遊ぶなどとんでもない事なのだそうだ。
「ルフィナ!いい加減にしろ!いつもレリアン嬢を悲しませて!」
レリアンとルフィナの間に立ち、そんな事をほざきだした金髪に緑の目をした彼もルフィナの従兄妹だ。
私と違って父方の。
侯爵家次男、セドナー・ラドムスである。
「あぁ…レリアン嬢…どんな酷いことをされたんだい?」
気遣うようにレリアンの肩に手をやるセドナー。
それに合わせて顔を上げるレリアンは案の定涙なんて流していない。
濃い紫のちょっと垂れ過ぎじゃない?ってくらいの垂れ目でウルウルとセドナーを上目遣いに見上げる様に嫌悪を感じるのは同性だからだろうか?
「セドナー様ぁ…私の…私のお気に入りのペンが最近壊れたのを知っているのに…ルフィナったらよく似たペンを見せ付けてくるんですの…」
心の中で「嘘つけ!似たペンなんか見たことないっての」と毒づく。
確かにルフィナの手には真新しいペンが握られている。
先日私と一緒に街歩きした際に購入したものだ。
手入れが面倒だが美しい硝子ペン…に、見えるのに普通のペンのように使える少々高価なもので、私も伯母様に色違いでプレゼントしてもらった。
そして別に見せ付けてない。
勿体なくて私はまだ家に箱のまま飾っているのだが、お揃いなのに何故持ってきていないのかとルフィナが残念がっていた所にレリアンが来て喚き出したのだ。
「お前は金持ちのクセに本当に意地汚いな!そんな意地悪をするならペンの1つくらいお詫びにレリアンに渡してやれ!」
偉そうに指示するセドナーに言われるままペンをレリアンに渡しルフィナは無表情で教室を出ていった。
見送るクラスメイトの顔は呆れや憤りなど様々だが「またか」という空気も漂っている。
そんな微妙な空気など我関せずに二人の世界に浸っているレリアンとセドナー。
「いいのでしょうか?」と戸惑った演技のレリアンに「君に謝罪もせず従妹がすまない」などと返しドヤ顔してるセドナーが私は大嫌いだ。
こんな感じのレリアン信者が実は複数人いるのには呆れしか無い。
何故レリアンなんかがモテるのか、やはり男は垂れ目な巨乳に弱いのかなどと解けない謎にモヤモヤしながらルフィナを追いかけると教室から少し離れた廊下の窓から外を眺めていた。
「ライラ…ゴメンね。せっかくお揃いで買ってもらったのに…」
私に気付き謝ってくるルフィナ。
「ルフィナが謝る事無いよー!勿体なくてまだ使えてなかったし!でももし買い直すなら今度こそ一緒に使おうね!」
なるべく明るい声で笑顔で返すとルフィナも少し笑ってくれた。
「じゃあまたあのお店に一緒に行きたいな。今度はあの時に気になったカフェにも寄りたいの」
正直あのペンを買ったお店は高級感溢れてて若干気後れするし、気になったカフェというのもカフェというよりお高めのレストランだった気がするが…その辺の金銭感覚の差は…まぁ…育った環境の違いってやつである。
その辺を理解している伯母様はいつも「私たち男爵家母娘にはお高い」と感じであろうお店では母と私の分も自身の予算から出してくれている。
しかしそれだけに高級なお店は別な意味でも気も使うのだが…ルフィナの為にも今回は遠慮を口にするよりも「楽しみだ」と返しておいた。
そう叫ぶように言うとワッと泣き出した1人の令嬢。
白い両の手で顔を覆い、震わせている肩は華奢なのに制服の上からでも胸元の豊かさが見て取れる。
緩やかに波打つ薄紫の髪は艶やかで、青い宝石の髪飾りの美しさが霞むようだ。
ここ、貴族高等学院の1年生の中でも平均より少々小柄な彼女のそんな姿は何とも庇護欲をかき立てられる。
しかし酷いのはそう叫んだ彼女、レリアン・シャーメ伯爵令嬢の方だと私は知っている。
被害者は今回もルフィナ・メロウェイ子爵令嬢である。
美しい金髪だが他の令嬢より短く、肩より下くらいの長さしかないルフィナはキリッとした顔立ちをしている。
しかし今はレリアンの髪飾りと似た青い色の大きな瞳にどこか諦めの色を宿して困ったような、悲しいような、なんとも言えない表情を浮かべていた。
彼女たちはタウンハウスが隣同士の幼なじみ。
何故下位貴族の子爵家が上位貴族である伯爵家のお隣さんかと言うと単に子爵家がお金持ちだから、だけではない。
お金持ちなのと、彼女の父親の実家が侯爵家なので伝手もあったのだ。
彼女の父親であるメロウェイ子爵はラドムス侯爵家の三男だった。
ラドムス侯爵家は王家とも繋がりがあるような格式高い家で爵位も幾つか保有していたのだろう。
通常は長男が纏めて相続していくのだが「兄弟の中でも飛び抜けて才覚が優れているから」と先代侯爵が特別に複数手掛けている事業のうちの一つと子爵位を三男に相続させた。
実際先代侯爵は慧眼の持ち主であったらしく、その事業を大きく、手広く育てて実家の侯爵家に引けを取らない規模に拡大し、それに伴って子爵家であるにもかかわらず莫大な資産を有しているのがルフィナの家である。
しかしルフィナは幼い頃から爵位が自分の方が下だからとレリアンにほとんど逆らわなかった。
父親が仕事人間で余り接する機会が無く、実家が子爵家の母親が基本ルフィナを育てたからだろうか?
