ライバル悪役令嬢に転生したハズがどうしてこうなった!?

だましだまし

文字の大きさ
上 下
4 / 35

4

しおりを挟む
この小さな石が宝石に変わる!
無くさないようにしっかりと握りしめ眠りについた。

なのに朝、何色に変わったのかワクワクしながら手の平を見ると無い!
どうやら寝てる間に手を開いてしまったらしい。

バッサバッサと探しているとメイドが3人入ってきた。
子供なので寝てる間に無くすのはあるあるらしくセルディも今まさに探しているそうだ。

「お嬢様!ありましたよ!」
メイドたち3人と私では見付からず、セルディの石を見付けたメイドたちとセルディ、侍女のレリーヌを加えた総勢9人で探したところなんと寝室に置いてあったキャビネットの下から出て来た。
あろうことか寝てる間に投げてたらしい…。

恥ずかしかったけどアクアマリンのような水色の宝石に凹んでいたセルディが笑ってくれたから良しとしよう。

見付けたレリーヌが大事そうに包んでいた手の平を開き宝石を渡してくれる。
煌めく青い宝石を光にかざすとキラッと黄色い筋が入っていた。
それを見たレリーヌはキャアと歓声を上げる。

「急ぎ旦那様と奥様に報告して!2属性よ!」

メイドたちもワッと歓声を上げ走っていった。

(ランダムは土属性だわ!防御系だしラッキーね!私が水属性ということはヒロインはピンクの髪の炎属性ね)

ヒロインが2属性なのでライバルのディルアーナも2属性持っている。
そしてディルアーナのメイン属性はヒロインのサブ属性選択で決まるがサブ属性はランダムなのである。
メインの相性は絶対ヒロインのサブ属性に不利な魔法なのでサブ属性が強いとプレイヤー的にはしんどい。
土属性は脅威ではないが中々倒せなくなるのでプレイヤー的には厄介な部類の属性だった。

ふと宝石から視線を部屋に戻すとセルディがまたしょんぼりと落ち込んでいる。

「お兄様、お兄様も光に翳してみてはいかが?」
「こんな薄い色だもん…翳すまでもないよ…」
そう言いつつ素直に私のように翳すセルディ可愛い。

確かにセルディの石は氷属性しかないように見える。
しかし覚える魔法の中に水魔法があったのだ。
体験版で覚えるくらいだからサブ属性だろう。

「お兄様、影をご覧になって?」
「影を…?あ!」

光を受けて白い敷物に美しい水色の影が差す。
その影は下に行くほど濃く青味がかっていた。
「濃淡がありますわ。お父様とお母様に確認してもらいましょうよ」
「うん…うんっ!」

期待に満ちた兄の手を引き両親が待つであろう食堂へと仲良く走っていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】貴方たちはお呼びではありませんわ。攻略いたしません!

宇水涼麻
ファンタジー
アンナリセルはあわてんぼうで死にそうになった。その時、前世を思い出した。 前世でプレーしたゲームに酷似した世界であると感じたアンナリセルは自分自身と推しキャラを守るため、攻略対象者と距離を置くことを願う。 そんな彼女の願いは叶うのか? 毎日朝方更新予定です。

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。

よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。

悪役令嬢は天然

西楓
恋愛
死んだと思ったら乙女ゲームの悪役令嬢に転生⁉︎転生したがゲームの存在を知らず天然に振る舞う悪役令嬢に対し、ゲームだと知っているヒロインは…

婚約破棄感謝します!~え!?なんだか思ってたのと違う~

あゆむ
ファンタジー
ラージエナ王国の公爵令嬢である、シーナ・カルヴァネルには野望があった。 「せっかく転生出来たんだし、目一杯楽しく生きなきゃ!!」 だがどうやらこの世界は『君は儚くも美しき華』という乙女ゲームで、シーナが悪役令嬢、自分がヒロインらしい。(姉談) シーナは婚約破棄されて国外追放になるように努めるが……

破滅を逃れようとした、悪役令嬢のお話

志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥その恋愛ゲームは、一見するとただの乙女ゲームの一つだろう。 けれども、何故かどの選択肢を選んだとしても、確実に悪役令嬢が破滅する。 そんなものに、何故かわたくしは転生してしまい‥‥‥いえ、絶望するのは早いでしょう。 そう、頑張れば多分、どうにかできますもの!! これは、とある悪役令嬢に転生してしまった少女の話である‥‥‥‥ ――――――― (なお、この小説自体は作者の作品「帰らずの森のある騒動記」中の「とある悪魔の記録Ver.2その1~6」を大幅に簡略したうえで、この悪役令嬢視点でお送りしています。細かい流れなどを見たいのであれば、どちらもどうぞ)

処理中です...