百年前ならいざ知らず、現在は伯爵家の中でも下の方のシャーメ伯爵家相手なら飛ぶ鳥を落とす勢いのメロウェイ子爵家は何でもホイホイ聞かなくても良いのに「レリアン様のほうが爵位が上だから…」と聞き入れたり許したり…。
ルフィナの髪が他の令嬢たちより短いのはレリアンが半年ほど前、彼女の美しく長い髪に松ヤニをベッタリ付けて切る羽目になったからだ。
今レリアンが着けている髪飾りも元々はルフィナの物。
偶然を装った嫌がらせや言い掛かりを吹っ掛けて物を巻き上げるのがもはや珍しくない。
シャーメ伯爵夫人がメロウェイ子爵夫人に対して尊大な態度を取っているのだが、子世代もそれに倣えになってしまっている。
何故私が内情を詳しく知っているのかと言うと私はルフィナの従姉妹なのだ。
母同士が姉妹で仲が良く、それぞれメロウェイ子爵夫人とレグリ男爵夫人になった後も頻繁にお茶会をしているので小さな頃からよく顔を合わせている。
ただレリアンと私は遊んだことがない。
ルフィナと遊んでいる時に「伯爵家に来い」と呼びに来ることがたまにあったのだが「使用人もどきは来ないでね」と私が来ているのが分かるといちいち言ってくるのである。
彼女にとって男爵位は平民と大差ない使用人的な存在で友達として遊ぶなどとんでもない事なのだそうだ。
「ルフィナ!いい加減にしろ!いつもレリアン嬢を悲しませて!」
レリアンとルフィナの間に立ち、そんな事をほざきだした金髪に緑の目をした彼もルフィナの従兄妹だ。
私と違って父方の。
侯爵家次男、セドナー・ラドムスである。
「あぁ…レリアン嬢…どんな酷いことをされたんだい?」
気遣うようにレリアンの肩に手をやるセドナー。
それに合わせて顔を上げるレリアンは案の定涙なんて流していない。
濃い紫のちょっと垂れ過ぎじゃない?ってくらいの垂れ目でウルウルとセドナーを上目遣いに見上げる様に嫌悪を感じるのは同性だからだろうか?
「セドナー様ぁ…私の…私のお気に入りのペンが最近壊れたのを知っているのに…ルフィナったらよく似たペンを見せ付けてくるんですの…」
心の中で「嘘つけ!似たペンなんか見たことないっての」と毒づく。
確かにルフィナの手には真新しいペンが握られている。
先日私と一緒に街歩きした際に購入したものだ。
手入れが面倒だが美しい硝子ペン…に、見えるのに普通のペンのように使える少々高価なもので、私も伯母様に色違いでプレゼントしてもらった。
そして別に見せ付けてない。
勿体なくて私はまだ家に箱のまま飾っているのだが、お揃いなのに何故持ってきていないのかとルフィナが残念がっていた所にレリアンが来て喚き出したのだ。
「お前は金持ちのクセに本当に意地汚いな!そんな意地悪をするならペンの1つくらいお詫びにレリアンに渡してやれ!」
偉そうに指示するセドナーに言われるままペンをレリアンに渡しルフィナは無表情で教室を出ていった。
見送るクラスメイトの顔は呆れや憤りなど様々だが「またか」という空気も漂っている。
そんな微妙な空気など我関せずに二人の世界に浸っているレリアンとセドナー。
「いいのでしょうか?」と戸惑った演技のレリアンに「君に謝罪もせず従妹がすまない」などと返しドヤ顔してるセドナーが私は大嫌いだ。
こんな感じのレリアン信者が実は複数人いるのには呆れしか無い。
何故レリアンなんかがモテるのか、やはり男は垂れ目な巨乳に弱いのかなどと解けない謎にモヤモヤしながらルフィナを追いかけると教室から少し離れた廊下の窓から外を眺めていた。
「ライラ…ゴメンね。せっかくお揃いで買ってもらったのに…」
私に気付き謝ってくるルフィナ。
「ルフィナが謝る事無いよー!勿体なくてまだ使えてなかったし!でももし買い直すなら今度こそ一緒に使おうね!」
なるべく明るい声で笑顔で返すとルフィナも少し笑ってくれた。
「じゃあまたあのお店に一緒に行きたいな。今度はあの時に気になったカフェにも寄りたいの」
正直あのペンを買ったお店は高級感溢れてて若干気後れするし、気になったカフェというのもカフェというよりお高めのレストランだった気がするが…その辺の金銭感覚の差は…まぁ…育った環境の違いってやつである。
その辺を理解している伯母様はいつも「私たち男爵家母娘にはお高い」と感じであろうお店では母と私の分も自身の予算から出してくれている。
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